私たちの人生の目的
私たちの人生の目的
最初に,エホバの証人とエホバの証人としての私たちの人生の目的とについて簡単に述べるのは有益なことと思われます。私たちは世界中の200余の国にいるクリスチャンで成る国際的な団体に属しております。神を崇拝する私たちの仕方には,生活に関する私たちの見解や生活の仕方全体が関係しています。
私たちは神が実在者であることを確信していますので,私たちの父であられるその方との親密な個人的関係を保つのは肝要な事柄と考えております。(マタイ 6:9)とりわけ,このことには神をみ名によって知ることが関係しています。聖書は詩編 83編18節でこう述べています。「それは,人々が,その名をエホバというあなたが,ただあなただけが全地を治める至高者であることを知るためです」。
クリスチャンとして私たちはまた,神のみ子,イエス・キリストの手本に基づいて自分の生活を形作ることに努めています。イエス・キリストがたいへん優れた教育を受けた人であったことは,その教えに含まれている知恵から見て明らかです。しかし,イエスはその知識を経済的に安定した地位や大いなる名声を得るためではなく,他の人々の益のために用いました。その生活の中で最も重要なことは神への奉仕でした。イエスは,「わたしの食物とは,わたしを遣わした方のご意志を行ない,そのみ業をなし終えることです」と言われました。―ヨハネ 4:34。
私たちも同じように感じています。そのために,世界中のエホバの証人は良い教育を高く評価しています。私たちは証人たちの若い人々に,視野を広げること,つまり自分たちの環境や人生とは一体どういうものかに関する知識や理解を得ることを励ましています。そのために,それら若い人たちは,人間の知識のほとんどあらゆる分野を扱う「目ざめよ!」と題する当協会発行の雑誌を読み,またしばしば学業に関連して同誌を用いています。中には,教育者でも,授業を準備するのにこの雑誌を用いる方がおられます。
私どもの子供たちの多くは教育による訓練を受けて,その潜在的な独創力を伸ばすよう助けられています。ジャーナル・オブ・パーソナリティー誌は,12歳の児童の「独創力」に関する一オーストラリア人
の研究についての報告の中でこのことについて述べました。研究者たちはこう語りました。「とりわけ,独創力の大変豊かな子供たちのうち,不均衡なまでに大勢の子供がエホバの証人であった」。その理由は,証人たちの奉ずる宗教が子供たちに思考力を働かせることを促す事実にあると言えるでしょう。証人たちの若い人々は良い教育に関心を抱いているとはいえ,名声や目立った地位を得るために学校教育を追い求めることはしません。それら若者たちの人生の主要な目標は,神の奉仕者として効果的に仕えることですから,学校教育をその目的を達成する一つの助けとして評価します。ですから,大抵,現代の世界で自活するのに役立つ教科・科目を選択します。このようなわけで,職業科を選んだり,職業学校に入ったりする場合が少なくありません。それで,学校を終えるとき,自分たちの主要な職業,つまりクリスチャンの携わる宣教に打ち込めるような仕事に就くことを願います。
聖書に対する見方
前述の事柄からお分かりいただけると思いますが,エホバの証人は普通以上に真剣な態度で聖書の内容を日常の指針とみなしています。そして,『聖書全体は神の霊感を受けたものである』ことを本当に信じています。―テモテ第二 3:16。
この言葉と一致して,私たちは,聖書の中に記録されている事柄がすべて正確であり,クリスチャンの生活の導きとすべきものであると信じています。その結果,学校におけるある活動に対する証人たちの若者の見方は,聖書の教えをそれほど真剣に考えない生徒の見方とかなり異なっている場合があるかもしれません。それで私たちはこの冊子の中で,エホバの証人の生徒たちの信仰に関係してくる学校での諸活動を取り上げ,彼らがそうした活動に関し,なぜそのような態度を取るのか,その理由を理解していただけるようにしたいと思います。
ご存じかと思いますが,聖書は預言の書としても著しいものがありますから,その預言に対する信仰が学校に対する証人たちの態度に及ぼす影響について考慮していただきたいと思います。
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世界中のエホバの証人は良い教育を高く評価しています
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日常生活の指針として用いられています