罪ざい悪あく感かんがあると，その重おも荷にに押おしつぶされそうになるかもしれません。ダビデ王おうはこう書かきました。「私わたしの過あやまちは頭あたまの上うえに高たかく積つみ重かさなる。負おい切きれない重おもい荷に物もつのように」。（詩し編へん 38:4）クリスチャンの中なかにも，自じ分ぶんはエホバから決けっして許ゆるしていただけないと思おもって，深ふかい悲かなしみに打うちのめされた人ひとがいます。（コリント第だい二に 2:7）本ほん当とうに許ゆるされないのでしょうか。重じゅう大だいな罪つみを犯おかしたら，絶ぜっ対たいに許ゆるしてもらえないほどエホバから遠とおく離はなれてしまった，ということになりますか。いいえ，そのようなことはありません。

エホバは，罪つみを悔くい改あらためた人ひとを見み捨すてたりせず，ご自じ分ぶんから近ちかづこうとされます。イエスは，いなくなっていた息子むすこの例たとえ話ばなしの中なかで，エホバを愛あい情じょう深ぶかい父ちち親おやに例たとえました。その息子むすこは，家か族ぞくのもとを去さって好すき放ほう題だいの生せい活かつを送おくりました。しかしやがて，家いえに帰かえることを決けっ心しんします。どうなりましたか。息子むすこが「まだ遠とおくにいる間あいだに，父ちち親おやは息子むすこを見みてかわいそうに思おもい，走はしっていって抱だき締しめ，優やさしく口くちづけしました」。（ルカ 15:11-20）あなたは，エホバに近ちかづきたいと思おもっていても，エホバから「まだ遠とおくにいる」ように感かんじますか。例たとえ話ばなしの父ちち親おやが居いても立たってもいられず迎むかえに出でたのと同おなじように，エホバはあなたに戻もどってきてほしいと思おもっています。

しかし，自じ分ぶんはあまりにも大おおきな罪つみ，あるいは多おおくの罪つみを犯おかしたので，エホバに許ゆるしていただけないと思おもえるとしたらどうですか。そのような場ば合あい，イザヤ 1章しょう18節せつでエホバが何なんと呼よび掛かけているか考かんがえてみてください。「来きなさい。私わたしたちの間あいだで物もの事ごとを正ただそう。あなたたちの罪つみは緋ひのようだが，雪ゆきのように白しろくされる」。そうです，白しろい衣い服ふくに付ついた真まっ赤かな染しみのように，消きえないと思おもえる罪つみであっても，エホバは消けすことができ，許ゆるしてくださるのです。

エホバは，あなたが良りょう心しんに責せめられて苦くるしみ続つづけることを望のぞんでいません。ではどうすれば，神かみに許ゆるしていただいて晴はれ晴ばれとした気き持もちになれるでしょうか。ダビデ王おうの行おこなった2つのことについて考かんがえてみてください。1つには，「違い反はんをエホバに告こく白はくし」ました。（詩し編へん 32:5）思おもい出だしてください。エホバはあなたにすでに呼よび掛かけて，祈いのりでご自じ分ぶんに近ちかづくよう勧すすめ，「物もの事ごとを正ただそう」と言いっておられます。その呼よび掛かけに応おうじてください。エホバに罪つみを告こく白はくし，自じ分ぶんの気き持もちを打うち明あけてください。ダビデは自じ分ぶんの経けい験けんから，確かく信しんを持もってこう祈いのることができました。「私わたしを罪つみから清きよめてください。……後こう悔かいし，打うちのめされた心こころを，神かみよ，あなたは退しりぞけません」。（詩し編へん 51:2，17）

2つ目めに，ダビデは，神かみの代だい理り者しゃとして任にん命めいされていた預よ言げん者しゃナタンからの援えん助じょを受うけました。（サムエル第だい二に 12:13）今こん日にち，エホバは，罪つみを悔くい改あらためた人ひとが再ふたたびご自じ分ぶんの友ともとなれるよう，会かい衆しゅうの長ちょう老ろうたちを使つかって助たすけてくださっています。長ちょう老ろうはそのためによく訓くん練れんされています。あなたが助たすけを求もとめるなら，長ちょう老ろうたちは聖せい書しょから話はなし，心こころのこもった祈いのりを捧ささげてくれます。きっと気き持もちが楽らくになり，消しょう極きょく的てきな感かん情じょうも薄うすれるか消きえるかして，エホバとの良よい関かん係けいを取とり戻もどせるでしょう。（ヤコブ 5:14-16）

確たしかに，自じ分ぶんの罪つみをエホバ神かみに告こく白はくし，長ちょう老ろうたちに話はなすのは，とても難むずかしいと感かんじるかもしれません。ダビデも同おなじような気き持もちだったようです。自じ分ぶんの罪つみについて，しばらくの間あいだ「黙だまって」いました。（詩し編へん 32:3）しかしその後ご，罪つみを告こく白はくして歩あゆみを正ただすのが良よい結けっ果かになることを認みとめ，そうしました。

ダビデにとって特とくに良よかったのは，喜よろこびを取とり戻もどせたことです。「違い反はんを許ゆるされ，罪つみを許ゆるされる人ひとは幸しあわせだ」と書かいています。（詩し編へん 32:1，脚きゃく注ちゅう）また，「エホバ，私わたしの唇くちびるを開ひらいてください。口くちであなたを賛さん美びするために」と祈いのっています。（詩し編へん 51:15）神かみに許ゆるされたダビデは，罪ざい悪あく感かんから解かい放ほうされ，感かん謝しゃして，他たの人ひとたちにエホバのことを語かたろうと思おもいました。

エホバは，あなたが良りょう心しんの痛いたみから解かい放ほうされ，晴はれ晴ばれとした気き持もちになるよう望のぞんでいます。また，あなたが罪ざい悪あく感かんから解かい放ほうされ，心こころから喜よろこんで他たの人ひとたちにエホバとその目もく的てきについて話はなすことを望のぞんでいます。（詩し編へん 65:1-4）神かみの呼よび掛かけを思おもい出だしてください。それに応おうじれば，「罪つみを消けし去さっていただく」ことができ，「爽さわやかにする時じ期きがエホバから来き」ます。（使し徒と 3:19）

冒ぼう頭とうで紹しょう介かいしたマーサも，そのような経けい験けんをしました。こう語かたっています。「息子むすこが『ものみの塔とう』と『目めざめよ！』をずっと送おくってくれていました。私わたしは少すこしずつ，またエホバをよく知しるようになりました。私わたしにとって，戻もどるのに一いち番ばん難むずかしかったのは，犯おかした罪つみ全すべてについて許ゆるしを求もとめることでした。それでもついに，祈いのりで神かみに近ちかづき，許ゆるしを願ねがい求もとめました。そして，40年ねんもたっていたのにエホバのもとに帰かえってくることができました。たとえ長ながい年ねん月げつがたっても，再ふたたび神かみに仕つかえることができ，神かみに愛あいしていただけるのです。私わたしはその生いきた証しょう拠こです」。