1，2. （イ）イエスはどんな仕事を第一にした生き方をしましたか。（ロ）「神と共に働く者」であるわたしたちには，どんな努力が求められますか。

イエスは大工でした。その後，神の奉仕者として活動しました。（マル 6:3。ロマ 15:8）どちらの仕事にも熟達していました。大工をしていたころは，道具の使い方を覚え，木材から様々な製品を作りました。良い知らせの教師になってからは，聖書の深い知識を上手に使い，人々が真理を理解できるよう助けました。（マタ 7:28。ルカ 24:32，45）30歳の時に大工をやめ，もっと重要な宣教活動を始めました。神から遣わされた理由の一つは，神の王国の良い知らせを宣明することだと述べました。（マタ 20:28。ルカ 3:23; 4:43）宣教を第一にした生き方をし，他の人々にも宣教に加わってほしいと願っていました。（マタ 9:35‐38）

² わたしたちの多くは大工ではありませんが，皆，良い知らせの奉仕者です。宣教はとても大切な仕事です。「神と共に働[いて]」いるからです。（コリ一 3:9。コリ二 6:4）「み言葉の本質は真理」です。（詩 119:159，160）ですから，宣教で「真理の言葉を正しく扱[い]」たいと思います。（テモテ第二 2:15を読む。）聖書を使うためのスキルを磨き続けることが必要です。聖書は，エホバとイエスと王国についての真理を教えるための主な道具です。エホバの組織は，わたしたちが宣教を上手に行なえるよう，他の基本的な道具の使い方を覚えることも勧めています。宣教ツールボックスに収められている道具です。

3. 世の終わりが近づいている今，どんな努力を払う必要がありますか。使徒 13章48節によると，どんな人を探すべきですか。

³ 宣教ツールボックスと呼ばれているのはなぜでしょうか。わたしたちの務めは，人々の思いと心にメッセージを鳴り響かせ，学んだ事柄に基づいて行動するよう教えることだからです。世の終わりが近づいている今，聖書レッスンを始め，真理を教えるよう努力しなければなりません。「永遠の命のために正しく整えられた」人を懸命に探し，キリストの弟子となるよう助ける必要があります。（使徒 13:44‐48を読む。）

4. 「永遠の命のために正しく整えられた」人とはどんな人ですか。どうすれば見いだせますか。

⁴ どうすれば「永遠の命のために正しく整えられた」人を見いだせるでしょうか。1世紀と同様，良い知らせを伝えなければなりません。イエスの次の指示に従う必要があります。「どんな都市または村に入っても，そこにいるふさわしい人を捜し出し……なさい」。（マタ 10:11）不誠実な人，ごう慢な人，真理に関心のない人は，耳を傾けないかもしれません。わたしたちが探しているのは，正直で，謙遜で，真理を知りたいと思っている人です。イエスは大工だった時，家具やドアやくびきなどを作るのに適した木材を探したことでしょう。ふさわしい材料を見つけたら，ツールボックスから道具を取り出し，技術を駆使して製作に取りかかりました。誠実な人々を弟子とするためにも，同じようなことが求められます。（マタ 28:19，20）

5. 宣教ツールボックスの道具について，どんなことを知る必要がありますか。例えで説明してください。（冒頭の写真を参照。）

⁵ どのツールボックスにも言えることですが，道具にはそれぞれの目的があります。イエスはどんな大工道具を使ったでしょうか。 * 木材の長さを測ってしるしをつけたり，切ったり，穴を開けたり，削ったりする道具がありました。水平や垂直を測ったり，材料を組み立てたりする道具もありました。宣教ツールボックスの道具にもそれぞれの目的があります。どのように活用できるでしょうか。

6，7. （イ）あなたはコンタクトカードをどのように活用していますか。（ロ）会衆の集会の招待状をどのように活用できますか。

⁶ コンタクトカード。小さい道具ですが，エホバの証人やjw.orgについて知らせるうえで役立ちます。jw.orgを見た人は，エホバの証人について知り，聖書レッスンを申し込むことができます。これまで40万件以上の申し込みがありました。毎日何百件もの依頼が来ています。皆さんもコンタクトカードを何枚か持ち歩き，様々な機会に活用していることでしょう。

⁷ 招待状。会衆の集会の招待状には，「あなたもいかがですか エホバの証人と一緒に聖書を学べます」と記されています。その後，「集会で」，「あるいは個人レッスンで」学ぶ方法が紹介されています。この道具は，エホバの証人について知らせ，「自分の霊的な必要を自覚している」人たちに聖書を学ぶよう勧めるうえで役立ちます。（マタ 5:3）もちろん，聖書レッスンを受けなくても集会に出席できます。集会に来れば，エホバの証人がどのように聖書を教えているかをじかに見ることができます。

8. 集会に1度は来るよう誘うことが大切なのはなぜですか。

⁸ 集会に1度は来るよう誘うことは大切です。大いなるバビロンでは真理を全く学べませんが，エホバの証人の集会では十分に学べます。（イザ 65:13）何年か前，米国のレイとリンダという夫婦はその違いに気づきました。2人はある時，教会に行こうと思い立ちました。神を信じており，真理を知りたいと思ったのです。市内には教会がたくさんあったので，一つずつ行ってみることにしました。2つの条件に合った教会に通おうと決めました。まず，教会で何かを学べること，そして，教会のメンバーがきちんとした服装をしていることです。何年もかけて市内の教会すべてを訪ねました。でも，何も学ぶことができず，みんなだらしない服装をしていました。2人はがっかりしました。最後の教会を出た後，リンダは仕事に行き，レイは車で家に向かいました。レイはその途中で王国会館を目にし，「ちょっと立ち寄って，どんな人たちなのか見てみよう」と思いました。中に入ったレイは感動しました。みんな親しみ深く，きちんとした服装をしていました。レイは一番前の席で話を聞きました。素晴らしい話だと思いました。使徒パウロは，集会に初めて来る人が「神はほんとうにあなた方の中におられる」と言うと述べましたが，レイはまさにそう感じました。（コリ一 14:23‐25）以来，毎週日曜日の集会に出席し，やがて週日の集会にも来るようになりました。リンダも出席し始めました。2人は70代で聖書レッスンを始め，バプテスマを受けました。

9，10. （イ）パンフレットにはどんな特色がありますか。（ロ）「神の王国とは何ですか」のパンフレットをどのように使えますか。

⁹ パンフレット。会話を始めるのに役立つ8つのパンフレットがあります。2013年のリリース以来，50億部ほど印刷されました。同じ形式で書かれているので，1つのパンフレットの使い方を覚えれば，他のすべても同じように使えます。では，どのように会話を始められるでしょうか。

¹⁰ 「神の王国とは何ですか」のパンフレットを使うとします。まずタイトルを見せて，「神の王国とは何かお考えになったことはありますか。この中のどれだと思われますか」と尋ねます。そして，3つの選択肢から選んでもらいます。相手の答えが正しいかどうかは言わずに，「聖書によると」のページを見せて，ダニエル 2章44節とイザヤ 9章6節を読みます。話を続けられるなら，最後のページの「考えてみてください」の下にある「神の王国の支配のもとでは，どんな生活ができるのでしょうか」という質問をし，次の訪問につなげます。再訪問では，最後のページで紹介されている「神からの良い知らせ」の第7課を使うことができます。この冊子で聖書レッスンを始められるかもしれません。

11. 雑誌にはどんな目的がありますか。何を知ることは大切ですか。

¹¹ 雑誌。「ものみの塔」と「目ざめよ！」は，出版数や翻訳言語数が世界でも際立って多い雑誌です。表紙にある特集記事の主題は，世界中の人々の興味を引くものです。この道具を使って，大切なメッセージに対する関心を高めましょう。ふさわしい人に雑誌を渡すため，それぞれの雑誌がどんな人を対象にしているかを知ることは大切です。

12. （イ）「目ざめよ！」はどんな人を対象にしていますか。どんな目的がありますか。（ロ）最近，この雑誌を使ってどんな良い経験をしましたか。

¹² 「目ざめよ！」は，聖書についてあまり知らない人のために書かれています。キリスト教の教えを知らない人，宗教に幾らか不信感を持っている人，聖書が役立つ本であることを知らない人などを対象にしています。「目ざめよ！」の目的は，神の存在を確信するよう人々を助けることです。（ロマ 1:20。ヘブ 11:6）また，聖書が「神の言葉」であることを信じるよう助けることです。（テサ一 2:13）2018年の特集記事の主題は，「しあわせな生き方 6つのポイント」，「家族のために 聖書がすすめる12のこと」，「愛する家族を失った人へ」です。

13. （イ）「ものみの塔」（一般用）はどんな人を対象にしていますか。（ロ）最近，この雑誌を使ってどんな良い経験をしましたか。

¹³ 「ものみの塔」（一般用）は，神と聖書に幾らか敬意を持つ人を対象にしています。聖書の教えをある程度知っているものの，正確には理解していない人です。（ロマ 10:2。テモ一 2:3，4）2018年の特集記事は，「聖書 時代遅れ？」，「未来が気になりますか？」，「神様は気づいてくださらない？」という質問に答えています。

14. （イ）宣教ツールボックスにある4つのビデオにはどんな目的がありますか。（ロ）ビデオを使って良い経験をしたことがありますか。

¹⁴ ビデオ。イエスの時代の大工は手動の道具を使っていました。でも，今は電動の道具も使われています。電動ののこぎりやドリルや研磨機やくぎ打ち機などです。わたしたちも印刷物に加え，心を動かすビデオを使っています。宣教ツールボックスには，「聖書を学ぶべきなのはなぜですか」，「聖書レッスンのご案内」，「王国会館においでください」，「エホバの証人 どんな人たちですか」という4つのビデオがあります。2分以内のビデオは最初の訪問の時に役立ちます。長めのビデオは再訪問先の人や時間に余裕のある人に見せることができます。人々は心を動かされ，聖書を学んだり集会に出席したりしたいと思うかもしれません。

15. 母語のビデオを見せるとよいのはなぜですか。例を挙げてください。

¹⁵ ある姉妹は，ミクロネシアから引っ越してきた女性に会いました。姉妹はその人の母語であるヤップ語の「聖書を学ぶべきなのはなぜですか」を見せました。ビデオを再生し始めると，その女性は「あっ，ヤップ語だ。どうして？ これ，わたしの島のなまり。なつかしい」と言いました。そしてjw.orgにあるヤップ語の出版物を全部読みたい，ビデオも全部見たい，と言いました。（使徒 2:8，11と比較。）米国のある姉妹は，エホバの証人の活動が制限されている国に住むおいに「聖書を学ぶべきなのはなぜですか」のリンクを送りました。おいは母語のビデオを見て，次のようなメールを送ってきました。「邪悪な黒幕がいて世界を操っている，というところが気になりました。聖書レッスンを申し込みました」。

16. 次の冊子にはどんな目的がありますか。（イ）「神の言われることを聞いて，いつまでも生きつづけてください」。（ロ）「神からの良い知らせ」。（ハ）「今の時代にだれがエホバのご意志を行なっていますか」。

¹⁶ 冊子。文字をあまり読めない人や母語の文書がない人に，どのように真理を教えられるでしょうか。ぴったりの道具があります。「神の言われることを聞いて，いつまでも生きつづけてください」の冊子です。 * 「神からの良い知らせ」は，聖書レッスンを始めるための優れた道具です。裏表紙にある14の質問を家の人に見せ，どれに一番関心があるかを尋ねます。そして，その課からレッスンを始めます。この方法を再訪問で試したことがありますか。宣教ツールボックスには「今の時代にだれがエホバのご意志を行なっていますか」の冊子もあります。研究生をエホバの組織に導くための冊子です。毎回の聖書レッスンでどのように活用できるかについては，「クリスチャンとしての生活と奉仕 集会ワークブック」2017年3月号をご覧ください。

17. （イ）聖書レッスン用の2冊の本には，それぞれどんな目的がありますか。（ロ）研究生がバプテスマを受けた後も，何をする必要がありますか。なぜですか。

¹⁷ 本。冊子でレッスンを始めたら，いつでも「聖書から何を学べますか」（英語）の本に移行できます。聖書の基本的な教えを知ってもらうためです。この本が終わり，研究生が進歩しているなら，「神に愛される人として生きる」（英語）の本でレッスンをします。聖書の原則を生活に当てはめる方法を教えることができます。 * 研究生がバプテスマを受けた後も，この2冊の本が終わるまでレッスンを続けます。真理のしっかりした土台を築くためです。（コロサイ 2:6，7を読む。）

18. （イ）テモテ第一 4章16節によれば，真理を教える人はどんな努力を払うべきですか。どんな結果になりますか。（ロ）わたしたちの目的は何ですか。

¹⁸ わたしたちには，人々を永遠の命に導く「良いたよりの真理」が託されています。（コロ 1:5。テモテ第一 4:16を読む。）宣教ツールボックスには必要な道具がそろっています。（ 「宣教ツールボックス」の囲みを参照。）道具をできる限り上手に使いましょう。関心を持つ人にどの出版物をいつ使うかは，奉仕者が判断します。わたしたちの目的は，文書をただ配ったり，関心のない人に文書を渡したりすることではありません。「永遠の命のために正しく整えられた」人，つまり正直で，謙遜で，真理を知りたいと思っている人がキリストの弟子になるよう助けることです。（使徒 13:48。マタ 28:19，20）