第​11​章

『結婚は誉れあるものとされるべきです』

『結婚は誉れあるものとされるべきです』

「あなた​の​若い​時​の​妻​と​共​に​歓べ」。―箴言 5:18

1,2 これ​から​どんな​点​を​考え​ます​か。なぜ​です​か。

あなた​は​結婚​し​て​おら​れ​ます​か。そう​で​ある​なら,結婚​生活​から​幸福​を​得​て​い​ます​か。それとも,結婚​に​関し​て​深刻​な​問題​を​抱え​て​い​ます​か。夫婦​の​間​に​隙き間​風​が​吹い​て​い​ます​か。夫婦​と​し​て​生活​を​楽しむ​と​いう​より,耐える​日々​が​続い​て​いる​でしょ​う​か。もし​そう​なら,かつて​は​温か​だっ​た​結婚​関係​が​冷え​て​しまっ​た​こと​を​悲しく​思っ​て​おら​れる​こと​でしょ​う。クリスチャン​と​し​て,愛する​神​エホバ​に​栄光​を​もたらす​よう​な​夫婦​で​い​たい​と​願い,それゆえに​今​の​状況​に​悩み,心​を​痛め​て​おら​れる​に​違いあり​ませ​ん。そう​だ​と​し​て​も,もう​絶望​的​だ​と​は​考え​ない​で​ください。

2 現代​の​立派​な​クリスチャン​夫婦​の​中​に​も,かつて​結婚​生活​が​順調​どころ​か​破局​寸前​だっ​た​人​たち​が​い​ます。しかし,その​人​たち​は​夫婦​の​関係​を​強める​方法​を​見いだし​まし​た。あなた​も,もっと​満足​の​ゆく​結婚​生活​を​送る​こと​が​でき​ます。どう​すれ​ば​よい​の​か,考え​て​み​ましょ​う。

神​に​近づき,配偶​者​に​近づく

3,4 夫​と​妻​が​神​に​近づこ​う​と​努める​とき,互い​に​近づく​こと​に​なる,と​言える​の​は​なぜ​です​か。例え​で​説明​し​て​ください。

3 夫​と​妻​は,神​に​近づこ​う​と​努める​とき,互い​に​近づく​こと​に​なり​ます。なぜ​そう​言え​ます​か。例え​で​考え​て​み​ましょ​う。ふもと​の​広い,円錐​形​の​山​を​思い浮かべ​て​ください。男性​が​ふもと​の​北側​に,女性​が​南側​に​立っ​て​い​ます。二​人​と​も​山​を​登り​始め​ます。ふもと​近く​に​いる​うち​は,二​人​の​間​は​大きく​隔たっ​て​い​ます。しかし,山頂​に​向かっ​て​登れ​ば​登る​ほど,二​人​の​間隔​は​縮まっ​て​ゆき​ます。この​例え​から,励み​と​なる​教訓​を​学べ​ます。どんな​教訓​でしょ​う​か。

4 エホバ​に​十分​に​仕え​よう​と​する​努力​は,山​を​登ろ​う​と​する​努力​に​なぞらえる​こと​が​でき​ます。二​人​と​も,エホバ​を​愛し​て​いる​ゆえ​に,すでに​一生​懸命​に,いわば​山​を​登っ​て​い​ます。いま​互い​の​隔たり​が​大きい​の​で​あれ​ば,相手​と​は​反対​の​側​を​登っ​て​いる​の​でしょ​う。では,二​人​が​登り​続ける​なら​どう​なり​ます​か。最初​の​うち​は​かなり​の​隔たり​が​ある​でしょ​う​が,上​へ​登ろ​う,つまり​神​に​近づこ​う​と​努力​すれ​ば​する​ほど,二​人​は​互い​に​近づく​こと​が​でき​ます。ですから,神​に​近づく​こと​が,配偶​者​に​近づく​ため​の​かぎ​な​の​です。と​は​いえ,実際​に​どう​すれ​ば​よい​の​でしょ​う​か。

聖書​の​知識​は,適用​さ​れる​とき​に​力​を​発揮​し,結婚​を​強固​な​もの​に​する

5 (イ)エホバ​と​配偶​者​に​近づく​ため​の​一つ​の​方法​は​何​です​か。(ロ)エホバ​は​結婚​を​どう​見​て​おら​れ​ます​か。

5 “登る”ため​の​一つ​の​重要​な​方法​は,あなた​と​配偶​者​が,神​の​言葉​に​収め​られ​て​いる​結婚​に​関する​助言​に​従う​こと​です。(詩編 25:4。イザヤ 48:17,18)では,使徒​パウロ​が​助言​と​し​て​指摘​し​た​点​を​考え​て​み​ましょ​う。パウロ​は,「結婚​は​すべて​の​人​の​間​で​誉れ​ある​もの​と​される​べき​です」と​述べ​て​い​ます。(ヘブライ 13:4)これ​は​どう​いう​意味​でしょ​う​か。「誉れ​ある」と​いう​表現​は,重んじ​られる​もの​で​あっ​て​貴い​と​いう​こと​を​示唆​し​て​い​ます。エホバ​は​結婚​を​まさに​その​よう​に​見​て​おら​れ​ます。結婚​を​貴い​もの​と​し​て​重んじ​て​おら​れる​の​です。

あなた​の​動機 ― エホバ​へ​の​心​から​の​愛

6 結婚​に​関する​パウロ​の​助言​の​文脈​を​見る​と,どんな​こと​が​分かり​ます​か。それ​を​銘記​する​こと​は​なぜ​重要​です​か。

6 もとより,あなた​も​配偶​者​も,神​の​僕​と​し​て,結婚​が​貴く​神聖​で​さえ​ある​こと​を​知っ​て​い​ます。エホバ​ご自身​が​結婚​の​取り決め​を​設け​られ​た​の​です。(マタイ 19:4‐6)と​は​いえ,いま​結婚​生活​で​問題​を​経験​し​て​いる​の​で​あれ​ば,結婚​が​誉れ​ある​もの​だ​と​知っ​て​いる​だけ​で​は​足り​ない​の​でしょ​う。それ​だけ​で​は,愛​と​敬意​を​もっ​て​互い​に​接し​よう​と​いう​十分​な​動機​付け​が​生ま​れ​ない​の​か​も​しれ​ませ​ん。では,そう​し​よう​と​いう​意欲​を​起こさ​せる​もの​は​何​でしょ​う​か。誉れ​を​示す​こと​に​関し​て​パウロ​が​どう​述べ​て​いる​か​に​注目​し​て​ください。『結婚​は​誉れ​ある​もの​です』で​は​なく,『結婚​は​誉れ​ある​もの​と​される​べき​です』と​言っ​て​い​ます。パウロ​は​単なる​観察​を​述べ​て​いる​の​で​は​なく,勧告​を​与え​て​いる​の​です。 * その​違い​を​銘記​する​なら,配偶​者​を​重んじる​気持ち​を​よみがえらせ​よう​と​いう​動機​付け​が​強まる​でしょ​う。なぜ​そう​言え​ます​か。

7 (イ)わたしたち​は​聖書​の​どんな​命令​を​守り行なっ​て​い​ます​か。なぜ​です​か。(ロ)従う​こと​は​どんな​良い​結果​を​生ん​で​い​ます​か。

7 少し​時間​を​取っ​て,聖書​の​他​の​命令​を​自分​が​どう​みなし​て​いる​か​を​考え​て​み​ましょ​う。例えば,弟子​を​作る​よう​に​と​いう​指示​や,崇拝​の​ため​に​集まり合う​よう​に​と​いう​訓戒​です。(マタイ 28:19。ヘブライ 10:24,25)こう​し​た​命令​を​守り行なう​の​が​難しく​思える​時​も​ある​でしょ​う。伝道​で​否定​的​な​反応​が​返っ​て​き​たり,世俗​の​仕事​で​疲れきっ​て​クリスチャン​の​集会​に​出席​する​の​が​大変​だっ​たり​する​か​も​しれ​ませ​ん。それでも​あなた​は,王国​の​音信​を​宣べ伝え​続け,クリスチャン​の​集会​に​出席​し​続け​て​い​ます。だれ​も​それ​を​やめ​させる​こと​は​でき​ませ​ん。サタン​も​です。なぜ​でしょ​う​か。あなた​は,エホバ​を​心​から​愛し​て​いる​ゆえ​に,エホバ​の​おきて​に​従い​たい​と​の​意欲​を​抱い​て​いる​から​です。(ヨハネ​第​一 5:3)それ​は​どんな​良い​結果​を​生ん​で​い​ます​か。伝道​活動​を​行ない,集会​に​出席​する​こと​に​より,内面​の​平安​と​心​から​の​喜び​を​得​て​い​ます。神​の​ご意志​を​行なっ​て​いる​こと​を​自覚​し​て​いる​から​です。そして,その​よう​な​心​の​状態​が,新た​な​力​を​生み出し​て​い​ます。(ネヘミヤ 8:10)この​こと​から​何​を​学べる​でしょ​う​か。

8,9 (イ)結婚​を​誉れ​ある​もの​と​する​よう​に​と​の​勧告​に​従う​意欲​を​抱か​せる​もの​は​何​です​か。なぜ​です​か。(ロ)これ​から​どんな​二つ​の​点​を​考え​ます​か。

8 神​へ​の​深い​愛​は,宣べ伝え​なさい,集まり合い​なさい​と​いう​命令​に​困難​な​時​で​も​従う​意欲​を​あなた​に​抱か​せ​て​い​ます。それ​と​同様​に,エホバ​へ​の​愛​は,『結婚​を​誉れ​ある​もの​と​し​なさい』と​の​聖書​の​勧告​に​難し​そう​な​時​で​も​従う​意欲​を​抱か​せ​ます。(ヘブライ 13:4。詩編 18:29。伝道​の​書 5:4)さらに,宣べ伝え​て​集まり合う​点​で​の​努力​が​神​から​の​豊か​な​祝福​を​受け​て​いる​の​と​同様​に,結婚​を​誉れ​ある​もの​と​する​点​で​の​努力​も​エホバ​の​目​に​留まり,エホバ​の​祝福​を​受ける​でしょ​う。―テサロニケ​第​一 1:3。ヘブライ 6:10

9 では,どの​よう​に​し​て​結婚​を​誉れ​ある​もの​と​する​こと​が​でき​ます​か。結婚​関係​を​損なう​振る舞い​を​避ける​必要​が​あり​ます。それ​と​同時​に,結婚​の​絆​を​強化​する​事柄​を​行なう​必要​も​あり​ます。

結婚​を​誉れ​の​ない​もの​と​する​言葉​や​行動​を​避ける

10,11 (イ)どんな​言動​は​結婚​を​誉れ​の​ない​もの​と​し​ます​か。(ロ)配偶​者​に​どんな​こと​を​尋ね​て​みる​べき​です​か。

10 妻​の​立場​の​ある​クリスチャン​は​こう​語り​まし​た。「わたし​は​耐え抜く​力​を​エホバ​に​祈り​求め​て​い​ます」。なぜ​でしょ​う​か。「夫​から​言葉​の​暴力​を​受け​て​いる​の​です。見​て​分かる​よう​な​あざ​は​あり​ませ​ん​が,いつも,切りつける​よう​な​言葉​を​浴びせ​られ​て​い​ます。『お前​なんか​目障り​だ』と​か『この​役立たず』と​か​言わ​れ,心​の​傷​が​消え​ませ​ん」。夫婦​間​で​の​この​よう​な​ののしり​の​ことば​は,大いに​憂慮​す​べき​事柄​です。

11 クリスチャン​家族​の​夫婦​が​互い​に​残酷​な​言葉​を​浴びせ,いやし​がたい​感情​的​な​傷​を​負わ​せ​て​いる​と​すれ​ば,それ​は​実​に​悲しむ​べき​こと​です。ひどい​言葉​が​当たり前​の​よう​に​なっ​て​いる​結婚​関係​は,決して​誉れ​ある​もの​と​は​言え​ませ​ん。あなた​の​結婚​関係​は​いかが​です​か。それ​を​見極める​一つ​の​方法​は,配偶​者​に「僕​の(わたし​の)言葉​で​傷つく​こと​が​ある?」と​謙遜​に​尋ね​て​みる​こと​です。あなた​の​言葉​に​よっ​て​感情​的​な​傷​を​負う​こと​が​よく​ある,と​配偶​者​が​感じ​て​いる​の​で​あれ​ば,あなた​は​進ん​で​改善​を​図ら​なけれ​ば​なり​ませ​ん。―ガラテア 5:15。エフェソス 4:31

12 どんな​場合​に,崇拝​は​神​の​目​に​無益​な​もの​と​なり​ます​か。

12 しっかり​と​銘記​す​べき​点​が​あり​ます。夫婦​間​で​の​舌​の​用い方​は​エホバ​と​の​関係​に​影響​を​及ぼす,と​いう​点​です。聖書​は​こう​述べ​て​い​ます。「自分​で​は​正しい​方式​に​従う​崇拝​者​で​ある​と​思っ​て​い​て​も,自分​の​舌​に​くつわ​を​かけ​ず,自ら​の​心​を​欺い​て​いる​人​が​いれ​ば,その​人​の​崇拝​の​方式​は​無益​です」。(ヤコブ 1:26)言葉遣い​は​崇拝​と​は​別​問題,と​は​言え​ませ​ん。神​に​仕え​て​いる​と​唱え​て​いれ​ば​家庭​で​何​が​あろ​う​と​大した​こと​で​は​ない,と​いう​考え方​を​聖書​は​認め​て​い​ませ​ん。自分​を​欺か​ない​よう​に​し​ましょ​う。これ​は​重大​な​事柄​です。(ペテロ​第​一 3:7)あなた​に​様々​な​能力​や​熱意​が​ある​と​し​て​も,切りつける​よう​な​言葉​で​配偶​者​を​意図​的​に​害する​の​で​あれ​ば,結婚​を​誉れ​の​ない​もの​と​し​て​いる​こと​に​なり,あなた​の​崇拝​は​神​から​見​て​無益​な​もの​と​なっ​て​しまう​でしょ​う。

13 どんな​こと​を​する​と,配偶​者​に​感情​面​の​痛み​を​与え​て​しまう​か​も​しれ​ませ​ん​か。

13 夫婦​双方​は,間接​的​な​仕方​で​感情​面​の​痛み​を​与える​こと​も​ない​よう​に​注意​す​べき​です。二つ​の​例​を​考え​て​み​ましょ​う。ひとり親​の​女性​が​アドバイス​を​求め​て​会衆​内​の​既婚​の​兄弟​に​頻繁​に​電話​を​かけ,二​人​は​長々​と​話し​ます。独身​の​兄弟​が​既婚​の​姉妹​と​毎週​かなり​の​時間​一緒​に​野外​奉仕​を​行ない​ます。これら​の​例​の​既婚​者​は​良い​意図​で​そう​し​て​いる​の​か​も​しれ​ませ​ん​が,その​行ない​は​それぞれ​の​配偶​者​に​どんな​影響​を​及ぼす​でしょ​う​か。そう​し​た​状況​に​置か​れ​た​ある​妻​は,こう​述べ​まし​た。「夫​が​会衆​内​の​別​の​姉妹​に​とても​多く​の​時間​と​関心​を​注い​で​いる​の​で,傷つき​ます。自分​が​劣っ​て​いる​と​思える​の​です」。

14 (イ)創世記 2​章​24​節​は,結婚​に​伴う​どんな​責務​を​強調​し​て​い​ます​か。(ロ)どんな​自問​を​す​べき​です​か。

14 この​妻​や​同様​の​状況​に​ある​他​の​既婚​者​が​傷つく​の​は​理解​できる​こと​です。その​人​たち​の​配偶​者​は,結婚​に​関する​神​の​基本​的​な​教え​を​無視​し​て​い​ます。『男​は​その​父​と​母​を​離れ​て​自分​の​妻​に​堅く​付く』と​いう​教え​です。(創世記 2:24)結婚​し​た​後​も​親​を​敬う​の​は​もちろん​の​こと​です​が,神​の​取り決め​に​よれ​ば,配偶​者​に​対する​責務​を​第​一​に​す​べき​な​の​です。同様​に,クリスチャン​は​仲間​の​信者​を​深く​愛し​て​い​ます​が,配偶​者​に​対する​責任​を​優先​す​べき​です。ですから,既婚​の​クリスチャン​が​仲間​の​信者​と​不​適当​な​ほど​長く​一緒​に​過ごし​たり,過度​に​親しく​なっ​たり​する​なら,結婚​の​絆​に​捩れ​が​生じ​ます。相手​が​異性​で​あれ​ば​なおさら​です。あなた​の​夫婦​仲​が​緊張​し​て​いる​の​は​その​ため​でしょ​う​か。こう​自問​し​ましょ​う。『わたし​は,配偶​者​の​受ける​べき​時間​と​関心​と​愛情​を​本当​に​配偶​者​に​与え​て​いる​だろ​う​か』。

15 マタイ 5​章​28​節​に​よれ​ば,既婚​の​クリスチャン​が​異性​に​不​適当​な​関心​を​向け​ない​よう​に​す​べき​な​の​は​なぜ​です​か。

15 そのうえ,配偶​者​で​ない​異性​に​不​適当​な​関心​を​向ける​既婚​の​クリスチャン​は,愚か​に​も​危険​な​歩み​を​し​て​いる​こと​に​なり​ます。悲しい​こと​に,既婚​の​クリスチャン​の​中​に​は,過度​に​親しく​なっ​た​相手​に​恋愛​感情​を​抱く​よう​に​なっ​た​人​も​い​ます。(マタイ 5:28)そして,その​よう​な​感情​的​な​絆​は,結婚​を​いっそう​誉れ​の​ない​もの​と​し​て​しまう​行ない​へ​と​発展​し​まし​た。その​点​に​関し​て​使徒​パウロ​が​何​と​述べ​て​いる​か,見​て​み​ましょ​う。

「結婚​の​床​は​汚れ​の​ない​もの​と​す​べき」

16 パウロ​は​結婚​に​関し​て​どんな​命令​を​与え​て​い​ます​か。

16 パウロ​は,『結婚​は​誉れ​ある​もの​と​される​べき​です』と​述べ​た​すぐ​後​に,こう​警告​し​て​い​ます。「結婚​の​床​は​汚れ​の​ない​もの​と​す​べき​です。神​は​淫行​の​者​や​姦淫​を​行なう​者​を​裁か​れる​から​です」。(ヘブライ 13:4)パウロ​は,性​関係​を​指し​て「結婚​の​床」と​いう​表現​を​用い​て​い​ます。性​関係​は,結婚​の​枠内​に​とどめ​られ​て​いる​なら,「汚れ​の​ない​もの」つまり​道徳​的​に​清い​もの​です。ですから​クリスチャン​は,霊感​に​よる​次​の​言葉​に​従い​ます。「あなた​の​若い​時​の​妻​と​共​に​歓べ」。―箴言 5:18

17 (イ)クリスチャン​が​姦淫​に​関する​世​の​見方​に​左右​さ​れ​ない​の​は​なぜ​です​か。(ロ)どの​よう​に​ヨブ​の​手本​に​倣え​ます​か。

17 配偶​者​以外​の​人​と​性​関係​を​持つ​人​は,神​の​道徳​律​に​対する​甚だ​しく​不敬​な​態度​を​示し​て​い​ます。確か​に,今日​の​多く​の​人​は​姦淫​を​許容​範囲​内​の​振る舞い​と​みなし​て​い​ます。しかし​クリスチャン​は,姦淫​に​関する​他​の​人​の​考え方​に​引きずら​れ​たり​は​し​ませ​ん。最終​的​に​人​で​は​なく『神​が​淫行​の​者​や​姦淫​を​行なう​者​を​裁か​れる』,と​いう​こと​を​わきまえ​て​いる​の​です。(ヘブライ 10:31; 12:29)それゆえ,真​の​クリスチャン​は​この​点​に​関する​エホバ​の​見方​に​しっかり​と​付き従い​ます。(ローマ 12:9)「契約​を​わたし​は​自分​の​目​と​結ん​だ」と​いう​族長​ヨブ​の​言葉​を​思い出し​て​ください。(ヨブ 31:1)ヨブ​と​同様​に,真​の​クリスチャン​は,姦淫​に​至りかね​ない​第​一​歩​を​踏み出す​こと​さえ​ない​よう,自分​の​目​を​制御​し​ます。配偶​者​で​ない​異性​を​欲望​の​こもっ​た​まなざし​で​見​たり​は​決して​し​ませ​ん。―付録​の「離婚​と​別居​に​関する​聖書​の​見方」と​いう​項目​を​ご覧​ください。

18 (イ)エホバ​の​目​に,姦淫​は​どれ​ほど​重大​な​事柄​です​か。(ロ)姦淫​と​偶像​礼拝​に​は​どんな​類似​点​が​あり​ます​か。

18 エホバ​の​目​に,姦淫​は​どれ​ほど​重大​な​事柄​でしょ​う​か。モーセ​の​律法​を​見る​と,姦淫​に​つい​て​エホバ​が​どう​感じ​て​おら​れる​か​が​分かり​ます。イスラエル​に​おい​て,姦淫​と​偶像​礼拝​は​死​に​処さ​れる​とが​でし​た。(レビ​記 20:2,10)この​二つ​の​とが​の​類似​点​は​何​でしょ​う​か。偶像​を​崇拝​する​イスラエル​人​は​エホバ​と​の​契約​を​破っ​て​い​まし​た。それ​と​同様​に,姦淫​を​犯す​イスラエル​人​は​配偶​者​と​の​契約​を​破っ​て​い​まし​た。どちら​の​人​も​不実​に​行動​し​て​い​まし​た。(出エジプト​記 19:5,6。申命記 5:9。マラキ 2:14)ですから,どちら​の​人​も,忠実​で​信頼​できる​神​エホバ​の​み前​で​とがめ​られる​べき​者​だっ​た​の​です。―詩編 33:4

19 どう​すれ​ば,姦淫​を​はねつけ​よう​と​いう​決意​が​強め​られ​ます​か。なぜ​です​か。

19 もちろん​クリスチャン​は​モーセ​の​律法​の​下​に​は​あり​ませ​ん。しかし,古代​イスラエル​で​姦淫​が​重大​な​事柄​と​みなさ​れ​て​い​た​こと​を​思い起こす​と,姦淫​を​犯す​まい​と​いう​クリスチャン​の​決意​は​強め​られる​でしょ​う。なぜ​です​か。次​の​よう​な​比較​で​考え​て​み​て​ください。あなた​は,教会​堂​に​入り,像​の​前​で​ひざまずい​て​祈ろ​う​と​思い​ます​か。『とんでもない』と​答える​でしょ​う。では,多額​の​お金​で​誘わ​れ​たら,そう​する​気​に​なり​ます​か。『冗談​じゃ​ない』と​言う​でしょ​う。確か​に​真​の​クリスチャン​に​とっ​て,偶像​を​崇拝​し​て​エホバ​を​裏切る​こと​など,考え​た​だけ​で​虫唾​が​走り​ます。同様​に,姦淫​を​犯し​て​神​エホバ​と​配偶​者​の​両方​を​裏切る​こと​は,考え​た​だけ​で​虫唾​が​走る​はず​です。何​に​よっ​て​誘わ​れ​よう​と​も​それ​は​変わり​ませ​ん。(詩編 51:1,4。コロサイ 3:5)サタン​を​歓ばせ,エホバ​および​神聖​な​結婚​の​取り決め​の​誉れ​を​大きく​損なう​よう​な​こと​は,決して​し​たく​ない​の​です。

結婚​の​絆​を​強める​に​は

20 結婚​生活​は​どう​なる​こと​が​あり​ます​か。例え​で​説明​し​て​ください。

20 結婚​を​誉れ​の​ない​もの​と​する​行ない​を​避ける​こと​に​加え​て,配偶​者​へ​の​敬意​を​よみがえらせる​ため​に​何​が​できる​でしょ​う​か。それ​を​考える​ため​に,結婚​を​家​に​見立て​て​み​ましょ​う。親切​な​言葉​や​思いやり​の​ある​行ない​など,夫婦​間​の​誉れ​ある​言動​は,家​を​美しく​する​装飾​品​の​よう​な​もの​です。あなた​と​配偶​者​が​親密​で​ある​なら,あなた​の​結婚​生活​は,装飾​品​に​よっ​て​彩り​と​暖かさ​の​加わっ​た​家​に​似​て​い​ます。しかし​夫婦​の​愛情​が​薄れる​なら,そう​し​た​装飾​品​は​徐々​に​消え,結婚​生活​は​装飾​の​全く​ない​家​の​よう​な​寒々​と​し​た​もの​に​なっ​て​しまい​ます。もし​現在​そう​し​た​状態​に​なっ​て​いる​の​で​あれ​ば,あなた​は,『結婚​を​誉れ​ある​もの​と​し​なさい』と​の​神​の​命令​に​従い​たい​と​願う​ゆえ​に,ぜひとも​状況​を​改善​し​よう​と​思う​でしょ​う。そもそも,貴重​で​誉れ​ある​もの​は​修理​や​修復​に​値する​の​です。では,どう​すれ​ば​よい​でしょ​う​か。神​の​言葉​は​こう​述べ​て​い​ます。「家​は​知恵​に​よっ​て​築き上げ​られ,識別​力​に​よっ​て​堅く​立て​られる​こと​に​なる。そして,奥​の​部屋​は​知識​に​よっ​て,価値​ある​あらゆる​貴重​な​快い​もの​で​満たさ​れる」。(箴言 24:3,4)この​言葉​が​どの​よう​に​結婚​に​当てはまる​か,考え​て​み​ましょ​う。

21 どう​すれ​ば​結婚​を​徐々​に​強固​な​もの​に​し​て​ゆけ​ます​か。(「 どう​すれ​ば​結婚​関係​を​改善​できる​だろ​う​か」と​いう​囲み​も​ご覧​ください。)

21 幸福​な​家​に​満ちる『貴重​な​もの』に​は,真​の​愛,敬虔​な​恐れ,堅い​信仰​など​の​特質​も​含ま​れ​ます。(箴言 15:16,17。ペテロ​第​一 1:7)それら​が,強固​な​結婚​を​作り上げ​ます。と​は​いえ,前​の​節​で​引用​し​た​箴言​の​聖句​に​よる​と,部屋​は​どの​よう​に​し​て​貴重​な​もの​で​満たさ​れ​ます​か。「知識​に​よっ​て」です。聖書​の​知識​は,適用​さ​れる​とき​に​力​を​発揮​し,人​の​考え​を​変革​し​たり,互い​へ​の​愛​を​よみがえらせる​よう​人​を​動かし​たり​する​の​です。(ローマ 12:2。フィリピ 1:9)ですから,配偶​者​と​一緒​に​腰​を​下ろし,日々​の​聖句​など​の​聖書​の​言葉​を,また​結婚​に​関する「ものみの塔」誌​や「目ざめよ!」誌​の​聖書​に​基づく​記事​を​じっくり​考察​し​ましょ​う。それ​は​あたかも,家​を​美しく​する​素敵​な​装飾​品​を​二​人​で​調べ​て​いる​か​の​よう​な​もの​です。エホバ​を​愛する​ゆえ​に,調べ​た​ばかり​の​助言​を​自分​たち​の​結婚​生活​に​適用​し​よう​と​する​なら,いわば​装飾​品​を「奥​の​部屋」に​運び込ん​で​いる​こと​に​なり​ます。そう​する​たび​に,結婚​生活​の​かつて​の​彩り​と​暖かさ​が​少し​ずつ​戻っ​て​来る​でしょ​う。

22 結婚​を​強固​な​もの​に​する​点​で​自分​の​分​を​果たそ​う​と​努める​なら,どんな​満足​が​得​られ​ます​か。

22 確か​に,そう​し​た​装飾​品​を​一つ​ずつ​元​に​戻し​て​ゆく​に​は​相当​の​時間​と​努力​が​必要​でしょ​う。しかし,自分​の​分​を​果たそ​う​と​努める​なら,「互い​を​敬う​点​で​率先​し​なさい」と​いう​聖書​の​命令​に​従っ​て​いる​と​の​自覚​から​来る​深い​満足​が​得​られ​ます。(ローマ 12:10。詩編 147:11)そして​何​より​も,結婚​を​誉れ​ある​もの​に​し​よう​と​真剣​に​努力​し​て​いる​ゆえ​に,自分​を​神​の​愛​の​うち​に​保つ​こと​が​でき​ます。

^ 6節 文脈​を​見る​と,結婚​に​関する​パウロ​の​言葉​は​一連​の​勧告​の​一部​を​成す​訓戒​で​ある​こと​が​分かり​ます。―ヘブライ 13:1‐5