1-2. 現げん在ざい，私わたしたちはどんなものを失うしなってしまうことがありますか。失うしなった時ときどう感かんじますか。

 子こ供どもが悲かなしそうに泣ないています。大だい好すきなおもちゃをなくしてしまったようです。でも，親おやがおもちゃを見みつけてあげると，子こ供どもの顔かおはぱっと明あかるくなります。親おやにとっておもちゃを見みつけるのは簡かん単たんなことかもしれませんが，子こ供どもは驚おどろいて大おお喜よろこびします。もう二に度どと戻もどってこないと思おもっていたおもちゃで，また遊あそべるようになったからです。

² 最さい高こうの親おやであるエホバは，地ち上じょうにいる子こ供どもたちにとっては二に度どと元もとに戻もどらないと思おもえるものさえ元もと通どおりにすることができます。もちろん，単たんなるおもちゃの話はなしではありません。今いまは「困こん難なんで危き機き的てきな時とき」なので，私わたしたちはずっと大だい事じなものを失うしなってしまうことがあります。（テモテ第だい二に 3:1-5）家いえ，財ざい産さん，仕し事ごと，健けん康こうなどです。また，悲かなしいことに，環かん境きょう破は壊かいによってたくさんの生せい物ぶつが絶ぜつ滅めつしています。何なによりもつらいのは，家か族ぞくや友ゆう人じんを亡なくした時ときでしょう。喪そう失しつ感かんや無む力りょく感かんに襲おそわれます。（サムエル第だい二に 18:33）

3. 使し徒と 3章しょう21節せつには，励はげみになるどんな見み込こみが書かかれていますか。エホバはそれを実じつ現げんさせるために何なにを使つかいますか。

³ ですから，エホバの回かい復ふくさせる力ちからについて学まなぶと，とても慰なぐさめられます。神かみは地ち上じょうにいる子こ供どもたちのためにいろいろなものを元もとに戻もどすことができ，実じっ際さいにそうしてくださいます。聖せい書しょによると，エホバは「全すべての事こと柄がら[を]回かい復ふく」させようとしています。（使し徒と 3:21）そのために，自じ分ぶんの子こであるイエス･キリストが治おさめるメシア王おう国こくを使つかいます。その王おう国こくの政せい府ふは天てんにあり， 1914年ねんに統とう治ちを始はじめました。 a （マタイ 24:3-14）では，具ぐ体たい的てきに何なにが回かい復ふくされるのでしょうか。これから，エホバによる壮そう大だいな回かい復ふくについて少すこし考かんがえてみましょう。私わたしたちがすでに実じっ感かんしているものもありますし，将しょう来らいに大だい規き模ぼに実じつ現げんするものもあります。

4-5. 紀き元げん前ぜん607年ねんに神かみの民たみにどんなことが起おきましたか。エホバはどんな希き望ぼうを与あたえていましたか。

⁴ エホバがすでに回かい復ふくさせたものの1つは，清きよい崇すう拝はいです。どういうことかを理り解かいするために，ユダ王おう国こくの歴れき史しを手て短みじかに振ふり返かえってみましょう。エホバの回かい復ふくさせる力ちからがどれほど素す晴ばらしいかがよく分わかります。（ローマ 15:4）

⁵ 紀き元げん前ぜん607年ねんにエルサレムが滅ほろぼされた時とき，忠ちゅう実じつなユダヤ人じんたちがどう思おもったか想そう像ぞうしてみてください。愛あい着ちゃくのある都と市しが破は壊かいされ，城じょう壁へきも崩くずれています。エホバへの清きよい崇すう拝はいの中ちゅう心しん地ちだった，ソロモンが建たてた壮そう麗れいな神しん殿でんも，廃はい虚きょと化かしました。（詩し編へん 79:1）生いき残のこった人ひとたちは捕ほ虜りょとしてバビロンに連つれていかれ，誰だれもいなくなった故こ国こくは荒あれ果はてて，野や生せい動どう物ぶつがうろつき回まわるようになりました。（エレミヤ 9:11）何なにもかも失うしなわれてしまったように思おもえたことでしょう。（詩し編へん 137:1）しかし，この滅ほろびをずっと前まえに予よ告こくしていたエホバは，やがて回かい復ふくの時ときが来くるという希き望ぼうも与あたえていました。

6-8. （ア）ヘブライ人じんの預よ言げん者しゃたちは何なにについて繰くり返かえし書かきましたか。そうした預よ言げんは古こ代だいにどのように部ぶ分ぶん的てきに実じつ現げんしましたか。（イ）回かい復ふくの預よ言げんは現げん代だいにどのように実じつ現げんしていますか。

 ⁶ ヘブライ人じんの預よ言げん者しゃたちは，繰くり返かえし回かい復ふくについて書かいていました。 b 書かかれた預よ言げんを読よむと分わかるように，エホバはイスラエルの土と地ちが元もと通どおり肥ひ沃よくになって再ふたたび人ひとが住すむようになり，野や獣じゅうや敵てきから守まもられるということを約やく束そくしていました。その土と地ちはあたかもパラダイスのようになるのです。（イザヤ 65:25。エゼキエル 34:25; 36:35）何なによりも，清きよい崇すう拝はいが再ふたたび行おこなわれるようになり，神しん殿でんも再さい建けんされることになっていました。（ミカ 4:1-5）こうした預よ言げんは捕ほ囚しゅうにされたユダヤ人じんに希き望ぼうを与あたえ，バビロンで70年ねん間かん耐たえるのに役やく立だちました。

⁷ ついに回かい復ふくの時ときが来きます。ユダヤ人じんたちはバビロン捕ほ囚しゅうから解かい放ほうされてエルサレムに戻もどり，エホバの神しん殿でんを再さい建けんしました。（エズラ 1:1，2）ユダヤ人じんが清きよい崇すう拝はいを行おこない続つづける限かぎり，エホバは彼かれらを祝しゅく福ふくし，肥ひ沃よくな土と地ちで繁はん栄えいさせました。また，敵てきや野や獣じゅうから彼かれらを守まもりました。エホバの回かい復ふくさせる力ちからを実じっ感かんして，民たみは大おお喜よろこびしたことでしょう。しかし当とう時じは，回かい復ふくの預よ言げんが部ぶ分ぶん的てきに実じつ現げんしたにすぎませんでした。ずっと昔むかしに約やく束そくされた通とおり，ダビデの子し孫そんが王おうになる「最さい後ごの日ひ々び」つまり私わたしたちの時じ代だいに，回かい復ふくの預よ言げんはもっと大だい規き模ぼに実じつ現げんすることになっていました。（イザヤ 2:2-4; 9:6，7）

⁸ イエスは，1914年ねんに天てんで王おうになって間まもなく，地ち上じょうで忠ちゅう実じつに神かみに仕つかえている人ひとたちが再ふたたび神かみを正ただしく崇すう拝はいできるように助たすけ始はじめました。紀き元げん前ぜん537年ねんにペルシャ人じんの征せい服ふく者しゃキュロスがユダヤ人じんたちをバビロンから自じ由ゆうにしたように，イエスは自じ分ぶんに従したがうクリスチャンたちを「大おおいなるバビロン」つまり間ま違ちがった宗しゅう教きょう全すべてから自じ由ゆうにしました。（啓けい示じ 18:1-5。ローマ 2:29）1919年ねん以い降こう，清きよい崇すう拝はいが回かい復ふくされ，エホバの民たみは清きよめられた比ひ喩ゆ的てき な神しん殿でんでエホバを崇すう拝はいしています。（マラキ 3:1-5）比ひ喩ゆ的てきな神しん殿でんは，清きよい崇すう拝はいのためのエホバの取とり決きめを表あらわしています。その取とり決きめに沿そってエホバを崇すう拝はいすることが大たい切せつなのはどうしてでしょうか。

9. 使し徒との時じ代だいが終おわった後あと，いろいろなキリスト教きょう会かいの聖せい職しょく者しゃたちはどんなことをしましたか。しかし，エホバは現げん代だいに何なにをしましたか。

⁹ 1世せい紀き以い降こうの歴れき史しを少すこし振ふり返かえってみましょう。1世せい紀きのクリスチャンはエホバを正ただしく崇すう拝はいし，たくさんの祝しゅく福ふくを味あじわっていました。しかし，イエスや使し徒とたちは，やがて人ひと々びとが神かみを正ただしく崇すう拝はいしなくなる時ときが来くると予よ告こくしました。（マタイ 13:24-30。使し徒と 20:29，30）使し徒との時じ代だいが終おわった後あと，いろいろなキリスト教きょう会かいが存そん在ざいするようになり，聖せい職しょく者しゃたちは異い教きょうの教おしえや慣かん行こうを取とり入いれました。神かみは三さん位み一いっ体たいだという不ふ可か解かいな説せつ明めいをしたり，神かみにではなく司し祭さいに罪つみを告こく白はくするよう勧すすめたり，マリアやさまざまな“聖せい人じん”に祈いのるよう教おしえたりして，神かみに近ちかづくのを非ひ常じょうに難むずかしくしました。そのような悪わるい状じょう態たいが何なん世せい紀きも続つづいた後あと，エホバは何なにをしたでしょうか。間ま違ちがった宗しゅう教きょうの教おしえや汚けがれた行おこないがはびこる世よの中なかで，清きよい崇すう拝はいを回かい復ふくさせたのです。これは極きわめて重じゅう要ような出で来き事ごとでした。

10-11. （ア）比ひ喩ゆ的てきなパラダイスは主おもにどんな2つのもので成なり立たっていますか。私わたしたちはどんな恩おん恵けいを受うけていますか。（イ）エホバは比ひ喩ゆ的てきなパラダイスにどんな人ひとたちを集あつめ入いれてきましたか。その人ひとたちは何なにを目めにしますか。

¹⁰ エホバが清きよい崇すう拝はいを回かい復ふくさせたおかげで，真しんのクリスチャンは比ひ喩ゆ的てきなパラダイスの中なかにいられるようになりました。比ひ喩ゆ的てきなパラダイスとは，真しんの神かみを崇すう拝はいできる，安あん全ぜんで神かみから豊ゆたかに恵めぐまれた環かん境きょうもしくは状じょう態たいのことです。発はっ展てんを続つづけるこのパラダイスは，主おもに2つのもので成なり立たっています。1つは，真しんの神かみエホバへの清きよい崇すう拝はいです。エホバは，うそでゆがめられていない正ただしい崇すう拝はいの方ほう法ほうを教おしえてくださいました。また，信しん仰こうを強つよめる食しょく物もつも与あたえてくれています。そのおかげで，私わたしたちは天てんの父ちちについて知しることができ，どうすればエホバに喜よろこばれてエホバとの絆きずなを強つよめられる かが分わかります。（ヨハネ 4:24）比ひ喩ゆ的てきなパラダイスを成なり立たたせている2つ目めのものは，そこにいる人ひとたちです。イザヤが予よ告こくした通とおり，「最さい後ごの日ひ々び」にエホバは自じ分ぶんを崇すう拝はいする人ひとたちに平へい和わな生いき方かたを教おしえ，戦たたかったり争あらそったりしないように導みちびいてきました。不ふ完かん全ぜんな私わたしたちが「新あたらしい人じん格かく」を身みに着つけ，聖せいなる力ちからが生うみ出だす良よい性せい質しつを表あらわせるように助たすけてくれています。（エフェソス 4:22-24。ガラテア 5:22，23）聖せいなる力ちからに導みちびかれている人ひとは，確たしかに比ひ喩ゆ的てきなパラダイスの中なかにいると言いえます。

¹¹ エホバはこの比ひ喩ゆ的てきなパラダイスに，神かみを愛あいし，平へい和わを愛あいし，「神かみの導みちびきが必ひつ要ようであることを自じ覚かくしている」人ひとたちを集あつめ入いれてきました。（マタイ 5:3）エホバに愛あいされるそのような人ひとたちは，さらに素す晴ばらしい回かい復ふくを目めにすることになります。人じん類るいと地ち球きゅう全ぜん体たいが元もとの良よい状じょう態たいに戻もどるのです。

12-13. （ア）清きよい崇すう拝はいの回かい復ふくだけでなく，どんなことが実じつ現げんすることになっていますか。（イ）エホバはどんな目もく的てきで地ち球きゅうを造つくりましたか。私わたしたちが良よい将しょう来らいを期き待たいできるのはどうしてですか。

¹² 預よ言げんされていたのは，清きよい崇すう拝はいの回かい復ふくだけではありません。例たとえばイザヤによれば，病びょう気きの人ひと，足あしが不ふ自じ由ゆうな人ひと，目めが見みえない人ひと，耳みみが聞きこえない人ひとなどが癒いやされ，死しが永えい久きゅうにのみ込こまれる時ときが来くることになっていました。（イザヤ 25:8; 35:1-7）そうした約やく束そくは，古こ代だいイスラエルでは文も字じ通どおりには実じつ現げんしませんでした。現げん代だいでも比ひ喩ゆ的てきな意い味みではすでに実じつ現げんしていますが，将しょう来らいにはもっと全ぜん面めん的てきに実じつ現げんすると確かく信しんできます。どうしてでしょうか。

¹³ かつてエデンで，エホバは地ち球きゅうを造つくった目もく的てきを明あきらかにしました。地ち球きゅうには健けん康こうな人にん間げんが家か族ぞくとして幸しあわせに暮くらし，地ち球きゅうや全すべての生いき物ものを管かん理りし，地ち球きゅう全ぜん体たいをパラダイスに変かえることになっていました。（創そう世せい記き 1:28）現げん在ざいの状じょう況きょうはそれとは懸かけ離はなれていますが，エホバの目もく的てきは必かならず果はたされます。（イザヤ 55:10，11）エホバに任にん命めいされたメシアである王おうイエスが，確かく実じつに地ち球きゅうをパラダイスにします。（ルカ 23:43）

14-15. （ア）エホバはどのように「全すべてのものを新あたらしく」しますか。（イ）パラダイスではどんな生せい活かつができますか。あなたは特とくにどんなことが楽たのしみですか。

 ¹⁴ 地ち球きゅう全ぜん体たいがパラダイスになる時ときのことを想そう像ぞうしてください。エホバはその時とき，「見みなさい！ 私わたしは全すべてのものを新あたらしくしている」と言いいます。（啓けい示じ 21:5）どうなるのでしょうか。エホバが破は壊かいする力ちからを使つかって邪じゃ悪あくな世せ界かいを滅ほろぼすと，「新あたらしい天てんと新あたらしい地ち」がそれに取とって代かわります。新あたらしい政せい府ふが天てんから，新あたらしい地ち上じょうの社しゃ会かいを治おさめるのです。その時とき地ち上じょうには，エホバを愛あいし，エホバの望のぞまれることを行おこなう人ひとたちしかいません。（ペテロ第だい二に 3:13）サタンと邪じゃ悪あくな天てん使したちは，何なにもできないようにされます。（啓けい示じ 20:3）人じん類るいの歴れき史しが始はじまってから何なん千ぜん年ねんもたってようやく，人ひとは憎にくしみに満みちたサタンの悪わるい影えい響きょうを受うけなくなるのです。本ほん当とうにほっとするに違ちがいありません。

¹⁵ 私わたしたちは，神かみがもともと思おもい描えがいていた通とおりに，この美うつくしい地ち球きゅうを管かん理りできるようになります。地ち球きゅうには自し然ぜんに回かい復ふくする力ちからもあります。汚お染せんされた湖みずうみや川かわは，汚お染せん源げんさえなくなれば，自じ浄じょう作さ用ようが働はたらきます。戦たたかいで荒あらされた野の山やまも，戦せん争そうがなくなれば元もと通どおりになっていきます。そのように地ち球きゅうが美うつくしくなっていくのを手て助だすけできるのは，本ほん当とうにうれしいことです。地ち球きゅう全ぜん体たいが，動どう物ぶつや植しょく物ぶつでいっぱいの，エデンの園そののような美うつくしい楽らく園えんになるのです。人にん間げんは動どう植しょく物ぶつを絶ぜつ滅めつさせてしまったりせず，上じょう手ずに共きょう存ぞんできるようになります。子こ供どもを含ふくめ，誰だれも野や生せい動どう物ぶつを恐おそれることなく，平へい和わに暮くらせます。（イザヤ 9:6，7; 11:1-9）

16. 忠ちゅう実じつな人ひとたち一人ひとり一人ひとりは，パラダイスでどんな回かい復ふくを経けい験けんしますか。

¹⁶ 人にん間げん一人ひとり一人ひとりも，奇き跡せきによる回かい復ふくを経けい験けんします。ハルマゲドンの後あと，生いき残のこった世せ界かい中じゅうの人ひとたちが癒いやされます。イエスは，地ち上じょうにいた時ときにしたのと同おなじように，目めが見みえない人ひとが見みえるようにし，耳みみが聞きこえない人ひとが聞きこえるようにし，手て足あしが不ふ自じ由ゆうな人ひとや病びょう気きの人ひとを治なおします。（マタイ 15:30）年としを取とった人ひとは，若わかい時ときのような体たい力りょくや健けん康こうを取とり戻もどします。（ヨブ 33:25）しわは消きえ，手て足あしに力ちからがみなぎります。全すべての人ひとは，罪つみと不ふ完かん全ぜん さの影えい響きょうが徐じょ々じょに消きえていくのを感かんじます。あらゆるものを回かい復ふくさせる素す晴ばらしい力ちからを持もつエホバ神かみに，心こころから感かん謝しゃしたくなることでしょう。では，その胸むねの躍おどるような回かい復ふくの時ときに起おきる，特とくに感かん動どう的てきなことに注ちゅう目もくしてみましょう。

17-18. （ア）イエスがサドカイ派はの人ひとたちを非ひ難なんしたのはどうしてですか。（イ）エリヤの時じ代だいにどんな出で来き事ごとがありましたか。

¹⁷ 西せい暦れき1世せい紀きに，サドカイ派はの指し導どう者しゃたちは復ふっ活かつを信しんじていませんでした。イエスはその人ひとたちを非ひ難なんし，こう言いいました。「あなた方がたは考かんがえ違ちがいをしています。聖せい書しょも神かみの力ちからも知しらないからです」。（マタイ 22:29）聖せい書しょを読よむと，エホバに人ひとを生いき返かえらせる力ちからがあることがはっきり分わかります。どんな例れいがあるでしょうか。

¹⁸ エリヤの時じ代だいの出で来き事ごとについて考かんがえてみましょう。あるやもめが，死しんでしまった一人ひとり息子むすこを抱だきかかえています。しばらくやもめの家いえに滞たい在ざいしていたエリヤは，ショックを受うけたに違ちがいありません。以い前ぜんにその子こが飢うえ死じにしないように助たすけていたので，愛あい着ちゃくを感かんじていたことでしょう。母はは親おやは深ふかく悲かなしんでいます。夫おっとが亡なくなった後あと，残のこされた息子むすこだけが心こころの支ささえでした。年としを取とったら息子むすこに面めん倒どうを見みてもらおうと思おもっていたかもしれません。やもめは取とり乱みだし，過か去こに犯おかした罪つみのせいで神かみから処しょ罰ばつされているのではないかと考かんがえました。エリヤは気きの毒どくでたまらなくなり，亡なくなった子こ供どもを母はは親おやから受うけ取とって自じ分ぶんの部へ屋やに抱かかえて上あがります。そして，この子こに命いのちを戻もどしてください，とエホバ神かみにお願ねがいします。（列れつ王おう第だい一いち 17:8-21）

19-20. （ア）アブラハムが，エホバには人ひとを生いき返かえらせる力ちからがあると信しんじていたのはどうしてですか。その信しん仰こうをどのように示しめしましたか。（イ）エリヤの信しん仰こうはどのように報むくわれましたか。

¹⁹ エリヤは，復ふっ活かつを信しんじた最さい初しょの人ひとではありませんでした。何なん世せい紀きも前まえにアブラハムも，エホバには人ひとを生いき返かえらせる力ちからがあると信しんじていました。それにはもっともな理り由ゆうがありました。アブラハムが100歳さい，サラが90歳さいの 時とき，エホバは奇き跡せきによって2人ふたりのいわば死しんでいた生せい殖しょく力りょくを回かい復ふくさせ，サラが子こ供どもを産うめるようにしたのです。（創そう世せい記き 17:17; 21:2，3）後のちに，その男おとこの子こが大人おとなになってから，エホバはアブラハムにその子こを犠ぎ牲せいとして捧ささげてほしいと言いいました。アブラハムは信しん仰こうを示しめし，愛あいするイサクをエホバは生いき返かえらせることができると考かんがえました。（ヘブライ 11:17-19）そのような強つよい信しん仰こうがあったからこそ，アブラハムは息子むすこを捧ささげるために山やまに登のぼる前まえに，従じゅう者しゃたちに息子むすこと一いっ緒しょに戻もどってくると言いったのでしょう。（創そう世せい記き 22:5）

²⁰ エホバはイサクが死しななくて済すむようにしたので，その時ときは復ふっ活かつという奇き跡せきを行おこなう必ひつ要ようはありませんでした。エリヤの場ば合あいには，やもめの息子むすこは死しんでいました。でもエホバは，エリヤの願ねがいを聞きき入いれて，その子こを生いき返かえらせました。エリヤの信しん仰こうは報むくわれたのです。エリヤはその子こを母はは親おやの所ところに連つれていき，「見みてください。あなたの息子むすこは生いきています」と言いいました。やもめはその時ときのことを一いっ生しょう忘わすれなかったでしょう。（列れつ王おう第だい一いち 17:22-24）

21-22. （ア）聖せい書しょに記き録ろくされている復ふっ活かつについて読よむと，どんな気き持もちになりますか。（イ）パラダイスではどれほどの人ひとが復ふっ活かつしますか。そのために誰だれが行こう動どうしてくれますか。

²¹ これは，エホバが回かい復ふくさせる力ちからを使つかって人ひとを生いき返かえらせた最さい初しょの例れいです。聖せい書しょに記き録ろくされている通とおり，エホバは後のちにエリシャ，イエス，パウロ，ペテロにも力ちからを与あたえ，死しんだ人ひとを生いき返かえらせました。もちろん，当とう時じ復ふっ活かつした人ひとたちはやがて再ふたたび死しにました。でも聖せい書しょに書かかれている復ふっ活かつの例れいについて読よむと，エホバが将しょう来らい行おこなってくださることへの期き待たいで胸むねがいっぱいになります。

²² かつて「私わたしは復ふっ活かつであり，命いのちです」と言いったイエスは，パラダイスでその言こと葉ばの通とおりに行こう動どうしてくれます。（ヨハネ 11:25）数かぞえ切きれないほど大おお勢ぜいの人ひとを復ふっ活かつさせ，パラダイスとなった地ち球きゅうで永えい遠えんに生いきられるようにするのです。（ヨハネ 5:28，29）死し別べつした家か族ぞくや友とも達だちと再さい会かいして抱だき合あい， 喜よろこびの涙なみだを流ながしているところを想そう像ぞうしてみてください。全すべての人ひとが，回かい復ふくさせる力ちからを使つかってくださったエホバを賛さん美びします。

23. エホバの力ちからを示しめす別べつの強きょう力りょくな証しょう拠こは何なんですか。将しょう来らいについてどんなことを確かく信しんできますか。

²³ エホバは，復ふっ活かつが必かならず起おきることを保ほ証しょうする別べつの強きょう力りょくな証しょう拠こを示しめしてくれています。自じ分ぶんの子こイエスを力ちから強づよい天てん使しとして復ふっ活かつさせ，自じ分ぶんに次つぐ地ち位いを与あたえたのです。イエスが復ふっ活かつしたことは，何なん百びゃく人にんもの人ひとが目もく撃げきしています。（コリント第だい一いち 15:5，6）復ふっ活かつをなかなか信しんじられない人ひとにとっても，十じゅう分ぶんな証しょう拠こと言いえます。エホバには確たしかに命いのちを回かい復ふくさせる力ちからがあります。

24. エホバは死しんだ人ひとを生いき返かえらせることについてどう思おもっていますか。私わたしたちは何なにを楽たのしみにできますか。

²⁴ エホバは，死しんだ人ひとを生いき返かえらせる力ちからを持もっているだけでなく，生いき返かえらせたいと心こころから思おもっています。忠ちゅう実じつなヨブは聖せいなる力ちからに導みちびかれて，エホバは死しんだ人ひとに再ふたたび会あいたいと願ねがっていると言いいました。（ヨブ 14:15）回かい復ふくさせる力ちからをそのように使つかってくださる愛あい情じょう深ぶかい神かみに，あなたも引ひき寄よせられるのではないでしょうか。この章しょうで考かんがえたように，エホバは人ひとを復ふっ活かつさせるだけでなく，さまざまなものを回かい復ふくさせてくださいます。エホバが「全すべてのものを新あたらしく」する時ときを楽たのしみにしつつ，エホバとの絆きずなを強つよめていきましょう。（啓けい示じ 21:5）