ユダヤ人じんは毎まい年とし，ニサンの月つきの14日かに過すぎこしを祝いわいました。エジプトでどれいだった状じょう態たいからエホバが自じ由ゆうにしてくださり，約やく束そくの地ちに連つれてきてくださったことを思おもい出だすためでした。西せいれき33年ねん，イエスと使し徒とたちはエルサレムにある家いえの上うえの階かいの部へ屋やで過すぎこしを祝いわいました。食しょく事じの終おわりにイエスが言いいます。「あなたたちの1人ひとりが私わたしを裏うら切ぎります」。使し徒とたちはびっくりして，「それはだれですか」とたずねます。イエスは言いいます。「私わたしがこのパンをわたす人ひとです」。そしてユダ･イスカリオテにパンを1切きれわたします。すぐにユダは立たち上あがって，部へ屋やを出でていきました。

イエスは祈いのってから，パンを割わってほかの使し徒とたちにわたします。そしてこう言いいます。「このパンを食たべなさい。これはあなたたちのためにあたえられる私わたしの体からだを表あらわしています」。次つぎにぶどう酒しゅについて祈いのってから，それを使し徒とたちにわたし，こう言いいます。「このぶどう酒しゅを飲のみなさい。これは罪つみが許ゆるされるためにあたえられる私わたしの血ちを表あらわしています。あなたたちが私わたしといっしょに天てんで王おうになることを約やく束そくします。私わたしのことを思おもい起おこすため，毎まい年としこれを行おこないなさい」。イエスに従したがう人ひとたちは今いまでも，毎まい年としその日ひの夜よるに集あつまります。この集あつまりは主しゅの晩ばんさんと呼よばれています。

食しょく事じの後あと，使し徒とたちは自じ分ぶんたちの中なかでだれが一いち番ばんえらいか言いい争あらそいます。イエス は言いいました。「自じ分ぶんが一いち番ばん年とし下しただと考かんがえて，ほかの人ひとのことを優ゆう先せんする人ひとこそ一いち番ばんえらい人ひとです。

あなたたちは私わたしの友ともです。私わたしは父ちちから話はなすよう言いわれたことを全ぜん部ぶ伝つたえています。もうすぐ私わたしは天てんの父ちちの所ところに行いきます。あなたたちは付ついてくることはできません。人ひと々びとは，あなたたちがおたがいに愛あいを示しめし合あっているのを見みて，あなたたちが私わたしの弟で子しであることを知しります。私わたしがあなたたちを愛あいした通とおりに，あなたたちもたがいを愛あいさなければなりません」。

最さい後ごにイエスは祈いのって，弟で子したちみんなを守まもってくれるようエホバにお願ねがいします。弟で子したちが協きょう力りょくしながら平へい和わに働はたらけるようにエホバにお願ねがいしました。そして，エホバのお名な前まえが聖せいなるものとされるよう祈いのりました。それからイエスと使し徒とたちは，エホバへの賛さん美びの歌うたを歌うたって外そとに出でます。イエスがつかまる時ときが近ちかづいていました。