研究記事12

創造物からエホバのことをもっと知る

創造物からエホバのことをもっと知る

「神の見えない性質は,世界の創造以来明らかです。造られた物を見れば……分かります」。ローマ 1:20

105番の歌 天は神の栄光を告げ知らせる

を学ぶか a

1. ヨブはどのようにしてエホバについてもっとよく知るようになりましたか。

 ヨブはエホバと会話するという特別な経験をしました。エホバは創造物の素晴らしさにヨブの注意を向けさせました。そして,ご自分の知恵や,ご自分に仕える人たちに良いものをたくさん与えているということを教えました。その会話を通してヨブは,エホバが動物たちを養っているのであれば自分のことも支えてくれる,ということを理解しました。(ヨブ 38:39-41; 39:1,5,13-16)こうしてヨブは,創造物からエホバがどんな方かをもっとよく知るようになりました。

2. 創造物をじっくり観察するのが簡単ではないのはどうしてですか。

2 私たちも創造物をじっくり観察するなら,エホバについてもっとよく知ることができます。でも,そうするのが簡単ではないこともあります。都会に住んでいると,自然に触れる機会がそもそも少ないかもしれません。自然が豊かな所に住んでいても,忙しくてじっくり観察する時間がないかもしれません。では,これから次の点を考えてみましょう。時間を取って創造物を観察するとよいのはどうしてでしょうか。エホバとイエスは創造物を通してどんな大切なことを教えましたか。創造物からエホバについてもっとよく知るために,どんなことができるでしょうか。

創造物を観察するとよいのはどうしてか

エホバはアダムに,創造物を観察して名前を付けるというやりがいのある仕事を与えた。(3節を参照。)

3. エホバはご自分の造った物をアダムに楽しんでほしいと思っていました。どうしてそう言えますか。

3 エホバはご自分が造った物をアダムに楽しんでほしいと思っていました。アダムをエデンの園に住ませ,そこを耕して美しいパラダイスを広げていく仕事を与えました。(創 2:8,9,15)アダムは植物が芽を出したり花を咲かせたりする様子を見て,目を輝かせたことでしょう。エデンの園を管理するのはとても楽しい仕事だったはずです。さらに,エホバは動物に名前を付ける仕事も与えました。(創 2:19,20)ご自分でその仕事をすることもできましたが,アダムに任せたのです。アダムはそれぞれの動物の特徴や習性をよく観察して名前を付けていったに違いありません。これはとてもやりがいのある仕事だったことでしょう。エホバの知恵や芸術的センスをもっと知る機会にもなりました。

4. (ア)創造物を観察するとよいのはどうしてですか。(イ)創造物の中であなたが特に素晴らしいと思う物は何ですか。

4 創造物をじっくり観察するとよいのはどうしてでしょうか。1つの理由は,エホバが望んでいることだからです。エホバはこう言いました。「天を見上げてみなさい。誰がこれらの物を創造したのか」。(イザ 40:26)天だけでなく地球にも,エホバが造った素晴らしい物があふれています。(詩 104:24,25)そしてエホバは,自然の美しさに感動する気持ちを私たちに持たせてくださいました。多種多様な創造物を楽しめるよう,視覚,聴覚,触覚,味覚,嗅覚といった五感も与えてくださいました。

5. ローマ 1章20節によると,エホバが造った物からどんなことが分かりますか。

5 聖書は創造物を観察するとよい別の理由を説明しています。それは,創造物を通してエホバがどのような方かを知ることができるということです。ローマ 1:20を読む。)例えば,自然が見事に設計されていることについて考えると,エホバが知恵のある方だということが分かります。また,いろいろな種類の食べ物を楽しめるようにしてくださっていることを考えると,エホバが私たちのことを愛してくださっていることが分かります。創造物を観察してエホバがどんな方かが分かると,エホバにもっと引き寄せられます。では,エホバが創造物を通してどんな大切な点を教えてくださっているか,考えてみましょう。

エホバは創造物を通してご自分について教えている

6. 渡り鳥を観察するとどんなことを学べますか。

6 エホバは時を定めている。イスラエルでは毎年2月の終わりから5月の中ごろにかけて,コウノトリが北に向かって渡りをする様子を見ることができました。エホバはイスラエル人にこう言いました。「空を飛ぶコウノトリでさえ,季節を知っている」。(エレ 8:7)エホバは,コウノトリが渡りをする時期を決めているのと同じように,裁きの時も正確に定めています。私たちは渡り鳥を観察する時,エホバがご自分の「定められた時」に今の悪い世界を必ず滅ぼす,ということを確信できます。(ハバ 2:3

7. 鳥が飛ぶ様子からどんなことを学べますか。(イザヤ 40:31

7 エホバは力を与えてくださる。エホバはイザヤを通して,落胆している人たちに力を与えることを約束しました。ワシが「翼を広げて舞い上がる」かのように元気を取り戻せるのです。イザヤ 40:31を読む。)昔のイスラエル人は,ワシが上昇気流に乗って,ほとんど羽ばたかずに舞い上がる様子をよく目にしました。エホバはワシに力を与えるのと同じように,ご自分に仕える人たちにも力を与えてくださいます。私たちは鳥が翼を大きく広げて悠々と空を飛ぶ様子を見る時,エホバが私たちにも問題を乗り越える力を与えてくださるということを思い起こせます。

8. ヨブはエホバが造った物からどんなことを学びましたか。私たちはどんなことを学べますか。

8 エホバは信できる。エホバは,ヨブがご自分に対する信頼を深めることができるように助けました。(ヨブ 32:2; 40:6-8)ヨブとの会話の中で,星や雲や稲妻など,ご自分が造った物について話しました。また,野牛や馬など動物にも注目するようにと言いました。(ヨブ 38:32-35; 39:9,19,20)こうした創造物を観察すると,エホバの並外れた力だけでなく,深い愛や知恵についても分かります。ヨブはこの会話を通して,エホバをいっそう信頼できるようになりました。(ヨブ 42:1-6)私たちも創造物をじっくり観察すると,エホバが私たちよりはるかに賢くて力のある方であることを学べます。また,私たちが経験している問題全てを必ずなくしてくれることも確信できます。こうしたことを考えると,エホバへの信頼がいっそう強まります。

イエスは創造物からエホバについて教えた

9-10. 太陽と雨からエホバについてどんなことを学べますか。

9 イエスは自然界について詳しく知っていました。エホバが宇宙を創造した時,イエスは「優れた働き手」としてエホバと一緒に働きました。(格 8:30)地上にいた時には,創造物からエホバについて教えました。どんなことを教えたか,見てみましょう。

10 エホバは全ての人に愛を示す。イエスは山上の垂訓の中で弟子たちに,太陽と雨の恵みについて話しました。太陽も雨も私たちが生きていく上でなくてはならないものですが,多くの人は当たり前のものと考えています。エホバはご自分に仕える人たちだけに太陽や雨の恵みを与えることもできましたが,そうはせず,全ての人に与えることによって愛を示しています。(マタ 5:43-45)イエスはこの例を使って,エホバは弟子たちにも全ての人に対して愛を示すことを望んでいる,ということを教えました。私たちは美しい夕日が沈む景色や爽やかな雨が降るのを見る時,エホバの公平な愛について思い起こせます。そして,エホバに倣って全ての人に愛を示し,良い知らせを伝えたいという気持ちになります。

11. 鳥を観察するとどんなことを確信できますか。

11 エホバは生きていくのに必なものを与えてくださる。イエスは山上の垂訓の中でこう言いました。「鳥をよく観察しなさい。種をまいたり,刈り取ったり,倉に集めたりはしません。それでも天の父は鳥を養っています」。この時,イエスの話を聞いていた人たちの上を鳥が飛んでいたかもしれません。そしてイエスはこう問い掛けます。「あなたたちはそれよりも価値があるのではありませんか」。(マタ 6:26)イエスはこのようにして,エホバが私たちを養ってくださることを温かく教えました。(マタ 6:31,32)創造物から学べるこの教訓は,今でも兄弟姉妹にとって励ましとなっています。スペインに住むある若い開拓者の姉妹は,ふさわしい住まいが見つからなくてがっかりしていました。でも,鳥たちが木の実や種をついばんでいるのを見て,元気が出ました。こう言っています。「エホバは鳥たちを養っているのだから,私のことも必ず世話してくださるはずだと思いました」。それから間もなく,姉妹は無事ふさわしい住まいを見つけることができました。

12. マタイ 10章29-31節によると,イエスはスズメを引き合いに出してどんなことを教えましたか。

12 エホバは私たち一人一人を大に思っている。イエスは使徒たちを伝道に送り出す前に,反対に遭っても恐れなくていいということを教えました。マタイ 10:29-31を読む。)イエスはスズメを引き合いに出して,そのことを説明しました。スズメはイスラエルの人たちにとって見慣れた鳥で,価値が小さく,安く売られていました。でもイエスはこう言いました。「その1羽でさえ,天の父が知らないうちに地面に落ちることはありません。……あなたたちはたくさんのスズメより価値があるのです」。エホバが一人一人を大切に思ってくれているので迫害を怖がる必要はない,と教えました。使徒たちは町や村で伝道している時,スズメを見てイエスの言葉を思い出したはずです。私たちもスズメを見る時,自分は「たくさんのスズメより価値があ」り,エホバが大切に思ってくれているということを思い出しましょう。エホバが助けてくれるので,反対に遭っても勇気を持って立ち向かうことができます。(詩 118:6

創造物からエホバのことをもっと知るにはどうしたらいいか

13. 創造物からエホバについて学ぶには,どうする必要がありますか。

13 創造物からエホバについてもっと多くのことを学ぶには,どうしたらいいでしょうか。まず,創造物を観察する時間を取りましょう。そして,そこからエホバについてどんなことが学べるか,じっくり考えましょう。でも,そうするのは簡単ではないかもしれません。カメルーンのジェラルディン姉妹はこう言います。「私は都会で育ったので,自然を観察するには意識的な努力が必要です」。長老のアルフォンソ兄弟もこう言います。「創造物を観察し,エホバについてじっくり考えるには,一人になれる時間をちゃんとつくる必要があると思いました」。

ダビデは創造物を観察し,エホバについて学べることをじっくり考えた。(14節を参照。)

14. ダビデはエホバが造った物について思い巡らし,どんなことを学びましたか。

14 ダビデもエホバが造った物についてじっくり考えました。こう言っています。「あなたが指で造った天を仰ぎ,あなたが並べた月や星を眺めて思う。死にゆく人間が何者なのであなたは心に留めてくださるのか」。(詩 8:3,4)ダビデは夜空を眺めて,宇宙の広大さに感動しただけではありません。月や星からエホバについて学べることをじっくり考え,エホバがどれほど偉大な方かを知りました。また別の時には,胎児が母親のおなかの中でどのように成長していくかについても思い巡らし,エホバの深い知恵に心を打たれました。(詩 139:14-17

15. 私たちの周りにあるどんな物からエホバについて知ることができますか。(詩編 148:7-10

15 ダビデと同じように,私たちも周りに少し目を向けるだけで,創造物からエホバについてたくさんのことを学べます。例えば,太陽の暖かさを感じる時,エホバが力にあふれた方であることが分かります。(エレ 31:35)鳥が巣を作っているのを見ると,エホバの知恵を知ることができます。子犬が自分のしっぽを追い掛けている姿を見て,エホバのユーモアのセンスを感じます。お母さんが赤ちゃんと遊んでいる様子を見ると,エホバが優しい方であることを感じます。エホバについて学べる機会はたくさんあります。エホバが造った小さな物も大きな物も,近くにある物も遠くにある物も,全てエホバを賛美し,エホバについて教えてくれるのです。 148:7-10を読む。)

16. エホバについてもっと知るために,どうしたいと思いますか。

16 エホバはとても賢く,思いやりがあり,力の強い方です。芸術的センスにあふれる方でもあります。そのことは創造物を見るとよく分かります。ぜひ時間を取って創造物を観察し,エホバがどんな方かをじっくり考えるようにしましょう。そうするならエホバに引き寄せられ,エホバをもっと愛するようになります。(ヤコ 4:8)では親は,子供がエホバをもっと愛せるようになるために,創造物からどのように教えることができるでしょうか。その点については次の記事で考えます。

110番の歌 神の驚くべきみ業

a 太陽のようなダイナミックなものから,花びらのような繊細なものまで,エホバの創造物は感動を与えます。エホバが造った物を見ると,エホバがどんな方かを知ることができます。この記事では,時間を取ってエホバの創造物をよく観察するとよいのはどうしてか,そうすることでどのようにエホバに引き寄せられるかを考えます。