研究記事30

真理に従って歩んでください

真理に従って歩んでください

「私の子供たちが真理に従って歩み続けているのを聞くことほど,うれしいことはありません」。ヨハネ第三 4

65番の歌 「これが道である」

を学ぶか *

1. ヨハネ第三 3,4節にあるように,どんなことを聞くとうれしくなりますか。

使徒ヨハネは,真理を知るよう助けた人たちがエホバに仕え続けていることを聞きました。ヨハネがどれほどうれしかったか,想像できますか。でも,ヨハネがわが子のように見ていたその人たちは,多くの問題を経験していました。それで,その人たちの信仰を強めようとヨハネは奮闘していました。私たちも,自分の子供や真理を知るよう助けた人たちが,エホバに献身し,エホバに仕え続けているのを聞くと,うれしくなります。ヨハネ第 3,4を読む。)

2. ヨハネはどんなことを願って3通の手紙を書きましたか。

2 西暦98年,ヨハネはエフェソスかその近くに住んでいたと考えられています。パトモス島で拘束されていたヨハネは,釈放後エフェソスに移ったものと思われます。その頃,エホバの聖なる力の導きによって3通の手紙を書きました。それらの手紙には,エホバに仕え続けてきたクリスチャンたちがこれからもイエスへの信仰を保ち,真理に従って歩み続けてほしい,という願いが込められています。

3. この記事ではどんな点を考えますか。

3 ヨハネは使徒の中で一番最後まで生きた人です。偽りを教える人たちが会衆に悪影響を与えていることを心配していました。 *ヨハ一 2:18,19,26)背教者たちは神を知っていると唱えていましたが,エホバの教えに従っていませんでした。これから,ヨハネがエホバに導かれて与えたアドバイスを取り上げます。次の3つの点を考えます。真理に従って歩むために何ができますか。どんなことが障害になりますか。真理に従って歩み続けるよう,どのように助け合うことができますか。

真理に従って歩むために

4. ヨハネ第一 2章3‐6節とヨハネ第二 4,6節によれば,真理に従って歩むにはどんなことが求められますか。

4 真理に従って歩むには,聖書に記されている真理を知る必要があります。エホバの「おきてを守[る]」必要もあります。ヨハネ第 2:3‐6とヨハネ第 4,6を読む。)イエスはエホバに従う点で完璧な手本を残しました。それで,エホバのおきてを守るための大切な方法の1つは,できる限りイエスの手本に倣うことです。(ヨハ 8:29。ペテ一 2:21

5. 私たちはどんなことを確信している必要がありますか。

5 真理に従って歩み続けるには,エホバが真理の神であること,またエホバが聖書の中で私たちに語っている事柄は全て真理であることを確信している必要があります。約束されていたメシアはイエスである,と確信している必要もあります。今多くの人は,イエスが神の王国の王として選ばれていることを信じていません。ヨハネは,「人を欺く者」が大勢現れ,エホバとイエスについての真理を固く信じていない人たちを惑わす,と警告しました。(ヨハ二 7‐11)ヨハネは,「イエスがキリストであることを否定する人こそ,うそつきではないでしょうか」と書いています。(ヨハ一 2:22)欺かれないためには,聖書をよく学ぶしかありません。そうして初めてエホバとイエスのことを知ることができます。(ヨハ 17:3)そうしなければ,真理を持っていると確信することはできません。

どんなことが障害になるか

6. 若いクリスチャンが真理に従って歩む上でぶつかる障害に,何がありますか。

6 クリスチャンは皆,などの思に惑わされないよう用心していなければなりません。(ヨハ一 2:26)若いクリスチャンは,特にこの種のわなに警戒する必要があります。フランスの25歳の姉妹アレクシア *はこう言っています。「学生の時,進化論や哲学など世の考え方から強い影響を受けました。もっともらしく聞こえたのです。でもそのうち,エホバの考えを調べずに学校で教えられる事柄をうのみにしているだけだと気付きました」。アレクシアは,「生命 ― どのようにして存在するようになったか 進化か,それとも創造か」の本を調べました。調べ始めて間もなく,どちらが正しいかはっきりしました。「聖書に書かれていることは真実だと,納得しました。聖書の基準を守るなら幸せな気持ちになれるということも分かりました」。

7. どんな誘惑に抵抗しなければなりませんか。なぜですか。

7 若い人もそうでない人も,エホバに仕えながら陰で悪いことをする,という誘惑に抵抗しなければなりません。ヨハネは,真理に従って歩むことと性的に不道徳な生き方は両立し得ない,と言っています。(ヨハ一 1:6)今も将来もエホバに喜ばれたいなら,いつもエホバを意識した生き方をしなければなりません。実際,ひそかな罪というものはありません。エホバに見えないものはないからです。(ヘブ 4:13

8. 何に影響されてはなりませんか。

8 に対する世の人の見に影響されてはなりません。ヨハネは,「『自分には罪がない』と言うなら,私たちは自分を欺いている」と書いています。(ヨハ一 1:8)ヨハネの時代に背教者たちは,故意に罪を犯しても神に受け入れてもらえると主張していました。私たちも,同じような考えの人たちに囲まれて生活しています。神を信じていると言う人でも,罪に対するエホバの見方,特に性に関する見方を受け入れていません。エホバが罪と見ている行いを,好みやライフスタイルの違いだと考えています。

若い皆さん,聖書の基準が正しいという確信を強め,信じていることを説明できるようにしましょう。(9節を参照。) *

9. 聖書の基準を守ることは,どんな点で若い人のためになりますか。

9 若い人は特に,学校や仕事場で,性に関する周りの人の見方を受け入れないと浮いてしまう,と感じるかもしれません。アレクザンデルという兄弟はそのような経験をしました。「学校の女子たちから関係を持つよう迫られることがありました。彼女をつくらないようにしていたので,女子たちからはゲイだと言われていました」。あなたも同じような圧力を受けていますか。そうであれば,聖書の基準を守ることで,自尊心,体と心の健康,エホバとの友情を守れる,ということを忘れないでください。誘惑に抵抗するたびに,正しいことをしようという決意は強まっていきます。性に関する世のゆがんだ見方は悪魔サタンからきている,ということも忘れないようにしましょう。世の考えに染まらないなら,「邪悪な者を征服」していることになります。(ヨハ一 2:14

10. 良心のとがめを感じることなくエホバに仕えるため,ヨハネ第一 1章9節のどんな勧めの通りにできますか。

10 私たちは,罪とは何かを決める権利がエホバにあることを認めています。罪を犯さないよう最善を尽くします。もし罪を犯してしまったなら,エホバに祈って罪を告白します。(ヨハ一 1:9)重大な罪の場合,私たちを世話するためにエホバから任命された長老たちの助けを求めます。(ヤコ 5:14‐16)それでも,過去に犯した罪による罪悪感を引きずらないようにする必要があります。エホバは親切にもご自分の子を贖いの犠牲とし,罪が許されるようにしてくださったからです。罪を悔い改めたなら許す,というエホバの言葉をその通りに受け入れてください。エホバは私たちが良心のとがめを感じることなく仕えられるようにしてくださったのです。(ヨハ一 2:1,2,12; 3:19,20

11. 私たちの信仰をむしばむ教えに惑わされないため,何ができますか。

11 私たちはの教を退けなければなりません。悪魔サタンはクリスチャン会衆が発足した時から,人を欺く者を使い,神に仕える人たちの心に疑念を植え付けてきました。ですから,私たちは真実とうそを見分ける必要があります。 * 敵対者たちは,インターネットやソーシャルメディアを使って,エホバに対する私たちの信頼や兄弟たちに対する愛を弱めようとしています。そのような情報を決して信じてはいけません。その背後にはサタンがいるのです。(ヨハ一 4:1,6。啓 12:9

12. イエスと組織に対する信頼を深めるべきなのはなぜですか。

12 信仰を弱めようとするサタンの攻撃に抵抗するため,イエスを一層信頼し,エホバがイエスに与えている役割をしっかり認める必要があります。エホバが今用いている唯一の組織を信頼する必要もあります。(マタ 24:45‐47)そのような信頼を深めるために,聖書を学ぶことを習慣にしましょう。そうすれば,信仰はしっかりと根を張った木のようになるでしょう。パウロはコロサイのクリスチャンに宛てた手紙の中で同様の点を述べています。「皆さんは主であるキリスト・イエスを受け入れたのですから,キリストと結ばれて歩み続けてください。……キリストに根を下ろし,自分をキリストの上に建て,揺るぎない信仰を持ち……ましょう」。(コロ 2:6,7)信仰を強めておけば,サタンとサタンを支持する人たちが何をしてきても,動揺しないで済みます。(ヨハ二 8,9

13. どんなことを予期すべきですか。なぜですか。

13 私たちは世の人々に憎まれることを予期すべきです。(ヨハ一 3:13)ヨハネは,「全世界は邪悪な者の支配下にあります」と述べています。(ヨハ一 5:19)今の体制の終わりが近づくにつれ,サタンの怒りは激しくなります。(啓 12:12)性的不道徳や背教者のうそといった,巧妙な攻撃を仕掛けてきます。迫害のような正面攻撃もしてきます。サタンは自分に残された時が短いことを知っているので,伝道をやめさせ,信仰を弱めようとします。ですから,幾つもの国で私たちの活動が制限されたり禁止されたりしても意外ではありません。そのような中でも兄弟姉妹は忍耐し続けています。邪悪な者がどんな手を使っても,信仰は揺らいでいません。

真理に従って歩み続けるよう,助け合う

14. 真理に従って歩み続けるよう,兄弟姉妹をどのように助けることができますか。

14 兄弟姉妹が真理に従って歩み続けられるよう,いやりを示必要があります。(ヨハ一 3:10,11,16‐18)問題がない時だけでなく,困難な時にも愛を示し合う必要があります。あなたの周りには,家族を亡くし,慰めや助けを必要とする人がいますか。兄弟姉妹の中に自然災害で被災している人がいますか。王国会館や家屋を修理する必要がありますか。兄弟姉妹を愛し思いやっていることを,言葉はもちろん,行動によってもはっきり示しましょう。

15. ヨハネ第一 4章7,8節にあるように,私たちは何をする必要がありますか。

15 私たちは,愛情深い天の父に倣って互いに愛を示します。ヨハネ第 4:7,8を読む。)愛を示す1つの大切な方法は,し合ことです。誰かに傷つけられ,その人が謝ってきたとします。その人を許し,傷つけられたことを問題にしないことによって愛を示します。(コロ 3:13)アルドという兄弟は,自分の民族について,尊敬していた兄弟が悪く言うのを聞いて傷つきました。「その兄弟のことを嫌いにならないよう助けてください,とエホバに何度も祈りました」と言っています。でもそれ以上のことをしました。一緒に奉仕してくれませんか,とその兄弟にお願いしたのです。奉仕中に,兄弟の言葉を聞いてどんな気持ちになったかを話しました。「兄弟はそれを聞いて,謝ってくれました。兄弟の言葉から,兄弟がどれほど言ったことを後悔しているかが伝わってきました。それ以来,溝は埋まり,良い友になることができました」。

16‐17. 私たちはどんなことを決意していますか。

16 ヨハネは兄弟姉妹を深く愛し,強い信仰を抱いてほしいと思っていました。そのことは,3通の手紙の中で与えたアドバイスにはっきりと示されています。ヨハネと同じような気持ちを持つ兄弟姉妹が神によって選ばれ,キリストと共に統治している,というのは本当に心強いことです。(ヨハ一 2:27

17 この記事で学んだ事柄を思いに留めましょう。真理に従って歩むことを決意し,生活のあらゆる面でエホバに従いましょう。聖書を学び,聖書を支えとしてください。イエスへの信仰を強め,哲学や背教者の教えを退けましょう。陰で悪いことをし罪を犯す,という誘惑に抵抗しましょう。エホバの高い基準を守ってください。兄弟姉妹が真理に従って歩み続けるよう助けましょう。傷つけられても許し,困っている人を助けることによってそうできます。私たちは,たとえ障害にぶつかっても,真理に従って歩み続けることができるのです。

11番の歌 エホバの心を喜ばせる

^ 5節 私たちは,うその根源であるサタンが支配する世界で生活しています。そのため,真理に従って歩むのは大変なことです。1世紀の終わりごろに生きていたクリスチャンも,同じような難しさを抱えていました。エホバは使徒ヨハネを導いて3通の手紙を書かせました。1世紀のクリスチャンと今の私たちを助けるためです。これらの手紙を読むと,真理に従って歩む上での障害を見分けることができます。障害をどのように克服できるかも学べます。

^ 3節 ヨハネの手紙が書かれたいきさつ」という囲みを参照。

^ 6節 一部の名前は変えてあります。

^ 11節 「ものみの塔」2018年8月号の研究記事「その情報は信頼できますか」を参照。

^ 59節 や挿: 若い姉妹が学校で,同性愛に同調させようとする圧力にさらされている。(ある国や地域では,レインボーカラーが同性愛のシンボルになっている。)後に姉妹は,エホバの基準が正しいという確信を強めるために聖書や出版物を調べている。そのおかげで,圧力をかけられた時にしっかり対応できている。