1. ヘブライ 12章しょう1節せつによると，命いのちを目め指ざす競きょう走そうを最さい後ごまで走はしり抜ぬくためにはどんなことが必ひつ要ようですか。

 聖せい書しょでは，クリスチャンとして生いきることが競きょう走そうに例たとえられています。この競きょう走そうを最さい後ごまで走はしり抜ぬいた人ひとには，永えい遠えんの命いのちという賞しょうが与あたえられます。（テモ二に 4:7，8）ゴールはすぐそこまで近ちかづいているので，私わたしたちはベストを尽つくして走はしり続つづける必ひつ要ようがあります。パウロは，命いのちを目め指ざす競きょう走そうを最さい後ごまで走はしり抜ぬきました。そのパウロが次つぎのようにアドバイスしています。「あらゆる重おも荷に……を捨すて，参さん加かしている競きょう走そうを忍にん耐たいして走はしりましょう」。（ヘブライ 12:1を読よむ。）

2. 「あらゆる重おも荷に……を捨すて[る]」とはどういうことですか。

² 「あらゆる重おも荷に……を捨すて[る]」とは，クリスチャンは何なにも持もたなくてもよいということでしょうか。そうではありません。パウロが言いっていたのは，不ふ必ひつ要ような重おも荷にを全すべて捨すてる必ひつ要ようがあるということです。この重おも荷にを負おったままでいると，ペースを崩くずし，疲つかれ果はててしまいます。忍にん耐たいして走はしり続つづけるためには，重おも荷にとなっているものを見み極きわめて，すぐに捨すてる必ひつ要ようがあります。でも，負おうべき荷にまで放ほうり出ださないようにしましょう。そうでないと，競きょう走そうを走はしる資し格かくを失うしなってしまうかもしれません。（テモ二に 2:5）では，私わたしたちが負おうべき荷にとは何なんでしょうか。

3. （ア）ガラテア 6章しょう5節せつによると，私わたしたちは何なにを負おう必ひつ要ようがありますか。（イ）この記き事じではどんなことを学まなびますか。そうすることが大たい切せつなのはどうしてですか。

³ ガラテア 6:5を読よむ。パウロは，「自じ分ぶんの荷にを自じ分ぶんで負おう」ようにと言いいました。これはつまり，神かみに仕つかえる者ものとして，私わたしたち各かく自じには果はたすべき責せき任にんがあるということです。この記き事じでは，「自じ分ぶんの 荷に」にはどんなものがあるか，どうすればそれをきちんと負おうことができるかを考かんがえます。また，不ふ必ひつ要ような重おも荷ににはどんなものがあるか，どうすればそれを捨すてることができるかも学まなびます。自じ分ぶんの荷にを負おい，不ふ必ひつ要ような重おも荷にを捨すてるなら，命いのちを目め指ざす競きょう走そうを最さい後ごまで走はしり抜ぬくことができます。

4. 献けん身しんの誓ちかいを守まもることが重おも荷にではないのはなぜですか。（挿さし絵えと写しゃ真しんも参さん照しょう。）

⁴ 献けん身しんの誓ちかいを守まもる。私わたしたちは献けん身しんした時とき，エホバを崇すう拝はいし，エホバの望のぞむことを行おこなうと誓ちかいました。この誓ちかいを守まもり続つづける必ひつ要ようがあります。献けん身しんに沿そった生いき方かたをすることには大おおきな責せき任にんが伴ともないますが，重おも荷にではありません。エホバはご自じ分ぶんの望のぞむことを行おこなえるように私わたしたちを造つくってくださったからです。（啓けい 4:11）私わたしたちをご自じ分ぶんに似にた者ものとして造つくり，エホバのことを知しりたいという気き持もちを与あたえてくださいました。それで，エホバと親したしくなり，エホバの望のぞむことを喜よろこんで行おこなうことができます。（詩し 40:8）さらに，エホバとイエスに従したがうなら，「爽さわやかさを感かんじる」こともできます。（マタ 11:28-30）

5. 献けん身しんの誓ちかいを守まもるのに何なにが助たすけになりますか。（ヨハネ第だい一いち 5:3）

 ⁵ どのようにそうできるか。2つのことが助たすけになります。1つ目めに，エホバへの愛あいを強つよめ続つづけることです。エホバがこれまで自じ分ぶんのためにどんなことをしてくださったか，またこれからどんな素す晴ばらしいことをしてくださるかについてじっくり考かんがえましょう。エホバへの愛あいが深ふかまれば深ふかまるほど，エホバに従したがいたいという気き持もちになるでしょう。（ヨハネ第だい一いち5:3を読よむ。）2つ目めに，イエスに倣ならうことができます。イエスはエホバに助たすけを祈いのり求もとめ，将しょう来らいの喜よろこびに目めを向むけ続つづけていたので，神かみの望のぞむことを行おこなうことができました。（ヘブ 5:7; 12:2）私わたしたちもイエスのように，エホバに強つよさを祈いのり求もとめ，永えい遠えんの命いのちの希き望ぼうから目めをそらさないようにしましょう。エホバへの愛あいを深ふかめ，イエスに倣ならうなら，献けん身しんの誓ちかいを守まもり通とおすことができます。

6. 家か族ぞくの中なかでの責せき任にんを果はたすことが大たい切せつなのはどうしてですか。（挿さし絵えと写しゃ真しんも参さん照しょう。）

⁶ 家か族ぞくの中なかでの責せき任にんを果はたす。命いのちを目め指ざす競きょう走そうを走はしっている私わたしたちは，自じ分ぶんの家か族ぞくよりもエホバとイエスを愛あいする必ひつ要ようがあります。（マタ 10:37）だからといって，家か族ぞくの中なかでの責せき任にんを果はたさなくてよいということではありません。エホバとイエスに喜よろこんでいただくためには，こうした責せき任にんをきちんと果はたす必ひつ要ようがあります。（テモ一いち 5:4，8）エホバは，夫おっとと妻つまに対たいしてお互たがいに愛あいと敬けい意いを示しめし合あうように，親おやに対たいしては子こ供どもを愛あい情じょう深ぶかく教おしえるように，子こ供どもに対たいしては親おやに従したがうようにと言いっています。それぞれがこうした点てんを努ど力りょくするなら家か族ぞくみんなが幸しあわせになれる，ということを知しっているからです。（エフェ 5:33; 6:1，4）

7. 家か族ぞくの中なかでの責せき任にんをどのように果はたすことができますか。

⁷ どのようにそうできるか。夫おっとも妻つまも子こ供どもも，聖せい書しょのアドバイスに頼たよることが大たい切せつです。感かん情じょうや，専せん門もん家かの意い見けんや，自じ分ぶんが住すんでいる地ち域いきの常じょう識しきに頼たよってはいけません。（格かく 24:3，4）聖せい書しょに基もとづく出しゅっ版ぱん物ぶつを活かつ用ようしましょう。そうするなら，聖せい書しょの原げん則そくをどのように当あてはめるとよいか，役やく立だつ提てい案あんを見みつけることができます。例たとえば，「家か族ぞくのために」というシリーズ記き事じには，夫ふう婦ふや親おやや若わか者ものにぴったりの情じょう報ほうが載のせられています。 b 家か族ぞくの中なかで自じ分ぶんだけが頑がん張ばっているように思おもえたとしても，聖せい書しょのアドバイスを当あてはめ続つづけましょう。そうするならエホバが祝しゅく福ふくしてくださり，家か族ぞくみんなも幸しあわせになれます。（ペテ一いち 3:1，2）

8. 自じ分ぶんの決けっ定ていに責せき任にんを持もつことは大たい切せつです。どうしてそう言いえますか。

⁸ 自じ分ぶんの決けっ定ていに責せき任にんを持もつ。エホバは私わたしたちに自じ由ゆう意い志しという贈おくり物ものを与あたえてくださいました。私わたしたちが良よい決けっ定ていをして幸しあわせになることを願ねがっています。でも，私わたしたちが悪わるい決けっ定ていをするときに，その結けっ果かを経けい験けんしないで済すむように守まもることはしません。（ガラ 6:7，8）それで，良よくない決けっ定ていをしたり，軽けい率そつに話はなしたり，性せい急きゅうに行こう動どうしてしまったなら，逃にげずにその結けっ果かを受うけ入いれる必ひつ要ようがあります。もちろん罪ざい悪あく感かんに悩なやまされることもあるかもしれません。でも，自じ分ぶんの決けっ定ていの責せき任にんを取とることの大たい切せつさを理り解かいしているなら， 罪つみを告こく白はくし，間ま違ちがいを正ただし，同おなじ失しっ敗ぱいを避さけるよう動うごかされます。そうするなら，命いのちを目め指ざす競きょう走そうを走はしり続つづけることができるでしょう。

9. 良よくない決けっ定ていをしてしまったときには，どんなことができますか。（挿さし絵えと写しゃ真しんも参さん照しょう。）

⁹ どのようにそうできるか。自じ分ぶんの今いまの状じょう況きょうを受うけ止とめるようにしましょう。過か去こを変かえることはできません。自じ分ぶんを正せい当とう化かしたり自じ分ぶんやほかの人ひとを責せめたりすることに，時じ間かんやエネルギーを奪うばわれないようにしましょう。それよりも，自じ分ぶんの間ま違ちがいを認みとめ，今いまできることを精せいいっぱい行おこなうことが大たい切せつです。自じ分ぶんがしてしまったことに罪ざい悪あく感かんを感かんじているなら，謙けん遜そんにエホバに祈いのり，間ま違ちがいを認みとめ，許ゆるしてもらえるようにお願ねがいしましょう。（詩し 25:11; 51:3，4）傷きずつけてしまった人ひとに謝あやまり，必ひつ要ようなら長ちょう老ろうに助たすけてもらいます。（ヤコ 5:14，15）失しっ敗ぱいから学まなび，同おなじことを繰くり返かえさないようにしましょう。そうするなら，憐あわれみ深ぶかいエホバが必かならず支ささえてくださいます。（詩し 103:8-13）

10. 現げん実じつ的てきではない期き待たいを持もつことは，どうして重おも荷にとなりますか。（ガラテア 6:4）

¹⁰ 現げん実じつ的てきではない期き待たい。他たの人ひとと比くらべるなら，自じ分ぶんに重おも荷にを負おわせることになります。（ガラテア 6:4を読よむ。）いつも他たの人ひとと比くらべると，ねたんだり競きょう争そう心しんを抱いだいたりしてしまうかもしれません。（ガラ 5:26）もし，他たの人ひとと同おなじようにしようとして，自じ分ぶんの状じょう況きょうに合あわないことや能のう力りょく以い上じょうのことをしようとするなら，自じ分ぶんを苦くるしめることになります。「なかなか実じつ現げんしない」期き待たいを持もつと「落おち込こむ」のであれば，現げん実じつ的てきではない期き待たいを持もつならなおさらでしょう。（格かく 13:12）疲つかれ切きってしまい，命いのちを目め指ざす競きょう走そうを走はしるペースも落おちていくかもしれません。（格かく 24:10）

11. 現げん実じつ的てきではない期き待たいを持もたないために，どんなことが助たすけになりますか。

¹¹ どのように捨すてられるか。エホバが求もとめておられる以い上じょうのことを自じ分ぶんに求もとめないようにしましょう。エホバは，私わたしたちにできる以い上じょうのことを期き待たいすることはありません。（コリ二に 8:12）エホバはあなたのことを他たの人ひとと比くらべたりはしないということを忘わすれないでください。（マタ 25:20-23）あなたの心こころからの奉ほう仕し，あなたの忠ちゅう実じつさ，あなたの忍にん耐たいを貴き重ちょうなものと見みてくださいます。年ねん齢れいや健けん康こうや状じょう況きょうゆえに今いまできることが限かぎられるとしても，そのことを受うけ入いれましょう。健けん康こう上じょうの理り由ゆうから割わり当あてを果はたすのが難むずかしいと感かんじる場ば合あいは，バルジライのように辞じ退たいすることもできます。（サム二に 19:35，36）モーセのように助たすけを受うけ入いれ，ふさわしいときには他たの人ひとに責せき任にんを委ゆだねましょう。（出しゅつ 18:21，22）そのような慎つつしみがあれば，現げん実じつ的てきではないことを期き待たいして疲つかれ切きってしまうことを避さけられます。

12. ほかの人ひとがした良よくない決けっ定ていに責せき任にんを感かんじる必ひつ要ようがありますか。

¹² ほかの人ひとの良よくない決けっ定ていに責せき任にんを感かんじること。私わたしたちは，ほかの人ひとの代かわりに何なにかを決きめることはできません。良よくない決けっ定ていをした人ひとがつらい経けい験けんをしなくて済すむように守まもることもできません。自じ分ぶんの子こ供どもがエホバに仕つかえるのをやめた場ば合あい，親おやは本ほん当とうにつらい気き持もちになるでしょう。でも，子こ供どもが決きめたことについて自じ分ぶんを責せめるなら，それは大おおきな重おも荷にになってしまい ます。エホバは，親おやがそうした重おも荷にを負おうことを願ねがっていません。（ロマ 14:12）

13. 子こ供どもが良よくない決けっ定ていをしたとき，親おやはどんなことができますか。

¹³ どのように捨すてられるか。エホバは私わたしたちに自じ由ゆう意い志しを与あたえ，それぞれが自じ分ぶんで決けっ定ていできるようにしてくださっています。それで，エホバに仕つかえるかどうかは，一人ひとり一人ひとりが決きめることです。完かん璧ぺきな親おやはどこにもいません。エホバはそのことをよく知しっておられるので，あなたがただベストを尽つくすことを願ねがっておられます。子こ供どもの決けっ定ていに責せき任にんを持もつべきなのは，子こ供ども自じ身しんです。親おやではありません。（格かく 20:11）そうは言いっても，親おやとして足たりないところがいろいろあったと感かんじることがありますか。もしそうなら，エホバに自じ分ぶんの気き持もちを伝つたえ，許ゆるしを求もとめて祈いのりましょう。エホバは，起おきたことは変かえられないということをご存ぞんじです。まいたものを刈かり取とらずに済すむようあなたがお子こさんを守まもることを望のぞんではいません。お子こさんがエホバの元もとに戻もどるために一いっ歩ぽを踏ふみ出だすなら，エホバは温あたたかく迎むかえ入いれてくださいます。そのことを忘わすれないようにしましょう。（ルカ 15:18-20）

14. 自じ分ぶんを責せめ過すぎる気き持もちを捨すてるべきなのはなぜですか。

¹⁴ 自じ分ぶんを責せめ過すぎる気き持もち。罪つみを犯おかした時ときに罪ざい悪あく感かんを感かんじるのは正ただしいことです。でも，自じ分ぶんを責せめ過すぎてはいけません。それは捨すてるべき重おも荷にです。罪つみを告こく白はくし，悔くい改あらため，同おなじ罪つみを繰くり返かえさないようにできることを全すべて行おこなっているなら，エホバが許ゆるしてくださっていることを確かく信しんできます。（使し徒と 3:19）エホバは私わたしたちに，自じ分ぶんのことを責せめ続つづけないでほしいと思おもっています。それが自じ分ぶんを傷きずつけることになる，ということをエホバは知しっておられるからです。（詩し 31:10）悲かなしみに打うちのめされてしまうなら，命いのちを 目め指ざす競きょう走そうを走はしるのをやめてしまうかもしれません。（コリ二に 2:7）

15. 自じ分ぶんを責せめ過すぎる気き持もちとどのように闘たたかうことができますか。（ヨハネ第だい一いち 3:19，20）（写しゃ真しんも参さん照しょう。）

¹⁵ どのように捨すてられるか。自じ分ぶんを責せめ過すぎる気き持もちに悩なやまされているなら，エホバが「本ほん当とうに許ゆるす方かた」だということをじっくり考かんがえましょう。（詩し 130:4）エホバは心こころから悔くい改あらためる人ひとを許ゆるし，「罪つみをもはや思おもい出ださない」と約やく束そくしています。（エレ 31:34）つまり，エホバは私わたしたちが犯おかした罪つみをまた持もち出だしたりはしないということです。それで，自じ分ぶんが犯おかした罪つみによって大たい変へんな経けい験けんをしているとしても，エホバが許ゆるしてくださっていないからだ，とは考かんがえないでください。会かい衆しゅうの中なかでできる奉ほう仕しが限かぎられているとしても，自じ分ぶんを責せめないようにしましょう。私わたしたちの罪つみについてエホバが考かんがえ続つづけていないのであれば，私わたしたちもそうすべきではありません。（ヨハネ第だい一いち3:19，20を読よむ。）

16. どんなことを理り解かいしておくことは大たい切せつですか。

¹⁶ 命いのちを目め指ざす競きょう走そうを走はしっている私わたしたちは，「賞しょうを得えられるような走はしり方かた」をする必ひつ要ようがあります。（コリ一いち 9:24）そのために，負おうべき荷にと捨すてるべき重おも荷にをよく見み分わけることは大たい切せつです。その幾いくつかの例れいをこの記き事じで考かんがえました。でも，ほかにも考かんがえるべき点てんがあります。イエスは，「食たべ過すぎや飲のみ過すぎや生せい活かつ上じょうの心しん配ぱい事ごとで心こころが圧あっ迫ぱくされ」ることがあると警けい告こくしました。（ルカ 21:34）聖せい書しょを調しらべると，命いのちを目め指ざす競きょう走そうを走はしる上うえでどんな調ちょう整せいをする必ひつ要ようがあるかを知しることができます。

17. 私わたしたちは命いのちを目め指ざす競きょう走そうを走はしり切きることができます。どうしてそう言いえますか。

¹⁷ 私わたしたちは命いのちを目め指ざす競きょう走そうを走はしり切きることができます。エホバが必ひつ要ような力ちからを与あたえてくださるからです。（イザ 40:29-31）それで，ペースを落おとさないようにしましょう。賞しょうを目め指ざして一いっ生しょう懸けん命めい走はしったパウロに倣ならうことができます。（フィリ 3:13，14）誰だれかほかの人ひとに走はしってもらうことはできませんが，エホバが必かならず助たすけてくれます。私わたしたちが自じ分ぶんの荷にを負おい，重おも荷にを捨すてられるようにしてくださるのです。（詩し 68:19）エホバが一いっ緒しょにいてくださるので，私わたしたちはこの競きょう走そうを最さい後ごまで走はしり，賞しょうを得えることができます。