パリサイ派はの人ひとたちは，盲もう目もくだった男だん性せいの視し力りょくをイエスが回かい復ふくさせたことを信しんじません。そこで男だん性せいの両りょう親しんを呼よび出だします。両りょう親しんは「会かい堂どうから追つい放ほう」される可か能のう性せいもあることを知しっています。（ヨハネ 9:22）そのようにして他たのユダヤ人じんたちとの交こう流りゅうを断たたれるなら，社しゃ会かい的てきに孤こ立りつし，経けい済ざい的てきにも生せい活かつが苦くるしくなってしまいます。

パリサイ派はの人ひとたちは2つの質しつ問もんをします。「これは，生うまれつき目めが見みえなかった息子むすこか。今いまは見みえるのはどうしてか」。両りょう親しんは，「これは息子むすこで，生うまれつき目めが見みえませんでした。でも，どうして今いま見みえるのかは知しりませんし，誰だれが目めを開あけたのかも知しりません」と答こたえます。息子むすこから話はなしを聞きいていたのかもしれませんが，言いい方かたに気きを遣つかい，「本ほん人にんに聞きいてください。もう大人おとなです。自じ分ぶんで話はなすはずです」と言いいます。（ヨハネ 9:19-21）

それでパリサイ派はの人ひとたちは男だん性せいを呼よび戻もどします。そして，自じ分ぶんたちはイエスに不ふ利りな証しょう拠こを持もっていると脅おどし，「神かみの前まえで本ほん当とうのことを言いいなさい。私わたしたちはその人ひとが罪つみ人びとであることを知しっているのだ」と言いいます。男だん性せいは追つい及きゅうをかわそうとし，「その人ひとが罪つみ人びとかどうかは分わかりません」と答こたえ，こうも言いいます。「1つ分わかるのは，私わたしは目めが見みえなかったのが，今いまは見みえるということです」。（ヨハネ 9:24，25）

彼かれらは満まん足ぞくせず，「彼かれはあなたに何なにをしたのか。どのようにして目めを開あけたのか」と尋たずねます。男だん性せいはきっぱりと，「すでに話はなしましたが，あなた方がたは聞ききませんでした。なぜもう一いち度ど聞ききたいのですか。あなた方がたもあの人ひとの弟で子しになりたいわけではないでしょう」と答こたえます。彼かれらは怒おこりだします。「あなたはあの男おとこの弟で子しだが，私わたしたちはモーセの弟で子しだ。神かみがモーセに語かたったということは知しっている。だが，この男おとこについては，どこからの者ものか知しらない」。（ヨハネ 9:26-29）

男だん性せいは驚おどろき，「あの人ひとがどこからの人ひとか知しらないのですか。あの人ひとは私わたしの目めを開あけました」と言いいます。そして，神かみが誰だれの願ねがいを喜よろこんで聞きくかを明めい快かいに話はなします。「神かみは，罪つみ人びとたちの願ねがいは聞ききませんが，神かみを畏おそれてその意い志しを行おこなう人ひとの願ねがいなら，聞ききます。生うまれつき盲もう目もくの人ひとの目めを開あけたという話はなしは今いままで聞きいたことがありません」。結けつ論ろんはこうです。「神かみの所ところから来きた人ひとでなければ，何なにもできないはずです」。（ヨハネ 9:30-33）

パリサイ派はの人ひとたちはこの説せつ明めいに太刀たち打うちできません。「罪つみにまみれて生うまれながら，私わたしたちを教おしえるというのか」と言いって男だん性せいを追おい出だします。（ヨハネ 9:34）

イエスはそのことを聞きくと男だん性せいを捜さがし，こう尋たずねます。「人ひとの子こに信しん仰こうを持もっていますか」。男だん性せいは，「それはどなたですか。その方かたに信しん仰こうを持もちたいのですが」と答こたえます。するとイエスははっきりこう言いいます。「あなたはその人ひとに会あったことがあります。しかも，その人ひとは今いまあなたと話はなしています」。（ヨハネ 9:35-37）

男だん性せいは，「人ひとの子こに本ほん当とうに信しん仰こうを持もっています，主しゅよ」と答こたえ，信しん仰こうと敬けい意いを示しめしひれ伏ふします。そこでイエスは深ふかい言こと葉ばを述のべます。「私わたしがこの世よに来きたのは裁さばきのため，すなわち，見みえない人ひとが見みえるようになり，見みえる人ひとが見みえないようになるためです」。（ヨハネ 9:38，39）

その場ばにいたパリサイ派はの人ひとたちは目めが見みえないわけではありません。しかし，彼かれらは神かみについて教おしえるという責せき任にんを果はたしていたでしょうか。彼かれらは自じ分ぶんたちは正ただしいと言いいたげに，「私わたしたちも目めが見みえないというわけではないでしょうね」とイエスに尋たずねます。イエスはこう答こたえます。「目めが見みえなかったなら，あなた方がたは罪つみを問とわれないでしょう。しかしあなた方がたは今いま，『見みえる』と言いいます。あなた方がたは罪つみを問とわれます」。（ヨハネ 9:40，41）彼かれらがイスラエルを教おしえる立たち場ばにいなければ，メシアであるイエスを退しりぞけたとしてもまだ許ゆるせます。しかし彼かれらは律りっ法ぽうに通つうじていたので，罪つみは重おもいのです。