エホバとの友情を再び築く
どんな問題があるか
会衆に戻ってきた後も,マイナスの気持ちと闘っている人たちは少なくありません。あなたもダビデ王の気持ちが分かるかもしれません。ダビデは,罪を許されていたにもかかわらず,「自分の過ちに圧倒され[る]」と言いました。(詩 40:12; 65:3)エホバのもとに帰ってきた後も,罪悪感や恥ずかしい気持ちが何年も続く場合があります。20年余り排斥されていたイザベル姉妹はこう言っています。 * 「エホバが許してくださったとは,なかなか思えませんでした」。とはいえ,気落ちするならエホバとの絆が再び弱くなってしまうかもしれません。(格 24:10)そうしたことが決して起きないようにしましょう。
エホバとの友情を再び築くためにしなければならないことについて考えて,自分にはできないのではないか,と感じる人もいます。アントワーヌ兄弟は,復帰した後にこう言いました。「エホバの証人としてどんなことを学び,どんなことを行っていたかを,すっかり忘れてしまっていました」。こうした気持ちのために,クリスチャンとしての活動に十分参加できない人もいるかもしれません。
例えで考えてみましょう。大切にしていた家がハリケーンでひどく壊れてしまった場合,それを建て直すのに必要な時間や労力を考えると,気が遠くなるかもしれません。同じように,エホバとの友情が重大な罪に
よって壊れてしまった場合,その友情を再び築くには大変な努力が必要だ,と感じるかもしれません。でも,1人で頑張る必要はありません。エホバは私たちにこう呼び掛けています。「来なさい。私たちの間で物事を正そう」。(イザ 1:18)あなたは,「物事を正」すために,すでに大きな努力を払ってきました。エホバは,そのように頑張っているあなたをいとおしく思っています。考えてみてください。あなたがエホバのもとに帰ってきたことは,サタンの非難が間違っていることの強力な証拠になるのです。(格 27:11)
エホバのもとに帰ってくることによって,あなたはエホバに近づきました。そして,エホバもあなたに近づくと約束してくださっています。(ヤコ 4:8)会衆の人たちも,あなたが戻ってきたことを喜んでいます。とはいえ,さらに行うべきことがあります。お父さんであり友でもあるエホバへの愛を深めていくことです。そのために何ができるでしょうか。
達成できる目標を立てる
達成できる目標を立てましょう。エホバや将来の約束についての知識といった信仰の土台は残っていることでしょう。しかし,その上にクリスチャンとしての良い習慣を再び築いていく必要があります。例えば,良い知らせを伝えることや,集会やそのほかの機会に兄弟姉妹と時間を過ごすようにすることなどです。では,どんなことを目標にできるでしょうか。
エホバにいつも祈る。お父さんエホバもよくご存じのことですが,罪悪感を感じていると,祈るのが難しくなることがあります。(ロマ 8:26)それでも,「粘り強く祈り」,エホバとの友情を再び築きたいと心から思っていることを伝えましょう。(ロマ 12:12)アンドレイ兄弟はこう述べています。「強い罪悪感と恥ずかしさを感じていました。でも祈るたびに,そうした気持ちは和らぎ,心はいっそう穏やかになりました」。どのように祈ったらよいか分からない時には,悔い改めたダビデ王の祈りを参考にすることができます。それは,詩編 51編と65編に収められています。
聖書を定期的に学ぶ。そうするなら,信仰は強くなり,エホバへの愛は深くなっていきます。(詩 19:7-11)フェリペ兄弟はこう言います。「私は,聖書通読や個人研究が習慣になっていなかったので,弱くなり,エホバをがっかりさせてしまいました。同じ間違いは二度としたくないと思いました。それで,個人研究を定期的に行うことを決意しました」。あなたも同じようにできます。個人研究で何をテーマにしたらよいか分からないなら,エホバとの強い友情を築いている友達に尋ねてみましょう。
仲間の兄弟姉妹との友情を再び築く。会衆に戻ってくる人の中には,自分は兄弟姉妹から良く思われないのではないか,と心配する人がいます。ラリッサ姉妹はこう言います。「恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。会衆の兄弟姉妹を裏切ってしまった,と感じていたからです。そうした気持ちはなかなか消えませんでした」。長老たちも兄弟姉妹も,あなたがエホバとの友情を再び築くのを助けたいと心から願っています。(「 長老たちにできること」という囲みを参照。)みんなは,あなたがエホバのもとに帰ってきたことを喜んでいて,あなたが元気になることを願っています。(格 17:17)
どうすれば会衆の人たちともっと親しくなれるでしょうか。集会に休まず出席し,伝道を定期的に行うことによって,兄弟姉妹と一緒に時間を過ごしましょう。そうするとよいのはなぜでしょうか。フェリクス兄弟はこう言っています。「会衆の人たちは,私が戻ってくるのを心待ちにしてくれていました。自分は愛されているんだと実感しました。みんなのおかげで,会衆の中に再び居場所を見つけることができましたし,エホバに許されていると感じられました。そして,エホバに仕えていく力ももらえました」。(「 あなたにできること」という囲みを参照。)
^ 4節 この記事に出てくる名前は変えてあります。