シェミニト
(Sheminith)
この音楽用語の文字通りの意味は「第8」ですが,正確な意味は定かではありません。特定の音域や音階,それも低いほうの音域や音階を指しているのかもしれません。また,この用語に何らかの楽器が関係していたとすれば,恐らく音階のバスの音域を演奏するのに用いられる楽器だったと思われます。
歴代第一 15章21節では,たて琴が「シェミニト[「第8音,または低音オクターブを指すのかもしれない」,新世,脚注; 「恐らく,バスのオクターブ」,ダービー,脚注z]に合わせ」られたと言われています。それと全く調和して,詩編 6編と12編(いずれの詩編も重々しい性質のもの)の表題は,「低音オクターブ[シェミーニート]の(弦楽器の)指揮者へ」となっています。このことは,これらの歌が低音域の音楽の伴奏に合わせて歌われたことを示唆しているのかもしれません。―「アラモト」を参照。