イスラエルの10部ぶ族ぞく王おう国こくには，悪わるい王おうがたくさんいましたが，アハブは特とくにひどい王おうでした。妻つまはイゼベルという悪わるい女じょ性せいで，バアルを拝おがんでいます。アハブとイゼベルは国くに中じゅうにバアルすうはいを広ひろめ，エホバの預よ言げん者しゃたちを殺ころしました。エホバはどうしましたか。預よ言げん者しゃエリヤをアハブの所ところに行いかせ，メッセージを伝つたえさせます。

エリヤはアハブ王おうに，あなたが悪わるいことをしたのでイスラエルには雨あめが全まったく降ふらない，と言いいます。3年ねん以い上じょう，作さく物もつが育そだたず，食たべる物ものがありません。エホバはエリヤをもう一いち度どアハブの所ところに行いかせます。王おうは言いいます。「大たい変へんなことをしてくれたな。みんなおまえのせいだ」。エリヤは答こたえます。「この水みず不ぶ足そくは私わたしのせいではありません。あなたがバアルを拝おがんだりするからです。はっきりさせましょう。カルメル山さんの頂ちょう上じょうに，国こく民みんとバアルの預よ言げん者しゃたちを集あつめなさい」。

人ひと々びとが山やまの上うえに集あつまると，エリヤは言いいます。「どっちか決きめなさい。エホバが本ほん当とうの神かみなら，エホバに従したがいなさい。バアルがそうなら，バアルに従したがいなさい。こうすることにしましょう。バアルの預よ言げん者しゃ450人にんはささげ物ものを用よう意いして，自じ分ぶんたちの神かみに呼よびかけます。私わたしもささげ物ものを用よう意いして，エホバに呼よびかけます。それに答こたえて火ひを降ふらせるのが本ほん当とうの神かみです」。みんな賛さん成せいします。

バアルの預よ言げん者しゃたちは，ささげ物ものを用よう意いします。そして一いち日にち中じゅう，「バアル，答こたえてください」と言いいます。バアルが答こたえないので，エリヤはからかって言いいます。「もっと大おおきな声こえで呼よびなさい。きっとバアルはねむっていて，起おこしてもらわないといけないのでしょう」。夕ゆう方がたになってもバアルの預よ言げん者しゃたちは呼よび続つづけています。でも，何なんの答こたえもありません。

エリヤは祭さいだんにささげ物ものを置おいて，たくさんの水みずをかけます。そしてこう祈いのります。「エホバ，あなたが本ほん当とうの神かみであることをこの民たみが知しるようにしてください」。すぐにエホバは天てんから火ひを降ふらせて，ささげ物ものを焼やきつくします。人ひと々びとは，「エホバこそ本ほん当とうの 神かみです！」とさけびます。エリヤは言いいます。「バアルの預よ言げん者しゃをにがしてはなりません！」 その日ひ，バアルの預よ言げん者しゃ450人にんが死しにました。

小ちいさな雲くもが海うみの方ほうに現あらわれると，エリヤはアハブに言いいます。「あらしが来きます。兵へい車しゃを準じゅん備びして家いえに帰かえりなさい」。黒くろい雲くもが広ひろがり，風かぜがふき，大おお雨あめが降ふりだします。水みず不ぶ足そくは解かい決けつしました。アハブはすごい勢いきおいで兵へい車しゃを走はしらせます。でも，エリヤはエホバの助たすけで，兵へい車しゃより速はやく走はしりました。この後あとエリヤがどうなるか見みてみましょう。