研究記事9

命という贈り物を大切にする

命という贈り物を大切にする

「私たちは神によって命を持ち,動き,存在しています」。使徒 17:28

130番の歌 命という奇跡

を学ぶか a

1. エホバにとって私たちの命はどれほど大切なものですか。

 友達から高価な絵をもらったとしましょう。とても古い絵で,一部は色あせ,染みやひび割れもあります。それでも,何億円もの価値がある傑作です。あなたは心から感謝して,その絵を大切にすることでしょう。エホバは私たちに命という貴重な贈り物を下さいました。私たちを救うためにイエスを贖いにするほど,私たちの命を大切なものと見てくださっています。(ヨハ 3:16

2. コリント第二 7章1節からすると,エホバは私たちにどんなことを願っていますか。

2 エホバは命の源です。(詩 36:9)パウロも,「私たちは神によって命を持ち,動き,存在しています」と言いました。(使徒 17:25,28)それで命はエホバからの贈り物だと言えます。エホバは愛の気持ちから,私たちが生きていくのに必要なものを全て与えてくれています。(使徒 14:15-17)でも,私たちの命を奇跡的に守ってくれるわけではありません。私たちができる限りのことをして健康を守るようにと願っています。コリント第 7:1を読む。)では,命や健康を大切にするべきなのはどうしてでしょうか。そのためにどんなことができますか。

命を大切にする

3. 私たちが健康に気を配るのはどうしてですか。

3 私たちが健康に気を配るのは,エホバに力いっぱい仕えるためです。(マル 12:30)私たちは「自分の体を,生きた犠牲,神に受け入れられる聖なる犠牲として差し出し」たいと思っています。(ロマ 12:1)それで,健康に良くないことを避けるようにします。もちろん,できることには限界があるかもしれませんが,命を与えてくださったお父さんエホバに感謝しているので,健康を守るためにできる限りのことをします。

4. ダビデはどんなことを願っていましたか。

4 ダビデ王も命を貴重な贈り物と考えていました。どうしてでしょうか。こう言っています。「私の死に何か良いことがあるだろうか,私が墓穴に下ることに。土はあなたを賛美するだろうか。あなたが信頼できる方だと言うだろうか」。(詩 30:9)ダビデは生涯の終わりごろにこの言葉を書いたようです。ダビデはできるだけ元気に長生きしてエホバを賛美したいと思っていました。私たちも同じ気持ちではないでしょうか。

5. 病気になったり年を取ったりしても,どんなことができますか。

5 病気になったり年を取ったりすると,できることが少なくなり,がっかりするかもしれません。それでも,健康に気を配ることは大切です。どうしてでしょうか。病気になったり年を取ったりしても,ダビデのようにエホバを賛美することができるからです。弱さや限界がある私たちのことも,エホバは大切に思ってくれています。(マタ 10:29-31)たとえ命を失うとしても,エホバは私たちをぜひ復活させたいと願っているのです。(ヨブ 14:14,15)それで,生きている限り命と健康を大切にしていきましょう。

健康に良くない習慣を避ける

6. 私たちの食習慣について,エホバはどんなことを願っていますか。

6 聖書は健康や食事の専門書ではありません。でも,エホバがそうした点についてどう考えているかを教えています。例えばエホバは,健康に「有害な事柄を体から払いのけ」るようにと言っています。(伝 11:10)また,食べ過ぎや飲み過ぎを避けるようにとも教えています。(格 23:20)エホバは,私たちが何をどのくらい食べたり飲んだりするかについて,自制を働かせることを願っています。(コリ一 6:12; 9:25

7. 格言 2章11節の言葉は,健康を守る上でどのように役立ちますか。

7 命と健康を大切にするには,思考力を働かせることが大切です。(詩 119:99,100。 2:11を読む。)例えば,どんな物を食べるかについてよく考えるようにしましょう。自分の好きな物であっても,体に良くないことが分かっているなら,それを食べないことにするはずです。健康の大切さを意識しているなら,十分に睡眠を取り,定期的に運動し,衛生習慣を守り,家をいつもきれいにしておくことでしょう。

安全に気を配る

8. 聖書からエホバがどんなことを願っていることが分かりますか。

8 エホバがイスラエル人に与えた律法には,家や仕事場で事故を防ぐための規定が含まれていました。(出 21:28,29。申 22:8)気を付けていないと,大きな事故を起こしてほかの人の命を奪ってしまう危険があったからです。(申 19:4,5)律法によれば,胎児を傷つけてしまった場合でさえ罰せられることになっていました。(出 21:22,23)こうしたことから,エホバが安全に気を配ってほしいと思っていることが分かります。

命を大切にしているなら,どんなことに注意しますか。(9節を参照。)

9. 事故を防ぐためにどんなことができますか。(写真も参照。)

9 私たちも家や仕事場で安全に気を配るなら,命という贈り物に感謝していることを示せます。例えば,刃物や危険な薬品などは,小さな子供の手の届かない所に保管しましょう。そうした物を捨てる時には安全に注意します。お湯を沸かしたり火や電動工具を使ったりする時にも,注意を怠らないようにします。車を運転する時には電子機器を操作しないようにしましょう。薬やアルコールや睡眠不足の影響で注意力が落ちている時には,運転しないようにします。

危険な状況が生じる時

10. 危険な状況に対処するためにどんなことができますか。

10 注意していても避けられない危険もあります。自然災害や感染症の流行や紛争などです。そういう状況でも,政府から出される外出規制や避難指示に従うなら,身の安全を守り,命を失うリスクを減らすことができます。(ロマ 13:1,5-7)危険な状況を前もって予測できる場合には,当局からの指示に従って事前の備えをしましょう。水や保存食や救急セットなどを準備できるかもしれません。

11. 感染症が流行している時はどんなことができますか。

11 感染症が流行している時はどんなことができるでしょうか。政府からの指示に従いましょう。その中には,手洗い,フィジカル・ディスタンス,マスクの着用,隔離などが含まれるかもしれません。こうした指示の通りに行動することで,命という贈り物に心から感謝していることを示せます。

12. 非常事態が起きる時,格言 14章15節の言葉はどのように役立ちますか。

12 災害や感染症などの非常事態が起きると,不確かな情報が出回ることがあります。友達や近所の人やメディアを通して,そうした情報が入ってくるかもしれません。でも「全ての言葉」を信じるのではなく,政府や医療機関などからの信頼できる情報に耳を傾けましょう。 14:15を読む。)統治体や支部事務所は,正確な情報をきちんと調べてから集会や伝道についての指示を出します。(ヘブ 13:17)その指示に従うなら,自分とほかの人を守ることができます。さらに,周りの人たちからの良い評判を得ることもできるでしょう。(ペテ一 2:12

医療上の緊急事態に備える

13. 血に関する問題が起きる時,命という贈り物を大切にしていることをどのように示せますか。

13 エホバの証人は血を神聖なものと考えているので,エホバの命令に従って血を避けます。医療上の緊急事態であっても,輸血を受け入れることはしません。(使徒 15:28,29)だからといって,死んでもいいと思っているわけではありません。命という贈り物を大切にしています。それで,輸血なしで最善の治療を受けることができるように手を尽くします。

14. 大きな手術が必要になる可能性を下げるために,どんなことができますか。

14 この記事で考えた健康についてのアドバイスを実践するなら,大きな手術が必要になる可能性を下げられます。健康であれば,もし手術が必要になっても,術後の回復が早いでしょう。家や仕事場を安全な状態に保ち,交通ルールをきちんと守って運転するなら,緊急に手術が必要になる状況をある程度避けられます。

命という贈り物を大切にしているので,永続的委任状を作成し,いつも携帯する。(15節を参照。) d

15. (ア)永続的委任状を携帯するのが大切なのはどうしてですか。(写真も参照。)(イ)血液が関係する治療法について良い判断をするには,どうしたらよいですか。(動画を参照。)

15 私たちは命という贈り物を大切にしているので,永続的委任状 bを作成していつも携帯するようにします。この委任状によって,輸血やさまざまな治療に関する自分の意思をはっきり示すことができます。永続的委任状に書かれている内容が最新のものかどうか,ぜひ確認しましょう。情報が古くなっていたり,まだ作成していなかったりするなら,すぐに最新のものを作成してください。このようにして自分の意思を書面にしておけば,ふさわしい治療をできるだけ早く受けられるでしょう。望んでいない治療をされてしまうということも避けられます。 c

16. 永続的委任状の書き方が分からないならどうしますか。

16 若い人や健康な人であっても,事故に遭ったり,病気になったりすることがあります。(伝 9:11)それで,永続的委任状を作成しておくのは大切です。もし書き方が分からないなら,長老に尋ねてください。長老たちは書き方をよく知っていて,医療に関してどんな選択肢があるかや,自分の意思を伝えるためにどんな情報を含めたらよいかを教えてくれるでしょう。とはいえ,どんな治療を受け入れるかを決めるのは一人一人の責任です。(ガラ 6:4,5

分別をわきまえる

17. 分別があるなら,健康に対してどんな見方ができますか。

17 医療や健康について選択や決定をする時には,聖書の原則と良心に基づいて各自が判断します。(使徒 24:16。テモ一 3:9)こうしたことについて決定したり,ほかの人と話題にしたりする場合は,フィリピ 4章5節の言葉を当てはめましょう。そこにはこうあります。「分別があることが全ての人に知られるようにしてください」。分別があるなら,健康について心配し過ぎたり,自分の考えをほかの人に押し付けたりはしないでしょう。兄弟姉妹が自分とは違う決定をするとしても,愛の気持ちからその決定を尊重します。(ロマ 14:10-12

18. 命という贈り物への感謝をどのように表せますか。

18 命という贈り物を大切にし,エホバに力いっぱい仕えるなら,エホバへの感謝を表せます。(啓 4:11)今は,病気になったり大変な出来事に巻き込まれたりすることもあります。でも,エホバは私たちがそのようなつらい経験をすることを願ってはいません。間もなく苦しみの原因を全てなくして,私たちがいつまでも生きられるようにしてくれます。(啓 21:4)では,それまでの間,命を大切にして優しいお父さんエホバに仕えていきましょう。

55番の歌 永遠の命 ― ついに!

a この記事を学ぶと,命という神からの贈り物への感謝が深まります。災害などが起きた時,どうすれば命と健康を守ることができるでしょうか。さまざまな事故が起きるリスクを減らすために,どんなことができますか。医療上の緊急事態に備えて何をする必要があるでしょうか。

b これはDPAとも呼ばれています。

c jw.orgの「血液が関係する治療法について判断する」の動画を参照。

d や挿: 若い兄弟が永続的委任状を作成し,いつも携帯するようにしている。