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全地で宣べ伝えて教える

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全地で宣べ伝えて教える

アフリカ

国や地域 57

人口 8億7,800万158人

伝道者 117万1,674人

聖書研究 238万2,709件

ベナン

クロードと妻のマリー-クレールはこれまで27年,宣教者として熱心に奉仕しています。2月にマリー-クレールは転倒して足を骨折しました。その2週間後,今度はクロードが宣教者ホームで仕事をしている時に転んで,やはり足を骨折しました。こうして二人ともギプスをはめることになり,マリー-クレールは右足を,クロードは左足を固定されました。クロードはおどけて,「僕たちは何でも一緒にするんです」と言います。

クロードはギプスをはめながらも出かけることができましたが,マリー-クレールは何週間も家から出られませんでした。司会していた12件の聖書研究のうち4件は宣教者ホームに来てもらって行なえましたが,それ以外の奉仕に携わることはできませんでした。それで,宣教者ホームの前にテーブルを置いて出版物をいっぱい並べ,座りながら通行人に話しかけることにしました。3月にはそこでの奉仕に83時間を費やしました。エホバは姉妹の意欲を祝福してくださり,その月に書籍14冊,ブロシュアー452冊,雑誌290冊,パンフレット500枚以上を配布したのです。

エチオピア

僻地の村に住むアレガは,家に壁紙を張ることにしました。この国では新聞紙を壁紙にする人もいますが,アレガは色の付いた紙を張りたいと思いました。市場に行くと,ある人が「地上での生活を永遠に楽しんでください」というブロシュアーを提供していました。アレガはそれを受け取り,読まずにページを外し,家の壁に張りました。2年後,その“壁紙”の『イエスは神のみ子でした』という一文が目に留まります。自分が聞いた,なぞめいた三位一体の教えとはずいぶん違っていました。アレガは興味をそそられ,いちばん近い町まで9時間歩き,神にはみ子がいると説く人を探しました。しかし見つけることができず,がっかりして家に帰りました。後に,もう一度探すことにしました。今回は,そのブロシュアーを提供した兄弟の家を教えてもらえました。家に行ってみると留守でしたが,アレガの決意は固く,帰ってくるまで何時間も待ちました。ようやく話を聞くことができ,聖書研究が始まりました。それからの月々,アレガは何度も町まで足を運んで神について学びました。学んだ事柄を自分の村で話したところ,強い反対を受け,多くの人からのけ者扱いされましたが,それでもやめませんでした。すると幾人かの人が関心を持つようになりました。関心を持つ人が13人になった時,二人の特別開拓者がその地域に遣わされました。やがて二人は聖書研究を40件以上司会するようになり,集会にも40人近くが出席し始めました。今その地域では,地元の8人の伝道者が活発に奉仕しています。壁紙にしたカラーの挿絵がきっかけとなって,今ではアレガもわたしたちの兄弟です。

ガーナ

アフリカの各地では携帯電話が急速に普及し,“通信革命”が起きていると言われています。多くの会社は利用者を獲得しようと,夜間に無料で通話できる時間帯を設けています。グレースという姉妹は,それを活用しています。姉妹にはモニカという聖書研究生がいましたが,モニカはいつも用事がいろいろあって忙しく,なかなか研究ができませんでした。グレースは研究が続けられるよう手を尽くし,早朝の5時にモニカの家に行くことさえしました。しかしモニカの予定が変わり,その時間でも都合がつきませんでした。そんな時グレースは,夜間の無料通話を活用することを思いつきました。モニカもそれに同意し,二人は午前4時に電話で研究することにしました。しかし残念ながら,その時間に電話している人が多くて,ほとんどつながりませんでした。そのため,もっと早く起きて午前3時に研究することにしました。二人とも仕事を持つ母親だったので,それはたいへんなことでした。グレースはこう言います。「研究生が関心を保てるよう,引き続き研究を司会するための力と意欲を与えてくださいと,エホバに祈りました。携帯電話のアラームをセットし,自分にむち打ってその時間に起きました。とても疲れていましたが,そのためにあきらめたりしませんでした」。グレースの努力は豊かに報われました。2008年の「神の霊による導き」地域大会で,モニカがバプテスマを受けるのを見ることができたからです。最近グレースは別の女性と,夜間の無料通話を利用して研究しており,その人は集会に出席し始めています。

モザンビーク

2008年8月,走行中の車から背広の上着が飛ばされ,泥で作った小屋のそばに落ちました。そこは貧しいやもめの姉妹の家でした。姉妹が上着を拾うと,ポケットには書類や,高価な宝石の入った小さな袋が三つ,それにほぼ10万円に相当する現金が入っていました。姉妹は,村で電話を持つ人に,書類に載っている番号に電話をかけ,上着を拾ったことを何としても伝えてほしいと頼みました。その晩,4人の男性が車で村に駆けつけました。村の役人たちが立ち会う中,姉妹は上着とポケットの中身をそっくりそのまま持ち主に渡しました。男性は思わず泣き出し,エホバの証人でない人に拾われていたら持ち物はまず返ってこなかっただろうと言いました。貧しいとはいえ,この忠実な姉妹の行為は地域の人々にりっぱな証言となり,エホバ神のみ名を大いに賛美するものとなりました。

南北アメリカ

国や地域 55

人口 9億1,076万1,124人

伝道者 357万5,123人

聖書研究 377万8,321件

バルバドス

多くの親は,子どもに聖句を暗記させることが益になると感じています。グレナダに住むある家族は,6歳の息子が聖句を用いて,エホバがすべてのものに勝る方であるという真理をはっきり伝えたことを知って喜びました。父親はこう書いています。「ある日の午後,妻のローラが息子のステファンを迎えに学校に行ったところ,担任の先生が妻を呼んでこう言いました。『ステファンはすばらしいお子さんだということを,どうしてもお伝えしたかったんです。わたしは別の信仰を持っていますが,ステファンが自分の信じていることをとても上手に表現できるので,感心しました』。

「家に戻るや,妻は先生が褒めた理由を知ろうと,学校で何があったのか息子に聞きました。息子によると,1時間目の授業で先生は,『イエス様は神です』と言ったそうです。

「ステファンは手を挙げて指されると,こう言いました。『先生,ちがいます。イエスは神ではありません。イエスはエホバのと聖書に書いてあるので,エホバと同じではありません』。

「先生は,『そうかしら? わたしはイエスとエホバは同じだと思うわ』と返しました。

「するとステファンはこう言いました。『でも聖書には,エホバだけが至高者であると書いてあるので,イエスはちがいます。至高者はエホバだけです』。ステファンは詩編 83編18節を引用していたのです。それは以前に,暗記させて意味を教えた聖句でした。その先生は考え深い人でしたが,6歳の子どもが持つ聖書の正確な知識には太刀打ちできなかったのです」。

エクアドル

幾人かの兄弟がキチュア語の話されている田舎の区域で奉仕した後,帰りのバスに乗りました。そのバスにはビデオの装置があったので,兄弟たちは許可を得てノアとダビデについてのキチュア語のビデオを流しました。大勢の人が乗っており,みなキチュア語を話す人でした。乗客は,自分の言語のビデオを見て驚きます。そのビデオにすっかり見入って,途中で乗ってきた客に,立っていては見えないので早く座るよう言いました。上映が終わると,多くの人がそのビデオを欲しがりました。聖書に関する質問をしたり,文書を求めたりする乗客もいました。ある人たちは,自分の住む町で訪問を受けられるよう,住所と名前を教えました。キチュア語で行なわれる記念式の招待状を全員が受け取りました。その地域で非常に多くの人が記念式に出席したのは,そうした出来事があったからに違いありません。

メキシコ

ガビノという開拓者の兄弟は,家から家に伝道していた時,ある家のドアをノックしました。返事がなく,2回,3回とノックし,少し間を置いてから4回目のノックをしました。するとドアが開き,思い詰めたような表情の男性が涙を流して立っていました。男性はガビノを家に招じ入れましたが,感情が高ぶっていて何も話せませんでした。ガビノが良いたよりについて優しく話し始めると,やがて落ち着きを取り戻します。男性は,「そこにある椅子が見えますか」と言い,こう続けます。「あなたが3回目にノックした時,わたしは椅子の上に立っていました。椅子の上にロープが下がっているのが見えますか。4回目のノックの時,首にロープをかけていたんです。でも応対に出ようとロープを外しました。何度もノックしてくださったことに感謝します。あなたがそうしなかったら,今ごろは首を吊っていたことでしょう」。その人は事情を説明し,妻との間で問題を抱え,ひどく落ち込んでいたと言いました。ガビノは聖書研究の約束をしました。兄弟は普通,ドアを一,二回しかノックしません。しかし,このたびは何度もノックして良い結果になりました。み使いによる導きだったのかもしれません。

チリ

関心を持つ人をキリストの死の記念式に招待するキャンペーンの最中に,ある姉妹は,近づいてきた小さな女の子から「あなたは何歳ですか」と聞かれました。姉妹はその質問に戸惑いながらも,「あなたは何歳なの?」と聞き返しました。その子は6歳だと答え,お母さんからエホバの証人に渡す手紙をあずかってきた,と言いました。母親は娘に,子どもでもお年寄りでもないエホバの証人を探すよう頼んでいたのです。姉妹が,自分は25歳だと答えると,女の子は手紙を渡しました。手紙にはこう記されていました。「皆さんは何度か訪ねてこられましたが,ドアを開けて応対する力が出ませんでした。わたしは重いうつ病で,神に助けを求めることもありました。皆さんの話を聞き,聖書も読みたいと思っていますが,どうしてもできません。どなたかと聖書を学びたいのです。わたしは結婚に失敗し,立ち直るための助けを必要としています。もし助けていただけるなら,今日の午後,家に来てください。午前中は起きることができません。どうかお願いします」。

その日の午後,姉妹は女性を訪問し,記念式と特別講演に招待しました。どちらの集まりも,その女性にとって本当に慰めとなりました。それ以来,集会に定期的に出席し,「聖書は実際に何を教えていますか」の本による研究も順調に進んでいます。6歳の娘はどうなったのでしょうか。その子と12歳の姉も聖書研究を司会してもらい,喜んでいます。

プエルトリコ

ある姉妹はこう書いています。「街路で雑誌を提供していたところ,一人の若い女性が車のタイヤに空気を入れていました。その人に近づくと,わたしが話しかける前に相手のほうから『ものみの塔』と『目ざめよ!』があるかと聞いてきて,ぜひ読みたいと言われました。自宅での聖書研究を勧めましたが,それはできないということでした。その人は母親の家の2階に住んでおり,母親がエホバの証人に強く反対していたからです。住所を尋ねると,通りの名前だけ教えてくれました。別の日に,わたしは聞いた場所に行き,彼女の家を探しましたが,見つかりませんでした。後日もう一度そこに行き,二人の小さい子どものいるナンシーという女の人を知っているか,近所の人に尋ねました。うれしいことに,ついに彼女の住所が分かりました。しかし,訪問しても留守なので,何度か雑誌とメモを残してきました。その後,ついに会えた時,彼女は泣き出して王国会館に行きたいと言いました。そして実際にやって来て,兄弟姉妹が示し合う温かい愛を快く感じました。ナンシーによると,彼女が家に帰る前に母親がメモと雑誌を処分してしまっていたようです。それでわたしが訪問していたことを知らなかったのです。ナンシーは姉の家で聖書研究を始め,すぐ集会に定期的に出席するようになり,今も欠かさず来ています。神権宣教学校にも入校しました。集会でナンシーと二人の小さな子どもが注解するのを聞くと,うれしくなります」。

アジアと中東

国や地域 47

人口 40億7,355万6,172人

伝道者 63万5,896人

聖書研究 57万9,554件

韓国

王国会館の近くに住む男性は,家の前に停めていた自分の車にメモがはさまれていることに気づきました。そこにはこう記されていました。「駐車する際に誤ってあなたの車に傷をつけてしまいました。修理させていただきたいので,ご連絡ください」。男性は近くの王国会館に来る証人たちの振る舞いを目にしていたので,『この正直な人はエホバの証人に違いない』と思いました。

メモを残したのはスヨンという姉妹でした。男性から電話を受けた時,まず謝り,車を修理したいと言いました。すると男性は,「もしかしたらあなたはエホバの証人ですか」と尋ねました。スヨンはとても驚きました。男性は,車は自分で直せるので心配しないでいい,と言いました。それから,エホバの証人について尋ねたいことがあるので会えないだろうか,とも言いました。スヨンは,父親ともう一人の兄弟と共に,その男性に会いに行きました。男性はこう言いました。「王国会館の近くに住んでいるので,エホバの証人の様子をよく目にしてきました。皆さんはいい人たちですね。なぜ嫌われているのか理解できません」。スヨンの父親は,聖書と「聖書は実際に何を教えていますか」の本を用いて,多くの質問に答えました。この人は今ではスヨンの父親と定期的に聖書研究をし,霊的によく進歩しています。

業が制限または禁止されている国々

陸軍大佐のある男性は,妻がエホバの証人で,真理によって良い影響を受けたことに感心していました。それでこの男性も聖書研究の勧めに応じました。この人の上官である大将はそのことを知って,話をするため自分のところに呼びました。大将は,エホバの証人と会うのをやめないなら,国の僻地に飛ばされるだろう,と告げました。大佐は,妻が長年聖書を学んでいることに触れ,危険な要素は何も見られないので研究をやめるつもりはないと,堂々と答えました。しばらくして,大佐は退役することにしました。今ではバプテスマを受けており,正規開拓者また奉仕の僕です。興味深いことに,例の大将の妻も聖書研究を始めました。大将は妻の研究もやめさせることができず,今では彼女も正規開拓者として奉仕しています。

別の国で,ある姉妹は若い女性と聖書研究を始めました。その女性の夫は研究に強く反対し,家ではできなかったので,小さな公園で学ぶことにしました。研究中に,年配の男性が散歩しながら二人の周りを歩き回り,様子を見たり会話を聞いたりしていました。ある日,その人が二人に近づいて聖書について幾らか尋ねました。次の研究の時もやって来て,同じようにしました。研究していた女性は少しいらだち,「研究は1時間しかできないのに,あなたが来てたくさん質問するので,学ぶ時間がなくなるじゃないですか」と言いました。そのため姉妹は別の兄弟に男性と研究するよう頼みます。男性は霊的に急速に進歩し,集会に出席し始めました。毎週日曜日に,この男性がきちんとした身なりで,書類かばんを手にして家を出る様子を,近所に住む二人の女性が見ていました。どこに行くのだろうと好奇心に駆られた二人は,その人が“新しい宗教”に入ったことを知ります。どんな宗教かと思って後をつけると,王国会館に行き着きました。数人の姉妹がこの二人に声をかけ,聖書を研究したいかどうか尋ねました。一人が勧めに応じました。こうして3人の人 ― 公園で研究していた若い女性,そこで話しかけてきた男性,その男性の後をつけてきた女性 ― が霊的によく進歩し,最近バプテスマを受けたのです。

カンボジア

ルーイというカンボジアの開拓者の姉妹は,自転車で定期的に村まで出かけます。その村には高床式の竹で出来た家々が並んでおり,姉妹はそこで聖書研究を司会しています。記念式の三日前,研究生の家で記念式の意義について説明していた時,何を話しているのかと子どもたちが集まってきて,質問し始めました。子どもの数はだんだん増えてゆきました。ルーイは記念式の招待状を57枚渡しました。翌日,ルーイは別の研究を司会するため自転車で村にやって来ました。研究生は,親族や友人も出席を望んでいると言ったので,ルーイは研究生が渡せるよう,招待状を20枚置いてゆきました。ルーイは,招待した人全員を記念式に連れて行けるかどうか心配になります。祈った後,一人の研究生の父親に相談しました。その人は村の代表を務めていました。研究生の父親はルーイに,トゥクトゥクを1台手配すれば全員が行けると言いました。それは,客が乗る小さな車両をバイクで引く乗り物で,通常は4人掛けです。でも,立ったりだれかのひざの上に座ったりすればみんなが行ける,と言うのです。この村から18人が出席し,ルーイは大喜びしました。

インド

オートリキシャを運転している一人の兄弟は,機会をとらえて乗客に証言しました。乗客の女性は新聞記者で,兄弟が勇気をもって証言したことに感銘を受けました。その地域では,エホバの証人が伝道中に反対者に襲われるという事件が起きていたからです。その人は,兄弟とのやり取りを全国版の記事にしようと思いました。こう書いています。「ちょっと意地の悪いこんな質問をしてみました。『今日のニュースを聞きましたよね。州内の各地であなたの仲間が暴力を振るわれ,あなたたちの教会が襲撃されたという事件ですけど』。その人は,『ええ,今日の新聞で読みました』と答えました。『じゃあ,[反対者が]これからもあなたたちに危害を加えるならどうしますか』と聞きました。男性は首を振って,『それは大きな問題ではありません。これからも[真理を]守り続けます』と答えました」。

その記者は,証人である運転手から受け取ったパンフレットについて,こう書いています。「家でパンフレットをバッグから出しました。現実離れしたのどかな光景で,緑の草原,湖,花を咲かせた木,穀物や果物の収穫の様子,雪を頂く山が描かれています。『平和な新しい世での生活』と題されていました。中は宗教的な内容でした。普通,サリーの店や生活関連情報などの広告を渡されて文句を言う人はいません。でも平和な新しい世が訪れるという話を持ち出すと,途端に憎まれるのです」。

フィリピン

サンボアンガ地方には高い山があります。200㌔離れた所からでも頂上が見えるほどの山です。その山の近くに住む兄弟たちは,野外奉仕の時によく冗談で,「もしあの山のてっぺんに関心のある人が住んでいたらどうする?」と言っていました。ある日,その山のふもとで伝道していると,一人の男性が近づいて来て,エホバの証人を探していると言いました。聖書を学びたいので助けてほしい,と言うのです。兄弟たちが,どこに住んでいるか尋ねると,男性は山頂を指差しました。兄弟たちは絶句しました。男性は続けて,家は山の頂上ではなく裏側にあるが,そこに行くには山頂を越えるしかない,と説明します。兄弟たちはショックから立ち直ると,行くことに同意しました。聖書研究が始まり,今では男性は集会に出席するため,家からかなり遠い王国会館に毎週通っています。この男性も,「エホバの家の山」に流れのように向かう,すべての国の民に加わっています。―イザ 2:2

ヨーロッパ

国や地域 47

人口 7億3,698万8,468人

伝道者 156万3,910人

聖書研究 81万9,067件

フィンランド

二人の兄弟が家から家で,「真理を知りたいと思われませんか」のパンフレットを用いて聖書研究を勧めていました。ドアが開いて男性が出てきました。兄弟が話し始めると,その人は言葉をさえぎり,中に招じ入れました。そして,「質問がたくさんあります。いま来てくれたのはどういうわけですか」と言いました。

兄弟たちは,「わたしたちの会衆の区域ですから」と答えました。

男性はこう続けます。「エホバの証人が来てくれるよう祈っていたんです。いつもはジョギングに行く時間ですが,今日は行きませんでした。そうしたらあなたたちが来たんですよ」。男性は,祈りが聞かれたと思いました。その人の職場では,人々がエホバの証人について否定的なことをよく話していました。本当にそうなのか興味を持ち,図書館に行って調べることにしました。そして,「エホバの証人 ― 神の王国をふれ告げる人々」という本を見つけて読みました。人々の非難が事実ではないことが分かり,エホバの証人にぜひ会ってみたいと思っていたのです。研究が始まり,その人はすぐ集会に出席し始めました。別れた妻と娘に証言したところ,その二人も研究を始めました。

英国

正規開拓者のカースティーという姉妹は,区域に住むコンゴ人に証言できるようフランス語とリンガラ語を学びました。ある日,コンゴ人の母親がたくさんの荷物を持ち,バスに乗ろうと苦労しているところが目に留まりました。カースティーはリンガラ語で声をかけ,荷物をバスに乗せてあげます。女性は,「白人のあなたがリンガラ語を話すのはどうしてですか」と言いました。カースティーは,自分がリンガラ語の会衆に交わっていて,聖書について人々に話せるよう,その会衆のエホバの証人からリンガラ語を教わった,と説明しました。聖書研究を勧めたかったので,その女性と一緒にバスを降り,荷物をアパートの3階まで運んであげました。その女性の夫と4人の子どもはカースティーに感謝し,ぜひ中に入るよう言いました。姉妹は家族に,「聖書は実際に何を教えていますか」の本を用いた聖書研究の方法を示しました。今では母親と年上の二人の子どもが聖書を研究しており,3人ともエホバに喜んでいただけるよう努力しています。

グルジア

二人の若い開拓者の兄弟は,エホバの証人の少ない国内の山間部に移動することにしました。二人は村から村へと伝道してゆき,とてもよい反応が得られました。文書を何百冊も配布し,聖書研究が何件も始まりました。山間部での伝道を始めた時には,わずかな物しか持って行かず,どこに泊まれるかも分かりませんでした。しかし必要な物はいつも備えられ,村の人々が宿と食事を提供してくれました。話を聞かない人でも泊まるよう勧め,食事を出すということがありました。後に兄弟たちはその区域で特別開拓者に任命されます。たくさんの聖書研究を司会しているので,きちんと世話できるよう,自分たちが持てる研究の数を決めています。今でも,路上で人々が兄弟たちに近づいて聖書研究を申し込むことは珍しくありません。兄弟たちは研究の数がこれ以上増えないようにしながらも,平均でそれぞれ毎月20件以上の研究を司会しています。

ハンガリー

一人の姉妹は,家のフェンスに掛けた袋に牛乳を定期的に配達してもらっています。ある日,空き瓶を戻す時,その袋に「真理を知りたいと思われませんか」のパンフレットも入れておきました。うれしいことに,次の配達の時に,牛乳を届けていた女性の書いたメモが一緒に袋に入っていました。メモには,パンフレットに関連した質問と,聖書がほしいということが書いてありました。姉妹が早速その女性の住む農場を訪ねたところ,「聖書は実際に何を教えていますか」の本で聖書研究が始まりました。それより前に女性は,いろいろな疑問の答えを求めて教会を幾つか訪れていましたが,霊的な事柄に関する満足のゆく答えは得られず,かえって疑問が増えただけでした。その人の娘も強い関心を示したので,姉妹は「偉大な教え手から学ぶ」の本をプレゼントしました。母親によると,その子は怖い夢にうなされて夜中によく目を覚ましていましたが,本の幾つかの章を読んでからは怖がらなくなり,夜もぐっすり眠れるようになったとのことです。聖書研究は今も続いており,母親は日曜日の集会に二人の娘と共に定期的に出席しています。

イタリア

クリスティーナとマネルという二人の全時間奉仕者の姉妹は,イタリア中部の田舎で「真理を知りたいと思われませんか」のパンフレットを配布していました。ある農場で,裏庭のほうから騒がしい音が聞こえてきました。家の人は二人の姉妹を見かけると,「ちょっと,早く来て! 助けて!」と叫びました。二人が急いで助けに行くと,その女性は,興奮した大きなブタが囲いから出てしまうのを何とか止めようとしていました。囲いの戸が壊れていて,ブタが近くの林に逃げてしまうおそれがあり,一人で戸を必死に押さえていたのです。女性はクリスティーナに,「ここで押さえていてちょうだい。戸を閉じておけるものを探してくるから」と大声で言いました。クリスティーナは,ブタが怖いのでできないと断わりました。女性はマネルにカボチャとナイフを渡し,「大丈夫。カボチャを少しずつ投げてやれば落ち着くわ。わたしは新しい突っかい棒を探してくるから」と言いました。

女性は行ってしまい,数分が過ぎます。その間クリスティーナはマネルに,早くブタにカボチャを投げるようせかしますが,皮が硬くてなかなか切れません。ようやく女性が戻ってきて,戸を直しました。そして安堵のため息をつき,「全能の神があなたたちを遣わしてくださったんだわ」と言います。

「そのとおりです,奥さん」と二人は答え,パンフレットを取り出して見せます。

女性はすぐに,「これは大切なことなので,立ち話もなんだから,座ってゆっくり話しましょう」と言って椅子を取ってきます。こうして青空のもと,その農場で話ができました。女性はたくさん質問をし,関心を示しながら熱心に耳を傾けました。後にこの人との聖書研究が始まりました。クリスティーナとマネルは,研究が決まったのはブタがちょうどよいタイミングで逃げようとしたおかげだと言います。

オセアニア

国や地域 30

人口 3,833万8,482人

伝道者 9万9,816人

聖書研究 5万9,619件

オーストラリア

静かな海岸沿いの町に住む証人のフレッドは,ある男性にエホバの証人のDVDを三つ渡しました。後にフレッドは,この男性から手紙を受け取りました。一部こう記されています。「DVDに引き込まれ,心が癒されました。登場する人の平和な様子,喜び,笑顔が印象的でした。こんな気持ちになったのは本当に久しぶりです。将来良い時代が来ることを信じられるような気がします。以前は家に来るエホバの証人に,よくぶしつけな態度を取っていました。そのことを心からお詫びします。皆さんは純粋に友好的な態度で近づき,福音を広めようとしていましたね。私が王国会館の後ろの席に座っているのを目にする日も,そう遠くないかもしれません」。

ニュージーランド

二人の姉妹が,家族信託を取り扱う公営企業を訪問し,責任者と面会の約束をすることができました。二人は面会に先立ち“家族セット”を準備し,その責任者の女性が顧客である家族とかかわる際に役立ちそうな出版物をそろえました。セットには次のものが含まれていました。「幸せな家庭を築く秘訣」と「若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え」の本,「目ざめよ!」誌,2007年8月号「良い親になるための七つのステップ」と10月号「子どもを危険から守る!」という記事です。

面会の際に姉妹たちは,自発的な奉仕活動をしていて,家族を特に霊的な面で助けることに強い関心を持っていると伝えました。そして,セットに含まれている出版物について説明しました。その女性は話を聞いて文書を受け取り,全従業員35人にもその情報を伝えたいと言いました。さらに,顧客名簿に載せられている503家族すべてにも「目ざめよ!」の記事は役立つと思う,とも述べました。姉妹たちは手を尽くして「目ざめよ!」を557冊集めて渡しました。2週間後に二人は,すべての雑誌が顧客の家族に渡ったという電話を受け取りました。

フィジー

ビリアメという若者は非常に優秀なラグビー選手で,国の代表としてプレーするのが夢でした。弟のレオネもラグビーで身を立てようと思っていましたが,特別開拓者と聖書研究を始め,二人の主人には仕えられないことを悟りました。集会にも出席するようになり,ラグビーをやめました。レオネの母親はエホバの証人で,息子のために集会用の服を買いました。しかし,レオネは兄と言い争いになった時,ビリアメに集会用の服を破られてしまいました。とてもがっかりしましたが,仕返しはしませんでした。しばらく後,レオネはスイカを収穫して市場で売り,そのお金で集会用の服と,聖書,ボールペン,蛍光ペンを買いました。また,ビリアメのためにも同じものを買いました。ビリアメは,自分がひどいことをしたにもかかわらず,弟が親切を示してくれたことに心を打たれました。新しい服を着て集会に出席し,弟を驚かせました。ビリアメは聖書研究の勧めにも応じ,二人は霊的に進歩しました。二人がバプテスマに向けて準備をしていた時,ビリアメにヨーロッパでラグビーをしないかという魅力的な話が持ち上がりました。こうした機会は多くの若者にとってあこがれであり,経済的な安定や名誉が保証されたようなものです。けれどもビリアメは目標を変えており,ラグビーではなくエホバに献身することを決意しました。ビリアメもレオネも,バプテスマを受けてから最初の6か月は補助開拓者として奉仕しました。父親のワイセアも,息子たちの良い行状を見て聖書研究を始めました。そして大きな変化を遂げ,二人の娘と共に特別一日大会でバプテスマを受けました。

[45ページの図版]

姉妹は自分にむち打ち,現代の技術を生かして聖書研究を司会した

[46ページの図版]

姉妹の忠実さはりっぱな証言となった

[48ページの図版]

家族の崇拝でよく教えられていたステファンは学校で証言できた

[49ページの図版]

兄弟が何度もノックしたので命が救われた

[50ページの図版]

女の子は子どもでもお年寄りでもないエホバの証人を探した

[55ページの図版]

姉妹はトゥクトゥクを1台だけ手配した

[58ページの図版]

外国語を学んだことがきっかけで聖書研究が始まった

[60ページの図版]

非公式の証言はさまざまな形で行なえる

[63ページの図版]

“家族セット”を準備する

[64ページの図版]

二人はエホバに仕えることを選び,ラグビーで成功する魅力的な機会を手放した