研究記事44

神に仕える人になるよう子供を育てる

神に仕える人になるよう子供を育てる

「イエスは引き続き成長し,ますます賢くなり,神と人から好意を受けていった」。ルカ 2:52

88番の歌 子どもたち ― 神から託されたもの

を学ぶか *

1. 私たちにできる一番良い決定は何ですか。

親の決定は,子供の人生に影響を与えるものです。良くない決定をすると,子供が苦しむこともあります。一方,良い決定をすれば,子供が幸福で充実した生活を送れるよう助けることができます。とはいえ,親だけでなく子供も良い決定をする必要があります。私たちにできる一番良い決定は,愛情深い天のお父さんであるエホバに仕えることです。(詩 73:28

2. イエスの両親もイエスもどんな良い決定をしましたか。

2 イエスの両親は,子供たちがエホバに仕える人になってほしいと思っていました。ヨセフとマリアの決定には,2人がエホバに仕えることを一番大事に考えていたことが表れていました。(ルカ 2:40,41,52)イエスも良い決定をしたので,エホバから与えられた役割を果たすことができました。(マタ 4:1‐10)イエスは,親切で信頼できる勇敢な大人になりました。エホバを愛する親であれば誰もが自慢に思えるような人に成長したのです。

3. この記事では,どんな点を考えますか。

3 この記事では,次の点について考えます。エホバはイエスのためにどんな良い決定をしましたか。クリスチャンの親はヨセフとマリアがした決定から何を学べますか。子供はイエスがした決定から何を学べますか。

エホバの手本

4. エホバはイエスのためにどんな決定をしましたか。

4 エホバは,素晴らしい人たちをイエスの親として選びました。(マタ 1:18‐23。ルカ 1:26‐38)聖書に書かれているマリアの心から出た言葉を読むと,マリアがエホバと神の言葉を深く愛していたことが分かります。(ルカ 1:46‐55)また,ヨセフがエホバからの指示に進んで従ったことから,ヨセフも神を愛し,神に喜ばれることをしたいと思っていたことが分かります。(マタ 1:24

5‐6. イエスはどんな経験をしましたか。

5 エホバがイエスの親として選んだのは,裕福な人ではありませんでした。ヨセフとマリアがイエスの誕生後に捧げた犠牲から,2人が貧しかったことが分かります。(ルカ 2:24)ヨセフはナザレで大工として働いていました。家の隣に小さな作業場があったのかもしれません。少なくとも子供が7人いたので,生活は簡素なものだったに違いありません。(マタ 13:55,56

6 エホバはイエスを危険から守ったこともありましたが,イエスがつらい経験を全くしないで済むようにはしませんでした。(マタ 2:13‐15)例えば,親戚の中にはイエスがメシアであることを信じない人たちがいました。弟たちでさえ,初めは信じなかったので,イエスは本当にがっかりしたことでしょう。(マル 3:21。ヨハ 7:5)育ててくれたヨセフを亡くした時にも,つらい思いをしたことでしょう。ヨセフの死によって,長男のイエスは,大工の仕事を継がなければならなくなったかもしれません。(マル 6:3)家族の世話をするとはどういうことかを少しずつ学んでいきました。家族を養うために一生懸命働かなければならなかったでしょう。一日働いてくたくたになるということを,身をもって経験したのです。

親の皆さん,聖書のアドバイスに従うよう教えることによって,子供をこれからの人生に備えさせましょう。(7節を参照。) *

7. (ア)子育てをしている親はどんな点を考えるべきですか。(イ)格言 2章1‐6節に基づいて,親は子供のためにどんなことができますか。

7 子供が欲しいと思っている夫婦はこう考えてみてください。「私たちは,ヨセフとマリアのように,エホバと神の言葉を愛する謙遜な夫婦だろうか。エホバは私たちに大切な新しい命を託したいと思ってくださるだろうか」。(詩 127:3,4)すでに子供がいるなら,こう考えてください。「私は,一生懸命働くことの大切さを子供に教えているだろうか」。(伝 3:12,13)「サタンの世に潜むさまざまな危険から子供を守るために,ベストを尽くしているだろうか」。(格 22:3)親が子供を全ての問題から守ることはできません。そんなことは不可能です。しかし,聖書のアドバイスに従うよう優しく教えることによって,子供をこれからの人生に少しずつ備えさせることは可能です。 2:1‐6を読む。)例えば,親戚の誰かがエホバに仕えるのをやめた場合,エホバから離れないことの大切さを,聖書を使って子供に教えることができます。(詩 31:23)家族や友達が亡くなった時には,子供が悲しみと向き合い,穏やかな気持ちになれるよう,聖書を使って助けることができます。(コリ二 1:3,4。テモ二 3:16

ヨセフとマリアの手本

8. ヨセフとマリアは申命 6章6,7節に従って,どんなことをしましたか。

8 ヨセフとマリアは,親に対するエホバからの指示に従い,イエスがエホバの好意を得られるように育てました。 6:6,7を読む。)ヨセフとマリアはエホバを深く愛しており,子供たちも同じようにエホバを愛するようになることを心から願っていました。

9. ヨセフとマリアは,どんな良い習慣を守っていましたか。

9 ヨセフとマリアは,家族でエホバを崇拝する習慣をきちんと守っていました。ナザレの会堂で行われていた集会に毎週出席し,エルサレムに毎年行って過ぎ越しの祭りを祝っていたことでしょう。(ルカ 2:41; 4:16)エルサレムへの旅行の機会に,エホバの民の歴史について子供たちに教えたり,聖書に出てくる場所に立ち寄ったりしたかもしれません。家族が増えていくと,こうした良い習慣を守り続けるのは大変だったに違いありません。それでも,努力したかいがありました。エホバへの崇拝を第一にしたので,家族としてエホバとの強い絆を保つことができたのです。

10. クリスチャンの親は,ヨセフとマリアの手本から何を学べますか。

10 エホバを愛する親の皆さんは,ヨセフとマリアの手本から何を学べますか。一番大切なのは,あなたがエホバを心から愛していることを言葉と行動で示すことです。子供にしてあげられる一番素晴らしいことは,エホバを愛するよう助けることです。そして,研究し,祈り,集会に出席し,伝道に参加する良い習慣を守るよう教えることも,本当に大切です。(テモ一 6:6)もちろん親には,子供に必要な物を与える責任があります。(テモ一 5:8)しかし,子供がこの古い体制の終わりを生き残って新しい世界に入るのに必要なのは,エホバとの強い絆です。お金や物ではありません。 *エゼ 7:19。テモ一 4:8

エホバを愛する親たちは,子供がエホバとの強い絆を保てるよう助ける点で本当によく努力している。(11節を参照。) *

11. (ア)子供を育てている親にとって,テモテ第一 6章17‐19節のアドバイスはどのように役立ちますか。(イ)どんなことを家族の目標にできるかもしれませんか。どんな祝福がありますか。(「 目標にできる?」を参照。)

11 エホバを愛する親たちは,子供がエホバとの強い絆を保てるよう助ける点で本当によく努力しています。家族みんなでエホバに仕えています。集会や大会に出席し,伝道に参加しています。あまり訪問されていない区域で伝道している家族もいます。家族でベテル見学をしたり,建設プロジェクトをサポートしたりしている人たちもいます。確かに,こうしたことを行うには金銭的な負担がかかります。大変なこともあるでしょう。しかし,エホバは豊かに祝福してくださいます。テモテ第 6:17‐19を読む。)こうした家庭で育った子供たちは,良い習慣を保ち,そのように育ててくれたことに感謝するでしょう。 *格 10:22

イエスの手本

12. イエスは成長するにつれて,どんなことをしなければなりませんでしたか。

12 天のお父さんであるエホバも,ヨセフとマリアも,イエスのために良い決定をしました。しかし,イエスも成長するにつれて,さまざまなことを自分で決定しなければなりませんでした。(ガラ 6:5)イエスにも私たちと同じように自由意思が与えられていたので,自分のやりたいことをする道を選ぶこともできました。でもイエスはそうするのではなく,エホバとの強い絆を保つために努力しました。(ヨハ 8:29)子供たちはイエスの手本にどのように倣えるでしょうか。

子供の皆さん,親からの教えに従いましょう。(13節を参照。) *

13. 子供の頃のイエスからどんな点を学べますか。

13 子供だった時,イエスはヨセフとマリアに従順でした。自分の方がいろんなことを知っていると考えて,親からの教えを無視するようなことはしませんでした。聖書には,「その後も両親に従っていた」と書かれています。(ルカ 2:51)イエスは,長男としての責任を真剣に受け止めていたはずです。家族を助けるために,ヨセフから大工の仕事を一生懸命学んだことでしょう。

14. イエスが聖書をよく学んでいたことは,どんなことから分かりますか。

14 ヨセフとマリアは,イエスが奇跡によって生まれたことや,天使や預言者がイエスについて語った言葉を,イエスに話したことでしょう。(ルカ 2:8‐19,25‐38)しかし,イエスは教えてもらったことだけで満足せず,自分でも聖書をよく学んでいました。どうしてそう言えますか。エルサレムの教師たちが,まだ少年だったイエスの「理解力と答えにとても驚いていた」からです。(ルカ 2:46,47)また,イエスはすでに12歳の時には,エホバが自分の本当の父親であることをはっきり理解していました。(ルカ 2:42,43,49

15. イエスは,エホバの望まれることを行いたいと思っていました。それはどんなことから分かりますか。

15 イエスは,エホバが自分に何を望んでいるかを知った時,その役割を果たすことにしました。(ヨハ 6:38)そうすることによって多くの人から憎まれるということも分かっていました。それは想像もしたくないことだったはずですが,イエスはエホバに従いました。西暦29年にバプテスマを受けてからは,エホバの求めていることを行うことがイエスの生活の中心になりました。(ヘブ 10:5‐7)イエスは,杭に掛けられて死ぬ最後の瞬間まで,エホバの望まれることを行い続けました。(ヨハ 19:30

16. 子供たちはどんな面でイエスの手本に倣えますか。

16 に従う。子供の皆さん,あなたの親も,ヨセフとマリアと同じように,完璧ではありません。しかしエホバは,子供を守り,教え,導く役割を親に与えています。親のアドバイスに従い,親に敬意を払うなら,「物事はうまくい[く]」ことでしょう。(エフェ 6:1‐4

17. ヨシュア 24章15節によると,子供はどんなことを自分で決める必要がありますか。

17 に仕えるかを決める。あなたは,エホバがどんな方か,どんな目的を持っているか,それが自分の人生とどう関係しているかを理解する必要があります。(ロマ 12:2)そうすれば,人生で一番重要な決定をすることができます。エホバに仕えることに決めるのです。ヨシュア 24:15を読む。伝 12:1)聖書を読んで研究する良い習慣を守るなら,エホバへの愛は深まり,信仰は強くなっていくでしょう。

18. 子供はほかにもどんなことを決めなければなりませんか。どんな結果になりますか。

18 エホバの望まれることを第にする。サタンの世では,自分の能力を自分のために使えば幸せになれる,と言われています。しかし,お金や物を得ることを生活の中心にする人は,「多くの苦痛を身に招きま[す]」。(テモ一 6:9,10)一方,エホバに従い,エホバの望まれることを第一にする人は,「成功し,賢く行動でき」ます。(ヨシュ 1:8

あなたはどうしますか

19. 親はどんなことを意識するべきですか。

19 親の皆さん,家族でエホバに仕えることができるようベストを尽くしてください。エホバに頼りましょう。そうすれば,良い決定ができるように助けてくださいます。(格 3:5,6)子供は,親の言うことよりもすることから多くを学びます。ですから,良い決定をすることによって,子供がエホバの好意を得られるように助けてください。

20. 子供は,エホバに仕えるならどんな祝福を得ることができますか。

20 子供の皆さん,親はあなたが良い決定ができるよう助けてくれます。でも,神の好意を得られるかどうかはあなた次第です。ですから,イエスに倣って,優しい天のお父さんエホバに仕えてください。そうすれば,毎日の生活は充実した,楽しいものになるでしょう。(テモ一 4:16)そして将来,さらに幸福な生活をいつまでも楽しめる時が来るのです。

41番の歌 若い時にエホバを崇拝しなさい

^ 5節 クリスチャンの親は,子供がエホバに仕える幸福な人になってほしいと思っています。親は,この点で子供を助けるためにどんなことができますか。子供は,幸福な生活を送るためにどんな決定をする必要がありますか。この記事では,こうした点を考えます。

^ 10節 「エホバの清い崇拝 ついに回復される!」の69‐70ページ17‐18節を参照。

^ 11節 責任を担えるよう子どもを育てるの冊子の「わたしにとって最高の父と母です」という囲みや,「目ざめよ!」1999年3月8日号25ページの「両親への特別な手紙」という記事を参照。

^ 66節 や挿: マリアは,エホバを心から愛するよう幼いイエスを教えたに違いない。現代の母親たちも,エホバを愛するよう子供を教えている。

^ 68節 や挿: ヨセフは,家族で会堂に行って学ぶことを大切にしていたに違いない。現代の父親たちも,家族で集会に出席することを大切にしている。

^ 70節 や挿: イエスは,ヨセフから仕事の技術を学んだ。現代の子供も,父親から役立つ技術を学んでいる。