1. イエスの警けい告こくに従したがう必ひつ要ようがあるのはなぜですか。

イエスは終おわりの日ひについての預よ言げんの中なかで，こう述のべました。「生せい活かつ上じょうの思おもい煩わずらい[または，「暮くらしのための思おもい煩わずらい」]……のためにあなた方がたの心こころが押おしひしがれ[る]ことがないよう，自じ分ぶん自じ身しんに注ちゅう意いを払はらいなさい」。（ルカ 21:34; 脚きゃく注ちゅう）わたしたちはこの警けい告こくに従したがう必ひつ要ようがあります。今こん日にちでも，ストレスとなる同どう様ようの問もん題だいに対たい処しょしなければならないからです。

2. 兄きょう弟だい姉し妹まいは，ストレスとなるどんな問もん題だいにぶつかっていますか。

² 一いち度どに幾いくつもの問もん題だいにぶつかることもあります。例たとえば，ジョン *という兄きょう弟だいは多た発はつ性せい硬こう化か症しょうを患わずらっていました。ある日ひ，19年ねん連つれ添そった妻つまが家いえを出でて行いき，ジョンは打うちのめされました。その後ご追おい打うちをかけるように，娘むすめ2人ふたりがエホバに仕つかえるのをやめてしまいました。ボブとリンダという夫ふう婦ふも幾いくつかの難むずかしい問もん題だいにぶつかりました。2人ふたりとも失しつ業ぎょうし，家いえを失うしないました。リンダは命いのちにかかわる心しん臓ぞう病びょうと診しん断だんされ，免めん疫えき系けいを徐じょ々じょに損そこなう病びょう気きにもなってしまいました。

3. フィリピ 4章しょう6，7節せつから，どんな確かく信しんを抱いだけますか。

³ 創そう造ぞう者しゃまた愛あい情じょう深ぶかい天てんの父ちちであるエホバは，ストレスがわたしたちにどんな影えい響きょうを及およぼすかをご存ぞんじです。わたしたちが難むずかしい問もん題だいに対たい処しょできるよう助たすけたいと思おもっておられます。（フィリピ 4:6，7を読よむ。）聖せい書しょには，神かみに仕つかえた人ひとたちが様さま々ざまな問もん題だいを耐たえ忍しのんだことが記しるされています。そうした問もん題だいに対たい処しょできるよう，エホバがどのように助たすけたかも記き録ろくされています。では，幾いくつかの例れいを考かんがえましょう。

4. エリヤはどんな問もん題だいにぶつかりましたか。エホバに頼たよることによって，どんな経けい験けんをしましたか。

⁴ エリヤは大たい変へんな時じ期きにエホバに仕つかえた人ひとで，幾いくつもの難むずかしい問もん題だいにぶつかりました。イスラエルの歴れき史しの中なかでも特とくに不ふ忠ちゅう実じつな王おうアハブは，邪じゃ悪あくなバアル崇すう拝はい者しゃイゼベルと結けっ婚こんしました。2人ふたりは国くに中じゅうでバアル崇すう拝はいを推おし進すすめ，エホバの預よ言げん者しゃたちを大おお勢ぜい殺ころしましたが，エリヤは何なんとか逃にげることができました。エリヤはエホバに頼たよることによって，ひどい飢ききんを生いき延のびることもできました。（王おう一いち 17:2-4，14-16）バアルの預よ言げん者しゃや崇すう拝はい者しゃたちと対たい決けつした時ときにも，エホバに頼たよりました。エホバに仕つかえるようイスラエル人じんに強つよく勧すすめました。（王おう一いち 18:21-24，36-38）エリヤは，ストレスとなるそうした状じょう況きょうのもとで，エホバが支ささえてくださっていることを何なん度ども実じっ感かんしました。

5-6. 列れつ王おう第だい一いち 19章しょう1-4節せつによると，エリヤはどんな気き持もちになりましたか。エホバは，エリヤを愛あいしていることをどのように示しめしましたか。

⁵ 列れつ王おう第だい一いち19:1-4を読よむ。しかし，エリヤは王おう妃ひイゼベルに命いのちをねらわれ，恐おそれを感かんじてベエル･シェバの先さきまで逃にげました。ひどく落おち込こみ，「死しぬことを願ねが[い]」ました。どうしてそう感かんじたのでしょうか。エリヤは「わたしたちと同どう様ようの感かん情じょうを持もつ」不ふ完かん全ぜんな人ひとでした。（ヤコ 5:17）ストレスと極きょく度どの疲つかれでいっぱいいっぱいになってしまったのでしょう。こう考かんがえたのかもしれ ません。「清きよい崇すう拝はいを推おし進すすめるために努ど力りょくしたが，無む駄だだった。イスラエルの状じょう況きょうは全まったく良よくなっていない。今いまでもエホバに仕つかえているのは自じ分ぶんだけだ」。（王おう一いち 18:3，4，13; 19:10，14）忠ちゅう実じつな預よ言げん者しゃがこんなふうに感かんじたことを意い外がいに思おもうかもしれません。でも，エホバはエリヤの気き持もちを理り解かいしておられました。

⁶ エホバは，気き持もちを打うち明あけたエリヤを叱しかったりしませんでした。むしろ，エリヤが力ちからを取とり戻もどせるよう助たすけました。（王おう一いち 19:5-7）後のちにエホバは，ご自じ分ぶんのすさまじい力ちからを示しめすことによって，エリヤの考かんがえを親しん切せつに正ただしました。さらに，イスラエルにはバアル崇すう拝はいを拒こばんだ人ひとたちがまだ7000人にんもいることを知しらせました。（王おう一いち 19:11-18）エホバはそのようにして，エリヤを愛あいしていることを示しめしました。

7. エリヤの例れいからどんな励はげみが得えられますか。

⁷ あなたはストレスとなる状じょう況きょうに置おかれていますか。エホバがエリヤの気き持もちを理り解かいしておられたことを知しると，慰なぐさめられます。わたしたちのつらい気き持もちも分わかってくださる，と確かく信しんできるからです。エホバはわたしたちの限げん界かいはもちろん，考かんがえや気き持もちも知しっておられます。（詩し 103:14; 139:3，4）エリヤに倣ならってエホバに頼たよるなら，エホバはストレスとなる問もん題だいに対たい処しょできるよう助たすけてくださいます。（詩し 55:22）

8. わたしたちがストレスに対たい処しょできるよう，エホバはどのように助たすけてくださいますか。

⁸ だれでも，ストレスのせいでマイナス思し考こうになり，落おち込こんでしまうことがあります。そんな時ときは，エホバが助たすけてくださることを思おもい出だしてください。どのように助たすけてくださるでしょうか。エホバは，悩なやみを打うち明あけるよう勧すすめておられます。そして，助たすけを求もとめる叫さけびを聞きいてくださいます。（詩し 5:3。ペテ一いち 5:7）ですから，抱かかえている問もん題だいについて，エホバに気き兼がねなく祈いのってください。エリヤの時ときとは違ちがい，直ちょく接せつ話はなしかけてくださることはありません。でも，ご自じ分ぶんの言こと葉ば聖せい書しょや組そ織しきを通とおして語かたりかけてくださいます。聖せい書しょの記き述じゅつを読よむと，慰なぐさめられ，希き望ぼうが持もてます。仲なか間まの兄きょう弟だい姉し妹まいも励はげましてくれます。（ロマ 15:4。ヘブ 10:24，25）

9. 信しん頼らいできる友ともは，どんな助たすけになってくれますか。

⁹ エホバはエリヤに対たいして，エリシャに仕し事ごとをゆだねるよう伝つたえました。エリヤが切せつ実じつに必ひつ要ようとしていた仲なか間まをお与あたえになったのです。エリシャはエリヤを感かん情じょう面めんで支ささえたことでしょう。わたしたちも，信しん頼らいできる友ともに話はなしを聞きいてもらうと，気き持もちが楽らくになります。（王おう二に 2:2。箴しん 17:17）そのような友ともがいないなら，感かん情じょう面めんで支ささえてくれる友ともを与あたえてください，とエホバに祈いのりましょう。

10. エリヤの経けい験けんを学まなぶと，どんな希き望ぼうを持もてますか。イザヤ 40章しょう28，29節せつにある約やく束そくから，どんな励はげみが得えられますか。

¹⁰ エホバは，エリヤがストレスに対たい処しょし，長ながい間あいだ忠ちゅう実じつに奉ほう仕しできるよう助たすけました。エリヤの経けい験けんを学まなぶと，希き望ぼうが持もてます。わたしたちも極きょく度どのストレスを感かんじ，身みも心こころもくたくたになってしまうかもしれません。それでも，エホバに頼たよるなら，エホバは奉ほう仕しを続つづけるのに必ひつ要ような力ちからを与あたえてくださいます。（イザヤ 40:28，29を読よむ。）

11-13. 聖せい書しょ時じ代だい，神かみに仕つかえていた3人にんの人ひとは，ストレスによってどんな影えい響きょうを受うけましたか。

¹¹ 聖せい書しょにはほかにも，大おおきなストレスを感かんじた人ひとのことが記しるされています。例たとえば，ハンナは 子こどもがいないことでつらい思おもいをしていました。夫おっとのもう一人ひとりの妻つまからの執しつ拗ようないじめもありました。（サム一いち 1:2，6）ハンナは極きょく度どのストレスのためにひどく苦くるしみ，泣なき悲かなしんでいました。食しょく欲よくもなくなりました。（サム一いち 1:7，10）

¹² ダビデもストレスに押おしつぶされそうになったことがあります。どんな問もん題だいにぶつかったのでしょうか。多おおくの間ま違ちがいを犯おかしたことで，罪ざい悪あく感かんにさいなまれました。（詩し 40:12）愛あいする息子むすこアブサロムが反はん逆ぎゃくし，やがて死しにました。（サム二に 15:13，14; 18:33）親したしい友ともの一人ひとりがダビデを裏うら切ぎりました。（サム二に 16:23–17:2。詩し 55:12-14）ダビデが書かいた詩し編へんの多おおくには失しつ意いがつづられていますが，それと共ともに，エホバへの揺ゆるぎない信しん頼らいが記しるされています。（詩し 38:5-10; 94:17-19）

¹³ 後のちの時じ代だい，ある詩し編へん作さく者しゃは，悪わるい人ひとたちの生いき方かたをうらやむようになりました。この人ひとは，レビ人びとアサフの子し孫そんだと思おもわれます。「神かみの大おおいなる聖せいなる所ところ」で奉ほう仕ししていましたが，感かん情じょう的てきなストレスのせいで幸こう福ふく感かんや満まん足ぞく感かんを失うしないました。神かみに仕つかえることによって得えられる祝しゅく福ふくにも満まん足ぞくできなくなりました。（詩し 73:2-5，7，12-14，16，17，21）

14-15. エホバに助たすけを求もとめることについて，聖せい書しょ中ちゅうの3人にんの例れいからどんなことを学まなべますか。

¹⁴ この3人にんは皆みな，エホバに助たすけを求もとめました。熱ねつ烈れつに祈いのり，エホバに悩なやみを打うち明あけました。なぜストレスを感かんじているのかを気き兼がねなく伝つたえたのです。それと共ともに，エホバを崇すう拝はいする場ば所しょに行いくことをやめませんでした。（サム一いち 1:9，10。詩し 55:22; 73:17; 122:1）

 ¹⁵ エホバはそれぞれの人ひとに思おもいやり深ぶかく接せっしました。その結けっ果か，ハンナは穏おだやかな気き持もちになれました。（サム一いち 1:18）ダビデもこう述のべました。「義ぎなる者ものの遭あう災わざわいは多おおい。しかし，エホバはそのすべてから彼かれを救すくい出だしてくださる」。（詩し 34:19）アサフの子し孫そんと思おもわれる詩し編へん作さく者しゃは後のちに，エホバが「右みぎ手てをつかんでくださ[った]」と感かんじました。親しん切せつな助じょ言げんを受うけたからです。こうも述のべています。「わたしについていえば，神かみに近ちかづくことは良よいことなのです。主しゅ権けん者しゃなる主しゅエホバのもとに，わたしは自じ分ぶんの避ひ難なん所じょを置おきました」。（詩し 73:23，24，28）3人にんの例れいから何なにを学まなべますか。わたしたちも難むずかしい問もん題だいを抱かかえ，ストレスを感かんじることがあります。それでも，エホバが人ひと々びとをどのように助たすけたかを思おもい巡めぐらし，エホバの助たすけを祈いのり求もとめ，エホバが求もとめておられることを行おこなうなら，ストレスに対たい処しょできるのです。（詩し 143:1，4-8）

16-17. （ア）自じ分ぶんを孤こ立りつさせるべきでないのはなぜですか。（イ）どうすれば力ちからが得えられますか。

¹⁶ 3人にんの例れいから別べつの教きょう訓くんも学まなべます。エホバや仲なか間まの兄きょう弟だい姉し妹まいから自じ分ぶんを孤こ立りつさせるべきではない，ということです。（箴しん 18:1）夫おっとに捨すてられ，極きょく度どのストレスを感かんじていたナンシーは，こう 述のべています。「何なん日にちもの間あいだ，だれとも会あいたくないし話はなしたくもない，と思おもっていました。でも，自じ分ぶんを孤こ立りつさせると，ますますつらい気き持もちになりました」。しかしナンシーは，困こまっている人ひとを助たすけようとすることで前まえ向むきになれました。こう言いいます。「他たの人ひとの悩なやみを聞きいていると，その人ひとの問もん題だいの大たい変へんさがひしひしと伝つたわってきて，自じ分ぶんの問もん題だいは気きにならなくなりました」。

¹⁷ 集しゅう会かいに出しゅっ席せきするなら，力ちからが得えられます。エホバに「助たすけ，……慰なぐさめて」いただけるからです。（詩し 86:17）集しゅう会かいに行いくと，エホバが聖せい霊れい，聖せい書しょ，兄きょう弟だい姉し妹まいを通とおして力ちからづけてくださいます。「相そう互ごに励はげまし合あう」こともできます。（ロマ 1:11，12）ソフィアという姉し妹まいはこう言いいます。「エホバと兄きょう弟だい姉し妹まいのおかげで何なんとか頑がん張ばっています。特とくに，集しゅう会かいが大おおきな力ちからになっています。宣せん教きょうや会かい衆しゅうの活かつ動どうを行おこなえば行おこなうほど，ストレスや不ふ安あんにうまく対たい処しょできると感かんじています」。

18. 落らく胆たんした時とき，エホバは何なにを与あたえてくださいますか。

¹⁸ 落らく胆たんした時ときには次つぎのことを思おもい出だしてください。エホバが将しょう来らい，問もん題だいを完かん全ぜんに解かい決けつすると約やく束そくしておられるだけでなく，今いまもストレスに対たい処しょできるよう助たすけてくださる，ということです。エホバはわたしたちが「志こころざしかつ行こう動どう」できるよう助たすけてくださいます。失しつ意いや落らく胆たんを克こく服ふくするための意い欲よくと力ちからを与あたえてくださるのです。（フィリ 2:13）

19. パウロはローマ 8章しょう37-39節せつで，どんなことを保ほ証しょうしていますか。

¹⁹ ローマ 8:37-39を読よむ。使し徒とパウロは，どんなものも神かみの愛あいからわたしたちを引ひき離はなすことはできない，と保ほ証しょうしています。では，ストレスに対たい処しょしようとしている兄きょう弟だい姉し妹まいをどのように助たすけることができますか。次つぎの記き事じでは，エホバに倣ならって，どのように兄きょう弟だい姉し妹まいを思おもいやり，支ささえることができるかを考かんがえます。