全地で宣べ伝えて教える
ヨーロッパ
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伝道者 161万1036人
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聖書研究 84万7343件
クラスで王国会館を訪ねる
フィンランドの小学4年生のイネスは,宗教教育の一環として,クラスでエホバの証人について話し合うことになっていると知りました。それで,自分のクラスを王国会館に招待することにしました。生徒も先生も,良い考えだと賛成してくれました。
翌週,38人の生徒たちは自転車で5㌔先にある王国会館に行きました。2人の先生と校長先生が同伴しマタイ 6:10”でした。 *
ました。王国会館では,2人の兄弟と3人の姉妹に迎えられ,飲み物などが出されました。生徒たちは,王国会館やエホバの証人についていろいろ質問しました。「集会ではどんなことをするんですか」,「あの部屋は何ですか」,「壁に6割る10と書いてあるのはなぜですか」といった質問です。生徒たちが質問した部屋は図書室で,壁に書かれていた“6割る10”とは,年句の“この小学校がいじめ防止プロジェクトに参加していたので,兄弟たちは生徒たちにjw.orgのホワイトボード・アニメ,「いじめっ子を殴らずに撃退する」のビデオを見せました。また,ウェブサイトの他のセクションも見せ,王国の歌も流しました。見学は1時間ほどになりました。
校長や先生たち,生徒たちは,見学が終わってからも,そのことばかり話していました。校長は,エホバの証人のウェブサイトの情報に関心を示しました。宗教の時間に使うことができると考えたからです。また,ほかのクラスも王国会館を見学できると知り,喜びました。早速その翌日,他のクラスの先生からの問い合わせがきました。
ごみの中から宝を探し当てる
ルーマニアに住むクリスティーナは,学校に通ったことがなく,読み書きもできませんでした。とても貧しかったため,市のごみ処分場で空き缶やペットボトルを集めて生活していました。ある日,いつものように探していると,ふとある物が目に留まります。幸福そうな人たちの美しい挿絵が載った聖書文書
です。「こうした人たちは世界のどこかにいるはずだ」と思いました。何が書かれているのか,ほかの人に読んでもらいました。それが宗教的な読み物だと分かると,とても悲しくなりました。人々が聖書の読み物をごみとして捨てていたからです。その後もごみ処分場へ行っては,ブロシュアーやパンフレットや雑誌を拾い集めます。傷んでいないものもあれば, 破れているものもありました。その内容をもっと知りたいと思ったクリスティーナは,読み書きを覚えました。その後,クリスティーナはエホバの証人と会い,聖書研究を始めます。ほかの人が見向きもしなかった文書を用いて,エホバが自分を引き寄せてくださったことを知り,とてもうれしく思いました。クリスティーナは集会にも出席しており,学んだ事柄に心を引き付けられています。また,自分用の新しい雑誌や書籍やブロシュアーを持てることにとても大きな喜びを感じています。もうごみの中を探す必要はありません。ごみの中から宝を探し当てたのです。
“森林”聖書研究
ドイツに住むマルグレートは毎朝,犬を連れて森を散歩します。姉妹はこう語ります。「通りがかった人に話しかけるようにしています。少しくつろいで話せるようなら,会話を聖書のほうに持ってゆきます」。
ある日,姉妹は犬を連れた70代の女性に会いました。話しかけると,その女性は楽しそうに話しをし,毎日神に祈り聖書も読んでいると言いました。その日から,2人は毎日会って,霊的な話をするようになります。ある日,女性から,「どうしてそんなに聖書のことを知っているのですか」と尋ねられ,姉妹は自分がエホバの証人であることを説明しました。
姉妹は,何度か家庭聖書研究を勧めましたが,断わられました。しかし,その後も話し合いは続きました。数か月がたったころ,再び家庭聖書研究を勧めると,女性から,一緒に暮らし
ている男性がエホバの証人を嫌っているので,研究するのが怖いと打ち明けられました。姉妹は次の散歩のとき,聖書と『聖書の教え』の本を持って森へ出かけました。そしてその女性に思い切ってこう言いました。「今回は,家庭聖書研究を勧めるつもりはありません。でも,“森林”聖書研究をお勧めしたいんです」。女性は目に涙を浮かべ,喜んで応じました。“森林”聖書研究は週に6日行なわれています。季節や天候によっては,傘や懐中電灯を持って聖書研究が司会されています。
紛らわしい首の振り方
ブルガリアのデルフィンという姉妹は,イリナと聖書を研究していました。イリナは学んだ事柄に感謝し,集会に定期的に出席していました。しかし,イリナの夫は,妻にエホバの証人と一切かかわりを持ってほしくないと思っていました。それで,家族を連れてスウェーデンの小さな村に引っ越し,イリナはデルフィンと連絡が取れなくなりました。しかし引っ越し先で,アレクサンドラとレベッカという2人の開拓者の訪問を受けます。イリナはスウェーデン語が話せなかったので,姉妹たちは,「あらゆる国の人々のための良いたより」の小冊子からブルガリア語でメッセージを読んでもらいました。それから,小冊子の助けを借りて,もっとブルガリア語の文書が欲しいか尋ねました。イリナが盛んに首を横に振ったので,姉妹たちは関心がないと思い,帰って行きました。
その後,アレクサンドラは,ブルガリアで奉仕しているスウェーデン人の姉妹リンダが数週間帰省することを思い出します。イリナが母語で真理を聞いたら違う反応を示すかもしれ
ないと思い,帰省したリンダと一緒にイリナを訪問しました。イリナは,聖書研究を続けられるよう助けてくださいと毎晩エホバに祈っていることをリンダに話しました。また,イリナはブルガリア語の『聖書の教え』の本をよく持ち歩いていました。道でエホバの証人を見かけた時に,すぐ見せるためです。しかし,だれとも会えませんでした。ようやくブルガリア語の文書を受け取ることができ,本当に喜びました。リンダはアレクサンドラに,最初の訪問でなぜイリナには関心がないと思ったのか尋ねたところ,首を横に振ったので関心がないと判断したとのことでした。リンダは微笑んで,ブルガリア人は「いいえ」の時は首を縦に振り,「はい」の時は首を横に振ると説明しました。こうして,イリナは,スウェーデン語が話せるようになるまで,ブルガリア語で研究を続けることになりました。どのようにでしょうか。デルフィンと再び連絡を取ることができ,今はビデオ通話で研究をしています。
父親の良い手本
スペインに住むヘミマは,子どものころに真理を教えられましたが,7歳の時,生活が一変します。母親がエホバの証人でいるのが嫌になり,父親と離婚したのです。ヘミマは13歳になると,エホバの証人と交わるのをやめ,父親からの霊的な援助を一切拒否するようになります。
成長するにつれ,民衆のための“公正”を求めて,社会運動や政治運動に参加するようになります。しかしその後,仕事がなかった時,父親のドミンゴから,一緒に塗装の仕事をしないかと誘われます。
ある日,2人で仕事をしていると,父親から聖書研究を勧め
られました。ヘミマは断わりましたが,関心を持ったなら伝えると言いました。父親は仕事をしながら,聖書や雑誌の朗読を聴いていましたが,娘はイヤホンでポップ・ミュージックを聴くほうを好みました。2012年11月,再婚していた父親のドミンゴが,「クリスチャンの夫婦のための聖書学校」に招待されます。ヘミマは,父親が学校に2か月間出席してから,すべての物を後にして,遣わされた場所へどこへでも赴くことに感銘を受けました。そして初めて,父親の心にどれほど深く真理が根づいているかに気づきました。それはどうしてなのか知りたいと思いました。
ヘミマはポップ・ミュージックを流すのをやめ,父親のように聖書や雑誌の朗読を聴くようになります。そして質問をするようになります。ある日,ドミンゴがはしごの上でペンキを塗っていると,ヘミマはこう言いました。「お父さん,聖書研究する気になったら教えるって前に言ったの覚えてる? 今やる気なんだけど」。
それを聞いたドミンゴはとても喜びました。2013年1月から週2回研究をするようになり,4月に聖書学校が始まると,ビデオ通話で研究を続けました。ヘミマは父親の卒業式に出席し,プログラムを楽しみました。2013年12月14日,ヘミマはバプテスマを受けました。
ヘミマはこう言います。「エホバはわたしのことをとても辛抱してくださり,わたしを見捨てませんでした。そして,この世で決して得られなかった真の友を与えてくださいました。世界的な兄弟関係によって,エホバの偉大な愛に対する感謝の気持ちがいっそう深まりました」。
敬意の力
2014年3月30日,ロシアで長年ベテル奉仕を行なっているワシーリーという兄弟が支部の近くで文書カートを用いた証言を行なっていると,パトカーが近づいてきました。車から警察官が出て来て,近所から苦情が寄せられているので証言活動をやめるよう,丁寧な口調で言いました。別の警察官がその様子をビデオに撮っていました。兄弟は,自分の権利を主張するより,指示に従うのが最善だと思いました。かなり大勢の通行人が足を止めて,様子をうかがっていたからです。それで,その場を立ち去りましたが,2日後,警察署長への会見を申し入れると受理されました。会見で兄弟は署長に,警察が地域のために行なっている重要な奉仕に対し,また2日前の警察官の丁寧な態度に対して感謝を述べました。すると署長は部下のほうを向いて,こう言いました。「32年間警察に勤務しているが,我々の仕事を感謝してくれた人は初めてだ」。話し合いの中で,署長は,エホバの証人の活動が全く合法的であることを理解できるようになりました。ワシーリーは署長から,権利があることが分かっていたのに,証言をやめるようにとの命令になぜ抗議しなかったのか,と尋ねられました。兄弟はこう答えました。「わたしは警察に敬意を抱いています。大勢の通行人の前で,警察は法律を知らないと非難したなら,それらの人たちにどんな印象を与えたでしょうか」。署長と部下は感心し,これからは文書カートを用いた活動を行なっても全く問題ないと保証しました。
^ 2節 フィンランドでは,“:(コロン)”は割り算の記号としても使われています。