研究記事6

「女性の頭は男性で[す]」

「女性の頭は男性で[す]」

「女性の頭は男性で[す]」。コリント第一 11:3

5番の歌 キリスト ― わたしたちの手本

を学ぶか *

1. 結婚しようと思っている姉妹は,どんなことを考える必要がありますか。

全てのクリスチャンの頭であるイエス・キリストは,完全な方です。一方,結婚した女性の頭である夫は完全ではありません。そのために問題が生じることがあります。それで,結婚しようと思っているクリスチャンの女性が相手の男性について次のように考えるのは良いことです。「この兄弟が家族の良い頭になると思えるのはどうしてだろう。エホバに仕えることを生活の中で第一にしているだろうか。そうでないとしたら,結婚後にエホバとの絆を保つよう家族を助けてくれるだろうか」。もちろん,自分自身についてもこう考える必要があります。「自分はどんな面で夫婦の幸せに貢献できるだろうか。辛抱強く,寛大だろうか。エホバとの絆は強いだろうか」。(伝 4:9,12)どれほど幸せな結婚生活を送れるかは,結婚前にどんな判断をするかに,かなりの程度懸かっています。

2. この記事ではどんなことを考えますか。

2 大勢の姉妹たちは夫によく従っています。それは素晴らしいことです。こうした忠実な姉妹たちと一緒にエホバに仕えることができるのは,本当にうれしいことです。この記事では,次の3つの点について考えます。(1)妻はどんな問題にぶつかることがありますか。(2)妻が進んで夫に従うのはなぜですか。(3)クリスチャンの夫婦は,イエス,アビガイル,イエスの母マリアの手本から,従うことについて何を学べますか。

クリスチャンの妻はどんな問題にぶつかるか

3. どの夫婦も問題にぶつかります。なぜですか。

3 結婚は神からの完全な贈り物ですが,人間は完全ではありません。(ヨハ一 1:8)それで聖書は,結婚する人は「苦難を身に招[く]」とはっきり述べています。(コリ一 7:28)妻がぶつかるかもしれない問題を幾つか考えてみましょう。

4. 夫に従うと自分の尊厳が傷つく,と感じる妻もいるかもしれません。なぜですか。

4 育った環境によっては,夫に従うと自分の尊厳が傷つく,と感じる妻もいるかもしれません。米国に住むマリソル姉妹はこう言います。「私が育った地域では,女性は男性と平等であるべきだ,と教えられます。エホバが夫を妻の頭に定めたことは理解していますし,妻の立場が誉れあるものだということも分かっています。でも,頭という立場に対してバランスの取れた見方を保つのは簡単ではありません」。

5. 女性の役割について,聖書に沿わないどんな態度や考え方がありますか。

5 夫が,女性を下に見るような考え方を持っている場合もあるかもしれません。南米に住むイボン姉妹はこう言います。「この辺りでは,男性が食べ終わってから,女性が食べます。女の子は料理や掃除をさせられますが,男の子は母親や姉や妹から何でもしてもらい,王様扱いをされて育ちます」。また,アジアに住む瑛玲姉妹はこう言っています。「中国語には,女性には賢さも能力も必要ないという意味のことわざがあります。女性の役割は家事をすることで,夫に意見を言うこともできません」。こうした,愛が欠けた聖書に沿わない態度や考え方は,妻の生活を大変なものにします。イエスの手本に倣うものではなく,エホバに喜ばれることは決してありません。(エフェ 5:28,29。ペテ一 3:7

6. 妻は,エホバとの友情を深めていくためにどんなことをする必要がありますか。

6 前の記事で考えた通り,クリスチャンの夫は,家族がエホバとの友情を築けるように助け,安心感を持てるようにし,生活するのに必要なものを得られるようにするという務めをエホバから託されています。(テモ一 5:8)とはいえ,妻である姉妹たちも,忙しい予定の中から毎日時間を取って,自分で聖書を読み,じっくり考え,エホバに真剣な祈りを捧げる必要があります。そうするには努力が要ります。妻はとても忙しいので,そうしたことを行う時間や体力がないように思えるかもしれません。それでも,時間を取り分けるのは重要なことです。なぜですか。エホバは私たち一人一人がご自分との友情を深めていくことを望んでおられるからです。(使徒 17:27

7. どうすれば妻としての務めを果たしやすくなりますか。

7 確かに妻にとって,完全でない夫に従うのは簡単ではないこともあります。それでも,夫に従うべき理由について聖書が述べていることを納得しているなら,エホバから与えられた妻としての務めを果たしやすくなるでしょう。

進んで従うのはなぜか

8. エフェソス 5章22‐24節からすると,クリスチャンの妻が夫に進んで従うのはなぜですか。

8 クリスチャンの妻が夫に進んで従うのは,エホバからそうするよう求められているからです。エフェソス 5:22‐24を読む。)天のお父さんエホバはどんなことも愛の気持ちから行う方で,エホバが求めている通りにすれば,必ず自分のためになります。そのことが分かっているので,クリスチャンの妻はエホバを信頼します。(申 6:24。ヨハ一 5:3

9. クリスチャンの妻が頭である夫に従うなら,どんな良いことがありますか。

9 この世界は女性たちに,エホバの基準を無視させ,夫に従うなら尊厳が傷つくと思わせようとしています。そうした考えを広める人たちは,愛情深い神について何も知りません。エホバが自分の大切な娘たちに女性の尊厳が傷つくような命令を与えるはずがありません。エホバから与えられた役割を果たすために頑張っている姉妹たちは,家庭の平和に貢献しています。(詩 119:165)こうした努力は,夫にも,自分にも,子供たちにも,プラスになります。

10. キャロル姉妹の言葉から,どんなことを学べますか。

10 妻は,完全でない夫に従うことによって,頭という立場を定めたエホバへの愛と敬意を示せます。南米に住むキャロル姉妹はこう言います。「夫が間違いをする時にどう反応するかによって,私がエホバとの絆をどれくらい大切にしているかが明らかになります。天のお父さんに喜んでもらいたいので,これからも夫に従っていこうと思います」。

11. アニース姉妹が進んで許すのに何が役立っていますか。姉妹の言葉からどんなことを学べますか。

11 妻は,自分の気持ちや心配を夫が気に留めてくれないと感じると,夫に敬意を示して従うのが難しくなるかもしれません。そういう時どうしているかについて,アニース姉妹はこう言っています。「腹を立てないようにしています。誰でも間違いをするということを思い出します。エホバのように寛大に許すことを目指しています。許すと心が穏やかになります」。(詩 86:5)進んで許すなら,夫に従いやすくなるでしょう。

聖書中の手本から何を学べるか

12. 聖書には,どんな手本が記録されていますか。

12 誰かに従うのは弱い人がすることだ,という考え方があります。でも,それは間違っています。聖書には,心が強くても,従う点で手本になった人たちのことが幾つも記録されています。イエス,アビガイル,マリアについて考えてみましょう。

13. イエスがエホバに従うのはどうしてですか。

13 イエスはエホバに従いました。でもそれは,イエスが賢くなかったからでも,能力がなかったからでもありません。イエスは非常に賢かったからこそ,シンプルに分かりやすく教えることができたのです。(ヨハ 7:45,46)エホバは,イエスの能力を高く評価していたので,宇宙を創造する時,自分のそばでイエスが働くようにしました。(格 8:30。ヘブ 1:2‐4)そして,復活したイエスに「天と地における全ての権威」を与えました。(マタ 28:18)イエスは,さまざまな能力がある方ですが,それでも導きを求めてエホバに頼ります。お父さんエホバを愛しているからです。(ヨハ 14:31

14. (ア)夫は女性に対するエホバの見方から何を学べますか。(イ)夫は格言 31章の言葉から何を学べますか。

14 が学べること。エホバは,妻が夫に従うようにしました。でもそれは,女性を男性よりも下に見ているからではありません。そのことは,イエスと共に治める王として,男性だけでなく女性も選んだことから分かります。(ガラ 3:26‐29)エホバは,イエスに権限を与えることによって,信頼していることを示しました。同じように,賢い夫も,妻にある程度の権限を与えます。聖書は,有能な妻が果たす役割として,家事を取り仕切ること,土地を買って管理すること,商売を行うことを挙げています。 31:15,16,18を読む。)そのような妻は,意見を言う権利もない奴隷のような存在ではありません。夫から信頼され,意見を聞いてもらえます。 31:11,26,27を読む。)このように,敬意を持って接してもらえるなら,妻は夫に喜んで従いたいと思うことでしょう。

有能な妻は,イエスがエホバに従ったことから何を学べるか。(15節を参照。)

15. 妻はイエスの手本から何を学べますか。

15 が学べること。イエスは多くのことを成し遂げましたが,頭であるエホバに従うと自分の尊厳が傷つく,とは考えませんでした。(コリ一 15:28。フィリ 2:5,6)同じように,イエスの手本に倣う有能な妻は,夫に従うと自分が下に見られる,と考えることはありません。妻が夫をサポートするのは,夫を愛しているからだけでなく,エホバを愛し,敬っているからです。

アビガイルはダビデと部下に食べ物を送った。その後,ダビデの前でひれ伏して,仕返しをして罪のない人たちを殺すようなことはしないでほしいと願い出た。(16節を参照。)

16. サムエル第一 25章3,23‐28節によると,アビガイルはどんな問題にぶつかりましたか。(表紙の絵を参照。)

16 アビガイルの夫のナバルは,自分勝手で高慢で恩知らずな人でした。それでもアビガイルは,結婚を終わらせて楽な道を行こうとはしませんでした。アビガイルは,ダビデと部下たちが仕返しに来ると聞いた時,黙っていて夫が殺されるままにすることもできたでしょう。しかし,そうするのではなく,ナバルと大勢の家の者たちを守るためにできることを行いました。アビガイルが400人の武装した男たちの前に出て,敬意を込めてダビデを説得するには,かなりの勇気が必要だったでしょう。夫の代わりに謝ることまでしました。サムエル第 25:3,23‐28を読む。)ダビデはすぐに,エホバがこの勇敢な女性を用いて必要なアドバイスを与えてくれたことに気付きました。おかげで,重大な間違いを犯さずに済みました。

17. 夫はダビデとアビガイルに関する記述から何を学べますか。

17 が学べること。アビガイルは機転が利く女性でした。ダビデは賢明にも,アビガイルの言葉を聞き入れました。それで,罪のない人たちを殺さずに済みました。同じように,賢い夫は,重要な決定をする前に,妻の意見をしっかり考慮します。その意見のおかげで,良くない決定をせずに済むこともあるでしょう。

18. 妻はアビガイルの手本から何を学べますか。

18 が学べること。妻がエホバを愛し敬うことは,家族のためになります。夫がエホバに仕えていなくても,エホバの基準に従っていなくてもです。エホバへの愛と敬意があるので,聖書に沿わない方法で結婚を終わらせようとはしません。夫に敬意を示して従うことにより,夫がエホバについて学びたいと思ってくれるように努力します。(ペテ一 3:1,2)たとえ夫がエホバに仕えるようにならないとしても,良い妻であろうとする忠実な女性たちのことをエホバは喜んでおられます。

19. 妻はどんな場合には夫に従いませんか。

19 クリスチャンの妻は夫に従うとはいえ,聖書の教えに反することをするよう夫から言われた場合には,その通りにはしません。例えば,エホバの証人ではない夫から,うそをついたり盗んだり,エホバが悲しむようなことを行ったりするよう求められるかもしれません。しかし,妻である姉妹たちを含め,全てのクリスチャンは,まずエホバ神に従う必要があります。それで,聖書の教えに反することをするよう求められたなら,そうできないことを伝え,理由を親切にはっきりと説明します。(使徒 5:29

20節を参照。 *

20. マリアにはエホバとの強い絆があったと言えるのはなぜですか。

20 マリアは,エホバとの強い絆を築いていました。聖書の言葉をよく知っていました。バプテストのヨハネの母エリサベツとの会話の中で,ヘブライ語聖書の表現を20以上使いました。(ルカ 1:46‐55)またエホバの天使は,マリアがヨセフと婚約していたにもかかわらず,まずヨセフではなくマリアに現れ,神の子を産むことになるということを直接伝えました。(ルカ 1:26‐33)エホバはマリアのことをよく知っていて,独り子イエスを愛し,よく世話してくれると信頼していました。マリアは,イエスが死んで天に復活した後も,エホバとの強い絆を保ったに違いありません。(使徒 1:14

21. 夫はマリアについての聖書の記述から何を学べますか。

21 が学べること。賢い夫は,妻が聖書の言葉をよく知っていることを喜びます。妻に頭の立場を奪われるのではないか,と考えたりはしません。聖書についてよく知っている妻は家族にとって貴重な存在だ,と考えます。妻が夫より高い教育を受けているとしても,家族で聖書を学ぶことをはじめ,崇拝の面で家族を引っ張るのは夫の責任です。(エフェ 6:4

妻は,聖書を学んでじっくり考えることについてイエスの母マリアから何を学べるか。(22節を参照。) *

22. 妻はマリアから何を学べますか。

22 が学べること。妻は夫に従う必要がありますが,自分の信仰を強く保つのは妻自身の責任です。(ガラ 6:5)それで,時間を取り分けて自分で聖書を学び,じっくり考えなければなりません。そうするなら,エホバへの愛と敬意を保ち,夫に喜んで従うことができるでしょう。

23. 夫に従うことは,妻自身,家族,会衆にとってどのようにためになりますか。

23 エホバへの愛の気持ちから夫に従う妻は,エホバが定めた頭という立場を退ける人たちよりも,大きな喜びと満足を味わえます。夫に進んで従う妻は,若い人たちにとって良い手本です。そして,家族だけでなく会衆にも温かい雰囲気をつくり出します。(テト 2:3‐5)現在,女性はエホバに忠実に仕える人たちの中で大きな割合を占めています。(詩 68:11)男性であっても女性であっても,私たち全てには会衆での大切な役割があります。次の記事では,それぞれの役割をどのように果たせるかについて考えます。

36番の歌 「神がくびきで結ばれたもの」

^ 5節 エホバが定めた取り決めによると,妻は夫に従う必要があります。それにはどんなことが含まれるでしょうか。クリスチャンの夫や妻は,イエスや聖書に出てくる女性たちの手本から,従うことについて多くを学べます。

^ 68節 や挿: マリアはバプテストのヨハネの母エリサベツとの会話の中で,ヘブライ語聖書の中の覚えていた表現を幾つも挙げることができた。

^ 70節 や挿: クリスチャンの妻も,信仰を強く保つために,時間を取り分けて聖書を学ぶ必要がある。