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ぬぐい去られる対型的な現代のエドム

ぬぐい去られる対型的な現代のエドム

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ぬぐい去られる対型的な現代のエドム

1,2 創造者は強大な軍備を備えた諸国民をどのように見ておられますか。イザヤの預言によれば,エホバはどんな決意を抱いておられますか。

今日,世界はかつてないほど強大な軍備を備えています。諸国家の核兵器は実際,人類の生存そのものをさえ脅かしています。では,人類の創造者エホバ神は,この事態をどのように見ておられますか。それは,次のような言葉で始まる,イザヤの預言の34章にはっきりと述べられています。

2 「諸国の民よ,近寄って聞け。国たみよ,注意を払え。地とそれに満ちるもの,産出的な地とそのすべての産物は聴け。エホバはすべての国の民に向かって憤りを,彼らのすべての軍隊に向かって激しい怒りを抱いておられるからである。神は彼らを必ず滅びのためにささげ,必ず殺りくに渡される。そして,その打ち殺された者たちは投げ出され,その死がいについては,悪臭が立ち上り,山々は彼らの血のゆえに必ず溶ける。また,天の軍勢の者たちはみな必ず朽ち果てる。そして,天[無力な人間の政府]は書の巻き物のように必ず巻き上げられる。その軍勢は皆しなびて枯れる。葉がぶどうの木からしなびて落ちるように,いちじくの木から落ちるしなびたいちじくのように」。(イザヤ 34:1-4)確かに凄まじい預言です!

3 (イ)諸国民は何に耳を傾けるよう求められていますか。エホバはどうしてそのように命ずることが当然おできになるのですか。(ロ)諸国民がそうしていないことを何が示していますか。

3 今日,宇宙の創造者は諸国民と論争をしておられます。ですから,諸国民は,創造者が1919年以来,世界中でふれ告げさせてこられた,聖書に基づく音信に耳を傾けるよう求められているのです。諸国民は,創造者がご自分の証人によって語られる事を聴くべきです。しかし,世界の形勢は,諸国民がそうしていないことを示しています。「平和の君」である,即位した,み子の手中にある天の王国ではなく,国際連合を選んだ諸国民は,それら証人たちの言うことを真剣に考えていません。

エドムを責めるイザヤの預言

4,5 (イ)エドム人とはどんな民でしたか。その双子の兄弟から生じた国民はどんな態度を取りましたか。(ロ)それゆえ,エホバはエドムに関して何を定められましたか。

4 特に責任を負うべき分子が現代の国たみの間で影響を及ぼしています。その分子は,この預言の中で特に名を挙げて指摘されている,エドムという国民によって予示されていました。エドム人は,「パンとひら豆の煮物」と引き替えに自分の長子権を双子の弟ヤコブに売り渡したエサウの子孫でした。エサウが,「赤い」という意味のエドムと呼ばれたのは,その時からのことでした。(創世記 25:24-34)ヤコブが貴重な長子の権の点でエサウに取って代わったため,エサウは双子の弟に対する憎悪の念に満たされました。エドムは古代のイスラエル,つまりヤコブの国民の執念深い敵となりましたが,この両者は双子の兄弟から生じた国民だったのです。エドムは神の民に対してそのような敵意を抱いたため,イスラエルの神エホバの当然の憤りを買い,エホバはエドムの永遠の絶滅を定められました。神のこの決定は預言者イザヤの次のような言葉の中で述べられています。

5 「天でわたしの剣は必ずびっしょりぬれる。見よ,それはエドムの上に下る。公正のうちにわたしによって滅びのためにささげられる民の上に。エホバは剣を持っておられる。それは必ず血で満ちる。それは脂肪,若い雄羊と雄やぎの血,雄羊の腎臓の脂肪で必ず脂ぎる。エホバはボツラ[エドムの最も有名な都市]で犠牲を,エドムの地で大いなる殺りくを行なわれるからである」 ― イザヤ 34:5,6

6 (イ)エホバはどうして,エドムに対してご自分の「剣」を「天で」振るうことについて語ることがおできになりましたか。(ロ)ユダ王国がバビロンによって攻撃された時,エドムはエホバの民に対して兄弟らしくないどんな態度を取りましたか。

6 殺人を好む国民であるエドムの地は,エホバの「剣」により,自らの血でびっしょりぬれなければなりません。エドムは高い山地に居住していました。(エレミヤ 49:16)それで,エホバは,その地で殺りくを行なわせる際,ご自分の裁きの剣を「天で」振るうというふうに絵画的に言い表わすことがおできになりました。エドムは強力な軍備を整えた民で,その軍勢は侵略者から自国を守るために,天高くそびえる山稜の各地を巡りました。ですから,エドムの軍勢はいみじくも「天軍」と呼べました。しかし,その双子の兄弟から生じたイスラエル国民がバビロンの軍隊に攻撃された時,強力なエドムはイスラエル国民を少しも援助しませんでした。むしろエドムは,ユダ王国の滅亡を見て喜んだばかりか,ユダ王国を荒廃させる者たちにそうするよう促しさえしました。(詩編 137:7)エドムは裏切りを働き,各々生き長らえようとして走って行く者たちを追跡し,これを敵の手に引き渡すことまでしました。(オバデヤ 10-14)エドム人はイスラエル人が放棄した土地を引き継ぐことを企て,エホバに逆らって誇らしげに語りました。―エゼキエル 35:10-15

7 イスラエルの神はエドムの国民の裏切り行為をどうご覧になりましたか。

7 古代イスラエルの神エホバは,ご自分の選民に対する,エドム人の兄弟らしくない,そのような行動を見過ごされましたか。いいえ,見過ごされませんでした。だからこそ,神は,シオンと呼ばれた,ご自分の地的な組織に対して,悪意をもって行なわれた事柄に報いる「復しゅうの日」や「応報の年」を心に抱かれたのです。預言はこう述べました。「エホバは復しゅうの日を,シオンに関する[宇宙の法廷での]訴訟のための応報の年を持っておられるからである」― イザヤ 34:8。エゼキエル 25:12-14

8 (イ)エホバはエドムを罰するために,だれをお用いになりましたか。(ロ)預言者オバデヤはエドムに関して何を予告しましたか。

8 エルサレムの滅亡後,程なくして,エホバはバビロンの王ネブカドネザルにより,エドム人に対する義にかなった復しゅうを表明し始められました。(エレミヤ 25:8,15,17,21)バビロンの軍隊がエドムに侵攻した時,何ものもエドム人を救うことができませんでした! バビロンの軍隊はエドム人をその岩の多い高地から転落させました。それはエドムに臨んだ「応報の年」でした。エホバがもう一人の預言者を通して次のように予告された通りでした。「あなたの兄弟ヤコブに対する暴虐のゆえに恥辱があなたを覆う。あなたは定めのない時に至るまで切り断たれることになる。……あなたがしたとおりにあなたに対しても行なわれる。あなたの加えた仕打ちがあなた自身の頭に帰する」― オバデヤ 10,15

9 対型的な現代のエドムとは何ですか。それはなぜですか。

9 この言葉はまた,対型的な現代のエドムに対するエホバの態度をも反映しています。その現代のエドムとは何ですか。この20世紀に,エホバの僕たちをののしったり,迫害したりしてきたのはだれですか。それは,高慢な僧職者階級の人々を通してそうしてきた背教したキリスト教世界ではありませんか。その通りです! 偽りのキリスト教の領域であるキリスト教世界は,この世の事柄において自らを山のような高い所に高めました。同世界は人間の事物の体制の組織の中の非常に高い部分で,その諸教会は大いなるバビロンの最も優勢な部分を成しています。しかしエホバは,ご自分の民である証人たちに対するその非道な不行跡のゆえに,対型的な現代のエドムに対して「応報の年」を定められました。

エドムが遭遇したのと同様な運命

10 イザヤ 34章9,10節はエドムの運命をどのように描いていますか。しかし,この預言は今日,だれに当てはまりますか。

10 イザヤのこの預言をさらに考慮する際,今日のキリスト教世界のことを念頭に置くことができます。こう記されています。「その奔流は歴青に,その塵は硫黄に必ず変えられ,その地は必ず燃える歴青のようになる。それは夜も昼も消されることがなく,その煙は定めのない時に至るまで立ち上る」。(イザヤ 34:9,10)こうして,エドムの地はすっかり乾き切ってしまい,まるで奔流は歴青に,その塵は硫黄に変わり,ついでそれらの可燃性物質が燃え上がってしまうかのように描写されています。―啓示 17:16と比較してください。

11,12 イザヤ 34章10-15節で述べられている預言的な描写からすれば,エドムの地はどうなることが示されていましたか。その地のそのような状態は,いつまで続くことになっていましたか。

11 イザヤの預言はさらにこう続いています。「彼女は代々乾き切ったままとなり,限りなく永久にだれもそこを通り過ぎる者はいない。そして,ペリカンとやまあらしが必ずそこを所有し,とらふずくと渡りがらすがそこに住む。神はその上に空漠の測り綱と荒漠の石を必ず張り伸ばされる。彼女の高貴な者たち ― そこには人々が王位に呼ぶ者はだれもいない。その君たちもみな無になる。その住まいの塔には,いばらが,その防備を施された場所には,いらくさと,とげ草が必ず生じる。そこは必ずジャッカルの住まいとなり,だちょうのための中庭となる。また,水のない地域にせい息するものは遠ぼえする動物に必ず出会い,やぎの形をした悪霊もその友に呼びかける。そうだ,よたかはそこに確かに憩い,自分のために休み場を見いだすであろう。矢へびはそこに巣を作って,卵を産んだ」― イザヤ 34:10-15

12 エドムは人間に関する限り,「空漠」の地となり,野獣や鳥やへびしか住まない荒れ地となります。その地のこの乾き切った状態は,10節にあるように,「限りなく永久に」続くことになっていました。その以前の住民が回復されることはありません。―オバデヤ 18

13 キリスト教世界に対するどんな事柄が,「エホバの書」の中で予告されていますか。とりわけ,この「エホバの書」とは何ですか。

13 これは,エドムの現代版であるキリスト教世界にとって何という恐るべき有り様を予表しているのでしょう。同世界はエホバ神の憎い敵であることを示しており,エホバの証人たちを激しく迫害してきました。ですから,ハルマゲドンに先立って差し迫っている同世界の滅びは,「エホバの書」の中で予告されていました。(イザヤ 34:16)とりわけ,この「エホバの書」とは,神がご自分の民を虐げる敵と清算しなければならない勘定を詳細に記した,神の清算の書です。古代のエドムに関して「エホバの書」に書き記された事柄は的中しましたから,これは現代のエドムであるキリスト教世界に当てはまる預言も同様に的中することを保証しています。

14 今日の対型的なエドム人は何を受け入れてきませんでしたか。また,エホバの民のどんな模範にも従いませんでしたか。

14 この「事物の体制の終結」の時期の今日,現代の対型的なエドム人は,エホバ神を王として受け入れてきませんでした。その上,キリスト教世界は大いなるバビロンの極めて顕著な部分ですから,同世界は大いなるバビロンとその災厄を共にするよう定められています。同世界は,大いなるバビロン「から出なさい」というエホバの命令に従ってきませんでした。(啓示 18:4)同世界は,霊的なイスラエル人の残りの者の模範にも,また「ほかの羊」の「大群衆」の模範にも倣ってきませんでした。

15,16 啓示 17および18章やイザヤ 34章で予告されているように,キリスト教世界の間近な前途はどのようなものですか。

15 キリスト教世界の間近な前途は,実に暗たんたるものです。同世界は,できる限りその政治上の友らをなだめ,それらの友が一団となって同世界を攻撃し,その完全な滅びをもたらさないようにしようとしていますが,それは無駄でしょう!

16 啓示 17章および18章によれば,全能の神エホバは,キリスト教世界を初め,宗教上の構成要素すべてを含む,大いなるバビロンに対する残忍な行動に政治的・軍事的力を注ごうとする考えをそれら政治上の友の心に入れられます。こうして,偽のキリスト教は全世界から除かれてしまいます。キリスト教世界の状況は,イザヤ 34章に描写されているような暗たんたるものになるでしょう。同世界は,諸国民に対する,まさに決定的な「全能者なる神の大いなる日の戦争」の際に居合わせて,これを経験することはありません。それら諸国民はその時,大いなるバビロンをすでに略奪してしまっているからです。対型的なエドムであるキリスト教世界は,この地球の表から完全に,また「限りなく永久に」ぬぐい去られてしまうでしょう。

[研究用の質問]

[122ページの図版]

キリスト教世界は,ただ一度の食事と引き替えに自分の長子の権を売ったエサウの子孫であるエドム人が受けたのと同様の裁きを受けます