過ぐる1年の際立った事柄
過ぐる1年の際立った事柄
西暦2000年の間，世界中のエホバの証人は，王国会館の目立つ場所に次の聖句を掲げました。『わたしたちは，しりごみするような者ではなく，信仰を抱く者です』。（ヘブ 10:39）この聖句は，世界中で宣教を続ける証人たちが示す精神をよく表わしています。確かに，見知らぬ人と話すのが苦手な人もおり，ある状況のもとでは多少不安になることもあるかもしれません。それでも，証人たちはエホバに信仰を抱き，その命令に従い続けます。
31ページにある全世界の報告には，8月31日に終了した奉仕年度中に証人たちがエホバの祝福を受けて成し遂げた事柄の際立った点が幾つか挙げられています。さらに詳細な情報は，32ページから39ページの表に見ることができます。これらに加えて，以下の部分では各地で開かれた大会に特別な注意が向けられます。
神の言葉を行なう者たちのための大会
1999年12月，すべてのエホバの証人および関心を抱く人々は，「神の言葉を行なう者」地域大会に出席するよう招待されました。最初の大会は，2000年5月19日から21日にかけて，米国カリフォルニア州ロング･ビーチで開かれました。この一連の大会が終了する2001年の初めまで，世界中で数多くの大会が開催されます。
大会のプログラムは，くすしいことを行なわれる方エホバに注意を集中させるものでした。わたしたちはそのすべての行ないを忘れることなく，心をつくしてエホバをたたえるよう励まされました。（詩 9:1; 103:2）家族生活や，自分の肉体のとげに対処することに関して，実際的な諭しが与えられました。霊性を培う面で励むこと，聞いてすぐに忘れてしまうのではなく神の言葉に従順に従うこと，またエホバのくすしい業について他の人々に語り続けることなどが勧められました。話に加えて経験やインタビューも，論じられている事柄の実際的な価値を強調し，大いに心を動かしました。「わたしたちの時代に対する警告の例」と題する力強い聖書劇は，エホバとの関係を損ない得る行ないに対して防備を固める助けとなりました。また，わたしたちは聖書のイザヤ書とゼパニヤ書の預言を詳しく論じた講話により鼓舞されました。
大会会場の中に，ハンガリーで最も大きなスタジアムであるネープ競技場がありました。大会初日に，2万2,000人を超える人々がそこに集まりました。最初から出席するようにとの励ましにこたえ応じた人たちは，そのことを決して後悔しないでしょう。午前のプログラムの結びに，統治体の成員であるゲリト･レッシュによる特別な話が行なわれ，その中でハンガリー語の「クリスチャン･ギリシャ語聖書 新世界訳」が発表されました。その同じ月に他の大会では，ルーマニア語とアルバニア語でも「クリスチャン･ギリシャ語聖書 新世界訳」が発表されました。
アルバニアでは，ティラナで開かれる大会の初日のプログラムに出席するようにという呼びかけがなされ，同じ月の後日に様々な場所で大会が開かれることになっていたにもかかわらず，アルバニアとコソボの大勢の証人たちがその招待に応じました。アルバニア語の聖書が発表された時，証人たちは非常に喜びました。ある若い兄弟は，「この翻訳を読んで，聖書が自分にとってより明快で分かりやすくなっただけでなく，ますます聖書が好きになりました」と述べました。また，かつては共産党の国会議員だった60代の正規開拓者の姉妹は，次のように書いています。「なんてすばらしいのでしょう。この翻訳をよく読んで初めて，聖書の散文，詩，流れるような記述の見事さがよく分かりました。感動的な場面全体をはっきり思い描くことができます。イエスが奇跡を行なって非難やあざけりの的になった箇所を読んだとき，今まで感じたことのないような深い感動を覚えました」。
チェコ共和国における大会では，多くの国の大会で提供された他の良いものに加えて，豊富な欄外参照や脚注を含む参照資料付きの「新世界訳」が発表されました。神の言葉をさらに注意深く研究するための助けを受け取り，出席者たちは大喜びでした。この発表がなされたとき，プラハとオストラバの大勢の大会出席者たちは立ち上がり，しばらく拍手が鳴りやみませんでした。
もちろん奉仕年度の初めのころはまだ，「神の預言の言葉」という主題の地域大会が引き続き世界の一部の場所で開かれていました。重要な情報をできる限り多くの国や言語の人々に伝えるために，誠実な努力が払われました。一例としてメキシコでは，190の「神の預言の言葉」地域大会が開催され，合計出席者数は107万3,667人でした。プログラムはスペイン語，英語，マヤ語，メキシコ手話で提供され，さらにマサテコ語，ミヘ語，ツォツィル語に通訳されました。言語の障壁は除かれ，あらゆる人々が，人類のために神が用意しておられるすばらしい事柄に関して聖書が与える洞察から益を得ました。
困難な状況に対処する
昨奉仕年度中も，エホバ神とそのメシアの王国について際立った証言がなされました。最高603万5,564人の伝道者がこの活動に参加しました。1年を通して平均80万5,205人が開拓奉仕を行ない，4月には開拓者の合計数が141万8,062人に膨れ上がりました。公の証言を行なうためにこの1年もまた10億時間以上がささげられました。多くの人にとっては，信仰が火のような試みにさらされる状況に直面しながらの業でした。それでも，様々な状況のもとで，エホバの証人は『しりごみするような者ではない』ことを証明しました。
一例として，コンゴ民主共和国は何か月間も戦争によって分断されてきました。支部事務所があるキンシャサとじかに連絡を取ることがほとんどできなくなっているこの国の東部には，3万人を超える王国伝道者がいます。一部の地域では，兵士が頻繁にエホバの証人を含む民間人を呼び止め，尋問し，時には殴打を加えます。それでも，証人たちは宣べ伝えるのをやめません。この国には5,000万ほどの人々がおり，やはり良いたよりを聞く機会を必要としています。1年の間，この国の伝道者は毎月平均およそ13時間を野外宣教にささげました。
リベリアの兄弟姉妹も，際立った信仰を示しています。これらの人々が日々直面する問題には，深刻な経済的苦境に対処することに加えて，マラリアや腸チフスなど，体を衰弱させる病気との闘いがあります。若い人も年配の人も，ほとんどすべての人が影響を受けています。それゆえ，「2000年4月をかつてない最高の月とすることができますか」という呼びかけに対する反応は，兄弟たちの信仰，エホバに対する熱心さ，また彼らの生活におけるエホバの霊の力を強力に証しするものとなりました。伝道者数は過去最高の3,193人に達しました。補助開拓者と正規開拓者の合計は，報告を提出した全伝道者の32％に上りました。こうした多くの活動の結果，記念式の出席者数は皆の予想を上回り，1万6,875人に達しました。そして5月には，聖書研究が1万164件司会されていることが報告されました。
スリランカの19年にわたる内戦は，衰えることなく続きました。2000年4月には，ジャフナ半島北部で激しい戦闘が起こり，その結果非常に大勢の人々が立ち退かざるを得なくなりました。600人の伝道者と関心を持つ他の人々を含む五つの会衆が影響を受けました。伝道者たちは，王国会館の敷地内や，近くの空き家で暮らすことを余儀なくされました。そうした状況下での生活はどのようなものでしょうか。ある長老は次のように書いています。「どこを見ても貧困と栄養不良は明らかです。……兄弟たちは家や持ち物を失いました。地雷が辺り一帯に敷設されました。兄弟たちには仕事がなく，子どもたちは学校に行くことができません。悲惨な生活です。しかし兄弟たちは，エホバの霊と霊的な助けにより，あきらめることなく忍耐しています。……私たちはエホバのみ手の働きを実感し，感謝しています」。これらの兄弟たちはすべての集会を行ない続け，安全な場所を見つけて，普通より小規模ながら巡回大会さえ開きました。また野外における努力を緩めるどころか，良いたよりを隣人に伝える活動を増やしました。
ウクライナでは経済事情から，一部の地域で交通がとても不便になっています。しかし，エホバに仕える特権を高く評価している80代のある姉妹は，ここ数年，自分が伝道する区域まで片道4時間歩いて通っています。それに加えて，姉妹は山の中を10㌔歩いて集会に行きます。
ルーマニアのエホバの証人は，正教会の僧職者による激しい反対の中で奉仕しています。地帯監督のヴィリー･グルノンの訪問に先立って，兄弟たちは特別な話のためにブカレストのサッカー競技場を借りました。しかし，正教会の総主教が圧力をかけたため，契約が破棄されてしまいました。ところが，訪問の数日前になって影響力のある人物が介入し，サラ･パラトゥルイ（宮殿ホール）という美しい会場を借りられるよう兄弟たちを助けました。その場所で2,184人の聴衆が，「自分が信仰にあるかどうかを絶えず試しなさい」という時宜にかなったテーマの話を聞きました。試された信仰を持つ3万8,000人を超える伝道者が，ルーマニアでたゆみなく良いたよりを宣べ伝えています。そのうち開拓者は平均3,569人ですが，そのほとんどが必要に迫られて全時間の世俗の仕事も行なっています。
エチオピアでは，政府は憲法で保障されている信教の自由を擁護していますが，僧職者は教会員を扇動してエホバの証人に反対させています。野外奉仕をしていると毎日のように，証人たちは口汚くののしられます。しかし反対はそれで終わるのではありません。狂信的な家の人は伝道者を棒でたたいたり石を投げつけたりもするのです。それでも，固い信仰を抱く6,166人のエホバの証人は，そのアフリカ北東部に住む6,200万人に平和の良いたよりを伝え続けています。
ベジョマは61歳で真理を学んだ時，読み書きができませんでした。真理に飢えていたこの男性は，毎日聖書研究を司会してほしいと頼みました。また，そこマダガスカルにある故郷の村の人々を教えられるように，読み書きの勉強にも精を出しました。まだバプテスマを受けていない伝道者のうちに村に帰って集会を開くようになり，翌年にバプテスマを受け，3年後には開拓者になりました。しかし，その村で証言するのは容易なことではありません。関心を示す人々には大きな圧力が加えられてきました。ある時には，村人が全員集まって彼らの考えを変えさせようとしました。その人たちの家族は，対抗手段として心霊術に訴えてきました。関心を持つ特定の人の家を訪ねたら撃つと親族がベジョマ兄弟を脅したため，聖書研究は兄弟の家で行なわれています。こうした多くの反対にもかかわらず，宣べ伝える業や集会は引き続き行なわれています。これが書かれた時点では4人の伝道者がおり，集会に40人ほど出席していました。
イスラエルのユダヤ教過激派は，エホバの証人の活動に反対して騒々しいデモを行なってきました。家から家や公園での証言活動の際に伝道者たちについて回り，騒ぎ立てては関心を示す人々との会話を邪魔しました。反対者たちはさらに，目立つ場所に伝道者たちの大きな写真を掲げ，証人たちと話をしないよう一般の人々に警告しました。また昨年は事業主たちに対して，エホバの証人の従業員を解雇しなければ製品やサービスをボイコットすると脅すこともしました。結果として，テレビや新聞を通してエホバの証人とその信条が世間に広く知れわたりました。エホバの祝福により，イスラエルで真の神に仕える人々の数は，この1年でさらに7％増加しました。
コロンビアでは武装集団間の抗争のため，統治体の指導のもと，「あなた方は世の光です」と題する特別なパンフレットを準備する必要が生じました。このパンフレットは1,000万部近く配布され，武力紛争に関するエホバの証人の中立の立場を明確にする助けとなりました。またそのパンフレットは，エホバの証人が人々に道徳的な価値規準を教え，刑務所にいる人に諭しを与え，耳の聞こえない人を助け，自然災害の被害者を援助し，人々に将来の希望を与えるために何を行なっているかを説明しました。コロンビアでは，10万7,613人のエホバの証人が忙しく「平和の良いたより」を告げ知らせています。（エフェ 6:14，15）パンフレットの配布は，会衆の区域と孤立した地域の両方でくまなく行なわれました。カウカ行政区の二人の開拓者は，その地域で活動する武装集団に宣べ伝える機会を祈り求めました。その祈りは聞き届けられ，ある日二人は到着した町でその集団に属する多くの人に出会いました。開拓者たちはそこでたくさんのパンフレットを配布することができました。チョコ行政区のある町長は，パンフレットを読んだ後，協会のすべてのビデオを地元のテレビ局で放映する許可を求めました。
多くの国では，神の言葉を学ぶために人々が集まれる王国会館の建設許可を得るのに多大の辛抱が必要とされます。しかし，ギリシャ北部のカッサンドラでは，都市計画局から崇拝のための場所を建てる許可を得ることはまだ序の口でした。建築業者，掘削業者，生コンクリートや他の建築資材を供給する会社は脅迫されて恐れを感じ，プロジェクトから手を引いたり，兄弟たちと仕事の取り引きをするのを拒否したりしました。プロジェクトのために市の水や電気を使うことも禁じられました。建設現場で作業が進行していた1999年10月21日，教会の鐘が鳴り響きました。地元の市長と司祭たちの率いる暴徒が，すべてを破壊するつもりで建設現場に押しかけたのです。状況を知ったアテネの公共秩序相は，警察が全面的に支援することを証人たちに約束しました。建設期間中，ギリシャ北部全域の様々な都市から延べ300人を超える警官が来て警備に当たりました。そして10月30日，立派な王国会館が使用可能になりました。兄弟たちは確かに，自分たちが『しりごみするような者ではない』ことを示しました。ここでの成果が，ギリシャの他の場所で崇拝のための家を建てる計画に良い影響を及ぼすものと期待されています。
よく知られているとおり，コソボに住むアルバニア人とセルビア人の間の長年にわたる緊迫した関係は，1999年に国際的干渉を招く結果になりました。非常に大勢の人々が安全を求めて近隣の国々へ逃げました。多くの人が帰って来た後，アルバニアから，また後にはオーストリアから，証人たちがコソボの兄弟たちを訪問しました。状況はどのようなものだったでしょうか。どこもかしこも荒れ果てていました。冬の間，電気や水や灯油がひどく不足していました。集会場所の温度はとても低い場合が多かったのですが，集会は中止されませんでした。兄弟姉妹たちはろうそくの明かりを頼りに注解や話を行ないました。とても寒くて，エホバへの賛美を歌うときに息が白く見えたほどです。証人たちの家が2軒破壊されましたが，アルバニアとイタリアから兄弟姉妹たちが来て，建て直すのを助けたため，良い証言になりました。周囲に民族的な憎しみがたぎっているので，伝道者たちが宣教を行なうときには細心の注意が必要です。しかし証人たちは，市場，郵便局，街路，また家の近所で，機会をとらえては熱心に証言しています。
1999年12月中旬，ベネズエラの沿岸部にあるバルガス州は，ベネズエラ史上最悪の自然災害に見舞われました。滝のような豪雨の後，ある山の斜面が人口の多いその沿岸地帯の上に文字どおり崩れ落ち，推定5万人が死亡し，40万人が家を失いました。家を捨てて避難しなければならなかった人々の中に，1,200人を超える証人たちがいました。そのような災難に遭いながらも，4月に補助開拓者を求める呼びかけがなされた時，バルガス地域に残っていた11の会衆はどうしたでしょうか。報告によると，112人 ― 平均すると1会衆当たり10人 ― がこたえ応じ，すでにそこで奉仕していた77人の正規開拓者に加わりました。
スリナムでは，歩くことのできない二人の兄弟が，手で三輪自転車をこぎながら開拓者として奉仕しています。両足にけがをした兄弟と，両足を切断した兄弟です。雨季にはぬかるみにはまることもありますが，いつも笑顔で王国会館にやって来ます。
会衆の集会はすべて大切ですが，記念式は特に重要です。2000年4月19日，パプアのアワソで行なわれる集まりに出席するため，関心を抱く11人が小さな舟で，荒れた海を17時間かけてやって来ました。記念式の後，聴衆はその人たちが示した熱心さやクリスチャンの兄弟たちに対する愛を知り，涙を抑えることができませんでした。「私たちはエホバを崇拝する仲間たちとキリストの記念式を祝いたかったのです。ですからこの旅には本当に価値がありました」と，その人たちは言いました。
さらに多くの人々に良いたよりを伝える
使徒パウロは，「ギリシャ人にもバルバロイにも，賢い者にも分別のない者にも，わたしは負い目のある者です」と書きました。（ロマ 1:14）贖いの備えを通して，エホバはあらゆる人がとこしえの命を得ることを可能にされました。そのことに関する知識はパウロに託され，キリストは諸国民への使徒としてパウロを任命しました。パウロは人々にその良いたよりを伝えるためにできる限りのことを行なう責務があることを理解し，熱心にそうしました。同じように，現代では「忠実で思慮深い奴隷」が，証しのために人の住む全地で良いたよりを宣べ伝える任務を真剣に受け止めています。（マタ 24:14，45-47）もちろん，全地の人々が良いたよりの重要性を明確に理解するためには，母国語で聞いたり読んだりする必要があります。そのため，広範に及ぶ翻訳作業が求められます。
昨年中，エホバの証人はそれまで用いてきた言語に加えて，新たに22の言語の聖書文書を初めて生産しました。これらの追加された言語は3,100万を超える人々によって話されています。それ以外に，読むことを教わっていない，ボリビアとペルーに住むケチュア語を話す人々も見過ごされませんでした。「知識」の本のカセットテープが手に入るようになったのです。エホバの証人は現在360の言語で聖書に関する資料を出版しています。
「ものみの塔」誌と「目ざめよ！」誌は，聖書の真理を広めるための主要な出版物となっています。毎月英語で別個の雑誌を4冊準備するだけでも大きな仕事です。しかし，たくさんの言語で月1回か月2回，あるいは年4回雑誌を備えるには，さらに多くのことが求められます。昨年は，4,078種類の異なる号を準備する必要がありました。ロシア支部だけでも，「ものみの塔」誌はロシア語以外に，13の国々に住む3,600万人によって話されている七つの言語に翻訳されています。
「年鑑」は定期的に31の言語に，「日ごとに聖書を調べる」は114の言語に翻訳されています。これらに加えて，昨年は119の書籍，265のブロシュアー，34の小冊子，273のパンフレットが聖書の真理を広める目的で翻訳されました。「クリスチャン･ギリシャ語聖書 新世界訳」も新たに四つの言語（アルバニア語，ハンガリー語，ルーマニア語，ショナ語）のものが入手できるようになり，またコーサ語の「新世界訳」全巻が発表されました。さらに，24のビデオも製作されました。そのほかに協会は現在，11の言語の点字出版物を生産しています。そして昨年は大会の劇が，米国，ブラジル，日本，韓国のそれぞれの手話でビデオ上映されました。これらはすべて，命を与える神の言葉の音信をできるだけ多くの人々に届けるために行なわれました。
クレオール語を話す人々に聖書の真理を伝えることも，一つの挑戦です。クレオール語は，二つかそれ以上の言語が混ざり合い，簡略化されることによって生まれた言語です。それは特定の人々が主に話す言語となり，その人たちの文化を反映しています。ところが，人々は一般にクレオール語を話してもそれを読めません。しかしエホバの証人は教える人々ですから，モーリシャスとレユニオンでは，証人たちが人々に母語で読み聞かせることができるよう地元のクレオール語の読み書きを学び，人々にもそれを教えています。モーリシャスとレユニオンのクレオール語には表記の基準がなかったので，協会が適切な正書法を編み出しました。そして，クレオール語の，「読み書きに励む」および「神はわたしたちに何を求めていますか」のブロシュアーが，宣教で用いる道具として印刷されました。これらを使い始めてから，一人の姉妹は新しく5件の聖書研究を始めることができたと報告しました。ある兄弟はこう述べています。「これらの新しい道具を使い始めてから，共に学ぶ人たちが神の言葉に基づく教えをより深く理解するようになったことが分かります。人々はクレオール語を読むのに苦労していますが，私たちが読んで聞かせると本当によく要点をつかみます」。
より多くの人々に良いたよりを伝えるうえで助けとなっている別の要素は，簡素化された文書配布の取り決めです。エホバはこの面でご自分の僕たちが示した信仰を祝福されました。自発的な寄付の取り決めについては人々に説明されますが，文書の代金が求められることはありません。この取り決めは2000年1月より，まだ実施されていなかったすべての国で有効になりました。中央アフリカ共和国の支部はこう書いています。「このことにより，だれでも，どのような経済状態にあろうと，キリストの弟子となるうえで必要な印刷物を手に入れることができます。この取り決めについて，伝道者と一般の人々の両方がとても感謝しています」。インドネシア支部はこう述べています。「したがって，兄弟たちは印刷代を支払うことのできる人々よりもむしろ，出版物を読むことに関心がある人々を探しました」。南アフリカ支部は次のように報告しています。「雑誌の生産量が2倍以上になり，幾つかの言語では4倍以上になりました。……こうしたことはすべて，現在かつてない量の真理の『種』がまかれていることを示すものです。―マタ 13:3-8」。
昨年なされた業の別の面は，一時的な特別開拓者が特定の地域に，限られた期間派遣されたことです。このことにより，まだ証言を受けたことのない人々に益を与えることができました。コートジボワールは良い結果を報告しています。一部の市の役人たちは開拓者たちを歓迎し，彼らが去るのを惜しみました。シピルーでは，村の助役が親切にも無料で宿を提供し，集会のために自宅の庭まで使わせてくれました。ティエメレクロに遣わされた二人の開拓者の姉妹たちが村長に別れのあいさつをしに行くと，村長は言いました。「そんな！ 急に帰ってもらっては困ります。……この3か月間に弟子にした人たちがいるはずです。だから教会を建てるための土地を求めて私のところに来たのでしょう。今はその土地を差し上げたいと思っています。ですから，あなた方の代わりにだれが来るのか教えてください」。
他の多くの証人たちも個人的に機会をとらえ，さもなければ聞くことのなかった人たちに聖書の真理を伝えました。マーシャル諸島のある姉妹は，外れのヤルートという環状さんご島で教師の仕事を引き受けましたが，その島にいる証人は自分だけであることに気づきました。姉妹は熱心に近所の人すべてに宣べ伝え，9件の家庭聖書研究を司会し，そのグループのために率先して週に1回集まりを開きました。4月19日にマジュロから奉仕の僕がキリストの死の記念式の話をするためにやって来たときには，175人が出席しました。姉妹はその重要な行事にできる限り多くの人を招待しようと孤軍奮闘したのです。これらの人々が霊的に成長するのを助けるため，その奉仕の僕の兄弟と妻は，すでにいるこの姉妹と共に業を行なえるようにヤルート島に引っ越すことを計画しています。
「大胆に語り」，誤った情報に打ち勝つ
1世紀のクリスチャンは論争に直面したことがありました。例えば，イコニオムで非常に大勢の人がキリスト教の教えを受け入れた時，反対者たちは「諸国の人たちの魂をあおり立て，これにけしかけて兄弟たちに敵対させ（まし）た」。パウロとバルナバは引き下がる代わりに，「かなりの時を過ごしてエホバの権威のもとに大胆に語り（ました）」。―使徒 14:1-7。
今日，反対者たちは自分たちの目的を推し進めるため，時としてメディアなど一般的な手段を利用して世論をあおり立て，エホバの証人に敵対させています。それに対して，ブルックリンにあるパブリック･アフェアーズ･オフィスや協会の支部事務所の多くに設けられているパブリック･アフェアーズ･デスクは，かなりの時間を費やし，編集者やジャーナリストなどに情報を提供して真実を大胆に知らせています。
協会は2000年5月に，スイスのジュネーブで開かれた医学会議で「輸血の代替療法 ― 簡便，安全，効果的」と題する新しいビデオが上映されるよう取り計らいました。そのビデオには世界の幾人かの指導的な外科医へのインタビューや無輸血手術で用いられる技術の実演が収められており，供血血液を使用せずにエホバの証人や他の患者を治療する方法をヨーロッパの医師たちに紹介することができました。出席した医師たちからは，早速，このビデオが欲しいとの声があり，依頼された数は約300本になりました。
ベルギーでは，聖書翻訳におけるエホバという名の使用の歴史を扱った展示会が準備されました。それは，ウィリアム･ティンダルなど初期の翻訳者や印刷作業者の仕事，およびそれらの人が聖書を一般の人にとって入手可能なものとする際に直面した障害に焦点が当てられた展示会でした。訪れた人の中には13の学校から来た生徒も含まれていました。
ブラジルでは昨年，各地を巡回した「パープル･トライアングル」展に7万人を超える人が訪れました。古代イコニオムの場合と同様，大勢の人が，事実を歪曲する者たちに影響されて心を閉ざしてしまうことなく，示される聖書の真理を高く評価して，それに耳を傾けること，それがエホバの証人の願いです。
『良いたよりを法的に確立する』
「良いたよりを擁護して法的に確立する」点で使徒パウロが残した先例と調和して，過去1年間に様々な国のエホバの証人が法律上の問題に注意を払いました。（フィリ 1:7）アゼルバイジャン，ベニン，ルーマニア，スウェーデンといった国では，エホバの証人が，単に協会としてではなく一つの宗教として正式に認可され，崇拝の自由を保障する法の下でより大きな保護を受けられるようになりました。
しかし，黒海に面するグルジア共和国では，反対者たちがエホバの証人の法的な登録を無効にしようとしました。あるエホバの証人の関係する裁判で，正教会の過激派とされる人々が裁判所の入口に詰めかけ，手に持った木製の十字架に口づけしない人の入場を力ずくで阻もうとしました。審理中は聖画像＜イコン＞や木製の十字架を高く掲げ，休廷中は法廷内で祈願のためのろうそくをともしました。裁判所内で突然，暴力行為が始まりました。過激派たちが弁護士やジャーナリストやエホバの証人に襲いかかったのです。不利な判決のためにグルジア最高裁判所に上訴したグルジアの兄弟たちは，その法廷で理性と真理が勝利することを願っています。その間にも，グルジアの1万4,855人の伝道者は，昨年288万7,835時間をささげ，自由を得させる神の言葉の真理を人々に教えました。
ロシアのモスクワでは，同市のエホバの証人の法的な代表権を剥奪することを目的とした裁判がいまだに結審していません。今のところ，モスクワの兄弟たちは，大いに必要とされる王国会館の建設許可を得ることができていません。しかし，1999年11月23日，ロシアの憲法裁判所は，ヤロスラブル会衆のための訴訟で有利な判決を下しました。ヤロスラブル会衆は，宗教に関する1997年の法律が求める15年間の存続期間を証明する書類を提出することができませんでした。そのため地方当局は，この会衆が宗教文書の輸入と配布を中止すること，また一人のドイツ出身の兄弟がモスクワ市内での活動をやめることを求めました。同裁判所は，エホバの証人の場合のように，全国的なものとしてすでに法的に登録されている「集権的宗教組織」に属する会衆に対して，15年存続の法の要求は適用されないと裁定しました。ロシア法務省によるエホバの証人の再登録は1999年4月29日に承認されていたのです。そうした問題が法律部門によって扱われていた間にも，ロシアの伝道者は昨年，公の宣教に2,478万2,467時間をささげました。伝道者はさらに7％増加し，11万4,284人の最高数に達しました。
フランスの兄弟たちも引き続き困難な状況に対処しています。王国会館に課される固定資産税の免除をめぐる問題で，兄弟たちは過去4年間に事実審裁判所で921，上訴裁判所で65の有利な判決を得ました。これらの判決に対する国税局の強力な上訴政策の結果，問題はフランスの最高行政裁判所であるコンセイユ･デタに持ち出されました。2000年6月23日，コンセイユ･デタは，エホバの証人はフランスの法の下で宗教としての資格を満たしており，それゆえに彼らの所有する王国会館は固定資産税を免除されてしかるべきであるとの判決を下しました。さらに重要なこととして，コンセイユ･デタは，王国会館内で行なわれている活動が「公益に悪影響を及ぼすことはない」との判断も示しました。ところが，それからちょうど11日後，フランスのエホバの証人の宗教活動への寄付に対して国税局が60％の課税を行なうことを支持する別の裁判がありました。その際，ナンテールの事実審裁判所は，エホバの証人はフランスにおいて公認の宗教ではないため，税の免除を要求することはできないという趣旨の裁決書を出しました。兄弟たちはベルサイユの上訴裁判所に提訴する準備をしています。一方，フランス国民議会は，いわゆるセクトやその指導者が裁判で2回有罪判決を受けた場合，そのセクトをすぐに解散させることができるようにする法案の審議を始めました。反対者たちは「布告によって難儀を仕組み」ますが，エホバの証人はすべての人がみ前で言い開きをしなければならない偉大な裁き主に信頼を置いています。―詩 94:20。ロマ 14:10。
緊急に必要とされる王国会館を備える
エホバを愛してエホバに仕える人が引き続き増加しているため，その人たちが崇拝のために集まることのできる王国会館が大いに必要とされています。この必要を賄うため，現在，オーストラリア，ブラジル，ドイツ，メキシコ，南アフリカの支部事務所で地区王国会館事務所が機能しています。これらの事務所から資格のある兄弟たちが他の支部を訪問し，必要に応じた組織上の取り決めを確立する手助けをしています。現在，アジア･オセアニア，東ヨーロッパ，東アフリカと西アフリカ，中南米，カリブ海の島々の72か国に援助が与えられています。
100人を超えるインターナショナル･サーバントは，地元の兄弟たちがそれぞれの国で王国会館建設グループとして働けるよう彼らを懸命に訓練しています。この取り決めによって，これまで30の国で453の王国会館が完成し，さらに727の建物が建設中です。地元の建築資材や建築工法を用いた，各国用の王国会館モデルプランを開発することに力が入れられてきました。ケニアでは切り出された石を用い，トーゴでは普通，れんがを使用します。カメルーンではコンクリートブロックの上からしっくいを塗る方法が主流です。このような方法により，地元の兄弟たちは，全国的な建設プログラムで大切な役割を果たすのに必要な技術をすばやく身に着けることができます。
行なわれている事柄を知った様々な国の兄弟たちの多くが，自分も参加したいという強い願いを示してきました。有能な地元の兄弟姉妹たちが何百人も自費で参加しています。兄弟たちが自費で参加できないような状況の国もあります。そのような国の場合，奉仕を申し込んで承認された人たちには，自国における王国会館の建設や改装といった急を要する仕事に専念できるよう，食事と宿舎を備えるという取り決めが設けられています。
そのような王国会館の建設は，エホバの証人が地域社会で行なう活動にどのような効果をもたらしているでしょうか。西アフリカのベニンから次のような報告が寄せられています。「皆さんは，昨日クラクの王国会館が献堂されたことを知って喜ばれることでしょう。34人の伝道者から成るこの会衆の日曜日の集会の出席者数は平均73人ですが，献堂式には651人が出席しました。以前の王国会館は幾つかの教会に比べてひどく粗末だったため，これまで兄弟たちはこの町で多くの偏見やあざけりに耐えてこなければなりませんでした。現在，新しい王国会館は町で指折りの美しい建物となっています。出席者の大半は町の人たちでした。兄弟たちがほんの数週間で成し遂げた事柄を目の当たりにして，考えを変えたのです」。マラウイのナフィーシ会衆からはこう伝えられています。「美しい王国会館が建ち，それがすばらしい証言になっています。おかげで，伝道に行くと簡単に聖書研究を始めることができます。どこに行っても人々は驚嘆しています」。
リベリアでも近年増加が見られるため，王国会館の必要が非常に大きくなっていました。しかし，兄弟たちには建設資金を出す余裕などとてもありませんでした。自分たちの粗末な住居の家賃を賄うことさえやっとという状態なのです。多くの土地では兄弟たちの家で集会が開かれ，聴衆が多くて通りにまであふれていました。そのほかには，仮設の建物のようなところで集まり合うケースもありました。こうした問題には解決策などなさそうに思われましたが，すばらしい取り決めがあるという知らせがもたらされました。資力の限られた国で王国会館を建設するための取り決めです。他の国の兄弟たちから寄付された資金は，本当に必要な場所に会館を建てるために用いられることになっていました。過去6か月間ですでに5棟の新しい会館が建設されました。兄弟たちは，（資金面で）「持っていない」状況にあっても，建設のために心から喜んで体力を用いようとすることによって「進んでする気持ち」を示しました。（コリ二 8:12）一例として，ニュー･ジョージア会衆では，1日に1,000個以上のコンクリートブロックが手作業で作られたのです。
新築または増築された支部施設
増加する数多くのエホバの証人を世話し，宣教に備えさせるため，適切な支部施設を備える必要も生じています。昨奉仕年度中，そのような施設が幾つも献堂されました。世界中にある支部施設では，合計1万9,587人の叙任された奉仕者が奉仕しています。
南アフリカ: クリューガーズドルプの支部施設は，1987年の完成当時，余裕があるように思われました。では，わずか12年後に，拡張された事務棟，三つの新しい宿舎棟，発送ガレージ，広々とした新しい国外発送用倉庫が献堂されたのはなぜでしょうか。
一つの理由は，冷戦が終わった結果，エホバの民がより大きな自由を享受できるようになったことです。ルワンダ，マラウイ，モザンビーク，アンゴラといった国で，エホバの証人に対する禁令が解かれました。支部施設が完成した1987年以降，南アフリカが物資を送っている10か国全体で，伝道者数が148％増加したのです。（モザンビークだけを見ると，その12年間に523％も増加しました。）
さらに，南アフリカで新政権が誕生し，アパルトヘイトが廃止された結果，アフリカの他の国との行き来がもっと自由になりました。それで，南アフリカ支部は近隣の支部に物資を供給するためにさらに多くのことを行なえるようになりました。この支部は，雑誌やブロシュアーなどの印刷に加えて，文書の保管や，近隣諸国の会衆からの依頼の処理も行なっています。また，アフリカでは大会ホールや王国会館の建設に弾みがついており，南アフリカから建設資材を入手する支部も増えています。
他の要因もあります。南アフリカ支部の区域でも，1987年以降，王国宣明者数が62％増加したのです。またここ数年間，翻訳部門を大きくしなければなりませんでした。聖書をアフリカーンス語，セペデ語，セソト語，ツォンガ語，ツワナ語，コーサ語，ズールー語の七つの言語に翻訳するという付加的な仕事を行なうためです。ですから，南アフリカ支部で前述の重要な施設の拡張が必要になったのも不思議ではありません。
こうして，南アフリカの拡張された支部施設は1999年10月23日に献堂されました。出席していた統治体の成員のダニエル･シドリックは，「神の栄光を反映する献堂」と題する励みとなる話を行ないました。
日本: 数週間後の11月13日，日本の海老名でも拡張された支部施設が献堂されました。増築されたのは，地上12階の宿舎棟2棟と地上4階のサービス棟から成る建物です。70人を超す熟練したインターナショナル･サーバントやインターナショナル･ボランティアと約2,000人の日本の長期また短期奉仕者とが一緒に働いた結果，3年半でプロジェクトが完成しました。
献堂式は，第二次世界大戦後にものみの塔の宣教者たちが日本へ初めて到着してから50年たって，行なわれたことになります。それらの宣教者のうち今も日本で奉仕している人たちに加えて，日本の旅行する監督全員や長年エホバに仕えている人々，37の国から来た344人の代表者たちがこの式に出席しました。
第二次世界大戦後，最初の宣教者たちが東京に到着して宣べ伝える活動を再開した時，日本においてエホバの忠実な崇拝者はほんの一握りしか見いだされないと思われていました。ところが昨奉仕年度の報告では22万1,000人以上の活発な王国宣明者が，全国津々浦々で良いたよりを広めています。加えて，日本で印刷される27の言語の文書が他の国々へ発送されており，統治体の指導の下で日本支部はアジアの幾つかの国の野外の活動を直接援助しています。
献堂式の翌日に行なわれた特別集会では，統治体の成員のセオドア･ジャラズが横浜国際総合競技場に集まった6万1,323人の聴衆に向かって話をしました。全国各地の合わせて41の会場と結ばれ，出席者の合計は26万9,376人に上りました。外国の代表者からの報告や，「エホバに教えられる ― 今日，またとこしえに有益」という主題のジャラズ兄弟の話を含むプログラムを通して，出席者すべては引き続き霊的に進歩してゆくよう強く励まされました。
ベニン: 西アフリカのこの国は霊的な収穫において産出的な区域になっています。良いたよりの伝道者が6,343人おり，そのうちの半数を優に上回る人々は1990年代にバプテスマを受けました。
数を増すこの真の崇拝者の群れとニジェールの兄弟たちに仕えるため，2000年1月1日にベニンのアボメー･カラビで，新しい支部施設と大会ホール，および宣教者ホームが献堂されました。統治体の成員ゲリト･レッシュはその機会を用いて，二つの肝要な点を強調しました。それは，（1）わたしたちがエホバに仕えるのは主に，永遠の命を得たいからではなく，エホバを愛しているからであるということ，（2）神の言葉 聖書を毎日読むようにということです。本当に実際的な諭しではないでしょうか。
ミャンマー: ベニンの献堂式から数週間後，ミャンマーでも新しい支部施設が献堂されました。この国に支部事務所が設立されたのは1947年のことです。1977年に協会は，ふさわしい施設の建設用地を取得しました。ところが，たいへんな障害を幾つも克服しなければならなかったのです。エホバの証人の法的な登録ができない状況で，どのようにして建設の許可を得ることができるでしょうか。建築資材を輸入する必要がありましたが，そうした輸入許可はいかなる組織にも与えられていませんでした。では，どうすれば輸入できるでしょうか。また，建設を支援してくれる外国の兄弟たちを呼び寄せることも不可能に思われました。建設の仕事のためのビザは政府が助成する事業に限って与えられていたからです。さらに，ある女性が，協会が20年以上持っていた土地は実際には自分のものだとして，裁判所に訴え出ました。ところが，突然にそれらの問題が解決しました。障壁となっていたあらゆる問題に関して，政策が変化したのです。そして建設が始まると，裁判所は，土地を自分のものにしようとした女性の訴えを退けました。
建設資材のほとんどは，贈り物としてオーストラリアの兄弟たちから送られました。さらにマレーシア，シンガポール，タイからも資材が届きました。オーストラリア，英国，フィジー，ドイツ，ギリシャ，ニュージーランド，米国から兄弟たちがやって来て建設を助け，地元の証人たちも手伝いました。完成した施設は，統治体の成員ジョン･E･バーの訪問中の2000年1月22日に献堂され，そこに出席していた人たちは，次のように言わずにはいられない気持ちでした。「エホバは，わたしたちに対して行なったことにおいて大いなることを行なわれた。わたしたちは喜びに満ちた」。―詩 126:3。
世界中のエホバの証人が過ぐる1年間を振り返るときに抱く感慨もこの言葉によく言い表わされています。
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「イザヤの預言 ― 全人類のための光」がサミュエル･ハードにより発表される
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「わたしたちの時代に対する警告の例」と題する聖書劇
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新しい聖書を喜ぶハンガリーの出席者たち
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集会のためガレージに集まった，喜びにあふれるコソボの証人たち
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ベニンのクラクの王国会館 ― 改築前と改築後
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（1）ミャンマー，（2）ベニン，（3）南アフリカ，（4）日本