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マドメン

マドメン

(Madmen)[恐らく,「肥やし」を意味する語根に由来]

剣によって災いに遭うと予告されていた,モアブにあったと思われる場所。エレミヤ 48章2節の「マドメンよ,お前も沈黙しているべきである」という句はヘブライ語のガム・マドメーン ティッドーンミーという句を翻訳したものです。マドメーン(「マドメン」)の頭文字となっているmはその前の語(gam)をうっかり繰り返してしまったものである,と考える学者は少なくありません。頭にmが付かなければ,マドメンの子音字はディモンの子音字に等しくなるため,マドメンはよくディモン(カラクの北約10㌔の所にあるディムナのことかもしれない)と同一であると考えられています。しかし,恐らくマドメンは実際の場所を指してはいないようです。というのは,ギリシャ語セプトゥアギンタ訳,シリア語ペシタ訳,ラテン語ウルガタ訳は,古代のヘブライ語本文が『そうだ,お前[モアブ]は完全に沈黙させられるであろう』となっていたことを示唆しているからです。