1-3. （ア）イスラエル人じんたちはどんな絶ぜっ体たい絶ぜつ命めいの状じょう況きょうに置おかれましたか。（イ）エホバは自じ分ぶんの民たみのためにどのように戦たたかいましたか。

 イスラエル人じんたちは絶ぜっ体たい絶ぜつ命めいの状じょう況きょうでした。険けわしく切きり立たった山やまと，渡わたれそうにない海うみとの間あいだに挟はさまれたのです。背はい後ごからは冷れい酷こくなエジプト軍ぐんが，イスラエル人じんを滅ほろぼそうと猛もう烈れつな勢いきおいで追おってきています。 a しかしモーセは，希き望ぼうを失うしなわないよう神かみの民たみを励はげまし，「エホバが皆みなさんのために戦たたかってくださいます」と言いいます。（出しゅつエジプト記き 14:14）

² とはいえ，モーセはエホバに助たすけを求もとめて叫さけんだようです。エホバはこう言いいます。「なぜ私わたしに向むかって叫さけび続つづけるのか。……つえを掲かかげて，海うみの上うえに手てを伸のばし，海うみを2つに分わけなさい」。（出しゅつエジプト記き 14:15，16）その後あとに起おきたことを想そう像ぞうしてみてください。エホバはすぐに天てん使しに命めい令れいを与あたえ，雲くもの柱はしらがイスラエル人じんの後こう方ほうに移うつります。おそらく壁かべのように広ひろがって，攻せめ寄よせるエジプト軍ぐんの接せっ近きんを阻はばんだのでしょう。（出しゅつエジプト記き 14:19，20。詩し編へん 105:39）モーセが手てを伸のばすと，強つよい風かぜによって海うみが2つに分わかれます。水みずが固かたまって壁かべのようにそそり立たち，イスラエル人じん全ぜん員いんが通とおれるほど広ひろい道みちができます。（出しゅつエジプト記き 14:21; 15:8）

³ 神かみの偉い大だいな力ちからを目めにしたファラオは，軍ぐんに退たい却きゃくを命めいじるべきでした。ところが，高こう慢まんにも攻こう撃げきを命めいじます。（出しゅつエジプト記き 14:23）エジプト軍ぐんは乾かわいた海かい底ていになだれ込こんで後あとを追おいますが，すぐに兵へい車しゃの車しゃ輪りんが外はずれ 始はじめ，混こん乱らん状じょう態たいになります。イスラエル人じんが無ぶ事じに対たい岸がんまで渡わたり切きると，エホバはモーセにこう命めいじます。「海うみの上うえに手てを伸のばしなさい。水みずはエジプト人じんの上うえ，戦せん車しゃと騎き兵へいたちの上うえに戻もどる」。水みずの壁かべは崩くずれ落おち，ファラオとエジプト軍ぐんをのみ込こんでしまいます。（出しゅつエジプト記き 14:24-28。詩し編へん 136:15）

4. （ア）紅こう海かいでエホバがどんな者ものであることが実じっ証しょうされましたか。（イ）エホバのそのような様よう子すについてどう思おもう人ひともいるかもしれませんか。

⁴ 紅こう海かいでイスラエル人じんが救すくわれるという際きわ立だった出で来き事ごとにより，エホバが「力ちから強づよい戦せん士し」であることが実じっ証しょうされました。（出しゅつエジプト記き 15:3）あなたはエホバが戦せん士しだと言いわれていることについてどう思おもいますか。戦せん争そうが多おおくの人ひとを苦くるしめてきたことを考かんがえると，神かみが戦たたかうことを受うけ入いれにくく感かんじるでしょうか。破は壊かいする力ちからを使つかう神かみには近ちかづきにくいと思おもいますか。

5-6. （ア）神かみが「大たい軍ぐんを率ひきいるエホバ」と呼よばれているのはどうしてですか。（イ）神かみの戦たたかいは人にん間げんの争あらそいとはどのように違ちがいますか。

⁵ 神かみは，聖せい書しょの中なかでよく「大たい軍ぐんを率ひきいるエホバ」という称しょう号ごうで呼よばれています。その称しょう号ごうは，ヘブライ語ご聖せい書しょの中なかで約やく260回かい，ギリシャ語ご聖せい書しょの中なかで2回かい出でてきます。（サムエル第だい一いち 1:11）エホバは主しゅ権けん者しゃである統とう治ち者しゃとして，天てん使したちの大たい軍ぐんを率ひきいています。（ヨシュア 5:13-15。列れつ王おう第だい一いち 22:19）その軍ぐん勢ぜいには圧あっ倒とう的てきな破は壊かい力りょくがあります。（イザヤ 37:36）人にん間げんが滅ほろぼされることについて考かんがえるのは気き持もちのよいことではありませんが，神かみの戦たたかいは人にん間げんのむなしい争あらそいとは全まったく違ちがうということを覚おぼえておく必ひつ要ようがあります。軍ぐん事じ指し導どう者しゃや政せい治じ指し導どう者しゃは，戦たたかう正せい当とうな理り由ゆうがあると主しゅ張ちょうするかもしれませんが，人にん間げんの戦せん争そうの背はい後ごにあるのは貪どん欲よくさや利り己こ心しんです。

 ⁶ 対たい照しょう的てきに，エホバは感かん情じょうのままに行こう動どうしたりはしません。申しん命めい記き 32章しょう4節せつにはこう書かかれています。「神かみは岩いわのような方かたで，行おこなうことは完かん全ぜん，神かみの道みちは全すべて公こう正せいである。決けっして不ふ公こう正せいではなく，信しん頼らいできる神かみ。正ただしく，真まっすぐな方かた」。聖せい書しょによれば，怒いかりを爆ばく発はつさせたり，残ざん酷こくなことをしたり，暴ぼう力りょくを振ふるったりするのは良よくないことです。（創そう世せい記き 49:7。詩し編へん 11:5）ですから，エホバが戦たたかうときには必かならず正せい当とうな理り由ゆうがあります。破は壊かいする力ちからを使つかうのは，ほかに方ほう法ほうがないときだけです。エホバの考かんがえは，預よ言げん者しゃエゼキエルが記しるした次つぎの言こと葉ばからよく分わかります。「主しゅ権けん者しゃである主しゅエホバはこう宣せん言げんする。『私わたしは，悪わるい人ひとの死しを少すこしでも喜よろこぶだろうか。かえって，その人ひとが悪わるい行おこないをやめて生いき続つづけることを喜よろこぶのではないか』」。（エゼキエル 18:23）

7-8. （ア）ヨブは自じ分ぶんが苦くるしんでいる理り由ゆうについてどう考かんがえましたか。（イ）エリフはどのようにヨブの考かんがえ方かたを正ただしましたか。（ウ）私わたしたちはどんなことを確かく信しんできますか。

⁷ では，エホバが破は壊かいする力ちからを使つかうのはどうしてでしょうか。その点てんを考かんがえる前まえに，ヨブのことを少すこし思おもい起おこしてみましょう。サタンは，ヨブでもほかの誰だれでも，試し練れんに遭あったら神かみに忠ちゅう誠せいを尽つくさなくなるだろうと主しゅ張ちょうしました。それでエホバは，サタンがヨブの忠ちゅう誠せい心しんを試ためすことを許ゆるしました。結けっ果かとして，ヨブは病びょう気きになり，財ざい産さんや子こ供どもたちを失うしないました。（ヨブ 1:1–2:8）自じ分ぶんがどうしてそういう目めに遭あっているのか知しらなかったので，ヨブは自じ分ぶんが神かみから不ふ当とうな処しょ罰ばつを受うけていると思おもいました。それで神かみに，どうして私わたしを「標ひょう的てき」にし，「敵てき」と見みなすのですか，と尋たずねます。（ヨブ 7:20; 13:24）

⁸ 若わかいエリフが，ヨブの考かんがえ方かたが間ま違ちがっていることを指し摘てきし，こう言いいます。「あなたは『私わたしは神かみよりも正ただしい』と言いいました。それほどまでに自じ分ぶんが正ただしいと確かく信しんしているのですか」。（ヨブ 35:2）エリフの言いう通とおり，自じ分ぶんの方ほうが神かみより正ただしいとか，神かみは不ふ公こう平へいなことをしたと考かんがえるのは，浅あさはかなことです。エリフは，「真しんの神かみが悪あくを行おこなったり，全ぜん能のう者しゃが不ふ正せいを行おこなったり することなどあり得えません！」と断だん言げんし，その後あとこう言いいます。「全ぜん能のう者しゃを理り解かいすることなど，私わたしたちには到とう底ていできません。神かみは偉い大だいな力ちからを持もっており，ご自じ分ぶんの公こう正せいさと正ただしさを曲まげることは決けっしてありません」。（ヨブ 34:10; 36:22，23; 37:23）こうしたことを考かんがえると，神かみが戦たたかうときには十じゅう分ぶんな理り由ゆうがあってそうする，と確かく信しんできます。では，それを踏ふまえて，平へい和わの神かみが戦たたかうことがある理り由ゆうを幾いくつか調しらべてみましょう。（コリント第だい一いち 14:33）

9. 聖せいなる神かみが戦たたかうのはどうしてですか。

⁹ モーセは，神かみを賛さん美びする歌うたの中なかで，神かみが「力ちから強づよい戦せん士し」だと述のべた後あとにこう言いいました。「エホバ，神かみ々がみの中なかに，あなたのような方かたが誰だれかいるでしょうか。極きわめて聖せいなるあなたのような方かたが誰だれかいるでしょうか」。（出しゅつエジプト記き 15:11）預よ言げん者しゃハバククも，神かみの神しん聖せいさを強きょう調ちょうしてこう書かいています。「あなたの目めはあまりにも清きよいので，悪あくを見み続つづけることはできません。あなたは悪あくを見み過すごすことができません」。（ハバクク 1:13）エホバは愛あいの神かみであるだけでなく，神しん聖せいで公こう正せいな神かみでもあります。そのため，破は壊かいする力ちからを使つかわなければならないことがあります。（イザヤ 59:15-19。ルカ 18:7）神かみが戦たたかっても神しん聖せいさに傷きずが付つくわけではありません。神かみは聖せいなる方かただからこそ戦たたかうのです。（出しゅつエジプト記き 39:30）

10. 創そう世せい記き 3章しょう15節せつで予よ告こくされた敵てき意いを解かい消しょうするために，神かみはどうする必ひつ要ようがありますか。そうすることは，正ただしい人ひとたちにとってどのようにためになりますか。

¹⁰ 最さい初しょの人にん間げん夫ふう婦ふアダムとエバが神かみに反はん逆ぎゃくした後あとの状じょう況きょうについて考かんがえてみましょう。（創そう世せい記き 3:1-6）もしエホバが2人ふたりの正ただしくない行こう動どうを大おお目めに見みていたら，宇う宙ちゅうの主しゅ権けん者しゃとしての権けん威いが疑ぎ問もん視しされていたことでしょう。公こう正せいな神かみとして，2人ふたりに死し刑けいを宣せん告こくするのは正ただしいことでした。（ローマ 6:23）聖せい書しょの最さい初しょの預よ言げんの中なかでエホバは，自じ分ぶんに仕つかえる人ひとたちと「蛇へび」であるサタンに従したがう人ひとたちとの間あいだに敵てき意いが存そん在ざいするようになると予よ告こくしました。（啓けい示じ 12:9。創そう世せい記き 3:15）その敵てき意いを解かい消しょうするには，最さい終しゅう的てきにサタンを砕くだく必ひつ要ようがあります。（ローマ 16:20）でもそのようにエホバ が破は壊かいする力ちからを使つかうことによって，正ただしい人ひとたちは大おおきな祝しゅく福ふくを受うけます。もうサタンに惑まどわされることはなくなり，地ち球きゅう全ぜん体たいがパラダイスになるのです。（マタイ 19:28）その時ときが来くるまで，サタンの側がわに付つく人ひとたちは神かみの民たみを迫はく害がいしたり滅ほろぼそうとしたりします。それで，エホバは自じ分ぶんに仕つかえる人ひとたちを守まもるために戦たたかうことがあります。

11. 神かみが，地ち球きゅう全ぜん体たいが洪こう水ずいで覆おおわれるようにしたのはどうしてですか。

¹¹ ノアの時じ代だいの大だい洪こう水ずいは，神かみが戦たたかった例れいの1つです。創そう世せい記き 6章しょう11，12節せつにはこう書かかれています。「地ち上じょうは，真しんの神かみから見みて堕だ落らくしていて，暴ぼう力りょくがあふれていた。神かみが地ち上じょうを見みると，堕だ落らくしていたのである。人ひと々びとは皆みな，非ひ常じょうに悪わるい生いき方かたをしていた」。そうした悪わるい人ひとたちによって，地ち上じょうにわずかに残のこっている善よい人ひとたちが消しょう滅めつさせられるようなことを，神かみが許ゆるすはずはありません。それでエホバは，暴ぼう力りょく的てきで不ふ道どう徳とくな人ひとたちを地ち上じょうから一いっ掃そうするために，地ち球きゅう全ぜん体たいが洪こう水ずいで覆おおわれるようにしました。

12. （ア）エホバはアブラハムの「子し孫そん」についてどんなことを約やく束そくしていましたか。（イ）エホバがアモリ人じんを滅ほろぼすことにしたのはどうしてですか。

¹² 同どう様ようの理り由ゆうで，神かみはカナンの人ひと々びとを滅ほろぼすことにしました。エホバがアブラハムにした約やく束そくによると，アブラハムの子し孫そんによって地ち上じょうの家か族ぞく全すべてが祝しゅく福ふくを受うけることになっていました。その約やく束そくを果はたすために，エホバはアブラハムの子し孫そんにカナン地ち方ほうを与あたえることにしました。そこにはアモリ人じんが住すんでいました。その土と地ちからアモリ人じんを除のぞき去さるのは，正せい当とうなことでしょうか。エホバはすぐにそうするのではなく，「アモリ人じんが処しょ罰ばつされる時とき」が400年ねん後ごに来くると予よ告こくしました。 b （創そう世せい記き 12:1-3; 13:14，15; 15:13，16; 22:18）その期き間かんに，アモリ人じんはどんどん悪わるくなっていきました。偶ぐう像ぞう崇すう拝はいを行おこない，殺ころし合あい，ひどい性せい的てき不ふ道どう徳とくにふけりました。（出しゅつエジプト記き 23:24; 34:12，13。民みん数すう記き 33:52）子こ供どもたちを火ひで焼やい て犠ぎ牲せいとして捧ささげることさえしました。聖せいなる神かみは，自じ分ぶんの民たみをそのような悪わるい行おこないから守まもらなければなりません。そのため，こう宣せん言げんします。「その地ち方ほうは汚けがれており，私わたしはその過あやまちのために処しょ罰ばつを加くわえる。その地ち方ほうは住じゅう民みんを追おい出だす」。（レビ記き 18:21-25）とはいえ，エホバはカナン地ち方ほうの人ひと々びとを無む差さ別べつに殺ころしたのではありません。ラハブやギベオンの人ひとたちのように正ただしい心こころを持もつ人ひとは，救すくわれました。（ヨシュア 6:25; 9:3-27）

13-14. （ア）エホバが自じ分ぶんの名なを神しん聖せいなものとする必ひつ要ようがあるのはどうしてですか。（イ）エホバは過か去こに，自じ分ぶんの名なに対たいする非ひ難なんが間ま違ちがっていることをどのように示しめしましたか。

¹³ エホバは聖せいなる方かたなので，エホバの名なも聖せいなるものです。（レビ記き 22:32）イエスは弟で子したちに，「お名な前まえが神しん聖せいなものとされますように」と祈いのるよう教おしえました。（マタイ 6:9）エデンでの反はん逆ぎゃくによって神かみの名なは汚けがされました。神かみの統とう治ちの仕し方かたが疑ぎ問もん視しされ，神かみの名めい声せいが損そこなわれたのです。エホバはそうした中ちゅう傷しょうや反はん逆ぎゃくを大おお目めに見みることはできません。名めい誉よを回かい復ふくする必ひつ要ようがあります。（イザヤ 48:11）

¹⁴ イスラエル人じんのことをもう一いち度ど考かんがえてみましょう。神かみはアブラハムの子し孫そんによって地ち上じょうの家か族ぞく全すべてが祝しゅく福ふくを受うけると約やく束そくしていましたが，イスラエル人じんがエジプトで奴ど隷れいにされている限かぎり，神かみはその約やく束そくを果はたしていないという非ひ難なんの声こえが上あがったことでしょう。しかしエホバは，イスラエル人じんを救すくい出だし，イスラエル国こっ家かを造つくることによって，自じ分ぶんの名なに対たいする非ひ難なんが間ま違ちがっていることを示しめしました。それで，後のちに預よ言げん者しゃダニエルは祈いのりの中なかでこう言いいました。「私わたしたちの神かみエホバ，あなたは力ちから強づよい手てでご自じ分ぶんの民たみをエジプトから連つれ出だし，ご自じ分ぶんの名なを上あげ[ました]」。（ダニエル 9:15）

15. バビロンで捕ほ囚しゅうにされていたユダヤ人じんをエホバが救すくったのはどうしてですか。

¹⁵ ダニエルがこう祈いのった時ときにも，エホバの名なは非ひ難なんされていました。ユダヤ 人じんは不ふ従じゅう順じゅんだったためバビロンで捕ほ囚しゅうにされていて，故こ郷きょうの首しゅ都とエルサレムは荒こう廃はいしていたからです。エホバが自じ分ぶんの名なのために行こう動どうし，ユダヤ人じんたちを故こ国こくに帰き還かんさせるなら，エホバの名めい誉よが回かい復ふくされることになります。そのことを知しっていたダニエルは，こう祈いのりました。「エホバ，お許ゆるしください。エホバ，私わたしたちに注ちゅう意いを向むけて，救すくってください！ 私わたしの神かみ，あなたご自じ身しんのために，行こう動どうを遅おくらせないでください。あなたの都と市しとあなたの民たみは，あなたの名なで呼よばれているからです」。（ダニエル 9:18，19）

16. エホバは自じ分ぶんの名めい誉よを守まもるために戦たたかいますが，自じ己こ中ちゅう心しん的てきな冷つめたい方かたではない，と言いえるのはどうしてですか。

¹⁶ エホバは自じ分ぶんの名めい誉よを守まもるために戦たたかいますが，決けっして自じ己こ中ちゅう心しん的てきな冷つめたい方かたではありません。神しん聖せいで公こう正せいな神かみとして，自じ分ぶんの民たみを守まもるためにも戦たたかうからです。創そう世せい記き 14章しょうに書かかれている出で来き事ごとについて考かんがえてみましょう。攻せめてきた4人にんの王おうが，アブラハムのおいロトとその家か族ぞくを捕ほ虜りょにしました。アブラハムは神かみに助たすけてもらって，大たい軍ぐんに見み事ごとに勝かつことができました。この勝しょう利りは，「エホバの戦たたかいの書しょ」に最さい初しょに記しるされた事じ例れいだったかもしれません。その書しょには，聖せい書しょに記き録ろくされていない戦たたかいについても書かかれていたようです。（民みん数すう記き 21:14）アブラハムの後のちにも，神かみの民たみはたくさんの勝しょう利りを収おさめることになります。

17. イスラエル人じんがカナン地ち方ほうに入はいった後あとにエホバが彼かれらのために戦たたかった，どんな例れいがありますか。

¹⁷ イスラエル人じんがカナン地ち方ほうに入はいる少すこし前まえに，モーセは民たみに力ちから強づよくこう言いいました。「エホバ神かみが皆みなさんの前まえを行いき，戦たたかってくださいます。エジプトで皆みなさんの目めの前まえでしたのと同おなじようにです」。（申しん命めい記き 1:30; 20:1）モーセの後こう継けい者しゃヨシュアの時じ代だい以い降こう，裁さばき人びとたちがリーダーシップを取とっていた時じ期きやユダの忠ちゅう実じつな王おうたちが治おさめていた間あいだもずっと，エホバは確たしかに自じ分ぶんの民たみのために戦たたかいました。その結けっ果か，イスラエル人じんは敵てきに対たいし て何なん度ども劇げき的てきな勝しょう利りを収おさめることができました。（ヨシュア 10:1-14。裁さばき人びと 4:12-17。サムエル第だい二に 5:17-21）

18. （ア）エホバが変かわっていないことは，どのように私わたしたちのためになりますか。（イ）創そう世せい記き 3章しょう15節せつで予よ告こくされていた敵てき意いがクライマックスを迎むかえる時とき，何なにが起おこりますか。

¹⁸ エホバは変かわっておらず，地ち球きゅうを平へい和わなパラダイスにするという目もく的てきも変かわっていません。（創そう世せい記き 1:27，28）今いまでも悪あくを憎にくんでいますし，自じ分ぶんの民たみを深ふかく愛あいしているので，間まもなく民たみのために行こう動どうします。（詩し編へん 11:7）創そう世せい記き 3章しょう15節せつで予よ告こくされていた敵てき意いは近ちかい将しょう来らいにクライマックスを迎むかえ，神かみの民たみはかつてない激はげしい攻こう撃げきを受うけることになります。その時ときエホバは，自じ分ぶんの名なを神しん聖せいなものとし，自じ分ぶんの民たみを守まもるために，もう一いち度ど「力ちから強づよい戦せん士し」になります。（ゼカリヤ 14:3。啓けい示じ 16:14，16）

19. （ア）破は壊かいする力ちからを使つかう神かみに引ひき付つけられると言いえる理り由ゆうを，どんな例たとえで説せつ明めいできますか。（イ）神かみが私わたしたちのために戦たたかってくれることを考かんがえると，どういう気き持もちになりますか。

¹⁹ 1つの例たとえを考かんがえてみましょう。ある家か族ぞくにどう猛もうな動どう物ぶつが襲おそい掛かかります。それで父ちち親おやは猛もう獣じゅうに立たち向むかい，殺ころします。では，妻つまや子こ供どもたちは，この父ちち親おやは怖こわいからもう近ちかづきたくないと思おもうでしょうか。そんなことはないでしょう。自じ分ぶんたちを守まもるために戦たたかってくれた父ちち親おやの愛あいの深ふかさ に，感かん動どうするに違ちがいありません。同おなじように，神かみが破は壊かいする力ちからを使つかうからといって，神かみに近ちかづきたくないと思おもうべきではありません。私わたしたちを守まもるために戦たたかってくれるのですから，神かみへの愛あいが強つよまり，神かみの無む限げんの力ちからへの敬けい意いも深ふかまるはずです。「神かみを畏おそれて敬うやまいつつ」，「神かみに受うけ入いれられる神しん聖せいな奉ほう仕しを行おこな」いたい，という気き持もちになります。（ヘブライ 12:28）

20. 聖せい書しょを読よんでいて，神かみが戦たたかう理り由ゆうがよく分わからないときにはどうしたらいいですか。そうすると良よいのはどうしてですか。

²⁰ エホバが戦たたかうことにした場ば合あいに，聖せい書しょの中なかにその理り由ゆうがいつでも詳くわしく書かかれているわけではありません。でも私わたしたちは，エホバが破は壊かいする力ちからを使つかって正ただしくないことをしたり，気きまぐれに戦たたかったり，残ざん酷こくな行こう為いをしたりすることは決けっしてない，と確かく信しんできます。多おおくの場ば合あい，聖せい書しょを読よみながら文ぶん脈みゃくや出で来き事ごとの背はい景けいについて考かんがえると，全ぜん体たい像ぞうが見みえてきます。（格かく言げん 18:13）詳しょう細さいが全すべて分わからなくても，エホバについてさらに学まなび，どんなに素す晴ばらしい方かたかをじっくり考かんがえれば，大たい抵ていの疑ぎ問もんは解とけるでしょう。そのようにすると，エホバが確たしかに信しん頼らいできる神かみだということがよく分わかります。（ヨブ 34:12）

21. エホバは「力ちから強づよい戦せん士し」になることもありますが，本ほん質しつ的てきにはどんな方かたですか。

²¹ エホバは必ひつ要ようなときには「力ちから強づよい戦せん士し」になりますが，戦たたかうことが好すきなわけではありません。エゼキエルが見みた天てんの兵へい車しゃの幻まぼろしの中なかで，エホバは敵てきと戦たたかう用よう意いができていましたが，エホバの周まわりには平へい和わの象しょう徴ちょうである虹にじがありました。（創そう世せい記き 9:13。エゼキエル 1:28。啓けい示じ 4:3）エホバが穏おだやかで平へい和わを愛あいする方かたであることは明あきらかです。使し徒とヨハネは，「神かみは愛あい」だと書かきました。（ヨハネ第だい一いち 4:8）エホバはさまざまな性せい質しつを完かん璧ぺきなバランスで表あらわします。誰だれよりも強つよい力ちからを持もちながらも，愛あい情じょう深ぶかい方かたです。そのような神かみとの友ゆう情じょうを深ふかめることができるのは，なんと素す晴ばらしいことでしょう。