1，2. モーセの死し後ご，ヨシュアはどんな状じょう況きょうに置おかれましたか。

ヨシュアの耳みみにはエホバの次つぎの言こと葉ばが鳴なり響ひびいていました。「わたしの僕しもべモーセは死しんだ。それで今いま，あなたとこのすべての民たみは，身みを起おこしてこのヨルダンを渡わたり，わたしが彼かれらに……与あたえる土と地ちに入はいりなさい」。（ヨシュ 1:1，2）40年ねん近ちかくモーセに仕つかえてきたヨシュアにとって突とつ然ぜんの変へん化かでした。

² モーセは長なが年ねんイスラエルを指し導どうしてきました。ですからヨシュアは，民たみが自じ分ぶんの指し導どうにどう応おうじるか不ふ安あんに思おもったでしょう。（申しん 34:8，10-12）ある参さん考こう文ぶん献けんはヨシュア 1章しょう1，2節せつについてこう述のべています。「昔むかしも今いまも，指し導どう者しゃが交こう代たいする時とき，国くには非ひ常じょうに不ふ安あん定ていになり，安あん全ぜんが脅おびやかされる」。

3，4. エホバはヨシュアの信しん頼らいにどのようにこたえられましたか。どんなことを自じ問もんできますか。

³ ヨシュアが恐おそれを感かんじたとしても無む理りはありません。しかしヨシュアは数すう日じつのうちに確かっ固ことした行こう動どうを取とります。（ヨシュ 1:9-11）エホバはヨシュアの信しん頼らいにこたえられました。聖せい書しょの記き録ろくが示しめすとおり，天てん使しを遣つかわしてヨシュアとイスラエル人じんを導みちびきました。 この天てん使しは，「言こと葉ば」である神かみの初うい子ごだったと考かんがえられます。（ヨハ 1:1。出しゅつ 23:20-23）

⁴ イスラエル人じんにとっても指し導どう者しゃがヨシュアに代かわるのは大おおきな変へん化かでした。でも，エホバの助たすけによって順じゅん応のうできました。わたしたちも現げん在ざい，様さま々ざまな変へん化かを経けい験けんしています。それでこう考かんがえるかもしれません。「神かみの組そ織しきが速はやいスピードで前ぜん進しんしている今いまも，イエスの指し導どうを信しん頼らいできるのはなぜだろうか」。（マタイ 23:10を読よむ。）では，エホバが昔むかし，人ひと々びとをどのように導みちびかれたかを考かんがえましょう。

5. ヨシュアはエリコのそばでだれに会あいましたか。（冒ぼう頭とうの挿さし絵えを参さん照しょう。）

⁵ イスラエル人じんがヨルダン川がわを渡わたって間まもなくのことです。ヨシュアはエリコのそばで剣つるぎを持もった人ひとに会あいました。見み知しらぬ人ひとだったので，こう尋たずねました。「あなたはわたしたちの側がわにいますか。それともわたしたちに敵てき対たいする者ものの側がわですか」。驚おどろいたことに，その人ひとは「エホバの軍ぐんの君きみ」である天てん使しでした。神かみの民たみを守まもるために来きていたのです。（ヨシュア 5:13-15を読よむ。）ヨシュア記きにはエホバがヨシュアに話はなしたという記き述じゅつがありますが，実じっ際さいには天てん使しを通とおして話はなしていたと思おもわれます。エホバは過か去こにもよくそうされました。（出しゅつ 3:2-4。ヨシュ 4:1，15; 5:2，9。使し徒と 7:38。ガラ 3:19）

6-8. （イ）エホバの指し示じが人にん間げんの見けん地ちからは異い例れいなものに思おもえたのはなぜですか。（ロ）その指し示じが賢けん明めいでタイムリーだったと言いえるのはなぜですか。（脚きゃく注ちゅうも参さん照しょう。）

⁶ ヨシュアは軍ぐんの君きみである天てん使しから，エリコを攻こう略りゃくする方ほう法ほうについて明めい確かくな指し示じを受うけました。良よい指し示じとは思おもえないものもありました。例たとえば，エホバはすべての男だん子しに割かつ礼れいを施ほどこすようお命めいじになりました。割かつ礼れいを受うけた人ひとたちは何なん日にちも痛いたみを感かんじました。なぜこのタイミングで，と思おもったかもしれません。（創そう 34:24，25。ヨシュ 5:2，8）

⁷ そのような状じょう況きょうにあった兵へい士したちは，敵てきが宿しゅく営えいに来きたらどうやって家か族ぞくを守まもろう，と不ふ安あんに思おもったでしょう。そんな時とき，エリコが「イスラエルの子こらのゆえに固かたく門もんを閉とざし……た」という知しらせが入はいります。（ヨシュ 6:1）予よ期きしない展てん開かいによって，神かみの指し示じに対たいする信しん頼らいが強つよまったはずです。

⁸ イスラエル人じんは，エリコを攻こう撃げきするのではなく，都と市しの周まわりを6日かにわたって1日にちに1回かい行こう進しんし，7日か目めには7回かい行こう進しんするよう命めいじられました。「時じ間かんとエネルギーの無む駄だだ」と思おもった兵へい士しもいたかもしれません。しかし，イスラエルの指し導どう者しゃエホバには明めい確かくな意い図とがありました。この戦せん略りゃくに従したがった結けっ果か，イスラエル人じんの信しん仰こうは強つよまりました。エリコの強つよい戦せん士したちとの直ちょく接せつ対たい決けつを避さけることもできました。（ヨシュ 6:2-5。ヘブ 11:30） *

9. 神かみの組そ織しきの指し示じに従したがうべきなのはなぜですか。例れいを挙あげてください。

⁹ この記き述じゅつから何なにを学まなべますか。組そ織しきが新あたらしい事こと柄がらを行おこなう時とき，その理り由ゆうを十じゅう分ぶんに 理り解かいできないことがあるかもしれません。例たとえば，個こ人じん研けん究きゅうや宣せん教きょうや集しゅう会かいで電でん子し機き器きを使つかうよう勧すすめられた時とき，なぜだろうと思おもった人ひとたちもいます。でも今いまでは，電でん子し機き器きを使つかうメリットを理り解かいしています。最さい初しょは疑ぎ問もんに感かんじても，良よい結けっ果かを見みると，信しん仰こうが深ふかまり，兄きょう弟だいたちとの一いっ致ちが強つよまります。

10. エルサレムで統とう治ち体たいの会かい合ごうが開ひらかれるよう導みちびいていたのはだれですか。

¹⁰ コルネリオの改かい宗しゅうから13年ねんほどたった後あとも，割かつ礼れいが必ひつ要ようだと主しゅ張ちょうするユダヤ人じんたちがいました。（使し徒と 15:1，2）アンティオキアで割かつ礼れいの論ろん争そうが生しょうじた時とき，パウロがエルサレムの統とう治ち体たいにその問もん題だいを提てい出しゅつすることになりました。なぜでしょうか。パウロは「啓けい示じがあったので上のぼって行いった」と述のべています。キリストが導みちびいていたのです。（ガラ 2:1-3）

11. （イ）ユダヤ人じんの間あいだで，割かつ礼れいに関かんしてどんな状じょう況きょうが続つづいていましたか。（ロ）パウロはエルサレムの長ちょう老ろうたちにどのように協きょう力りょくしましたか。（脚きゃく注ちゅうも参さん照しょう。）

¹¹ 統とう治ち体たいはキリストの導みちびきのもと，ユダヤ人じんでないクリスチャンが割かつ礼れいを受うける必ひつ要ようはないことを明あきらかにしました。（使し徒と 15:19，20）しかし，この決けっ定てい後ご何なん年ねんもの間あいだ，多おおくのユダヤ人じんは自じ分ぶんの子こどもに割かつ礼れいを施ほどこし続つづけました。エルサレムの長ちょう老ろうたちは，パウロがモーセの律りっ法ぽうを守まもっていないといううわさを聞きいた時とき，ある事こと柄がらを指し示じしました。それはパウロにとって思おもいがけない指し示じでした。 * （使し徒と 21:20-26）4人にんの人ひとを神しん殿でんに連つれて行いって，儀ぎ式しき上じょうの清きよめを行おこなうようにという指し示じです。パウロが「律りっ法ぽうを守まもっている」ことを人ひと々びとが信しんじるためです。パウロは「そんなことをする必ひつ要ようがあるでしょうか。本ほん当とうの問もん題だいは，ユダヤ人じんのクリスチャン が割かつ礼れいについてきちんと理り解かいしていないことではありませんか」と言いうこともできたでしょう。しかし，兄きょう弟だいたちの一いっ致ちを強つよめたいという長ちょう老ろうたちの意い向こうを尊そん重ちょうし，謙けん遜そんに指し示じに従したがいました。とはいえ，次つぎのような疑ぎ問もんが生しょうじます。「モーセの律りっ法ぽうはイエスの死しによって終おわったのに，イエスがこの問もん題だいをすぐに解かい決けつしなかったのはなぜだろうか」。（コロ 2:13，14）

12. イエスが割かつ礼れいの問もん題だいをすぐに解かい決けつしなかったのはなぜだと考かんがえられますか。

¹² すべての人ひとが新あらたな理り解かいをすぐに受うけ入いれられるわけではありません。ユダヤ人じんのクリスチャンは見み方かたを変かえるのにかなりの時じ間かんを要ようしました。（ヨハ 16:12）中なかには，割かつ礼れいが神かみとの特とく別べつな関かん係けいのしるしではない，ということを受うけ入いれにくく感かんじた人ひともいます。（創そう 17:9-12）他たのユダヤ人じんからの迫はく害がいを恐おそれた人ひともいます。（ガラ 6:12）しかし，キリストは後のちにパウロの手て紙がみを通とおして，必ひつ要ような導みちびきを与あたえました。（ロマ 2:28，29。ガラ 3:23-25）

13. キリストの指し導どうに対たいする信しん頼らいを深ふかめるため，どんなことができますか。

¹³ 組そ織しき上じょうの調ちょう整せいの理り由ゆうを十じゅう分ぶんに理り解かいできない時とき，過か去こにキリストが人ひと々びとをどのように導みちびいたかを考かんがえるとよいでしょう。ヨシュアの時じ代だいにも1世せい紀きにも，キリストは神かみの民たみを守まもり，彼かれらの信しん仰こうを強つよめ，一いっ致ちを保たもつために，賢けん明めいな指し示じを与あたえました。（ヘブ 13:8）

14-16. 「忠ちゅう実じつで思し慮りょ深ぶかい奴ど隷れい」の指し示じには，イエスの愛あいや気き遣づかいがどのように表あらわれていますか。

¹⁴ 「忠ちゅう実じつで思し慮りょ深ぶかい奴ど隷れい」から与あたえられるタイムリーな指し示じには，イエスの愛あいや気き遣づかいが表あらわれています。（マタ 24:45）4人にんの子こどもを持もつマルクはこう言いいます。「サタンは家か族ぞくを攻こう撃げきして会かい衆しゅうを弱よわめようとしています。家か族ぞくの頭かしらは，家か族ぞくの崇すう拝はいを毎まい週しゅう行おこなうよう勧すすめられています。『家か族ぞくを守まもりなさい』というメッセージがはっきり伝つたわってきます」。

¹⁵ キリストはわたしたちの進しん歩ぽにも深ふかい関かん心しんを持もっています。パトリックという長ちょう老ろうはこう述のべています。「週しゅう末まつの野や外がい奉ほう仕しのために少しょう人にん数ずうで集あつまるようになり，寂さびしく感かんじている人ひとたちがいました。でも，この取とり決きめは，目め立だたない人ひとに対たいするイエスの関かん心しんの表あらわれです。内うち気きな人ひとやあまり活かっ発ぱつではなかった人ひとが，自じ分ぶんにもできることがあるという気き持もちになり，熱ねっ心しんに奉ほう仕ししています」。

¹⁶ キリストは，良よい知しらせを伝つたえるという最もっとも大たい切せつな活かつ動どうに専せん念ねんするよう励はげましています。（マルコ 13:10を読よむ。）新あたらしい長ちょう老ろうのアンドレは組そ織しきの指し示じの変へん化かによく注ちゅう意いを向むけています。こう言いいます。「支し部ぶ事じ務む所しょの人じん員いんの削さく減げんについて聞きき，今いまが本ほん当とうに緊きん急きゅうな時ときだと感かんじました。一いっ生しょう懸けん命めいに伝でん道どうしなければ，と思おもいます」。

17，18. 最さい近きんの調ちょう整せいの良よい結けっ果かについて考かんがえるべきなのはなぜですか。

¹⁷ 王おうイエス･キリストは，今いまも将しょう来らいもわたしたちを導みちびいてくださいます。最さい近きんの様さま々ざまな調ちょう整せいのメリットに目めを向むけましょう。集しゅう会かいや宣せん教きょうに関かんする調ちょう整せいがどのように助たすけになっ たか，家か族ぞくの崇すう拝はいで話はなし合あうこともできます。

¹⁸ どうすれば組そ織しきの指し示じに喜よろこんで従したがえますか。従したがうことがどんな結けっ果かにつながっているかを考かんがえるとよいでしょう。例たとえば，文ぶん書しょの印いん刷さつ数すうが減へり，費ひ用ようが節せつ約やくされています。新あたらしいテクノロジーが活かつ用ようされ，世せ界かい中じゅうに良よい知しらせが伝つたえられています。あなたは電でん子し出しゅっ版ぱん物ぶつや動どう画がなどをもっと活かつ用ようできますか。キリストは組そ織しきの資し金きんを賢かしこく使つかいたいと思おもっておられます。ぜひ協きょう力りょくしましょう。

19. キリストの指し導どうに従したがうべきなのはなぜですか。

¹⁹ キリストの指し導どうに心こころから従したがうなら，他たの人ひとの信しん仰こうを強つよめ，一いっ致ちに貢こう献けんすることができます。世せ界かい中じゅうのベテル家か族ぞくの人にん数ずうが減へったことについて，アンドレはこう述のべています。「ベテルで奉ほう仕ししていた兄きょう弟だい姉し妹まいがこの調ちょう整せいを進すすんで受うけ入いれたことは，本ほん当とうに素す晴ばらしいと思おもいます。新あたらしい割わり当あてを喜よろこんで果はたし，エホバの兵へい車しゃの動うごきに合あわせて行こう動どうしておられます。わたしも組そ織しきを信しん頼らいし，進すすんで従したがいたいと思おもいます」。

20，21. （イ）指し導どう者しゃであるキリストを信しん頼らいできるのはなぜですか。（ロ）次つぎの記き事じではどんな点てんを考かんがえますか。

²⁰ 指し導どう者しゃイエス･キリストは間まもなく「征せい服ふくを完かん了りょう」し，「畏い怖ふの念ねんを起おこさせること」を成なし遂とげます。（啓けい 6:2。詩し 45:4）それまでの間あいだ，わたしたちが新あたらしい世よでの仕し事ごとを果はたせるよう訓くん練れんしておられます。復ふっ活かつしてくる人ひとたちを教おしえ，地ち球きゅうをパラダイスにするという仕し事ごとです。

²¹ 様さま々ざまな変へん化かを経けい験けんしても，王おうまた指し導どう者しゃであるキリストを信しん頼らいし続つづけましょう。そうすれば，イエスは新あたらしい世よへ導みちびいてくださいます。（詩し編へん46:1-3を読よむ。）でも，変へん化かに合あわせるのが大たい変へんな時ときもあります。自じ分ぶんの生せい活かつに大おおきな影えい響きょうがある場ば合あいは特とくにそうです。どうすれば平へい穏おんな気き持もちとエホバへの信しん仰こうを保たもてるでしょうか。次つぎの記き事じではその点てんを考かんがえます。