1，2. （イ）エホバ​の​僕​たち​は​これ​まで，どんな​崇拝​の​場所​を​用い​て​き​まし​た​か。（ロ）イエス​は​エルサレム​の​エホバ​の​神殿​に​対し​て，どんな​気持ち​を​抱い​て​い​まし​た​か。（ハ）この​記事​の​目的​は​何​です​か。

神​の​僕​たち​は​初期​の​時代​から，清い​崇拝​の​ため​の​定まっ​た​場所​を​持っ​て​い​まし​た。アベル​は​神​に​捧げ物​を​し​た​時​に​祭壇​を​用い​た​か​も​しれ​ませ​ん。（創 4:3，4）ノア，アブラハム，イサク，ヤコブ，モーセ​は​祭壇​を​築き​まし​た。（創 8:20; 12:7; 26:25; 35:1。出 17:15）イスラエル​人​は​エホバ​の​指示​に​より，幕屋​を​建て​まし​た。（出 25:8）後​に​は，エホバ​を​崇拝​する​ため​の​神殿​を​建設​し​まし​た。（王​一 8:27，29）バビロン​捕囚​から​戻っ​た​後，ユダヤ​人​は​会堂​で​定期​的​に​集まり​まし​た。（マル 6:2。ヨハ 18:20。使徒 15:21）初期​クリスチャン​は，会衆​の​成員​の​家​で​集まり合い​まし​た。（使徒 12:12。コリ​一 16:19）今日，エホバ​の​民​は​世界​中​の​幾万​も​の​王国​会館​に​集まっ​て，エホバ​に​教育​さ​れ，崇拝​を​ささげ​ます。

² イエス​は​エルサレム​の​エホバ​の​神殿​に​対し​て​深い​愛​と​認識​を​抱い​て​い​まし​た。その​ため​福音​書​筆者​は，「あなた​の​家​に​対する​全き​熱心​が​わたし​を​食い尽くし[た]」と​いう​預言​的​な​言葉​を，イエス​ に​当てはめ​まし​た。（詩 69:9。ヨハ 2:17）エルサレム​の​神殿​の​場合​と​同じ​意味​で，王国​会館​を「エホバ​の​家」と​呼ぶ​こと​は​でき​ませ​ん。（代​二 5:13; 33:4）それでも​聖書​を​調べる​なら，現代​に​おける​崇拝​の​場所​を​どの​よう​に​用い，敬意​を​示す​べき​か​に​関する​原則​が​分かり​ます。この​記事​の​目的​は，そう​し​た​原則​を​幾つ​か​取り上げ，王国​会館​に​対する​見方​や​資金​援助​や​メンテナンス​に​それら​の​原則​が​どう​当てはまる​か​を​考える​こと​です。 *

3‐5. 王国​会館​に​は​どんな​役割​が​あり​ます​か。その​こと​は，王国​会館​で​の​集会​に​対する​見方​に​どう​影響​する​はず​です​か。

³ 王国​会館​は​地域​社会​に​おける​清い​崇拝​の​中心​地​です。エホバ​が​わたしたち​を​霊的​に​養う​方法​の​一つ​は，王国​会館​で​の​毎週​の​集会​です。王国​会館​で​は，エホバ​の​組織​を​通し​て​霊的​な​さわやか​さ​と​導き​を​得る​こと​が​でき​ます。集会​に​出席​する​人​は​皆，いわば​エホバ​と​み子​に​招待​さ​れ​て​その​よう​な​益​を​得​て​い​ます。わたしたち​は，いつ​で​も「エホバ​の​食卓」に​あずかっ​て​よ​い，と​言わ​れ​て​い​ます​が，この​招待​を​当然​の​もの​と​考え​て​は​なり​ませ​ん。―コリ​一 10:21。

⁴ エホバ​は，わたしたち​が​崇拝​を​ささげ​相互​に​励まし合う​機会​を​重視​し​て​おら​れ​ます。その​ため，使徒​パウロ​は​霊感​を​受け​て，集まり合う​こと​を​やめ​ない​よう​強く​勧め​まし​た。（ヘブライ 10:24，25​を​読む。）わたしたち​が​簡単​な​理由​で​集会​を​休む​と​し​たら，エホバ​を​敬っ​て​いる​こと​に​なる​でしょ​う​か。集会​の​準備​を​し，心​を​こめ​て​参加​する​なら，エホバ​と​集会​に​対する​深い​感謝​を​示せる​の​です。―詩 22:22。

⁵ 王国​会館​と​いう​建物​と，そこで​行なわ​れる​霊的​な​活動​に​対する​わたしたち​の​態度​に​は，ふさわしい​敬意​が​表われ​て​いる​べき​です。王国​会館​の​看板​に​は​たいてい​神​の​お名前​が​記さ​れ​て​い​ます。わたしたち​は​その​お名前​に​賛美​を​もたらす​よう​な​振る舞い​を​し​たい​と​思っ​て​い​ます。―列王​第​一 8:17​と​比較。

6. ある​人​たち​は，王国​会館​と​そこ​で​の​集会​に​出席​する​人​たち​に​つい​て，どんな​こと​を​述べ​まし​た​か。（冒頭​の​写真​を​参照。）

⁶ 崇拝​の​場所​に​対する​わたしたち​の​敬意​は，しばしば​一般​の​人​たち​の​目​に​も​留まり​ます。例えば，トルコ​の​ある​男性​は​こう​述べ​まし​た。「王国​会館​で​目​に​し​た​清潔​さ​と​秩序​正しさ​に​感銘​を​受け​まし​た。皆さん，身なり​が​きちんと​し​て​い​て，よく​ほほえみ，温かく​挨拶​し​て​くれ​まし​た。本当​に​感銘​を​受け​まし​た」。その​男性​は​集会​に​定期​的​に​出席​する​よう​に​なり，程なく​し​て​バプテスマ​を​受け​まし​た。インドネシア​で​は，ある​都市​の​会衆​が​王国​会館​の​献堂​式​に​先立ち，地元​の​役人​と​近所​の​人​たち​を​招い​て​一般​公開​を​行ない​まし​た。訪れ​た​市長​は​建物​の​質​と​機能​性，庭​の​美しさ​に​感心​し，「この​会館​は​清潔​です​ね。皆さん​が​本当​の​信仰​を​持っ​て​いる​こと​が​分かり​ます」と​コメント​し​まし​た。

7，8. 集会​に​出席​し​て​いる​人​たち​は，どんな​こと​を​銘記​す​べき​です​か。

⁷ 集会​に​招い​て​くださる​神​に​対する​敬意​は，集会​で​の​礼儀，服装，身なり​に​表われる​はず​です。極端​を​避ける​の​も​敬意​の​表われ​です。観察​に​よれ​ば，集会​で​の​正しい​振る舞い​に​つい​て​過度​に​厳しい​見方​を​する​人​も​いれ​ ば，あまり​に​無​頓着​な​人​も​いる​よう​です。もちろん​エホバ​は，ご自分​の​僕​や​研究​生​など​が​集会​を​楽しむ​こと​を​願っ​て​おら​れ​ます。しかし，出席​し​て​いる​人​たち​は，他​の​人​の​くだけ​すぎ​た​服装​や，集会​中​の​おしゃべり，メール，飲食​など​に​よっ​て​気​が​散らさ​れ​たく​は​ない​でしょ​う。親​の​皆さん​は，王国​会館​は​走っ​たり​遊ん​だり​する​場所​で​は​ない​こと​を，子ども​に​教える​必要​が​あり​ます。―伝 3:1。

⁸ イエス​は​神殿​に​商行為​を​持ち込ん​で​い​た​人​たち​を​見​て​義憤​に​駆ら​れ，追い出し​まし​た。（ヨハ 2:13‐17）王国​会館​も，清い​崇拝​を​ささげ，霊的​な​教育​を​受ける​ため​の​場所​です。ですから，霊的​な​事柄​と​は​関係​の​ない​商行為​は​すべて，別​の​場所​で​行なう​べき​です。―ネヘミヤ 13:7，8​と​比較。

9，10. （イ）新しい​王国​会館​の​建設​と​その​資金​援助​は，どの​よう​に​行なわ​れ​て​い​ます​か。どんな​結果​に​なっ​て​い​ます​か。（ロ）王国​会館​を​建設​する​資力​が​なかっ​た​会衆​に​とっ​て，どんな​取り決め​は​大きな​助け​と​なり​まし​た​か。

⁹ エホバ​の​組織​は，簡素​な​王国​会館​の​建設​と​その​資金​援助​の​ため​に，懸命​に​努力​し​て​い​ます。王国​会館​の​設計​･​建設​･​改装​の​仕事​が，無償​で​働く​自発​奉仕​者​たち​に​よっ​て​行なわ​れ​て​い​ます。どんな​結果​に​なっ​て​い​ます​か。1999​年​11​月​1​日​以来，世界​各地​の​会衆​の​ため​に，清い​崇拝​の​中心​地​と​なる​美しい​王国​会館​が​2万8000​軒​以上​も​建設​さ​れ​まし​た。と​いう​こと​は，過去​15​年​間​に，毎日​平均​5​軒​の​王国​会館​が​建設​さ​れ​た​と​いう​こと​です。

¹⁰ 王国​会館​が​必要​な​場所​で​は​どこ​で​も，その​建設​を​支援​する​努力​が​払わ​れ​て​い​ます。その​よう​な​愛​ある​取り決め​の​聖書​的​な​原則​と​なっ​て​いる​の​は，ある​人​たち​の​余分​に​よっ​て​他​の​人​たち​の​欠乏​を​埋め合わせ，「均等」を​図る​こと​です。（コリント​第​二 8:13‐15​を​読む。）その​結果，王国​会館​を​建設​する​資力​の​なかっ​た​会衆​の​ため​に，清い​崇拝​の​中心​地​と​なる​美しい​王国​会館​が​建設​さ​れ​まし​た。

11. 新しい​王国​会館​に​つい​て，兄弟​たち​は​何​と​述べ​て​い​ます​か。その​コメント​に​つい​て，あなた​は​どう​思い​ます​か。

¹¹ この​取り決め​から​益​を​得​た​コスタリカ​の​一​会衆​は，次​の​よう​に​書い​て​き​まし​た。「新しい​王国​会館​が​建っ​た​の​が​夢​の​よう​です。信じ​られ​ませ​ん。わずか​8​日​間​で，美しい​王国​会館​が​完成​を​見​た​の​です。エホバ​の​祝福，組織​が​設け​て​くださっ​た​取り決め，愛する​兄弟​たち​の​支援​の​おかげ​です。この​崇拝​の​場所​は，まさしく​貴重​な​贈り物​で​あり，エホバ​が​与え​て​くださっ​た​宝物​です。この​喜び​を​何​と​表現​し​て​よい​か​分かり​ませ​ん」。わたしたち​は，こう​し​た​感謝​の​言葉​を​聞き，世界​の​幾万​も​の​ 場所​で​仲間​の​兄弟​たち​が​同じ​喜び​を​経験​し​て​いる​と​思う​と，うれしく​なり​ます。これ​は​エホバ​の​業​です。というのは，王国​会館​が​完成​する​と，愛​に​富む​創造​者​に​つい​て​知り​たい​と​思う​心​の​正直​な​人​たち​が，大勢​集まっ​て​くる​から​です。―詩 127:1。

12. あなた​は，王国​会館​建設​に​どの​よう​に​貢献​でき​ます​か。

¹² 多く​の​兄弟​姉妹​は，王国​会館​建設​に​参加​し​て​大きな​喜び​を​味わっ​て​き​まし​た。しかし，建設​現場​で​奉仕​でき​なく​て​も，わたしたち​は​皆，寄付​に​よっ​て​建設​プロジェクト​を​支援​でき​ます。聖書​時代，神権​的​プロジェクト​を​資金​面​で​支援​する​よう​人々​を​動かし​た​の​は，清い​崇拝​へ​の​熱意​でし​た。それ​は​今日​で​も​同じ​です。エホバ​の​栄光​の​ため​に​そう​する​の​です。―出 25:2。コリ​二 9:7。

13，14. 王国​会館​を​清潔​で​きちんと​し​た​状態​に​し​て​おく​こと​に​は，聖書​の​どんな​原則​が​当てはまり​ます​か。

¹³ 新しい​王国​会館​が​建て​られ​た​なら，神​の​特質​と​性格​を​反映​できる​よう​に，王国​会館​を​清潔​で​きちんと​し​た​状態​に​し​て​おく​こと​が​必要​です。わたしたち​が​崇拝​する​エホバ​は​秩序​の​神​だ​から​です。（コリント​第​一 14:33，40​を​読む。）聖書​は，聖​なる​状態​と​霊的​な​清さ​を，身体​的​な​清さ​と​結び付け​て​い​ます。（啓 19:8）ですから，エホバ​に​受け入れ​て​いただく​ため​に​は，良い​衛生​状態​を​保た​なけれ​ば​なり​ませ​ん。

¹⁴ こう​し​た​原則​を​当てはめ​て​いる​なら，王国​会館​は​良い​たより​に​ふさわしい​状態​に​保た​れ，いつも​自信​を​もっ​て​人々​を​集会​に​招待​できる​はず​です。集会​に​来る​人​たち​は，わたしたち​ の​崇拝​する​神​が​聖​なる​方​で​あり，ま​も​なく​地上​を​美しく​清潔​な​楽園​に​変え​られる​と​いう​こと​を​理解​できる​でしょ​う。―イザ 6:1‐3。啓 11:18。

15，16. （イ）王国​会館​を​清潔​な​状態​に​保つ​の​が​難しく​なる​理由​と​し​て，どんな​こと​が​あり​ます​か。しかし，清潔​さ​を​保つ​べき​な​の​は​なぜ​です​か。（ロ）会衆​は​王国​会館​の​清掃​に​関し​て，どんな​取り決め​を​設け​ます​か。わたしたち​各自​に​は​どんな​特権​が​あり​ます​か。

¹⁵ 掃除​を​どれ​ほど​重視​する​か​は，人​に​よっ​て​違う​か​も​しれ​ませ​ん。では​どの​程度，行なえ​ば​よい​の​でしょ​う​か。その​点​に​関する​意識​は，育っ​た​環境​に​よっ​て​異なり​ます。また，泥​や​ほこり，道路​状況，水​や​洗剤​が​手​に​入り​やすい​か​どう​か​も​影響​し​ます。土地​の​状況​や​人々​の​見方​が​どう​で​あれ，王国​会館​は​手入れ​の​行き届い​た​場所​と​し​て​良い​評判​を​得​て​いる​べき​です。そこ​は​エホバ​の​お名前​が​付さ​れ​た，清い​崇拝​の​場所​だ​から​です。―申 23:14。

¹⁶ 王国​会館​の​清掃​を​成り行き任せ​に​し​て​は​なり​ませ​ん。長老​団​は，掃除​の​予定​表​を​作成​し，会衆​の​崇拝​の​場所​が​ふさわしい​状態​に​保た​れる​よう，洗剤​や​掃除​道具​を​十分​に​備え​て​おく​必要​が​あり​ます。集会​後​に​毎回​行なう​べき​掃除​も​あれ​ば，それ​ほど​頻繁​に​行なう​必要​が​ない​もの​も​あり​ます。ですから，何​か​を​見過ごす​こと​が​ない​よう，きちんと​し​た​取り決め​と​監督​が​必要​です。会衆​の​成員​すべて​に​は，王国​会館​の​清掃​に​協力​する​特権​が​あり​ます。

17，18. （イ）聖書​に​は，清い​崇拝​の​場所​の​メンテナンス​が​行なわ​れ​た​どんな​実例​が​あり​ます​か。（ロ）王国​会館​を​良い​状態​に​保つ​べき​な​の​は，なぜ​です​か。

¹⁷ エホバ​の​僕​たち​は，崇拝​の​場所​を​きちんと​修理​する​こと​に​も​勤勉​に​取り組み​ます。ユダ​の​王​エホアシュ​は，エホバ​の​家​に​対する​寄付​を​用い​て，「どこ​で​も​裂け目​が​見つかる​なら，その​家​の​裂け目​を​修理」する​よう，祭司​たち​に​命じ​まし​た。（王​二 12:4，5）その​200​年​余り​後，ヨシヤ​王​も​神殿​の​寄付​を​用い​て，必要​な​修理​を​行ない​まし​た。―歴代​第​二 34:9‐11​を​読む。

¹⁸ 幾つ​か​の​支部​の​報告​に​よる​と，一部​の​国​で​は，建物​や​設備​の​メンテナンス​が​軽視​さ​れる​傾向​が​ある​と​いう​こと​です。恐らく，メンテナンス​の​方法​を​知っ​て​いる​人​が​あまり​い​ない​か，その​ため​の​資金​が​ない​の​でしょ​う。しかし，メンテナンス​を​怠っ​て​しまう​と，王国​会館​が​早く​老朽​化​し，地域​社会​に​対する​良い​証言​に​なら​ない​の​は​明らか​です。逆​に，会衆​の​成員​が​王国​会館​を​良い​状態​に​保つ​よう​努力​する​なら，エホバ​に​賛美​が​もたらさ​れ，仲間​の​クリスチャン​から​の​寄付​金​を​無駄​に​せ​ず​に​すみ​ます。

19. あなた​は，清い​崇拝​の​場所​に​対する​熱心​さ​を，どの​よう​に​示し​たい​と​思い​ます​か。

¹⁹ 王国​会館​は​エホバ​に​ささげ​られ​た​建物​です。ですから，だれ​に​法的​所有​権​が​ある​に​せよ，王国​会館​は​特定​の​個人​や​会衆​の​もの​で​は​あり​ませ​ん。聖書​の​原則​から​分かる​とおり，わたしたち​は​王国​会館​が​その​目的​に​きちんと​かなう​建物​と​なる​よう，十分​に​協力​し​なけれ​ば​なり​ませ​ん。その​ため​に​会衆​の​成員​すべて​は，崇拝​の​場所​に​対する​ふさわしい​敬意​を​示し，新しい​王国​会館​の​建設​の​ため​に​寄付​を​し，今​ある​王国​会館​の​清掃​と​メンテナンス​の​ため​に，時間​と​エネルギー​を​進ん​で​用いる​こと​が​でき​ます。そう​する​なら，イエス​と​同じ​よう​に，エホバ​の​清い​崇拝​の​場所​に​対する​熱心​さ​を​示せる​の​です。―ヨハ 2:17。