2019年9月9日，カルーガ州上訴裁判所のスベトラーナ･アナトリエブナ･プロコフィエワ裁判官は，カルーガ地区裁判所がドミトリー･クジン兄弟に公判前勾留を命じたことは重大な法律違反に当たる，と言い渡しました。

プロコフィエワ裁判官の決定は，ロシアのエホバの証人が裁判手続きで不当な扱いを受けてきたことを認めるもので，異例で特筆すべきものだと言えるでしょう。裁判官は，地区裁判所が幾度も法律に違反したことを指摘しました。地区裁判所はクジン兄弟の宗教信条を侮辱し，適切に弁護する機会を与えませんでした。裁判官は決定の中で，「[地区裁判所の]裁判官の決定は道理にかなったものとは言い難い」とも述べています。

2019年6月26日，カルーガの連邦保安庁の職員はクジン兄弟のアパートを家宅捜索し，兄弟を逮捕しました。その2日後，カルーガ地区裁判所はクジン兄弟を2カ月間の公判前勾留としました。8月19日には，連邦保安庁の取調官が，兄弟の勾留を2カ月延長する申し立てを地区裁判所に提出しました。同裁判所はその申し立てを認めました。

クジン兄弟は州裁判所に上訴し，プロコフィエワ裁判官がその裁判を担当しました。プロコフィエワ裁判官は，地区裁判所が法律に違反していると判断して，兄弟の裁判を差し戻し，別の裁判官による再審理を行うよう求めました。9月23日，残念ながら，地区裁判所は新たな裁判官の下でも，クジン兄弟に対する勾留を2カ月延長しました。

エホバは，ご自分に頼るロシアの兄弟姉妹を，これからもずっと世話してくださるに違いありません。エホバは公正で信頼できる神だからです。（申命 32:4，9-11）