1-3. （ア）エホバがソロモンを愛あいされたのはなぜですか。ソロモンはどんな祝しゅく福ふくを得えましたか。（イ）この記き事じではどんな点てんを考かんがえますか。

ソロモンは若わかい時ときにイスラエルの王おうになりました。その統とう治ちの初はじめごろ，エホバは夢ゆめの中なかでソロモンに現あらわれ，「あなたに何なにを与あたえるべきか，願ねがい求もとめなさい」と言いわれました。ソロモンはこう答こたえます。「私わたくしは小ちいさな少しょう年ねんにすぎません。私わたくしは出で入いりするすべを知しりません。……ですから，あなたの民たみを裁さば[く]ために，従じゅう順じゅんな心こころをぜひこの僕しもべにお与あたえください」。（王おう一いち 3:5-10）「従じゅう順じゅんな心こころ」とは，何なんと慎つつしみ深ぶかい願ねがいでしょう。エホバがソロモンを深ふかく愛あいされたのも当とう然ぜんです。（サム二に 12:24）エホバはソロモンの答こたえを聞きいて喜よろこび，「賢かしこくて理り解かいのある心こころ」をお与あたえになりました。（王おう一いち 3:12）

² ソロモンは神かみに忠ちゅう実じつに仕つかえていた間あいだ，たくさんの祝しゅく福ふくを得えました。「イスラエルの神かみエホバのみ名なのために」神しん殿でんを建たてるという栄えい誉よを与あたえられました。（王おう一いち 8:20）神かみから豊ゆたかな知ち恵えを与あたえられたため，人ひと々びとに広ひろく知しられるようになりました。ソロモンが神かみの導みちびきを受うけて述のべた言こと葉ばは，聖せい書しょの3つの書しょに記しるされました。その一ひとつが「箴しん言げん」です。

³ 「箴しん言げん」には，心こころについて100回かいほど述のべられています。例たとえば箴しん言げん 4章しょう23節せつには，「守まもるべき他たのすべてのものに勝まさってあなたの心こころを守まもれ」とあります。ここで述のべられている「心こころ」とは何なんでしょうか。この記き事じではその点てんに加くわえ，次つぎの2つの点てんを考かんがえます。サタンはどのようにわたしたちの心こころを腐ふ敗はいさせようとするでしょう か。どうすれば心こころを守まもれますか。こうした点てんを知しることは，神かみへの忠ちゅう実じつを保たもつために不ふ可か欠けつです。

4-5. （ア）詩し編へん 51編ぺん6節せつによると，「心こころ」とは何なんであることが分わかりますか。（イ）人ひとの内ない面めんが大たい切せつなのはなぜですか。体からだの健けん康こうの例れいを使つかって説せつ明めいしてください。

⁴ 箴しん言げん 4章しょう23節せつにある「心こころ」は，「内うちなる所ところ」や「秘ひめられた自じ分ぶん」を表あらわしています。（詩し編へん51:6を読よむ。）つまり，「心こころ」とはその人ひとの考かんがえ，感かん情じょう，動どう機き，願がん望ぼうを指さしています。外がい見けんだけでは分わからない，人ひとの内ない面めんのことです。

⁵ 人ひとの内ない面めんは大たい切せつです。体からだの健けん康こうの例れいで考かんがえましょう。第だい一いちに，体からだの健けん康こうを保たもつには，健けん康こうに良よい食しょく事じをし，定てい期き的てきに運うん動どうしなければなりません。同どう様ように，エホバとの良よい関かん係けいを保たもつには，エホバからの教おしえを学まなび，エホバへの信しん仰こうを行こう動どうで示しめさなければなりません。学まなんだことを当あてはめ，自じ分ぶんの信しん仰こうについて語かたることが必ひつ要ようです。（ロマ 10:8-10。ヤコ 2:26）第だい二にに，外がい見けんでは自じ分ぶんが健けん康こうだと思おもっていても，体からだの内ない部ぶで病びょう気きが進しん行こうしていることがあります。同どう様ように，クリスチャンの活かつ動どうを行おこない，強つよい信しん仰こうを持もっているように見みえても，内ない面めんでは間ま違ちがった欲よく望ぼうが育そだっていることがあります。（コリ一いち 10:12。ヤコ 1:14，15）サタンはわたしたちの考かんがえを汚けがそうとしています。どのようにでしょうか。どうすれば自じ分ぶんを守まもれますか。

6. サタンはどんなことを願ねがっていますか。どんな方ほう法ほうを使つかいますか。

⁶ サタンは，エホバの規き準じゅんを無む視しし，利り己こ心しんのままに行こう動どうする反はん逆ぎゃく者しゃです。わたしたちのこともそのような者ものにしたいと思おもっています。しかしサタンは，自じ分ぶんのように考かんがえたり行こう動どうしたりするよう強きょう制せいすることはできません。それで他たの方ほう法ほうを使つかいます。例たとえば，心こころを腐ふ敗はいさせられた人ひとたちと一いっ緒しょに時じ間かんを過すごさせようとします。（ヨハ一いち 5:19）悪わるい交こう友ゆうは考かんがえや 行こう動どうを「損そこな[い]」，「腐ふ敗はいさせ」ます。（コリ一いち 15:33; 脚きゃく注ちゅう）ソロモン王おうはそのわなにかかってしまいました。大おお勢ぜいの異い教きょうの女じょ性せいと結けっ婚こんして大おおきな影えい響きょうを受うけ，心こころが「しだいに……傾かたむ[き]」，エホバから離はなれてしまったのです。（王おう一いち 11:3）

7. サタンは自じ分ぶんの考かんがえ方かたを広ひろめるために，どんな方ほう法ほうも使つかいますか。それに注ちゅう意いしなければならないのはなぜですか。

⁷ サタンは映えい画がやテレビ番ばん組ぐみなどのエンターテインメントを使つかって自じ分ぶんの考かんがえ方かたを広ひろめています。映えい画がやドラマのストーリーが，どのように考かんがえ，感かんじ，行こう動どうすべきかを人ひとに教おしえることを知しっているのです。イエスはよくストーリーを使つかって教おしえました。親しん切せつなサマリア人じんや，家いえを出でて相そう続ぞく財ざい産さんを浪ろう費ひした息子むすこのたとえ話ばなしなどがあります。（マタ 13:34。ルカ 10:29-37; 15:11-32）サタンの考かんがえ方かたの影えい響きょうを受うけた人ひとは，わたしたちの心こころを腐ふ敗はいさせるためにストーリーを使つかいます。クリスチャンはバランスの取とれた見み方かたを持もたなければなりません。映えい画がやテレビ番ばん組ぐみの中なかには，楽たのしくてためになり，考かんがえを汚けがさないものもあります。しかし，十じゅう分ぶん注ちゅう意いすることが必ひつ要ようです。エンターテインメントを選えらぶ時ときには，こう自じ問もんしましょう。「この映えい画がやテレビ番ばん組ぐみは，悪わるい欲よく望ぼうのままに行こう動どうしても構かまわないと教おしえていないだろうか」。（ガラ 5:19-21。エフェ 2:1-3）ある映えい画がやテレビ番ばん組ぐみがサタンの考かんがえ方かたを広ひろめていることに気きづいたら，どうしますか。感かん染せん症しょうを避さけるように，それを退しりぞけてください。

8. 親おやは，子こどもが心こころを守まもるようどのように助たすけられますか。

⁸ 親おやの皆みなさんには，子こどもがサタンに心こころを汚けがされないように守まもる特とく別べつな責せき任にんがあります。皆みなさんは，子こどもが病びょう気きにかからないよう，できる 限かぎりのことをするはずです。家いえを清せい潔けつにし，自じ分ぶんや子こどもを病びょう気きにさせるようなものは捨すてるでしょう。同どう様ように，サタンの考かんがえ方かたを広ひろめる映えい画がやテレビ番ばん組ぐみやゲームやウェブサイトから，子こどもを守まもる必ひつ要ようがあります。エホバは皆みなさんに，子こどもがエホバの友ともになれるよう助たすける責せき任にんをお与あたえになりました。（箴しん 1:8。エフェ 6:1，4）聖せい書しょの教おしえに基もとづく家いえのルールを決きめてください。どんな映えい画がやテレビ番ばん組ぐみを見みてはいけないかを子こどもに伝つたえ，その理り由ゆうを理り解かいできるよう助たすけてください。（マタ 5:37）子こどもの成せい長ちょうに合あわせ，エホバの規き準じゅんに従したがって，自じ分ぶんで良よいことと悪わるいことを見み分わけられるよう教おしえてください。（ヘブ 5:14）子こどもは皆みなさんの言こと葉ばよりも行こう動どうから多おおくを学まなぶ，ということも忘わすれないでください。（申しん 6:6，7。ロマ 2:21）

9. サタンはどんな考かんがえを広ひろめていますか。その考かんがえが危き険けんなのはなぜですか。

⁹ サタンは，エホバの考かんがえ方かたではなく人にん間げんの知ち恵えを信しん頼らいさせることによっても，わたしたちの心こころを汚けがそうとします。（コロ 2:8）サタンが広ひろめている考かんがえを1つ取とり上あげましょう。人じん生せいの主おもな目もく的てきは財ざい産さんを築きずくことだという考かんがえです。実じっ際さいにお金かね持もちになる人ひともいればそうならない人ひともいますが，どちらにしても，そのような考かんがえ方かたをするのは危き険けんです。一いっ生しょう懸けん命めいにお金かねを稼かせごうとし，健けん康こうや家か族ぞくや神かみとの関かん係けいを犠ぎ牲せいにすることさえあるからです。（テモ一いち 6:10）深ふかい知ち恵えを持もつ天てんの父ちちエホバは，わたしたちがお金かねに対たいしてバランスの取とれた見み方かたを持もてるよう助たすけてくださっています。（伝でん 7:12。ルカ 12:15）

10-11. （ア）心こころを守まもるために何なにをする必ひつ要ようがありますか。（イ）古こ代だいの見み張はりの者ものは何なにをしましたか。わたしたちの良りょう心しんはどんな点てんで見み張はりの者ものに似にていますか。

¹⁰ 心こころを守まもるためには，危き険けんを見み分わけ，すぐに行こう動どうする必ひつ要ようがあります。箴しん言げん 4章しょう23節せつの「守まもる」という言こと葉ばは，見み張はりの者ものの務つとめを連れん想そうさせます。ソロモン王おうの時じ代だい，見み張はりの者ものは都と市しの城じょう壁へきの上うえに立たち，危き険けんが近ちかづいているのを見みると警けい告こくを発はっしました。その様よう子すを思おもい描えがくと，サタンに考かんがえ方かたを腐ふ敗はいさせられないために何なにをしなければならないかが分わかります。

¹¹ 古こ代だいの見み張はりの者ものは，都と市しの門もん衛えいと協きょう力りょくして務つとめを果はたしました。（サム二に 18:24-26）見み張はりの者ものと門もん衛えいは，敵てきが近ちかくに来くるとすぐに門もんを閉しめ，都と市しを守まもりました。（ネヘ 7:1-3）聖せい書しょによって訓くん練れんされた良りょう心しん *は，サタンがわたしたちの心こころに侵しん入にゅうしようとする時とき，つまり，考かんがえや感かん情じょうや動どう機きや願がん望ぼうに影えい響きょうを与あたえようとする時とき，見み張はりの者もののように警けい告こくを発はっします。良りょう心しんが警けい告こくを発はっしたなら，すぐに注ちゅう意いを向むけ，いわば門もんを閉とじる必ひつ要ようがあります。

12-13. どんな誘ゆう惑わくを受うけることがありますか。どのように行こう動どうすべきですか。

¹² どうすればサタンの考かんがえ方かたの影えい響きょうを受うけずにすみますか。1つの例れいを考かんがえましょう。エホバは，「淫いん行こう[または，性せい的てき不ふ道どう徳とく]やあらゆる汚けがれまた貪どん欲よくが口くちに上のぼることさえあってはな[らない]」と教おしえておられます。（エフェ 5:3） では，同どう僚りょうやクラスメートが不ふ道どう徳とくなことを話はなし始はじめたらどうしますか。わたしたちは「不ふ敬けい虔けんと世よの欲よく望ぼうとを振ふり捨すてるべき」であることを知しっています。（テト 2:12）見み張はりの役やく割わりを果はたす良りょう心しんが警けい告こくを発はっするかもしれません。（ロマ 2:15）では，その警けい告こくに従したがいますか。それとも，誘ゆう惑わくに負まけて，同どう僚りょうやクラスメートの話はなしに耳みみを傾かたむけたり，写しゃ真しんを見みたりするでしょうか。そのような時ときには，話わ題だいを変かえるかその場ばを立たち去さるかして，いわばすぐに門もんを閉しめましょう。

¹³ 悪わるいことを考かんがえたり行おこなったりさせようとする圧あつ力りょくに抵てい抗こうするには，勇ゆう気きが必ひつ要ようです。エホバはわたしたちの努ど力りょくに目めを留とめ，サタンの考かんがえを退しりぞけるのに必ひつ要ような力ちからと知ち恵えを与あたえてくださいます。（代だい二に 16:9。イザ 40:29。ヤコ 1:5）しかし，わたしたちにも行おこなうべきことがあります。どうすれば心こころを守まもり続つづけることができるでしょうか。

14-15. （ア）何なにに対たいして心こころを開ひらく必ひつ要ようがありますか。どのようにそうできますか。（イ）箴しん言げん 4章しょう20節せつから22節せつによると，どのように聖せい書しょを読よむべきですか。（「 どんなことを思おもい巡めぐらすか」の囲かこみも参さん照しょう。）

¹⁴ 心こころを守まもるには，悪わるい影えい響きょうを受うけないよう門もんを閉しめるだけではなく，良よい影えい響きょうを受うけるために門もんを開ひらく必ひつ要ようもあります。古こ代だいの門もん衛えいは，敵てきの侵しん入にゅうを防ふせぐために門もんを閉しめましたが，それ以い外がいの時ときには門もんを開あけ，食たべ物ものなどの物ぶっ資しが都と市しに入はいるようにしました。門もんが閉しまったままだったら，住じゅう民みんは飢うえてしまったでしょう。同どう様ように，わたしたちも心こころの門もんを定てい期き的てきに開ひらき，神かみの考かんがえを取とり入いれる必ひつ要ようがあります。

¹⁵ 聖せい書しょにはエホバの考かんがえ方かたが記しるされています。ですから，聖せい書しょを読よむ時ときにはいつでも，エホバの考かんがえを取とり入いれる努ど力りょくを払はらいましょう。エホバの考かんがえ方かたや感かんじ方かたや行こう動どうに倣ならうためです。どのように聖せい書しょを読よめばいいのでしょうか。まず，祈いのることが大たい切せつです。ある姉し妹まいはこう述のべています。「聖せい書しょを読よむ前まえにエホバに祈いのり，『くすしいことを見みる』ことができるよう助たすけてくださいとお願ねがいします」。（詩し 119:18）読よんだことを思おもい巡めぐらす必ひつ要ようもあります。祈いのり，読よみ，思おもい巡めぐらすなら，聖せい書しょの言こと葉ばが「心こころの中なか」に達たっし，エホバの考かんがえ方かたを愛あいするようになります。（箴しん言げん4:20-22を読よむ。詩し 119:97）

16. JW Broadcastingはどのように役やく立だちますか。

¹⁶ 神かみの考かんがえを取とり入いれる別べつの方ほう法ほうは，JW Broadcastingブロードキャスティングを見みることです。ある夫ふう婦ふはこう述のべています。「これまで何なん度ども，マンスリープログラムはわたしたちの祈いのりに対たいする答こたえだと感かんじました。悲かなしい時ときや寂さびしい時とき，力ちからや励はげましをいただきました。家いえではよくオリジナルソングを流ながしています。料りょう理りや掃そう除じをする時とき，お茶ちゃを飲のむ時ときなどに聞きいています」。JW Broadcastingは心こころを守まもるのに役やく立だちます。どうすればエホバの考かんがえ方かたに倣ならえるかを学まなべます。サタンの考かんがえ方かたを受うけ入いれさせようとする圧あつ力りょくに抵てい抗こうする力ちからも得えられます。

17-18. （ア）列れつ王おう第だい一いち 8章しょう61節せつによると，エホバの教おしえに従したがうなら，どんな結けっ果かになりますか。（イ）ヒゼキヤ王おうの例れいから何なにを学まなべますか。（ウ）ダビデが詩し編へん 139編へん23，24節せつで祈いのったように，わたしたちもどんなことを祈いのれますか。

¹⁷ 正ただしいことを行おこなって良よい結けっ果かになるのを見みると，そのたびに信しん仰こうが強つよまります。（ヤコ 1:2，3）エホバにとって誇ほこらしい子こどもの一人ひとりになれるのでうれしくなります。エホバに喜よろこば れたいという願ねがいも強つよまります。（箴しん 27:11）試こころみを受うけるたびに，自じ分ぶんが中ちゅう途と半はん端ぱな気き持もちで父ちちエホバに仕つかえているのではないことを実じっ証しょうできます。（詩し 119:113）何なにがあってもエホバの命めい令れいに従したがい，ご意い志しを行おこなうことによって，エホバを全まったき心こころで愛あいしていることを示しめせるのです。（列れつ王おう第だい一いち8:61を読よむ。）

¹⁸ 不ふ完かん全ぜんなわたしたちは皆みな，間ま違ちがいをすることがあります。そのような時ときは，ヒゼキヤ王おうのことを思おもい出だしましょう。ヒゼキヤは間ま違ちがいを犯おかしましたが，悔くい改あらため，「全まったき心こころをもって」エホバに仕つかえ続つづけました。（イザ 38:3-6。代だい二に 29:1，2; 32:25，26）では，サタンによって考かんがえを汚けがされないようにしてください。「従じゅう順じゅんな心こころ」を持もてるようエホバに祈いのりましょう。（王おう一いち 3:9。詩し編へん139:23，24を読よむ。）ほかの何なによりも心こころを守まもるなら，エホバに忠ちゅう実じつであり続つづけることができるのです。