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全世界の報告

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オセアニア

国や地域の数: 30

人口: 3,377万3,304人

伝道者数: 9万2,691人

聖書研究の数: 4万4,999件

オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州の片田舎にある人里離れた鉄道駅で,二人の伝道者は,二本の長距離列車のどちらかが到着するたびに文書スタンドを設置しています。インディアン・パシフィックとザ・ガーンという列車は,2時間もそこに停車することがあるので,二人は乗客といろいろ良い話し合いをして,文書をたくさん配布しています。実際,乗客の中には,帰途にその伝道者たちを“再訪問”する人もいます。

ザ・ガーンの車掌は通常,列車が各所に停車する間に乗客が楽しめそうな見所などについてアナウンスします。車掌は,それら王国伝道者の了承を得ていて,今ではその文書スタンドのことをアナウンスに含めています。それら孤立した所に住む証人たちが才知に富んでいたために,オーストラリア各地また海外からの旅行者も良い証言を受けています。

ミクロネシアのコスラエ島で,ある宣教者の夫婦は,80代のバプテスト派牧師に「知識」の本を配布しました。その本はコスラエ語版で,その言語を話す人は1万人足らずです。牧師はその本に対する感謝を述べました。この夫婦が再訪問した時には,自分の教会員にエホバの証人の文書を受け取るように勧めたと言いました。もちろん宣教者たちはその理由を尋ねました。「うちの宗教は,わたしたちの言語の本を出していないからです」という答えが返ってきました。この宣教者夫婦は,現在その年配の僧職者と定期的に話し合いをしています。

マーシャル諸島で,ある宣教者の姉妹は,不活発な一姉妹と神の言葉を研究するように依頼されました。しかし,手ごたえがなかったので,その宣教者は,「あなたを愛している,とほかの人から言われたらどう感じるかしら」と尋ねました。姉妹は困惑して,「だれからもそう言われたことがありません」と答えました。すると,その宣教者は身を乗り出して姉妹を抱き締め,「わたしはあなたを愛しているわ。それにエホバはもっとあなたを愛しておられるのよ」と言いました。その不活発な姉妹は泣き出し,その時からエホバに対する態度が変わりました。毎日の聖書通読を開始し,すべての集会に出席し,補助開拓奉仕も行なって,霊的に進歩し始めました。そして,2002年1月に正規開拓奉仕を申し込みました。その時から多くの聖書研究を司会するようになり,必要の大きな離れ島で1か月のあいだ証言に携わることさえしました。

ニューカレドニアの一宣教者は,浜辺で友人とくつろいでいた時に,フランスから親戚のところに来ていた若い女性に非公式の証言をしました。その女性は軍人で,サラエボで軍務に就いたことがありました。その宣教者は,互いに本当に愛し合う人たちと共に住みたいと思わないかと尋ねました。その人は,住みたいと答えたものの,優秀な軍隊を持つ強力な政府だけが真の平和を実現できると感じていました。

それで宣教者は,エホバの証人の友人たちは国籍が異なっても神への信仰と愛によって結ばれていると説明しました。二人は友好的な会話を交わし,翌日も会って話を続けることにしました。その女性は約束を守り,初めての聖書研究をしました。その後,すべての集会に出席し始めました。霊的食欲が増し,休暇が終わりに近づくと毎日研究しました。そして,大会に出席して地元の支部事務所を見学した後フランスに戻り,そこで引き続き霊的に進歩しています。

ジーニーは,パプアニューギニアに住む若い伝道者です。「若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え」の本を学校によく持って行きます。ある日,英語の先生がクラスのみんなに,テーマを選んで短い話を準備してくるようにと言いました。ジーニーは麻薬とアルコールについて話すことにし,「若い人が尋ねる」の本の第8部をもとに筋書きを作りました。先生は,その話にたいへん感心し,望むなら「授業の残りの時間を使って話を続けてもよい」と言いました。それでジーニーはそうしました。すると先生は,次の日に第10学年の生徒にその話をしてみないかと尋ねてきました。ジーニーは,その勧めに応じました。英語の先生は話の後に,もし学校でスピーチコンテストがあればジーニーに出てもらうと言いました。その二つの話をした結果,ジーニーは「若い人が尋ねる」の本64冊の依頼を受けました。加えて,二人の少女が「求め」のブロシュアーをほしいと言い,ジーニーはその二人と聖書研究を始めることができました。

ソロモン諸島における部族間の抗争のために,多くの兄弟たちは家や土地を失い,苦労して生計を立てています。家を破壊されていたある夫婦は,わずかな資金を使い果たすことになるのに,未割り当て区域での奉仕に参加することにしました。旅のために自分たちのカヌーを用い,奉仕を楽しみました。後に二人は,それまでで最高の証言活動だった,と語りました。関心を示した人を訪問する計画もすでに進めています。しかし,どのように生計を立てるのでしょうか。あまり奉仕されていない区域から戻って1週間ほどしてから,一人の男性が必要な資金を携えてやって来て,戦闘の際にその夫婦が後にした土地を買うことを申し入れたのです。

バヌアツのサント島では,地域大会の会場としてたいてい地元の王国会館が使われていました。しかし,2001年には伝道者が王国会館に入り切らなくなっていました。それで兄弟たちは,それまでスポーツイベントにしか使用されたことのない小さな競技場を借りました。兄弟たちが,大会の前後に競技場を清掃して幾らかの修理もすると約束したにもかかわらず,管理人は,出席者が施設を傷めるのではないかと懸念して高額の使用料を課しました。

その管理人は地元で店を経営していたので,証人たちが競技場の清掃や修理のための道具や材料を買いに来るのを見ました。それで好奇心に駆られて,何が行なわれているかを見に行きました。競技場に着くと,100人余りの自発奉仕者が,こすって汚れを落としたり,掃き掃除をしたり,ペンキを塗ったり,トイレを修理したりしていました。管理人はあっけにとられました。やがて,修理され塵一つなくなった競技場は町の話題になりました。兄弟たちが大会後に使用料を支払いに行くと,管理人の態度は一変していました。使用料を8割引きにし,今後エホバの証人は無料で競技場を使ってもよいと言ったのです。300人の伝道者は,832人が大会に出席し,13人がバプテスマを受けるのを見て胸を躍らせました。

アジアと中東

国や地域の数: 47

人口: 38億6,988万1,970人

伝道者数: 56万1,276人

聖書研究の数: 39万151件

インド支部は,テレビ放映されたビデオによって国のかなりの部分で良い証言がなされたと報告しています。あるテレビ局が,エホバの証人の製作した「聖書 ― それがあなたの生活に及ぼす力」というビデオについて聞きました。その後,ニューヨークの世界本部に手紙を書き,「ホームシャンティ」(家庭の平和)という番組に関連してそのビデオを放映する許可を求めました。承認が与えられ,インド支部によれば,そのビデオは2002年の初めに「区域全体の家庭に向けて放映された」とのことです。

イスラエルで,手話の分かる一姉妹が,街頭で耳の不自由な夫婦,ベニーとシャロンのそばを通りかかりました。姉妹が,家に帰るためのバスに乗らずに,立ち止まってその夫婦に証言すると,二人の家に招かれました。ベニーは,最初は好奇心で応対していましたが,王国の音信に純粋の関心を示すようになり,間もなく会衆の集会に出席するようになりました。しかし,全く耳が聞こえないうえに視力も非常に限られていました。ですから,集会に出かけて行き,手話通訳を理解するのは大変なことでした。しかし,ベニーは必要な努力を払い,同時に生活や人格を聖書の原則に引き続き合わせてゆきました。

ベニーが持つ障害を考えると,その進歩は注目すべきものです。集会で注解し,通訳を介してですが,神権宣教学校で生徒の話を生き生きと行ないます。最近,バプテスマを受けていない伝道者になりました。聴力と視力が限られている妻のシャロンも,後から研究を始め,よく進歩しています。もちろん,ベニーとシャロンは,新たに見いだした信仰について,聴覚障害を持つ大勢の知人にも伝えています。

日本のふくえ姉妹は,3人の子どもを通して接点のある人々を自分の畑と考えています。それには,近所の人,また幼稚園や学校や保護者会で会う人が含まれます。あいさつの時には,聖書が子どものしつけにとても役立っていることについて,気持ちを込めて一言話します。その後さりげなく別の話題に移ります。こうしてきっかけを作ってあるので,後で会話する時に聖書に触れるのが容易になると感じています。姉妹の方法は効果をあげてきたでしょうか。確かにあげています。これまでに12人がバプテスマを受け,そのうち5人が現在開拓奉仕をしています。ふくえは,自分も非公式の証言で真理を学んだので,その業に励んでいるのです。

カザフスタンの小さな町で,ある女性の子どもが病気にかかり,後に亡くなりました。その後,二人目の子が生まれましたが,その子もすぐに亡くなりました。その女性は,身体的にも感情的にも病んで入院しました。ある晩,横になっている時に,看護婦が小声で何かを言っているのが聞こえました。じっと耳を澄ますと,エホバの証人の看護婦が,自分のために名前を挙げて祈っているのが分かりました。翌朝,その看護婦は復活の希望について話して慰めてくれました。それからしばらくして,その女性は退院しました。

5年後のある日,この女性は,病院でその看護婦が述べていたのと同じ事柄について,親戚の人たちがだれかと話しているのを偶然耳にしました。女性は,その見知らぬ人がエホバの証人に違いないと確信して自己紹介をし,こうして聖書研究が取り決まりました。また5年間を無駄にするまいとの決意のもとに勤勉に研究して,すばらしい霊的進歩を遂げました。やがてエホバに献身しバプテスマを受けました。最初に出席した大会で,5年以上前に自分を慰めてくれた看護婦と会った時の興奮を想像してみてください。その女性は涙ながらにこう述べました。「あの病院であなたが静かにささげてくださった祈りを聞いていなかったら,真理を受け入れていなかったことでしょう。あの祈りに深く心を打たれました」。

台湾の銀行で20人の女性と働いている一姉妹は,職場の同僚が神の言葉に関心を持てるように,新しい方法を試すことにしました。ある日の昼休みに,「週に30分から45分ほど,昼休みに行なわれる,聖書を討議する無料の集いにおいでください」との招待状を準備しました。その討議は「聖書についての基礎知識を得るのに役立ちます」と記しました。招待状に署名して,事務所の机の上に一部ずつ置きました。その日の午後,4人が申し出に応じました。

タイのアルンという名の男性は,職場の友人を通してエホバの証人に関心を持つようになりました。「仕事仲間が証人たちと付き合いだしてから良い変化を遂げたのに気づき,自分も同じようにしたいと思ったんです」と,アルンは言います。アルンはギャンブルをし,麻薬を使っていました。以前にそれらの悪習を絶とうとしましたが,うまくゆきませんでした。結婚していたアルンは,子どもができれば責任感が強くなるかもしれないと考えた時期もありました。しかし,女の子が生まれた後も,何も変わりませんでした。「ついに,妻は我慢し切れなくなり,娘をおばに預けてわたしのもとを去りました」とアルンは言います。

アルンは,どん底にあったこの時期に,仕事仲間から王国会館に来るよう招かれました。出かけて行ったアルンは,演壇からの話はほとんど理解できませんでしたが,温かで友好的な雰囲気に好感を持ちました。その後,集会に定期的に出席するようになり,聖書研究の勧めに応じ,学んだことを当てはめ始めました。夫婦の関係をぜひとも修復したいと思い,妻にその話を持ちかけましたが,妻はアルンが本当に変化したとは信じられませんでした。アルンはこう述べています。「わたしは妻に証言し,新しい友人に会ってくれるよう頼みましたが,妻は,わたしがだまされていると言って取り合いませんでした。それでもわたしは,引き続き訪問しては妻に働きかけました。5か月ほどたって,妻は心を和らげ,わたしと一緒に集会に来てくれました。その後まもなく聖書研究の勧めにも応じました」。

現在,アルンと妻と幼い娘は,一致した幸福な家族として一緒に暮らしています。アルンと妻は,2001年にバンコクで開かれた地域大会でバプテスマを受けました。そのうえ,やはり放縦な生活をしていたアルンの弟も良いたよりにこたえ応じ,今ではバプテスマを受けていない伝道者になっています。

ヨーロッパ

国や地域の数: 45

人口: 7億2,755万200人

伝道者数: 145万6,309人

聖書研究の数: 64万7,279件

アルバニアのティラナに住む25歳のエバは,先天性の病気のために身長が113㌢しかありません。様々な困難があっても補助開拓を楽しんでいますが,身長のことでからかう人がいるのも事実です。それでもエバは怒りを表わしたりせず,すべての人に敬意を込めて接し,ほほえみを絶やしません。考え深い人はそのことに気づきます。うつ病の26歳の娘を持つ女性もその一人です。その女性は,治療法が見つかることを願いながら,娘を病院や様々な宗教組織に連れて行っていました。ある日,エバの朗らかな気質を目にして,その家を訪ねてみることにしました。エバが戸口に出ると女性は,娘と聖書を研究してもらえないかと頼みました。もちろんエバは同意しました。やがて,娘の体調が良くなり始めたので,母親も研究に加わりたいと言いました。現在エバは,母親と娘を定期的に集会に連れて行っており,二人とも霊的によく進歩しています。

ベンヤミンという名の若者は,ベルギーのクリスチャン家庭で育ちました。しかし,思春期に入って裏表のある生活を送るようになりました。聖書の原則に従って生活するふりをしながら,大酒や麻薬やたばこにふける若者のグループに入っていました。低俗な音楽も聴いていました。やがて悪霊からの嫌がらせやアルコールによる昏睡状態を経験するようになりましたが,それでも習慣性の強い麻薬を常用していました。身体の衛生を全く気に留めなくなり,重い病気になりました。どん底にあったこの時期に,いわゆる友達は少しも気遣ってくれないことに気づきました。こうなって初めて,ベンヤミンは自分の生活とその結末についてじっくりと真剣に考えました。賢明にも,真の愛を示してくれる側,つまり家族とエホバの元に戻ることにしました。

しかし最初から,その決意は試みられました。悪霊の激しい攻撃に遭い,ガールフレンドはエホバの証人の仲間にならないでほしいと訴え,カトリックの司祭や背教者に説得を依頼することまでしました。しかしベンヤミンは,両親や会衆の長老たちからの愛のこもった辛抱強い助けを得て,エホバに対する生きた信仰を築き始め,神の律法が本当に「完全で,魂を連れ戻す」ことを認識しました。(詩 19:7)こうして,ついに過去の生き方をきっぱり捨てました。健康も回復し,真の幸福を得ています。

イギリスのフランス語会衆の一夫婦は,街路伝道の際に,ジンバブエから来た二人の女性に近づきました。その証人たちは,自宅での無料の聖書研究を勧めていることを説明し,フランス語が話せるかどうか尋ねました。二人は,話せないと答えたものの,神の言葉を研究したいとの願いを言い表わしました。二人ともすぐに会衆の書籍研究に出席するようになりました。初めての書籍研究が終わると,一人の兄弟が,『2002 年鑑』の20ページに載っている,ジンバブエのネイサン・ムチングリの経験を二人に見せました。21ページのムチングリ兄弟姉妹の写真を見て,二人は驚きの声を上げました。そこに写っていたのは自分たちの祖父母だったのです。二人の女性は,自分たちがジンバブエで家族や親戚と遠く離れて暮らしていて,連絡が途絶えていたと説明しました。その「年鑑」をもらえないかと尋ねたのも不思議ではありません。今では定期的に研究しており,祖父母の忠実な模範に力づけられています。

二人の姉妹がチェコ共和国の孤立した区域で奉仕していた時に,もてなしの精神に富む女性に会い,家に招き入れられました。しかし,その女性は,「霊の賜物」を持つとはどういうことかなど,聖書のある論題についてはっきりとした意見を持っていました。(コリ一 14:12)しかも,「新世界訳聖書」を読もうとせず,代わりにエキュメニカル訳を用いるほうを好みました。実りのなさそうな話し合いを1時間ほどしてから,姉妹たちは列車に間に合うように急いで帰らなければなりませんでした。その難しい訪問を終えて,内心ほっとしていました。ところが,片方の姉妹が,聖書とメモをその女性の家に置き忘れてきたことに気づきました。また訪問しなければなりません。そうしたところ,喜ばしい,意外な展開になりました。その女性は,姉妹の聖書を失礼ながら見させてもらったと打ち明け,訳文の質の高さ,相互参照,語句索引に感心した,と述べました。そのうえで,「新世界訳」を1冊いただきたいと言いました。さらに,聖書研究にも応じました。それ以来,その母親も一緒に研究しています。

アイスランドのレイキャビクに住むある姉妹は,漁業訓練プログラムを主催する海洋研究所で働いています。最近,様々な発展途上国から14人が6か月の課程に参加しました。姉妹は,訓練生各自に「あなたのことを気づかう創造者がおられますか」の本を勧めました。英語,スペイン語,中国語,ベトナム語,ポルトガル語でその本を入手しておいたのです。14人全員が本を受け取りました。ベトナムから来た男性と女性は,自国語の出版物を見て顔を輝かせました。「とても信じられません。驚きました。どうやって手に入れたんですか」と男性は言いました。あるウガンダ人は,すでにその本を知っており,ほかの人に薦めました。キューバから来た一人の女性は,13歳の娘が人生に関する難しい質問をするようになったので1冊ほしいと言いました。

訓練生が帰国の途に就く前に,姉妹は,教室のテーブルに文書(「知識」の本10冊,雑誌30冊,ブロシュアー10冊)を置いたことを知らせ,持って行って帰りの飛行機の中で読むように勧めました。言うまでもなく,訓練生たちが帰国した後の月曜日の朝,姉妹はまずそのテーブルのところに行きました。「『知識』の本や雑誌が幾らか残っているだろうと思っていたのですが,テーブルには何もありませんでした」と述べています。

ラトビアのある青年 ― 名前はアルトゥールとしておきましょう ― は神に関心がありませんでした。それでもこの青年は,人間が類人猿から進化したとするのは受け入れがたいと感じていました。1996年に,アルトゥールはある事件にかかわって刑務所に入れられ,そこで人生についてまじめに考え始めました。両親は面会の際に,息子の助けになるかもしれないと思って,聖書を読むように勧めました。1998年のある日,アルトゥールが手紙を書いていると,同房の受刑者が,筆記用の台にするようにと本を渡してくれました。それは偶然にも「あなたは地上の楽園で永遠に生きられます」の本でした。アルトゥールは興味を引かれて本を開き,心を奪われ,3日で全部読み切りました。別の受刑者は,自分の監房に「知識」の本を1冊持っていました。その人は,アルトゥールが聖書に関心を持っているのに気づいて,その本を譲りました。また,自分が知っているエホバの証人の住所も知らせました。

アルトゥールはその証人に手紙を書き,それ以来,手紙での聖書研究が始まりました。2000年4月に刑務所から釈放されると,すぐに会衆の集会に出席し始めました。ところで,以前に聖書を読むように勧めた両親はどうなったのでしょうか。アルトゥールは当然ながら,新たに見いだした信仰について両親にも伝えました。どんな結果になったでしょうか。二人も神の言葉の研究を始めました。2002年3月の特別一日大会で3人そろってバプテスマを受けた時の喜びを想像してみてください。

スペインで,ある若い整形外科医が聖職者になるために神学校で勉強していました。しかし,ますます分からなくなり,3年後,無神論者になってそこを去りました。エホバの証人に対して否定的な意見を持っていましたが,神学校で何年も過ごした自分が聖書をほとんど知らないのに,そのような“普通の”人々がどうして聖書をしっかり理解できるのかを知りたいと思っていました。ある時,病院のスタッフから偏見に満ちた扱いを受け,証人たちに対する関心が高まりました。証人たちが時折それに似た扱いを受けることを思い出したのです。その外科医は,この経験の後,無料の家庭聖書研究の勧めに応じました。程なくして,学ぶ事柄に深い感動を覚えるようになり,週に3回も研究しました。また,すべての集会に出席し始め,神権宣教学校に入校しました。そして最近バプテスマを受けました。

アフリカ

国や地域の数: 56

人口: 7億3,954万3,571人

伝道者数: 91万5,262人

聖書研究の数: 155万572件

ベニンでは,王国会館建設が,兄弟たちの間に熱意を大いにわき上がらせ,良い証言となっています。ある王国会館の献堂式で,地元の名士がエホバの証人の一人にこう言いました。「皆さんの教会は,この辺りで最も美しい崇拝の場所です。今後もずっとそうでしょう。熱心なカトリック教徒であるわたしがなぜそう言うと思いますか。つい最近,わたしたちのカトリックの団体は,1950年代に始まった教会の建設を完成させるために1,700万CFA[約280万円]を受け取りました。でも僧職者がそのお金を流用しました。市内の別の場所にあるカトリックの団体は,地元に教会を建てるために300万CFA[約50万円]を貯めていましたが,そのお金も“消えて”しまいました。ですから,この建物はこの都市で最も美しく,これからもずっとそうだ,と言えるんです」。

ある国々では,呪物に対する愛着のゆえに,新しい人が聖書の真理の側に立場を定めるのが難しくなっています。呪物の前で毎日儀式を行なっていた,コートジボワールの一家族の例を取り上げましょう。娘の一人が,聖書の真理の側に立場を定め,偽りの崇拝に加わることを拒むと,家族はその子に呪いが臨むことを恐れました。それでも少女は堅く立ち,そのために反対が生じ,家を出なければなりませんでした。しかし,家族を恨んだりせず,引き続き家族のもとを訪れました。

その結果,祖母が聖書に関心を持つようになり,家に戻ってくるようにと言ったので,少女はそうしました。祖母は霊的に進歩し続け,62歳でバプテスマを受けました。少女の母親も,祖母が学んだ事柄に好感を持って神の言葉を研究し始め,今ではその母親もほかの人に証言しています。こうして3世代が偽りの崇拝から自由にされました。これもすべて,少女がエホバへの忠誠を保ち,家族に愛を示すことをやめなかったからです。

モザンビークで,兄弟たちは刑務所を定期的に訪問して受刑者との聖書研究のクラスを司会しています。2001年にそのような刑務所の一つで脱走事件が起きました。しかし,聖書研究のクラスに出席していた受刑者たちは逃げようとしませんでした。当局はこれを見て,エホバの証人の働きを称賛しました。今ではすべての受刑者に,兄弟たちとの研究を勧めています。二人の受刑者は,行状に著しい改善が見られたため,すでに刑期を短縮されました。そのうちの一人は,次回の地域大会でバプテスマを受けることを心待ちにしています。

ナミビアに住む27歳のジュディスは,自動車事故に巻き込まれて首から下が麻痺してしまいました。『どうして自分がこんな目に遭うのか』と思い,自殺を考えるようになりました。様々な教会の人々が訪ねてきては,再び歩けるようにと祈りました。その人たちは,祈りが聞き届けられないと,神が何らかの理由で罰を与えているに違いないとジュディスに言いました。これを聞いて,ジュディスはますます自殺を考えるようになりました。しかし,神がなぜ自分に罰を与えておられるのかをまず知りたいと思いました。それである日,地元の教会の牧師を家に呼んでほしいと母親に頼みました。牧師の到着を待っている間にエホバの証人が訪ねてきました。ジュディスは,聖書が自分の気掛かりな疑問に答えてくれるのではないかと期待して,「知識」の本を用いた家庭聖書研究の勧めに応じました。「神が苦しみを許しているのはなぜですか」という第8章を学んだ時に,自分の事故は神が引き起こしたものではないことが分かりました。「悪いことはエホバから来てはいないと知った時の安堵感と喜びを想像していただけるでしょうか」と感嘆の声を上げました。ジュディスは研究を続け,エホバに献身しました。今では,再び健康になれる新しい体制を心待ちにしています。

1994年のルワンダでの大量虐殺の際に,チャンタルという若い女性は隣国のブルンジに逃げました。その国で,「あなたは地上の楽園で永遠に生きられます」という本を手に入れて,全部読み切りました。ルワンダに戻ってからは,家族で孤立した地域に住んでいたために証人たちを見つけることができませんでした。しかし母親が,市場で証言していた二人の王国伝道者に会いました。伝道者たちはチャンタルに会えるように,自分たちが市場に来る予定の日付を紙切れに書いて母親に渡しました。チャンタルは,指定された日付の一つにあたる日に,市場の入口の脇に座って,通りかかる人の目に留まるようにその紙切れを掲げていました。兄弟たちがそれを見つけてあいさつした時,チャンタルはどんなに喜んだことでしょう。兄弟たちは純粋の関心を見て取り,近づく記念式に招きました。チャンタルは,集会場所まで徒歩で2日かかるのに出席しました。

それ以後,遠くても集会に定期的に行くようになりました。残念なことに家族が反対し始めました。ある時,一人の兄は,なたを持ってチャンタルを家から追い出すことさえしました。それでもチャンタルは堅く立ちました。1年後,集会場所が家に近くなりました。といっても,やはり徒歩で8時間ほどかかりました。それでも,チャンタルは初めて聖書研究を司会してもらえるようになりました。やがてエホバに献身し,今では正規開拓者として奉仕しています。家族はどうなったのでしょうか。態度をすっかり変化させました。家からチャンタルを追い出した兄は今では正規開拓者で,弟は最近バプテスマを受け,母親はバプテスマを受けていない伝道者です。さらに,その地域に孤立した群れが設立され,家族は今では歩いて5分で集会に行くことができます。

テンビシレは熱心な姉妹で,スワジランドにある王族の村落,つまり囲いを巡らした敷地のそばに住んでいます。その村落の住人に証言したいと思いましたが,警備が厳しく,困難でした。その件について祈ってから,勇気を奮い起こしてその村落に向かいました。警備員たちに証言すると,その一人は「あなたも神の友になれます」のブロシュアーを受け取りました。警備員たちは,尋問と所持品検査をした後,たいへんうれしいことに,姉妹を中に通してくれました。テンビシレは,住人が友好的であることにも驚きました。今ではその区域で定期的に奉仕しており,3件の聖書研究を始めました。さらに,今では警備隊も温かく迎えてくれます。実際,ある日のこと,警備員の一人は,「奥さん,どうぞ自由にお入りください。ここで立派な活動をしてくださっていますね」と言いました。

南北アメリカ

国や地域の数: 56

人口: 8億751万7,534人

伝道者数: 302万3,062人

聖書研究の数: 267万6,288件

アルゼンチンの小さな町で,二人の特別開拓者は,けがをした犬を手押し車で運んでいる夫婦を見かけました。開拓者たちは,その夫婦と犬を獣医のところまで車に乗せることを申し出ました。夫婦は感謝して申し出を受けました。というのも,近所の人はだれも,手伝うことを申し出なかったからです。開拓者たちは,その男性がカトリックの伝道師であり,聖人をたたえて行なわれる地元の行列すべてに妻と共に参加していたことを知りました。二人は,カトリック教会に深くかかわっていましたが,「ものみの塔」誌と「目ざめよ!」誌を受け取りました。開拓者たちは,この夫婦を2年ほど訪問した後,記念式に招きました。記念式の晩は豪雨でしたが,夫婦はやって来て,温かい歓迎に感銘を受けました。さらに,初めて主の晩さんの意味を理解したと語りました。今では,カトリック教徒の隣人たちに何と言われるかを気にせずに,定期的に聖書研究を楽しみ,すべての集会に出席しています。

バルバドスで証言している時に,開拓者の姉妹ともう一人のエホバの証人は,通りを歩いていて,戸口に立っている女性のそばを通りかかりました。二人はその女性に証言し始めましたが,驚いたことに,その女性はだれかを待っていたかのように,「どうぞお入りください。聖書を取ってきます」と言いました。姉妹たちは家に入り,一緒に腰掛けて,「求め」のブロシュアーの第1課を用いて研究の方法を示しました。その後,この女性は開拓者の姉妹に,今朝,電話で無料の家庭聖書研究を勧めたのはあなたですか,と尋ねました。姉妹はこう説明しています。「それはわたしではないと答えました。ですから,だれにせよ電話した人は現われなかったようでした。しかし,わたしたちがちょうど午前11時半にそこに来てよかったと思います。その時間に研究が行なわれることになっていたんです」。この女性はよく進歩しており,すでに集会に出席しています。

青空市場は,証言のための実り豊かな区域となることがあります。ボリビアの一宣教者はこう述べています。「青物市場で荷車の品物を売っていた女性に,主人がパンフレットを配布しました。その女性は友好的だったので,わたしは戻って,『求め』のブロシュアーを用いた聖書研究を勧めました。『ここで勉強するんですか』と聞かれたので,『構いませんよ。慣れていますから』と答えました。それで,今ではわたしが行くと,その女性は腰掛けを出します。わたしたちは荷車の真横で研究します。その人は,客が来ると相手をして,それからまた研究を続けます」。

カナダに住む女性は,友人から「新世界訳聖書」を1冊受け取りました。読んでとてもよかったと感じ,もっと知りたいと思いました。それで,インターネット上のエホバの証人の公式サイト(www.watchtower.org)を閲覧し,その後,聖書研究と「知識」の本を依頼する手紙を書きました。二人の姉妹が訪問してその本を渡すと,その女性はしっかりと手に取り,翌朝までに全部読むと言いました。次の日の晩に初めての集会に出席し,兄弟姉妹と共にいることをすぐに心地よいと感じました。霊的に急速な進歩を遂げ,今ではバプテスマを受けていない伝道者となり,近いうちにバプテスマを受けるつもりでいます。

コロンビアに住むソルという女性は,障害を抱え,寝たきりになっていました。自分の家族以外にはだれとも会おうとしませんでした。ある日,近所に住む一人のエホバの証人が,ソルのためにということで,その母親に「ものみの塔」誌と「目ざめよ!」誌を何冊か渡しました。やがて,ソルはその証人に会うことに同意し,聖書研究を勧められました。ソルは勧めに応じ,1年ほどたって記念式に出席しました。家から出るのは7年ぶりでした。その二日後,初めて大会に出席しました。今でもソルは上体を起こすことさえできませんが,野外宣教に参加しています。どのようにするのでしょうか。兄弟たちが,自分たちで作った特製ベッドにソルを載せて,戸別伝道に伴うのです。ソルの模範と励ましによって,母親は今ではバプテスマを受け,兄弟のうち二人は開拓者となっています。

コスタリカで,任命されてまだ間もない特別開拓者の夫婦が,区域内のある女性を訪ねました。その家に着いて,エホバの証人の地元の支部事務所が,エホバの証人で米国に住む義理の娘さんから,義理の母親を訪問するように依頼する電話を受けたことを話しました。その開拓者の夫婦は,こう述べています。「驚いたことに,その65歳の女性は泣き出しました。わたしたちがもう訪ねて来たことが信じられないと言いました。義理の娘と話をして,エホバの証人の話を聞くように勧められたのがつい最近のことだったからです。わたしたちがこんなに早く来るとは思ってもみなかったのです」。

その開拓者たちによると,この女性がエホバの証人と快く話をしたのはそれが初めてでした。この人は活発なカトリック教徒で,それまで12年間,ほかの人を教えるためにカトリックの信条を掘り下げて研究することまでしていました。開拓者たちは,聖書とエホバの証人に関してその人が抱いていた多くの疑問を解くことができて喜びました。その後,女性は聖書研究に応じました。この人の夫と娘も,神の言葉についてもっと知りたいと思っています。

プエルトリコのベテル家族の一人は,こう述べています。「『警察 ― なぜ必要ですか』という表題の2002年7月8日号の『目ざめよ!』誌を警察本部の警部に持っていくことにしました。その人は,その記事にたいへん感心し,その雑誌を地元の市長と地域の他の警察署にも持っていくよう勧めてくれました。実際に,別の警察官は,わたしが警察の車に乗ってほかの警察署すべてを回れるように手配してくれました。さらに,その警察官は,わたしがそれ以降の記事を部下の隊員たちに届けることを許可してくれました。そして,『これによって警察は必要な心理的また精神的な助けを得るでしょう』と言いました」。そのベテル奉仕者は,1か月で八つの警察署を訪れ,多くの警察官から,もっと雑誌がほしいと言われました。全部で164冊の雑誌を配布し,5人が雑誌経路になりました。

トリニダードトバゴで,25年間ナザレ派の教会の著名な会員であった女性が,仕事仲間に誘われて巡回監督の話を聞きに行きました。集会が終わってから,巡回監督はその女性に近づき,友好的な会話を交わしました。女性はこのことに驚きました。その女性の教会では,人種や階級ごとに交流を持つ傾向があったからです。実際,その女性は夫と人種が異なっていたので,仲間の教会員から不親切な扱いを受けていました。そのため,王国会館で経験した事柄と,巡回監督からの個人的な励ましに心を動かされ,聖書研究に応じました。半年足らずでバプテスマを受けていない伝道者になり,宣教に毎月70時間から100時間を充てています。2002年の「王国を熱心にふれ告げる人々」地域大会でバプテスマを受け,今では正規開拓者になりたいと考えています。また,7歳になる娘を援助しており,その子は現在,神権宣教学校で話をします。

ウルグアイで,十字架の付いたネックレスを戸別に販売するセールスマンが,あるエホバの証人の家を訪れました。その姉妹は,この機会を活用して,なぜそれを買うわけにはいかないかを聖書から説明しました。セールスマンは,その意見を尊重しただけでなく,霊的な事柄に関心があると言いました。事実,自分が持つ疑問の答えを得るために幾つかの宗教に接してみたが,無駄だったと述べました。そして結局,教会は人々を霊的に援助することよりも金銭に関心があるという結論に達していました。この人が去る前に,姉妹は王国会館に招きました。

以来,姿を見せなかったそのセールスマンが,1年ほどして再び戸口に現われました。姉妹がたいへん驚いたことに,その人はこう言いました。「今回伺ったのは,何かを売るためではありません。わたしが『知識』の本の第15章まで進んでいることをお知らせするためです」。その人は,家族全員が研究をして集会に出席していると説明しました。そして別れ際に,「来週末の大会でお会いしましょう」と言いました。

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ニュージーランド

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タヒチ

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パプアニューギニア

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タイ

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インド

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日本

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イギリス

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アルバニア

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スペイン

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ナミビア

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ベニン

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コンゴ(キンシャサ)

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カナダ

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トバゴ島

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ボリビア