1，2. サウロはダマスカスで何なにをしようとしていますか。

 道みちを行いく険けわしい顔かおをした人ひとたちが，目もく的てき地ちのダマスカスに着つこうとしています。悪わるいことをたくらんでここまでやって来きました。ダマスカスにいるクリスチャンたちを家いえから引ひきずり出だし，縛しばり，辱はずかしめ，エルサレムに連れん行こうしてサンヘドリンからの処しょ罰ばつを受うけさせようとしています。

² 一いち団だんを率ひきいるのは，すでに手てを血ちに染そめた男おとこサウロです。 a イエスの弟で子しステファノが暴ぼう徒とたちに石いし打うちにされた時とき，サウロはそれに賛さん成せいして見み守まもっていました。（使し徒と 7:57–8:1）エルサレムのクリスチャンたちを苦くるしめることに飽あき足たらず，迫はく害がいの火ひをあおってさらに広ひろげようとしています。「この道みち」として知しられる危き険けんな一いっ派ぱを根こん絶ぜつしたいと思おもっているのです。（使し徒と 9:1，2。「 ダマスカスでのサウロの権けん限げん」という囲かこみを参さん照しょう。）

3，4. （ア）サウロはどんなことを経けい験けんしましたか。（イ）これからどんなことを考かんがえますか。

³ 突とつ然ぜん，まばゆい光ひかりがサウロを包つつみます。仲なか間またちはその光こう景けいを見みて，驚きょう愕がくのあまり何なにも言いえません。サウロは目めが見みえなくなり，倒たおれ込こみます。そして天てんからの声こえが聞きこえます。「サウロ，サウロ，なぜ私わたしを迫はく害がいしているのですか」。驚おどろいたサウロは，「主しゅよ，あなたはどなたですか」と尋たずねます。「イエスです。あなたは私わたしを迫はく害がいしています」という答こたえに，サウロは衝しょう撃げきを受うけたはずです。（使し徒と 9:3-5; 22:9）

⁴ イエスがサウロに掛かけた最さい初しょの言こと葉ばから，どんなことが分わかるでしょうか。サウロがクリスチャンになった時ときに起おきたいろいろな出で来き事ごとから，何なにを学まなべるでしょうか。その後ごの平へい和わな時じ期きを，会かい衆しゅうはどのように活かつ用ようしたでしょうか。参さん考こうになるポイントがあるでしょうか。

5，6. イエスがサウロに掛かけた言こと葉ばから，どんなことが分わかりますか。

⁵ ダマスカスに行いこうとしていたサウロを止とめた時とき，イエスは何なんと問とい掛かけたでしょう か。「なぜ私わたしの弟で子したちを迫はく害がいしているのですか」とではなく，「なぜ私わたしを迫はく害がいしているのですか」と言いいました。（使し徒と 9:4）イエスは，弟で子したちが経けい験けんしていることを自じ分ぶんのことのように感かんじているのです。（マタ 25:34-40，45）

⁶ あなたは今いま，キリストへの信しん仰こうのために，誰だれかからひどい仕し打うちを受うけていますか。もしそうなら，忘わすれないでください。エホバもイエスもあなたが今いま経けい験けんしていることを分わかっています。（マタ 10:22，28-31）もちろん，苦くるしいことをすぐになくしてくれるわけではないかもしれません。サウロがステファノの殺さつ害がいに関かかわり，クリスチャンたちを家いえから引ひきずり出だしていた時ときも，イエスは見みていましたが，すぐには止とめに入はいりませんでした。（使し徒と 8:3）でも，エホバはイエスを通とおして力ちからを与あたえ，ステファノやほかの弟で子したちが信しん仰こうを貫つらぬけるように助たすけました。

7. 迫はく害がいに耐たえて信しん仰こうを貫つらぬくために，どんなことができますか。

⁷ 次つぎのようにすれば，あなたも迫はく害がいに耐たえ，信しん仰こうを貫つらぬくことができます。（1）何なにがあっても信しん仰こうを捨すてない決けつ意いをする。（2）エホバに助たすけを求もとめる。（フィリ 4:6，7）（3）自じ分ぶんで復ふく讐しゅうしようとせず，エホバにお任まかせする。（ロマ 12:17-21）（4）エホバを信しんじて，耐たえるための力ちからをもらいながら，試し練れんを終おわらせてくれる時ときをじっと待まつ。（フィリ 4:12，13）

8，9. イエスから任にん務むを託たくされ，アナニアはどんな気き持もちになったかもしれませんか。

⁸ 「主しゅよ，あなたはどなたですか」というサウロの質しつ問もんに答こたえてから，イエスはこう言いいます。「起おきて町まちに入はいりなさい。そうすれば，何なにをすべきか告つげられます」。（使し徒と 9:6）目めが見みえなくなったサウロは，ダマスカスの宿やどに案あん内ないされ，そこで3日か間かん断だん食じきして祈いのります。その間あいだ，イエスはダマスカスにいた弟で子しアナニアにサウロのことを話はなします。アナニアは，その町まちに住すむ「全すべてのユダヤ人じんから良よい評ひょう判ばんを得えていました」。（使し徒と 22:12）

 ⁹ アナニアは複ふく雑ざつな気き持もちになったはずです。会かい衆しゅうのリーダーである復ふっ活かつしたイエス･キリストに話はなし掛かけられ，特とく別べつな任にん務むを任まかされました。とても名めい誉よなことですが，任にん務むを聞きいて怖こわくなります。あのサウロに会あいなさいというのです。アナニアはこう答こたえます。「主しゅよ，私わたしは多おおくの人ひとからこの男おとこについて聞きいています。エルサレムにいる聖せいなる人ひとたちにいろいろと危き害がいを加くわえたとのことです。ここでは，あなたの名なを呼よぶ人ひとを皆みな捕とらえようとして，祭さい司し長ちょうたちから権けん限げんを受うけています」。（使し徒と 9:13，14）

10. イエスの指し示じの与あたえ方かたから，どんなことを学まなべますか。

¹⁰ 不ふ安あんを口くちにしたアナニアを，イエスは叱しかったりしませんでした。はっきり指し示じを与あたえ，この意い外がいな任にん務むを果はたしてほしい理り由ゆうを話はなして安あん心しんさせます。「この人ひとは私わたしが選えらん だ器うつわであり，異い国こくの人ひと々びとに，また王おうたちやイスラエルの民たみに私わたしの名なを知しらせるからです。私わたしは彼かれに，私わたしの名なのためにどれほど多おおくの苦くるしみを受うけなければならないかをはっきり示しめします」。（使し徒と 9:15，16）アナニアはすぐに言いわれた通とおりにしました。クリスチャンを苦くるしめてきたサウロを捜さがし出だして，こう言いいます。「サウロ，兄きょう弟だい，道どう中ちゅうであなたに現あらわれた主しゅイエスが私わたしを遣つかわしました。あなたが視し力りょくを取とり戻もどし，聖せいなる力ちからに満みたされるためです」。（使し徒と 9:17）

11，12. サウロにまつわる出で来き事ごとから，どんなことが分わかりますか。

¹¹ こうした出で来き事ごとから，いろいろなことが分わかります。天てんに戻もどる前まえに約やく束そくした通とおり，イエスは私わたしたちが行おこなっている伝でん道どうを指し揮きしています。（マタ 28:20）今いまは直ちょく接せつ話はなし掛かけることはありませんが，主しゅ人じんイエスは忠ちゅう実じつな奴ど隷れいを通とおして指し揮きを執とっています。イエスは，召めし使つかいである私わたしたちのために，その奴ど隷れいを任にん命めいしてくれました。（マタ 24:45-47）キリストについて知しりたいと思おもっている人ひとたちを見みつけるために，統とう治ち体たいの指し導どうの下もと，伝でん道どう者しゃや開かい拓たく者しゃが遣つかわされています。前まえの章しょうで見みたように，助たすけを求もとめて祈いのっていた人ひとの所ところにエホバの証しょう人にんがやって来きた，ということがよくあります。（使し徒と 9:11）

¹² アナニアは難むずかしい任にん務むを受うけ入いれ，うれしい経けい験けんをしました。私わたしたちには，良よい知しらせを徹てっ底てい的てきに伝つたえるという任にん務むがあります。あなたは，難むずかしいと思おもえるときも，その任にん務むに取とり組くみますか。家いえを一いっ軒けん一いっ軒けん訪たずねて，知しらない人ひとと話はなすのは，緊きん張ちょうするので嫌いやだと思おもうかもしれません。会かい社しゃや店みせを訪ほう問もんしたり，道みちで話はなし掛かけたり，電でん話わや手て紙がみで伝でん道どうしたりするのは，気きまずいので苦にが手てだと感かんじるかもしれません。アナニアは恐おそれに負まけませんでした。その結けっ果か，うれしいことにサウロを助たすけることができ，サウロは聖せいなる力ちからを受うけました。 b そうできたのは，イエスを信しん頼らいし，サウロを自じ分ぶんの兄きょう弟だいと見みていたからです。私わたしたちも不ふ安あんな気き持もちを乗のり越こえられます。アナニアに倣ならって，イエスが伝でん道どうを指し揮きしていることを確かく信しんしましょう。人ひとの気き持もちに寄より添そうようにし，たとえ相あい手てが友ゆう好こう的てきでなくても，兄きょう弟だいになるかもしれないと考かんがえて伝でん道どうしましょう。（マタ 9:36）

13，14. 聖せい書しょを学まなんでいてもまだバプテスマを受うけていないとしたら，サウロのどんなところに倣ならえますか。

¹³ サウロはすぐに心こころを入いれ替かえました。視し力りょくを取とり戻もどした後あと，バプテスマを受うけ，ダマスカスの弟で子したちと一いっ緒しょに時じ間かんを過すごすようになりました。それだけではありません。 「すぐに会かい堂どうでイエスについて，この方かたこそ神かみの子こだと伝つたえ始はじめ」ました。（使し徒と 9:20）

¹⁴ あなたは聖せい書しょを学まなんでいてもまだバプテスマを受うけていないでしょうか。もしそうなら，ためらわずに行こう動どうしたサウロに倣ならって，大だい事じな一いっ歩ぽを踏ふみ出だせますか。もちろん，サウロはキリストが起おこした奇き跡せきを体たい験けんしたので，決けつ断だんしやすかったでしょう。でも，イエスの奇き跡せきを見みた人ひとはほかにもいました。例たとえば，パリサイ派はの人ひとたちは，イエスが片かた手てのまひした男だん性せいを癒いやしたのを見みましたし，大おお勢ぜいのユダヤ人じんは，イエスがラザロを復ふっ活かつさせたことを知しっていました。それなのに，イエスの後あとに従したがおうとはせず，むしろ敵てき対たいするようになった人ひとまでいました。（マル 3:1-6。ヨハ 12:9，10）サウロとは大おお違ちがいです。この違ちがいは何なんでしょうか。サウロは誰だれのことよりも神かみを畏おそれていました。それで，人ひとからどう思おもわれるかは問もん題だいではありませんでした。そして，キリストが憐あわれみ深ぶかく許ゆるしてくれたことに深ふかく感かん謝しゃしていました。（フィリ 3:8）あなたも同おなじような心こころを持もつようにすれば，伝でん道どうしたいという気き持もちになり，バプテスマのために生いき方かたを変かえようと思おもうでしょう。

15，16. サウロは会かい堂どうで何なにをするようになりましたか。伝でん道どうするサウロから話はなしを聞きいて，ダマスカスのユダヤ人じんはどうしましたか。

¹⁵ サウロが会かい堂どうでイエスについて伝でん道どうし始はじめたことが，どれほど衝しょう撃げき的てきだったか想そう像ぞうしてみてください。非ひ常じょうに驚おどろき，怒いかりすら感かんじたかもしれません。人ひと々びとは，「これは，エルサレムでイエスの名なを呼よぶ人ひとたちに手て荒あらなことをした人ひとではないか」と言いいました。（使し徒と 9:21）サウロはどうして心こころを入いれ替かえたのかを説せつ明めいし，「この方かたがキリストであることを論ろん証しょうし」ました。（使し徒と 9:22）でも論ろん理りが全すべてではありません。古ふるい考かんがえに縛しばられている人ひとやプライドが高たかい人ひとには，論ろん理りが通つうじないことがあります。それでも，サウロは諦あきらめません。

¹⁶ 3年ねん後ごにも，ダマスカスのユダヤ人じんはサウロを敵てき視ししていて，ついには殺ころそうとします。（使し徒と 9:23。コリ二に 11:32，33。ガラ 1:13-18）そのたくらみを知しったサウロは，身みを守まもるためにひそかに町まちを出でることにします。夜よるの間あいだに籠かごに乗のり，城じょう壁へきの窓まどから下おろしてもらいました。そうするのを手て伝つだった人ひとたちを，ルカは「サウロの弟で子したち」と呼よんでいます。（使し徒と 9:25）ここから，ダマスカスでのサウロの伝でん道どうにより，キリストの後あとに従したがい始はじめた人ひとが少すくなからずいたことがうかがえます。

17. （ア）聖せい書しょの教おしえを伝つたえると，どんな反はん応のうがあるものですか。（イ）どんなことを続つづけるのが大たい切せつですか。どうしてですか。

¹⁷ あなたは，家か族ぞくや友とも達だちなどに，学まなんだことを初はじめて伝つたえた時ときのことを覚おぼえていますか。聖せい書しょの教おしえは論ろん理り的てきで素す晴ばらしいので，きっと聞きいてくれるはずだと思おもったかもしれません。でも，みんなが聞きいてくれたわけではなかったでしょう。身み近ぢかな家か族ぞくからも冷つめたくあしらわれたかもしれません。（マタ 10:32-38）でも，上じょう手ずな伝つたえ方かたを心こころ掛がけ， イエスのような人じん格かくを身みに付つけていけば，全まったく聞きこうとしない人ひともやがて態たい度どを変かえるかもしれません。（使し徒と 17:2。ペテ一いち 2:12; 3:1，2，7）

18，19. （ア）サウロはバルナバにどのように助たすけられましたか。（イ）バルナバとサウロにどのように倣ならえますか。

¹⁸ サウロはエルサレムに入はいり，自じ分ぶんも弟で子しになったことを話はなしますが，信しんじてもらえません。でも，バルナバが間あいだに入はいってくれたおかげで，使し徒とたちに受うけ入いれてもらうことができ，しばらく一いっ緒しょに過すごします。（使し徒と 9:26-28）サウロは慎しん重ちょうに行こう動どうしましたが，伝でん道どうすることを恥はずかしいとは全まったく思おもっていませんでした。（ロマ 1:16）エルサレムでも熱ねっ心しんに伝でん道どうしました。以い前ぜんキリストの弟で子したちを激はげしく迫はく害がいしていたまさにその場ば所しょで，人ひと目めを気きにせずに伝でん道どうしたのです。ユダヤ人じんたちはリーダー的てき存そん在ざいがクリスチャンの側がわに付ついたのを見みて怖こわくなり，サウロを殺ころそうとします。その計けい画かくに「気き付づいた兄きょう弟だいたちはサウロをカエサレアに連つれていき，タルソスに送おくり出だし」ました。（使し徒と 9:30）イエスが兄きょう弟だいたちを通とおして物もの事ごとを導みちびいていました。それに従したがったことが，サウロにとっても会かい衆しゅうにとってもプラスになりました。

¹⁹ みんなが不ふ審しんに思おもう中なか，バルナバが進すすんでサウロを助たすけたことに注ちゅう目もくしてください。この親しん切せつのおかげで，熱あつい心こころを持もった兄きょう弟だいたちの間あいだに絆きずなが生うまれました。あなたもバルナバのように，自じ分ぶんから会かい衆しゅうの新あたらしい人ひとたちを助たすけようとしますか。野や外がい奉ほう仕しで一いっ緒しょに働はたらいたり，信しん仰こうを強つよめられるように助たすけたりできますか。そうすれば，きっと良よい経けい験けんができます。あるいは，あなたが伝でん道どうを始はじめて間まもないのであれば，サウロのように仲なか間まに喜よろこんで助たすけてもらいますか。自じ分ぶんより長ながく奉ほう仕ししている人ひとたちと一いっ緒しょに働はたらけば，伝でん道どうが上じょう手ずになって楽たのしくなり，かけがえのない友とも達だちが見みつかるはずです。

20，21. 1世せい紀きと現げん代だいのクリスチャンは「平へい和わな時じ期き」をどのように生いかしましたか。

²⁰ サウロがクリスチャンになり，エルサレムを無ぶ事じに離はなれた後のち，「会かい衆しゅうは，ユダヤ，ガリラヤ，サマリアの全ぜん域いきにわたって平へい和わな時じ期きに入はいり」ました。（使し徒と 9:31）クリスチャンたちは，この「順じゅん調ちょうな時とき」をどのように生いかしたでしょうか。（テモ二に 4:2）聖せい句くには，会かい衆しゅうが「強きょう化かされていった」とあります。使し徒とたちや責せき任にんを担になう兄きょう弟だいたちが先せん頭とうに立たって奉ほう仕しし，仲なか間まの信しん仰こうを強つよめ，会かい衆しゅうのみんなは「エホバを畏おそれて聖せいなる力ちからによる慰なぐさめを受うけながら歩あゆみ」ました。例たとえば，ペテロはこの時じ期きに，シャロン平へい野やの町まちルダで弟で子したちを励はげましました。それにより，その辺あたりの人ひとたちが「主しゅを信しんじるように」なりました。（使し徒と 9:32-35）クリスチャンたちは，ほかのことに気きを取とられたりせず，仲なか間まと助たすけ合あうことや良よい知しらせを伝つたえることに集しゅう中ちゅうしました。こうして，会かい衆しゅうは「人にん数ずうが増ぞう加かして」いきました。

²¹ 20世せい紀きの終おわりごろ，多おおくの国くにのエホバの証しょう人にんが同おなじような「平へい和わな時じ期き」を経けい験けん しました。エホバの証しょう人にんを何なん十じゅう年ねんも抑よく圧あつしてきた政せい権けんが突とつ然ぜんに崩ほう壊かいし，伝でん道どうを禁きん止しする法ほうが緩かん和わされたり解かい除じょされたりしました。非ひ常じょうに多おおくのクリスチャンがその時じ期きを生いかして伝でん道どうし，大おおきな成せい果かがありました。

22. 今いま，自じ由ゆうがあるなら，どのように活かつ用ようできますか。

²² あなたはどうですか。今いまの自じ由ゆうを活かつ用ようしていますか。もし信しん教きょうの自じ由ゆうがある国くににいるなら，お金かねや物もののことばかり考かんがえさせようとするサタンの誘ゆう惑わくに気きを付つけてください。（マタ 13:22）エホバへの奉ほう仕し以い外がいのことに気きを取とられ過すぎないようにしましょう。せっかくある今いまの自じ由ゆうを無む駄だにせず，一いち番ばん大だい事じなことのために使つかいましょう。徹てっ底てい的てきに伝でん道どうし，仲なか間まの信しん仰こうを強つよめることに集しゅう中ちゅうしましょう。今いまの自じ由ゆうはいつ突とつ然ぜんになくなるか分わからないからです。

23，24. （ア）タビタについての心こころ温あたたまる出で来き事ごとから何なにを学まなべますか。（イ）この章しょうを学まなんで，これからどうしていきたいと思おもいましたか。

²³ 次つぎに，タビタ（別べつ名めいドルカス）という弟で子しに起おきたことに注ちゅう目もくしましょう。タビタは，ルダに近ちかいヨッパという町まちに住すんでいました。信しん仰こうのあつい姉し妹まいで，自じ分ぶんの時じ間かんや持もっている物ものをエホバと仲なか間まのために使つかい，「たくさんの善ぜん行こうと憐あわれみの施ほどこしをする」人ひとでした。しかし，急きゅうに病びょう気きになり，亡なくなってしまいます。 c ヨッパの弟で子したちは大おおきな悲かなしみに包つつまれました。タビタから親しん切せつにしてもらっていたやもめたちは特とくに悲かなしみました。遺い体たいが置おかれている家いえに，ペテロが到とう着ちゃくします。そこでペテロは，キリストの使し徒とたちがこれまで一いち度どもしたことのない奇き跡せきを起おこします。祈いのってから，タビタを生いき返かえらせたのです。やもめやほかの弟で子したちを部へ屋やに呼よんで，生いき返かえったタビタを見みせた時とき，みんなどんなにか喜よろこんだことでしょう。信しん仰こうが強つよめられ，その後ごの試し練れんに備そなえることができたはずです。この奇き跡せきは「ヨッパ中じゅうに知しられ，多おおくの人ひとが主しゅを信しんじるように」なりました。（使し徒と 9:36-42）

²⁴ この心こころ温あたたまる出で来き事ごとから，大たい切せつなことを2つ学まなべます。（1）命いのちははかないものです。命いのちあるうちに，神かみに喜よろこばれることを精せいいっぱい行おこなっていきましょう。（伝でん 7:1）（2）復ふっ活かつは確かく実じつな希き望ぼうです。エホバはタビタがしたたくさんの親しん切せつを忘わすれず，その頑がん張ばりが報むくわれるようにしました。私わたしたちが一いっ生しょう懸けん命めいしてき たことも全ぜん部ぶ覚おぼえていて，ハルマゲドンの前まえに死しぬとしても，必かならず復ふっ活かつさせてくれます。（ヘブ 6:10）では，私わたしたちにとって今いまが「困こん難なんな時とき」でも「平へい和わな時じ期き」でも，キリストについて徹てっ底てい的てきに伝でん道どうしていきましょう。（テモ二に 4:2）