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2020年2月19日
グローバル・ニュース

世界初 全巻そろった手話訳聖書

世界初 全巻そろった手話訳聖書

2020年2月15日,統治体の成員であるジェフリー・ジャクソン兄弟が,「新世界訳聖書」アメリカ手話版(ASL)の最後の書を発表しました。これは世界初の全巻そろった手話訳聖書です。この歴史的な発表は,米国フロリダ州フォート・ローダデールにあるアメリカ手話の新しい遠隔翻訳事務所の献堂式が行われた時に,そのハイライトとして知らされました。献堂式はフロリダ州ウェスト・パーム・ビーチにあるエホバの証人のクリスチャン・コンベンション・センターで開かれました。

このプログラムに2500人以上が出席しました。加えて,カナダ,ドミニカ共和国,トリニダード・トバゴ,ハイチ,米国,ベリーズの王国会館で1万5635人がストリーミングで視聴し,出席者数は1万8000人を超えました。

統治体のジェフリー・ジャクソン兄弟がプログラム中にインタビューをしている。

献堂式の話の後,ジャクソン兄弟はアメリカ手話版聖書の最後の書を発表しました。話の終わりに近づくと,「お知らせしたいことがあります。特別なお知らせです」と言いました。「今回,ヨブ記の翻訳が終わり,聖書全巻がついに完成しました。……私たちが知る限り,聖書全巻をアメリカ手話で翻訳したのはエホバの証人が初めてです。そしてこれがおそらく,世界中で,人類史の中で,全巻そろった初の手話訳聖書です」。

15年に及ぶ翻訳作業の集大成として,ヨブ記がリリースされました。統治体は2004年にアメリカ手話版「新世界訳」の製作を承認しました。その2年後に「マタイによる福音書」がリリースされました。ギリシャ語聖書の残りの部分は1つの書が終わるたびにリリースされ,2010年まで続きました。その後の10年間でヘブライ語聖書が完成しました。

アメリカ手話の「新世界訳」は大勢のろう者に大きな影響を与えてきました。プログラムに出席した伝道者イザイアス・イートンはこう話しています。「初めて『新世界訳』を見て,涙が止まりませんでした。英語の聖書を読んでも心に響きませんでしたが,手話の聖書を見始めた瞬間,思わず泣いてしまいました」。

手話の聖書によって,手話会衆の奉仕の仕方ががらっと変わりました。遠隔翻訳事務所で奉仕しているアメリカ手話の翻訳者デービッド・ゴンザレスはこう述べています。「真理を十分に理解できるようになったので,勇気を持って語れるようになりました。アメリカ手話の聖書がなかった頃は,自分に自信がなく,難しい質問をされなければいいなと思っていました。でも今では全巻そろった聖書があります。自信を持って伝道できます!」

「今回のプロジェクトを参考に,他の手話でも翻訳が行われます」。そう説明するのは,ニューヨーク州ウォーウィックにある世界本部の翻訳サービス部門で奉仕しているニコラス・アラディスです。「現在,17の手話言語で聖書の一部を入手することができ,その数はさらに増える見込みです」。

全巻そろったアメリカ手話の「新世界訳」は,エホバをもっと身近に感じる助けになるに違いありません。大勢の人が自分の言語で聖書を読み,心を動かされることでしょう。(使徒 2:6