イエスはバプテストのヨハネに敬けい意いを払はらっていますが，ほかの人ひとたちはどうなのでしょうか。イエスはこう言いいます。「この世せ代だい[は]広ひろ場ばに座すわって遊あそび友とも達だちに叫さけぶ幼おさない子こ供どもたちのようです。こう言いうのです。『笛ふえを吹ふいてあげたのに，踊おどってくれなかった。泣なき叫さけんだのに，胸むねをたたいて悲かなしんでくれなかった』」。（マタイ 11:16，17）

イエスの言こと葉ばにはどんな意い味みがありますか。イエスはこう説せつ明めいします。「ヨハネが来きて食たべたり飲のんだりしないと，『彼かれは邪じゃ悪あくな天てん使しに取とりつかれている』と言いい，人ひとの子こが来きて食たべたり飲のんだりすると，『見みろ，大おお食ぐいで，ぶどう酒しゅにふける男おとこ，徴ちょう税ぜい人にんや罪つみ人びとたちの友ともだ』と言いいます」。（マタイ 11:18，19）ヨハネはナジル人びととして簡かん素そに生せい活かつし，お酒さけも一いっ切さい飲のみませんでしたが，この世せ代だいの人ひと々びとはヨハネが邪じゃ悪あくな天てん使しに取とりつかれていると言いいました。（民みん数すう記き 6:2，3。ルカ 1:15）一いっ方ぽう，イエスはほかの人ひとと変かわらない生せい活かつをし，食しょく事じもお酒さけもほどほどにしか楽たのしまなかったのに，人ひと々びとは食たべ過すぎだ飲のみ過すぎだと非ひ難なんしたのです。人ひと々びとを満まん足ぞくさせることはできません。

イエスはこの世せ代だいの人ひと々びとを市いち場ばにいる子こ供どもたちに例たとえます。その子こ供どもたちはほかの子こたちが笛ふえを吹ふいても踊おどりませんし，ほかの子こたちが泣なき叫さけんでも悲かなしみません。イエスは，「知ち恵えの正ただしさは，行こう動どうによって示しめされるのです」と教おしえます。（マタイ 11:16，19）イエスとヨハネの「行こう動どう」は，人ひと々びとからの非ひ難なんが偽いつわりであることを証しょう明めいしています。

イエスはこの世せ代だいの鈍どん感かんさについて話はなした後のち，自じ分ぶんが強きょう力りょくな行おこないをしてきた3つの町まち，コラジン，ベツサイダ，カペルナウムを名な指ざしで非ひ難なんします。イエスは，もし自じ分ぶんがフェニキア人じんの町まちティルスとシドンでそうした行おこないをしたなら，それらの町まちは悔くい改あらためただろう，と言いいます。さらに，カペルナウムにはイエスの活かつ動どうの拠きょ点てんがあったにもかかわらず，そこの人ひとたちはイエスの強きょう力りょくな行おこないに良よい反はん応のうをほとんど示しめしませんでした。それでイエスは，「裁さばきの日ひには，あなたよりソドムの方ほうが耐たえやすいでしょう」と言いいます。（マタイ 11:24）

それからイエスは天てんの父ちちを賛さん美びします。神かみが貴き重ちょうな真しん理りを「賢かしこい知ち識しき人じんたちから」隠かくし，幼おさない子こ供どものような立たち場ばの低ひくい人ひとたちに明あきらかにしているからです。（マタイ 11:25）イエスは立たち場ばの低ひくい人ひとたちに優やさしくこう勧すすめます。「労ろう苦くし，荷にを負おっている人ひとは皆みな，私わたしの所ところに来きなさい。そうすれば，爽さわやかにしてあげましょう。私わたしと共ともに働はたらいて，私わたしから学まなびなさい。私わたしは温おん和わで，謙けん遜そんだからです。あなたたちは爽さわやかさを感かんじるでしょう。私わたしと共ともに働はたらくことは心ここ地ちよく，私わたしの荷には軽かるいのです」。（マタイ 11:28-30）

イエスは人ひと々びとをどのように爽さわやかにするのでしょうか。宗しゅう教きょう指し導どう者しゃたちは安あん息そく日びに関かんする厳げん格かくな規き定ていを設もうけたりして，人ひと々びとの生せい活かつを伝でん統とうで縛しばっています。しかしイエスは，厳きびしい伝でん統とうとは一いっ線せんを画かくした真しん理りを教おしえて，人ひと々びとを爽さわやかにしています。さらに，圧あっ政せいに苦くるしんでいる人ひとや，自じ分ぶんが犯おかした罪つみのために落らく胆たんしている人ひとに助たすけを与あたえます。イエスは，どうすれば罪つみが許ゆるされるのか，どうすれば神かみの前まえで穏おだやかな心こころを持もてるのかを教おしえているのです。

イエスと一いっ緒しょに働はたらいて心ここ地ちよさを経けい験けんする人ひとは，神かみに献けん身しんし，思おもいやりと憐あわれみがある天てんの父ちちに仕つかえるようになるでしょう。それは決けっして重おも荷にとはなりません。神かみは私わたしたちに難むずかし過すぎることを求もとめたりはしないからです。（ヨハネ第だい一いち 5:3）