2021年12月20日
スロベニア
スロベニア語の「新世界訳聖書」改訂版が発表される
2021年12月18日,スロベニア語の「新世界訳聖書」改訂版が発表されました。前もって録画されたプログラムの中で統治体のゲリト・レッシュ兄弟が発表を行い,およそ2000人が視聴しました。発表されたのは電子版の聖書で,印刷版は2022年に入手できるようになります。
スロベニア語での聖書翻訳の歴史は,1584年にまでさかのぼります。その年に,スロベニア語で初めての全訳聖書であるダルマティン聖書が出版されました。現在,ダルマティン聖書は80冊しか存在が確認されておらず,そのうちの1冊が米国ニューヨーク州ウォーウィックにあるエホバの証人の世界本部内の聖書ミュージアムに保管されています。
1925年,国際聖書研究者のフランツ・ブラント兄弟が,スロベニアで伝道を始めました。マリボル市にあった理髪店で働きながら,客に聖書のことを話しました。同じ年に,少人数のグループが定期的に集まって聖書について話し合うようになりました。1930年,スロベニアの聖書研究者たちは,国内での聖書教育活動を後押しするための事務所を設立しました。2009年,兄弟たちは聖書翻訳の分野で大きな節目を迎えます。その年に,スロベニアのリュブリャナで開かれた地域大会で,統治体のサミュエル・ハード兄弟が「新世界訳」を発表しました。
第2次世界大戦中やその後の年月に,スロベニアのエホバの証人はナチスや地元当局から激しい迫害を受けました。多くの兄弟たちが投獄され,処刑された人たちもいました。1953年,状況がいくらか好転し,当局はエホバの証人を認可して崇拝の自由を認めました。現在,スロベニアには1757人の伝道者がいます。
レッシュ兄弟は,聖書を発表した話の中で聴衆に次のように勧めました。「この新しい聖書を上手に使えるようになって,聖書の力が十分に発揮されるようにしてください。……今回発表されたスロベニア語の『新世界訳聖書』[改訂版]は,皆さんが『神の信頼できる言葉』にしっかり従う上で役立つに違いありません」。(テトス 1:9)スロベニアの兄弟姉妹は,この励ましに心から応じることでしょう。