エホバは愛の神
歌: 18,91
1. 神の最も際立った特質は何ですか。そのような特質を備えた神について,あなたはどう感じますか。
霊感によって記されたエホバのみ言葉 聖書は,「神は愛」と述べています。愛が単に,神の多くの麗しい特質の一つだというのではありません。「神は愛」と表現されています。(ヨハ一 4:8)愛は神の最も際立った,最も大切な特質です。エホバは愛があるというだけでなく,愛を体現しておられます。宇宙とすべての生き物の創造者が愛の神であられるのは,本当に素晴らしいことです。神が行なうことはすべて,愛を動機としています。
2. エホバが愛の神であることから,わたしたちは何を確信できますか。(冒頭の挿絵を参照。)
2 神はご自分の創造物に,温かく優しい愛情を抱いておられます。ですからわたしたちは,人間家族に対する神の目的すべてが最善の方法で果たされ,神の支配に服するすべての人に最大の益がもたらされることを確信できます。例えば,エホバは愛に動かされて,「ご自分が任命したひとりの人[イエス・キリスト]によって人の住む地を義をもって裁くために日を定め」られました。(使徒 17:31)その裁きは 確実に行なわれます。義を愛する従順な人たちは好意的な裁きを受け,永遠に続く豊かな祝福にあずかるのです。
歴史は何を示してきたか
3. 神が人類を愛しておられないとしたら,どうなってしまうと思いますか。
3 神が人類を愛しておられないとしたら,将来はどうなるでしょうか。人間が人間を支配し続け,愛のない,憤りに満ちた神サタンの影響のもとで生活するしかないでしょう。(コリ二 4:4。ヨハ一 5:19。啓示 12:9,12を読む。)神の愛が世界中で働いていないとすれば,将来は暗たんたるものとなるでしょう。
4. エホバが,ご自分の義にかなった支配への反逆を許されたのは,なぜですか。
4 悪魔はエホバの支配に反逆した時,最初の人間夫婦も反逆するよう唆しました。悪魔は,神の宇宙主権が正当で義にかなっているということに異議を唱え,事実上,自分の支配のほうが創造者の支配よりも優れている,と主張しました。(創 3:1‐5)エホバはサタンにその主張の正しさを証明する時間を与えましたが,それは一時的なものでした。しかしその時間は,豊かな知恵を持つエホバにとって,ご自分の支配以外のどんな支配も欠陥があることを証明するのに十分でした。人類の悲惨な歴史は,人間もサタンも良い支配者とはなり得ないことを,はっきり示しています。
5. 人類の歴史は,どんなことをはっきり示してきましたか。
5 過去100年間だけでも,1億人以上の人たちが諸国家の戦争で命を失いました。今日,世界情勢は悪化の一途をたどっています。この事物の体制の「終わりの日」に「邪悪な者とかたりを働く者とはいよいよ悪に進」むという,聖書の予告通りになっています。(テモ二 3:1,13)聖書は,「エホバよ,地の人の道はその人に属していないことをわたしはよく知っています。自分の歩みを導くことさえ,歩んでいるその人に属しているのではありません」と述べています。歴史は,そのことを疑問の余地なく示してきました。(エレ 10:23)エホバは人間を創造した際,ご自分から独立して物事を導く能力も権利もお与えになりませんでした。
6. 神が一時的に悪を許されたことにより,どんな目的が達成されますか。
6 神が悪を一時的に許されたために,人間による支配の失敗が明らかになりました。同時に,長期的な別の目的も達成されます。神の支配のみが成功することを裏付ける恒久的な証拠が提出されるのです。エホバが悪と悪を引き起こす者たちを滅ぼした後,だれかが再びエホバの愛情深い支配の仕方に異議を唱えるとしても,神がそうした事態を許しておく必要はありません。人類の歴史の中で生じた事柄を正当な根拠として,反逆者たちを速やかに除き去ることができます。もう一度悪がはびこるのを許す必要はないのです。
エホバの愛はすでに示されている
7,8. エホバの大きな愛はどんな点に示されていますか。
7 エホバの大きな愛は,数々の点に示されています。例えば,宇宙の壮大さについて考えてください。宇宙には幾十億もの銀河があり,その各々に幾十億もの恒星や惑星が含まれています。天の川銀河にあるそうした恒星の1つが,太陽です。太陽がなければ地上の無数の生き物は生存できないでしょう。そうした創造物すべては,エホバの神性と,力・知恵・愛などの特質を明らかにしています。そうです,「神の見えない特質,すなわち,そのとこしえの力と神性とは,造られた物を通して認められるので,世界の創造以来明らかに見える」のです。―ロマ 1:20。
啓示 4:11を読む。)さらに神は,「すべての肉なる者に食物を与えてくださる方」です。「その愛ある親切は定めのない時にまで及ぶから」です。―詩 136:25。
8 エホバは地球を,地上の生き物の益となるように設計されました。人間のために美しい楽園を作り,完全な心と体を与えて,永遠に生きられるようにされました。(9. エホバは愛だけでなく,どんな感情を抱くこともありますか。なぜですか。
9 エホバは愛の神ですが,悪を憎む,とも言っておられます。例えば,詩編 5編4‐6節はエホバについてこう述べています。「あなたは邪悪なことを喜ぶ神ではないからです。……あなたは有害なことを習わしにする者をみな憎まれるのです」。さらに,「血を流し,欺く者をエホバは憎み嫌われます」とも記されています。
間もなく悪は終わる
10,11. (イ)エホバは邪悪な人たちをどのように扱いますか。(ロ)エホバは,義を愛する人たちにどのような報いをお与えになりますか。
10 エホバは愛の神であり悪を憎む方なので,地上から,そして宇宙から,悪を除き去ることを意図しておられます。その時,支配権に関する論争は完全な解決を見ます。神の言葉はこう約束しています。「悪を行なう者たちは断ち滅ぼされるが,エホバを待ち望む者たちは,地を所有する者となる……。そして,ほんのもう少しすれば,邪悪な者はいなくなる。……エホバに敵する者たちは牧場の貴重なもののようになるからだ。彼らは必ずその終わりを迎える。煙となって必ず終わりを迎える」。―詩 37:9,10,20。
11 神の言葉はこうも約束しています。「義なる者たちは地を所有し,そこに永久に住むであろう」。(詩 37:29)そのような者たちは,「豊かな平和にまさに無上の喜びを見いだす」でしょう。(詩 37:11)この約束は必ず実現します。愛に富む神は常に,忠実な僕たちの最善の益となる事柄を行なわれるからです。聖書にはこうあります。「神は彼らの目からすべての涙をぬぐい去ってくださり,もはや死はなく,嘆きも叫びも苦痛ももはやない。以前のものは過ぎ去ったのである」。(啓 21:4)エホバの愛に本当に感謝し,支配者であるエホバに従う人たちすべてには,何と素晴らしい将来が待ち受けているのでしょう。
12. 「とがめのない者」とは,どんな人ですか。
12 聖書はこう述べています。「とがめのない者に注目し,廉直な者を見つめよ。その人の将来は平安だからである。しかし,違犯をおかす者たちは必ず共に滅ぼし尽くされ,邪悪な者たちの将来はまさしく断ち滅ぼされるであろう」。(詩 37:37,38)「とがめのない者」は,エホバとみ子を知るようになり,従順に神のご意志を行ないます。(ヨハネ 17:3を読む。)そして,ヨハネ第一 2章17節の次のような言葉を真剣に受け止めます。「世は過ぎ去りつつあり,その欲望も同じです。しかし,神のご意志を行なう者は永久にとどまります」。世の終わりが近い今,「エホバを待ち望み,その道を守」ることは急を要します。―詩 37:34。
神の愛の最大の表明
13. エホバの愛の最大の表明とは何ですか。
13 わたしたちは不完全ですが,「[エホバ]の道を守」ることはできます。また,エホバの愛の最大の表明であるイエスの贖いの犠牲ゆえに,エホバと親しい個人的な関係を築くことができます。神はその贖いにより,従順な人たちが,アダムから受け継いだ罪と死から自由になる道を開きました。(ローマ 5:12; 6:23を読む。)エホバは,計り知れないほど長い期間にわたり天で忠実を示してきた独り子 を,全く信頼しておられました。愛に富む父であるエホバは,地上でイエスが不当な扱いを受けるのを見て,心の痛みを覚えたに違いありません。しかしイエスは,神の主権を忠実に擁護し,完全な人間が,非常に厳しい試練に遭ってもエホバへの忠誠を保てることを証明しました。
14,15. イエスの死によって,どんなことが成し遂げられましたか。
14 イエスは,極度の試練のもとで忠誠を保ち,エホバの主権を擁護し,み父の忠実な僕として死にました。わたしたちは,イエスがその死によって贖いの代価を支払ってくださったことに,本当に感謝すべきです。それにより人類は請け戻され,約束された新しい世で永遠の命を得る道が開かれました。使徒パウロは,それがエホバとイエスお二方の素晴らしい愛の表明であることを示し,こう述べました。「実に,キリストは,わたしたちがまだ弱かった間に,不敬虔な者たちのため,定められた時に死んでくださったのです。義なる人のために死ぬ者はまずいません。もっとも,善良な人のためなら,あるいはだれかがあえて死ぬこともあるかもしれません。ところが神は,わたしたちがまだ罪人であった間にキリストがわたしたちのために死んでくださったことにおいて,ご自身の愛をわたしたちに示しておられるのです」。(ロマ 5:6‐8)使徒ヨハネはこう書いています。「わたしたちの場合,これによって神の愛が明らかにされました。すなわち, 神はご自分の独り子を世に遣わし,彼によってわたしたちが命を得られるようにしてくださったからです。愛はこの点,わたしたちが神を愛してきたというよりは,神がわたしたちを愛し,ご自分のみ子をわたしたちの罪のためのなだめの犠牲として遣わしてくださった,ということです」。―ヨハ一 4:9,10。
15 人類に対する神の愛について,イエスはこう述べました。「神は[請け戻し得る人類の]世を深く愛してご自分の独り子を与え,だれでも彼に信仰を働かせる者が滅ぼされないで,永遠の命を持てるようにされたからです」。(ヨハ 3:16)神は人間に非常に大きな愛を抱いておられ,どんな犠牲を払うとしても良いものを差し控えることはなさいません。神の愛は永遠に続きます。ですから,どんなときも神の愛を確信することができます。パウロはこう書いています。「死も,生も,み使いも,政府も,今あるものも,来たるべきものも,力も,高さも,深さも,またほかのどんな創造物も,わたしたちの主キリスト・イエスにおける神の愛からわたしたちを引き離しえないことを,わたしは確信しているからです」。―ロマ 8:38,39。
王国は今,支配している
16. メシア王国とは何ですか。エホバはその王国の支配をだれに委ねましたか。
16 人類に対する神の愛は,メシア王国のために設けておられる取り決めにはっきり見られます。エホバはすでにこの政府を,人類を愛し,支配者として優れた資格を持つみ子の手中に置いておられます。(箴 8:31)天でイエスの共同の相続人となる14万4000人には,人間として生活した経験があります。(啓 14:1)イエスは,王国をご自分の教えの主要なテーマとし,こう祈るよう弟子たちに教えました。「天におられるわたしたちの父よ,あなたのお名前が神聖なものとされますように。あなたの王国が来ますように。あなたのご意志が天におけると同じように,地上においてもなされますように」。(マタ 6:9,10)この祈りの言葉が実現する時,従順な人類は本当に豊かな祝福を得ることでしょう。
17. イエスの支配と罪深い人間の支配は,どのように対照的ですか。
17 天におけるイエスの愛に富む支配と,人間による支配は,実に対照的です。人間による支配は多くの戦争を引き起こし,その結果,膨大な数の人命が奪われてきました。しかしイエスは,ご自分の民を本当に気遣い,神の幾つもの素晴らしい特質,とりわけ愛を反映した支配を行なわれます。(啓 7:10,16,17)イエスはこう言われました。「すべて,労苦し,荷を負っている人よ,わたしのところに来なさい。そうすれば,わたしがあなた方をさわやかにしてあげましょう。わたしのくびきを負って,わたしから学びなさい。わたしは気質が温和で,心のへりくだった者だからです。あなた方は自分の魂にとってさわやかなものを見いだすでしょう。わたしのくびきは心地よく,わたしの荷は軽いのです」。(マタ 11:28‐30)何と愛にあふれた約束でしょう。
18. (イ)神の王国は設立されて以来,何を行なってきましたか。(ロ)次の記事ではどんな点について考えますか。
18 聖書預言によると,神の天の王国は,キリストの臨在が始まった1914年に設立されました。その後,天でイエスと共に支配する人たちの残りの者と,この体制の終わりを生き残り,新しい世に導き入れられる人々の「大群衆」が集められてきました。(啓 7:9,13,14)大群衆は今どれほどの人数になっているでしょうか。このグループを構成する人たちには何が求められますか。それらの点は次の記事で考えましょう。