2022年10月26日の時点で，ロシアとクリミアで106人の兄弟と4人の姉妹が，信仰ゆえに投獄または公判前勾留されています。44歳のドミトリー･ドルジコフ兄弟が投獄された時点で，収監されているエホバの証人は100人を数えました。ドルジコフ兄弟は2022年9月8日に逮捕されました。兄弟は，集会に出席し，自分の信仰について他の人に話したことが理由で，過激主義組織の活動に参加した容疑をかけられています。2017年の禁令以降，350人近くの兄弟姉妹が収監されてきました。

ドルジコフ兄弟はチェリャビンスク州の自宅を家宅捜索された後，逮捕されました。その2日後，兄弟は自宅から1500キロ離れたノボシビルスク州に送られ，公判前勾留されました。

兄弟は12人と一緒に監房に収容されています。妻のマリーナ姉妹は兄弟に面会することを許されていませんが，手紙でやり取りすることはできています。

マリーナ姉妹はこう話しています。「主人が逮捕されたばかりの頃は夜なかなか眠れなくて，寝ていてもよく目が覚めました。でも，会衆の友達が家に泊めてくれたので，独りにならなくて済み，心強く感じました」。

マリーナ姉妹によると，ドルジコフ兄弟は落ち着いていて前向きな見方を保っています。「エホバが主人のことを助けてくれています」と姉妹は言います。

兄弟姉妹は過激主義活動に関するロシア連邦の刑法に基づいて起訴されています。57歳のアンナ･サフロノワ姉妹はその1人で，現在6年の拘禁刑に服しています。これは姉妹たちに科された拘禁刑の中で最も長いものです。

ドルジコフ兄弟の逮捕も，ロシアがエホバの証人に対して行ってきた恥ずべき迫害の一例にすぎません。ロシア政府は，国際機関から繰り返し批判されてきたにもかかわらず，5年以上迫害を続けてきました。2017年にロシアの最高裁判所がエホバの証人に不利な判決を下した時，ロシア政府は，この判決はエホバの証人の法人を解散させるものであって個々のエホバの証人の宗教活動を妨害するものではない，と主張していました。でも，実際には違います。これまで，700人近くのエホバの証人に対する308件の刑事手続きが行われ，1851軒の家が家宅捜索されてきました。

私たちは，信仰のために迫害されているドルジコフ兄弟や他の兄弟姉妹のために祈りたいと思います。エホバは，これからも耐え忍ぶための力を兄弟姉妹に与えてくださることでしょう。（マタイ 24:13）