1-2. この記き事じでは，どんなことを考かんがえますか。

私わたしたちは終おわりの時じ代だいの最さい終しゅう部ぶ分ぶんに生いきています。今いまの体たい制せいが間まもなく終おわるという証しょう拠こはそろっています。エホバとイエス･キリストは，神かみの王おう国こくに敵てき対たいする政せい府ふ全すべてをもうすぐ滅ほろぼします。それまでの間あいだ，北きたの王おうと南みなみの王おうは互たがいに対たい立りつし，エホバの民たみとも戦たたかいます。

² この記き事じでは，ダニエル 11章しょう40節せつから12章しょう1節せつの預よ言げんについて考かんがえます。まず，今いまの北きたの王おうは誰だれかということを取とり上あげます。今こん後ご何なにが起おきるとしてもエホバが助たすけてくださる，と確かく信しんできる理り由ゆうも考かんがえます。

3-4. 新あたらしい北きたの王おうは誰だれですか。説せつ明めいしてください。

³ 1991年ねんにソビエト連れん邦ぽうが崩ほう壊かいした後のち，その広ひろい国こく土どに住すむエホバの民たみは「多た少しょうの助たすけ」を得えました。一いっ定ていの期き間かんの自じ由ゆうを得えたのです。（ダニ 11:34）その結けっ果か，自じ由ゆうに伝でん道どうできるようになり，旧きゅうソ連れんの国くに々ぐにの伝でん道どう者しゃ数すうが大おお幅はばに増ふえました。やがて，ロシアとそれを支し持じする国くに々ぐにが北きたの王おうになりました。前まえの記き事じで学まなんだ通とおり，北きたの王おうや南みなみの王おうの描びょう写しゃに当あてはまる政せい府ふには，3つの特とく徴ちょうがあります。（1）エホバの民たみに直ちょく接せつ影えい響きょうを与あたえ ます。（2）エホバとエホバの民たみに敵てき対たいします。（3）2人ふたりの王おうは対たい抗こうし合あいます。

⁴ ロシアとそれを支し持じする国くに々ぐにが今いまの北きたの王おうであるとなぜいえますか。（1）エホバの民たみに直ちょく接せつ影えい響きょうを与あたえてきました。伝でん道どうを禁きん止しし，領りょう土ど内ないの大おお勢ぜいの兄きょう弟だい姉し妹まいを迫はく害がいしています。（2）こうした行こう動どうは，エホバとエホバの民たみに対たいする憎にくしみの表あらわれです。（3）南みなみの王おうである英えい米べい世せ界かい強きょう国こくと対たい抗こうしてきました。ロシアとそれを支し持じする国くに々ぐにが北きたの王おうとして行おこなってきた事こと柄がらを見みてみましょう。

5. ダニエル 11章しょう40-43節せつには，どの期き間かんの事こと柄がらが記しるされていますか。何なにが起おきますか。

⁵ ダニエル 11:40-43を読よむ。この部ぶ分ぶんには，終おわりの時ときに起おきる事こと柄がらが大おおまかに記しるされています。北きたの王おうと南みなみの王おうのせめぎ合あいが描えがかれています。ダニエルが預よ言げんした通とおり，終おわりの時ときに南みなみの王おうは北きたの王おうと「角つのを突つき合あわせ[る]」かのように「押おし合あい」ます。（ダニ 11:40，脚きゃく注ちゅう）

6. 2人ふたりの王おうはどのように押おし合あっていますか。

⁶ 北きたの王おうと南みなみの王おうは覇は権けん争あらそいを続つづけています。第だい2次じ世せ界かい大たい戦せんが終おわった後のちに起おきたことを考かんがえましょう。ソビエト連れん邦ぽうとそれを支し持じする国くに々ぐにがヨーロッパの大だい部ぶ分ぶんを掌しょう握あくすると，北きたの王おうのその行こう動どうに対たい抗こうして，南みなみの王おうはNATOナトー（北きた大たい西せい洋よう条じょう約やく機き構こう）と呼よばれる軍ぐん事じ同どう盟めいを結けっ成せいします。北きたの王おうは南みなみの王おうとの軍ぐん備び競きょう争そうを続つづけ，多おおくのお金かねをつぎ込こんでいます。北きたの王おうはアフリカ，アジア，中ちゅう南なん米べいなどでの代だい理り戦せん争そうや紛ふん争そうという形かたちで南みなみの王おうと戦たたかってきました。近きん年ねん，ロシアとそれを支し持じする国くに々ぐには世せ界かいの国くに々ぐにに対たいする影えい響きょう力りょくを強つよめています。南みなみの王おうに対たいするサイバー攻こう撃げきも行おこなっています。どちらの王おうも，サイバー攻こう撃げきによって経けい済ざいや政せい治じを混こん乱らんさせようとしているとして，相あい手てを非ひ難なんしています。さらに，ダニエルが預よ言げんした通とおり，北きたの王おうは今いまなおエホバの民たみを迫はく害がいしています。（ダニ 11:41）

7. 「美うつくしい地ち」とは何なんですか。

⁷ ダニエル 11章しょう41節せつには，北きたの王おうが「美うつくしい地ち」に入はいると述のべられています。「美うつくしい地ち」とは何なんですか。聖せい書しょ時じ代だいには，イスラエルの土と地ちのことでした。その土と地ちは「全すべての土と地ちの中なかで最もっとも美うつくし[い]」と見みなされていました。（エゼ 20:6）でも，国こく土どの美うつくしさよりも重じゅう要ような意い味みを持もつのは，その土と地ちでエホバが崇すう拝はいされていたことです。西せい暦れき33年ねんのペンテコステの日ひ以い来らい，その「美うつくしい地ち」が特とく定ていの場ば所しょを指さすことはなくなりました。エホバを崇すう拝はいする民たみは世せ界かい中じゅうにいるからです。現げん在ざいの「美うつくしい地ち」は，エホバの民たみの活かつ動どうを指さしています。その活かつ動どうには，集しゅう会かいや伝でん道どうという形かたちでエホバを崇すう拝はいすることが含ふくまれます。

8. 北きたの王おうはどのようにして「美うつくしい地ち」に入はいりましたか。

⁸ 終おわりの時じ代だいの間あいだ，北きたの王おうは「美うつくしい地ち」に何なん度ども入はいりました。ナチス･ドイツが北きたの王おうだった時とき，特とくに第だい2次じ世せ界かい大たい戦せん中ちゅう，北きたの王おうはエホバの民たみを迫はく害がいし殺ころすことによって「美うつくしい地ち」に入はいりました。第だい2次じ世せ界かい大たい戦せん後ご，北きたの 王おうになったソビエト連れん邦ぽうは，エホバの民たみを迫はく害がいし，シベリアに追つい放ほうすることによって「美うつくしい地ち」に入はいりました。

9. 近きん年ねん，ロシアとそれを支し持じする国くに々ぐにはどのようにして「美うつくしい地ち」に入はいっていますか。

⁹ 近きん年ねん，ロシアとそれを支し持じする国くに々ぐにも「美うつくしい地ち」に入はいっています。どのようにですか。2017年ねん，今いまの北きたの王おうはエホバの民たみの活かつ動どうを禁きん止しし，一いち部ぶの兄きょう弟だい姉し妹まいを刑けい務む所しょに入いれました。「新しん世せ界かい訳やく」を含ふくむ私わたしたちの出しゅっ版ぱん物ぶつを禁きん書しょにすることもしました。さらに，ロシアの支し部ぶ事じ務む所しょ，王おう国こく会かい館かん，大たい会かいホールを差さし押おさえました。こうした行こう動どうを受うけて，2018年ねんに統とう治ち体たいは，ロシアとそれを支し持じする国くに々ぐにが北きたの王おうであることを示しめしました。しかし，エホバの民たみは強つよい迫はく害がいを受うけても，政せい府ふを転てん覆ぷくさせたり政せい権けん交こう代たいを求もとめる反はん対たい運うん動どうに加くわわったりはしません。聖せい書しょの勧すすめに従したがい，「高たかい地ち位いにいる人ひとたち」について祈いのりを捧ささげます。その人ひとたちが崇すう拝はいの自じ由ゆうに関かかわる決けっ定ていを下くだそうとする時ときには，特とくにそうします。（テモ一いち 2:1，2）

10. 南みなみの王おうは北きたの王おうによって倒たおされますか。

¹⁰ ダニエル 11章しょう40-45節せつの預よ言げんは，北きたの王おうの活かつ動どうに焦しょう点てんを当あてています。南みなみの王おうは北きたの王おうによって倒たおされるのでしょうか。そうではありません。南みなみの王おうは，エホバとイエスがハルマゲドンの戦たたかいで人にん間げんの政せい府ふ全すべてを滅ほろぼす時とき，まだ「生いき[て]」います。（啓けい 19:20）なぜそういえますか。ダニエル書しょと「ヨハネへの啓けい示じ」に示しめされていることを考かんがえてみましょう。

11. ダニエル 2章しょう43-45節せつでは，どんなことについて述のべられていますか。（表ひょう紙しの絵えを参さん照しょう。）

¹¹ ダニエル 2:43-45を読よむ。ダニエルは，エホバの民たみに大おおきな影えい響きょうを与あたえてきた一いち連れんの政せい府ふについて述のべています。それらの政せい府ふは，巨きょ大だいな金きん属ぞく像ぞうの各かく部ぶとして描えがかれています。その像ぞうの足あしは鉄てつと粘ねん土どでできています。足あしは，人にん間げんの最さい後ごの政せい府ふ，英えい米べい世せ界かい強きょう国こくを表あらわしています。この預よ言げんによれば，神かみの王おう国こくが人にん間げんの政せい府ふを打うち砕くだいて滅ほろぼす時とき，英えい米べい世せ界かい強きょう国こくはまだ機き能のうしています。

12. 野や獣じゅうの7番ばん目めの頭あたまは何なにを表あらわしていますか。このことに重じゅう要ような意い味みがあるのはなぜですか。

¹² 使し徒とヨハネも，エホバの民たみに大おおきな影えい響きょうを与あたえてきた一いち連れんの世せ界かい強きょう国こくについて述のべています。ヨハネはそれらの政せい府ふを7つの頭あたまがある野や獣じゅうとして描えがいています。野や獣じゅうの7番ばん目めの頭あたまは英えい米べい世せ界かい強きょう国こくを表あらわしています。このことには重じゅう要ような意い味みがあります。7番ばん目めの頭あたまに続つづく頭あたまはないからです。キリストと天てんの軍ぐん勢ぜいが7番ばん目めの頭あたまを野や獣じゅうごと滅ほろぼす時とき，野や獣じゅうの7番ばん目めの頭あたまはまだ力ちからを持もっています。 * （啓けい 13:1，2; 17:13，14）

13-14. 「マゴグの地ちのゴグ」とは誰だれですか。何なにがエホバの民たみを攻こう撃げきするきっかけになるかもしれませんか。

¹³ エゼキエルの預よ言げんを調しらべると，北きたの王おうと 南みなみの王おうが迎むかえる結けつ末まつについて手て掛がかりが得えられます。エゼキエル 38章しょう10-23節せつ，ダニエル 2章しょう43-45節せつ，11章しょう44節せつ–12章しょう1節せつ，啓けい示じ 16章しょう13-16節せつ，21節せつの預よ言げんは，同おなじ時じ期きや出で来き事ごとについて述のべているものと思おもわれます。もしそうであれば，事じ態たいは次つぎのように展てん開かいしていくでしょう。

¹⁴ 大だい患かん難なんが始はじまった後のち，「全ぜん世せ界かいの王おうたち」は諸しょ国こっ家かの連れん合ごう体たいを結けっ成せいします。（啓けい 16:13，14; 19:19）この連れん合ごう体たいは，聖せい書しょの言いう「マゴグの地ちのゴグ」になります。（エゼ 38:2）諸しょ国こっ家かの連れん合ごう体たいは，エホバの民たみに対たいする最さい後ごの総そう攻こう撃げきを行おこないます。何なにがきっかけで攻こう撃げきを行おこなうのでしょうか。ヨハネはこの時ときに関かんする幻まぼろしの中なかで，エホバに敵てき対たいする者ものたちの上うえに非ひ常じょうに大おおきなひょうが降ふるのを見みました。ひょうが降ふることは，エホバの民たみが処しょ罰ばつに関かんする厳きびしいメッセージを伝つたえることを表あらわしているのかもしれません。このメッセージがきっかけとなり，マゴグのゴグはエホバの民たみを一いっ掃そうしようとして攻こう撃げきするのかもしれません。（啓けい 16:21）

15-16. （ア）ダニエル 11章しょう44，45節せつは，どんなことについて述のべているのかもしれませんか。（イ）北きたの王おうとマゴグのゴグを構こう成せいする他たの国くに々ぐにはどうなりますか。

¹⁵ 処しょ罰ばつに関かんする厳きびしいメッセージと，エホバに敵てき対たいする者ものたちによる最さい後ごの攻こう撃げきは，ダニエル 11章しょう44，45節せつで述のべられているのと同おなじ出で来き事ごとなのかもしれません。（読よむ。）ダニエルは，北きたの王おうが「東ひがしと北きたからの知しらせに動どう揺ようし，激げき怒どして出しゅつ陣じん」すると述のべています。北きたの王おうは「多おおくの者ものを滅ほろぼし尽つく」そうとします。「多おおくの者もの」はエホバの民たみを表あらわしているものと思おもわれます。 * ダニエルはエホバの民たみに対たいする最さい後ごの総そう攻こう撃げきについて述のべているのかもしれません。

¹⁶ 北きたの王おうが他たの政せい府ふと共ともにエホバの民たみを 攻こう撃げきする時とき，全ぜん能のうの神かみは激げき怒どします。こうしてハルマゲドンの戦たたかいが始はじまります。（啓けい 16:14，16）ハルマゲドンの戦たたかいにより，北きたの王おうは，マゴグのゴグを構こう成せいする他たの国くに々ぐにと共ともに，終おわりを迎むかえます。「彼かれを助たすける者ものは誰だれもいません」。（ダニ 11:45）

17. ダニエル 12章しょう1節せつの「偉い大だいな長ちょうミカエル」は誰だれのことですか。ミカエルは何なにをしますか。

¹⁷ ダニエル 12:1を読よむ。この節せつでは，北きたの王おうとそれを支し持じする国くに々ぐにが滅ほろぼされ，私わたしたちが救すくわれることがさらに説せつ明めいされています。どんなことが分わかりますか。ミカエルは王おうとして統とう治ちしているキリスト･イエスの別べつ名めいです。ミカエルは，王おう国こくが天てんで設せつ立りつされた1914年ねんから，エホバの「民たみのために立たって」います。間まもなく，ハルマゲドンの戦たたかいの時ときに「立たち上あがり」，重じゅう要ような行こう動どうを起おこします。（ダニ 12:1，脚きゃく注ちゅう）ハルマゲドンの戦たたかいは，ダニエルが史し上じょう最さい大だいの「苦く難なんの時とき」と呼よんだ期き間かんの最さい後ごに起おきることです。「ヨハネへの啓けい示じ」では，この「苦く難なんの時とき」が「大だい患かん難なん」と呼よばれています。（啓けい示じ 6:2; 7:14）

18. 今こん後ご起おきる苦く難なんについて心しん配ぱいしなくてよいのはなぜですか。

¹⁸ ダニエルもヨハネも，エホバとイエスに仕つかえる人ひとたちが前ぜん例れいのない苦く難なんの時ときを生いき残のこると述のべています。ですから，私わたしたちは穏おだやかな気き持もちを保たもてます。ダニエルは，生いき残のこる人ひとたちの名な前まえが「書しょに記しるされ」ると述のべています。（ダニ 12:1）どうすれば名な前まえを書しょに記しるしてもらえますか。神かみの子こ羊ひつじであるイエスに信しん仰こうを持もっていることを示しめさなければなりません。（ヨハ 1:29）エホバに献けん身しんし，バプテスマを受うける必ひつ要ようがあります。（ペテ一いち 3:21）エホバについて人ひと々びとに知しらせることにより，神かみの王おう国こくを支し持じしていることを示しめさなければなりません。

19. 今いま，何なにをすべきですか。なぜですか。

¹⁹ 今いまこそエホバへの信しん頼らいを強つよめるべき時ときです。エホバのために尽つくす人ひとたちから成なる組そ織しきへの信しん頼らいを強つよめるべき時ときです。神かみの王おう国こくを支し持じすべき時ときです。そうするなら，神かみの王おう国こくによって北きたの王おうと南みなみの王おうが滅ほろぼされる時とき，私わたしたちは救すくわれます。