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暴飲はなぜいけないのだろう

暴飲はなぜいけないのだろう

34章

暴飲はなぜいけないのだろう

質問を読んで,答えに✔を付けてください。

友達の中に,未成年なのに飲酒する子や,むちゃな飲み方をする子がいますか。

❏ はい ❏ いいえ

お酒を飲むよう友達から圧力をかけられたことがありますか。

❏ はい ❏ いいえ

暴飲したことがありますか。

❏ はい ❏ いいえ

“暴飲”とは何でしょうか。酔っ払うまで飲酒すること,とも言えます。アメリカの国立アルコール乱用・依存症研究所の報告書はもっと具体的に説明し,暴飲とは「一般に,男性であれば1回に5杯以上,女性であれば4杯以上飲むことを指す」と述べています。

あなたは,お酒をたくさん飲みたいと思ったことや,未成年なのに飲みたいと思ったことがありますか。そう思う若者や,実際にそうしている若者は少なくありません。 * ではあなたは,自分がなぜ飲みたいのか,飲むとどうなるのか,本当に分かっていますか。次の質問の答えに✔を付けてから,正解を見てください。

a. 若者が飲酒するのは,単にお酒の味が好きだから

❏ 正しい ❏ 間違い

b. 若くて健康なら,飲み過ぎても害は少ない

❏ 正しい ❏ 間違い

c. 暴飲しても死にはしない

❏ 正しい ❏ 間違い

d. 聖書は飲酒を全面的に禁じている

❏ 正しい ❏ 間違い

e. 暴飲しても,健康を損なうだけで済む

❏ 正しい ❏ 間違い

a. 若者が飲酒するのは,単にお酒の味が好きだから。―間違い。オーストラリアでの飲酒意識調査によると,若者の36%が,飲むのはおもに仲間と同じことをしたいから,と回答しました。アメリカでの調査では,66%が,友達に強く勧められるから飲むと答えました。とはいえ半数以上が,嫌なことを忘れるために飲む,とも答えています。

b. 若くて健康なら,飲み過ぎても害は少ない。―間違い。「最近の研究によると,飲酒する若者は自ら危険を招いているようだ」とディスカバー誌(英語)は述べています。なぜでしょうか。「十代の若者が過度に飲酒すると,知能が大きく損なわれる可能性がある」からです。

習慣的な飲酒は,にきび,年不相応のしわ,体重の増加,アルコール依存,薬物依存の原因ともなります。神経系,肝臓,心臓にも損傷を与えます。

c. 暴飲しても死にはしない。―間違い。飲み過ぎると,脳が酸素不足になり,重要な生体機能が停止し始めるおそれがあります。吐く,意識を失う,呼吸が遅くなったり不規則になったりする,といった症状も現われます。場合によっては,死に至ります。

d. 聖書は飲酒を全面的に禁じている。―間違い。聖書は,お酒を飲むことも,若い人が楽しい時を過ごすことも禁じてはいません。(詩編 104:15。伝道の書 10:19)もちろん,未成年であれば飲酒してはなりません。―ローマ 13:1

とはいえ聖書は,飲み過ぎについては警告しています。箴言 20章1節にこうあります。「ぶどう酒はあざける者であり,酔わせる酒は騒がしい。それによって迷い出る者はみな知恵がない」。お酒を飲むと,人からあざけられるような行動をしかねないのです。確かに,一時的に良い気分になるでしょう。しかし飲み過ぎるなら,お酒は「蛇のようにかみ」,多くの問題を引き起こします。―箴言 23:32

e. 暴飲しても,健康を損なうだけで済む。―間違い。酔うと,暴力行為の被害に遭いやすくなり,レイプされる危険さえあります。普段なら決してしないようなことをして他の人に害を及ぼすかもしれません。それで聖書は,飲み過ぎると「はっきり考えることも話すこともできなくなる」と警告しています。(箴言 23:33,「今日の英語訳」)人前で恥をかくということです。さらに,友情にひびが入る,学校や職場での成績が悪くなる,前科が付く,貧しくなるといった,つらい経験をするかもしれません。―箴言 23:21

最も重要な点として,霊的な害について考えましょう。エホバ神はわたしたちが「思いをこめて」仕えることを願っておられます。飲み過ぎで損なわれた思いではありません。(マタイ 22:37)神の言葉は,「過度の飲酒」だけでなく「飲みくらべ」も悪としています。(ペテロ第一 4:3)ですから暴飲は,創造者のご意志に反する行ないです。神との親しい関係の妨げになります。

あなたはどうしますか

友達のまねをして暴飲しますか。『自分を奴隷としてだれかに差し出してそれに従ってゆくなら,その者に従うがゆえにその奴隷となることを知らないのですか』と聖書は述べています。(ローマ 6:16)あなたも,友達やお酒の奴隷になりたいとは思わないでしょう。

では,暴飲のわなにはまっているなら,何ができますか。すぐに親や円熟した友人に相談し,助けてもらいましょう。祈りのうちにエホバ神に近づき,助けを求めましょう。神は「苦難のときに容易に見いだされる助け」となってくださいます。(詩編 46:1)多くの場合,暴飲や未成年の飲酒の原因は仲間からの圧力です。ですから,友達を慎重に選びましょう。 * 簡単ではありませんが,エホバの助けがあれば,きっとうまくいきます。

次の章では…

薬物依存に打ち勝つことは可能です。どうすればよいでしょうか。

[脚注]

^ 11節 249ページの「 どれくらい広がっている?」という囲みを見てください。

^ 32節 詳しくは,この本の8章9章と,第2巻の15章を見てください。

かぎとなる聖句

『酔いどれは貧困に陥る』。―箴言 23:21

アドバイス

まず,お酒を飲みたいと思う理由を見極めましょう。それから,楽しんだりストレスを解消したりするための,もっと健康的な方法を考えます。

知っていましたか

アメリカでの調査によれば,「頻繁に暴飲する若者は,全く暴飲しない若者に比べて,授業を休んだり,授業に付いていけなくなったり,けがをしたり,物を壊したりする割合が8倍」でした。

やろうと思うこと

友達からお酒を勧められたら,こう言う __________

この章の内容で親に聞きたいこと __________

考えてみましょう

● 若者がほかの子にもお酒を飲ませようとするのはなぜでしょうか。

● 暴飲すると異性から見て魅力的になる,と思いますか。なぜですか。

[250ページの拡大文]

“学校の友達からお酒を勧められたら,「飲まなくても楽しいから,いらないよ」と言うことにしています。”― マーク

[249ページの囲み記事]

 どれくらい広がっている?

イングランド,スコットランド,ウェールズの中等学校の生徒を対象にした調査によると,「1回に5杯以上“飲んだ”ことがある」という若者は,13歳と14歳では4人に1人,15歳と16歳では約半数でした。アメリカ厚生省によれば,「12歳から20歳までの若者のうち約1,040万人が飲酒しており,そのうちの510万人が暴飲し,230万人が月に5回以上暴飲して」いました。オーストラリアでの調査によると,同国では,暴飲する若者は男子より女子のほうが多く,1回に13杯から30杯も飲んでいました。

[251ページの図版]

お酒は蛇のようにかむことがある