1. イエスは亡なくなる前まえ，隣となりにいた犯はん罪ざい者しゃに何なんと言いいましたか。（ルカ 23:39-43）

 イエスと2人ふたりの犯はん罪ざい者しゃは杭くいに掛かけられています。死しが迫せまり，とても苦くるしんでいます。（ルカ 23:32，33）2人ふたりの犯はん罪ざい者しゃはイエスに向むかって暴ぼう言げんを吐はきます。このことからすると，2人ふたりはイエスの弟で子しではありませんでした。（マタ 27:44。マル 15:32）でも，そのうちの1人ひとりが態たい度どを改あらため，「イエス，王おう国こくに入はいる時ときに私わたしを思おもい出だしてください」と言いいます。すると，イエスはこう答こたえます。「今日きょうあなたに言いいます。あなたは私わたしと共ともにパラダイスにいることになります」。（ルカ 23:39-43を読よむ。）この人ひとは，イエスが伝つたえた「天てんの王おう国こく」についてのメッセージを聞きいたかもしれませんが，イエスの弟で子しになってはいませんでした。イエスも，その人ひとが天てんの王おう国こくに入はいるとは言いいませんでした。（マタ 4:17）イエスがここで言いっていたのは，パラダイスになった地ち球きゅうのことです。どうしてそう言いえるでしょうか。

2. この犯はん罪ざい者しゃがユダヤ人じんだったと考かんがえられるのはなぜですか。

² この犯はん罪ざい者しゃはユダヤ人じんだったようです。もう1人ひとりの犯はん罪ざい者しゃに対たいしてこう言いいました。「神かみを少すこしも畏おそれないのか」。（ルカ 23:40）ユダヤ人じんは，ひとりの神かみを信しんじていました。一いっ方ぽう，周まわりの国くに々ぐにの人ひとたちは複ふく数すうの神かみを信しんじていました。（出しゅつ 20:2，3。コリ一いち 8:5，6）ですから，その人ひとがユダヤ人じんでなかったなら，「神かみ々がみを少すこしも畏おそれないのか」と言いったはずです。また，イエスが遣つかわされたのは，「イスラエル国こく民みんの迷まよい出でた羊ひつじ」を助たすけるためでした。（マタ 15:24） さらに，エホバはイスラエル人じんに死し者しゃの復ふっ活かつがあることを伝つたえていました。この人ひとの語かたった言こと葉ばからすると，この人ひとはイエスが復ふっ活かつして神かみの王おう国こくの王おうになることを信しんじていたようです。神かみが自じ分ぶんのことを復ふっ活かつさせてくれるとも考かんがえていたのでしょう。

3. イエスがパラダイスについて語かたった時とき，この犯はん罪ざい者しゃは何なにをイメージしたはずですか。（創そう世せい記き 2:15）

³ この人ひとがユダヤ人じんだったとすれば，エホバがアダムとエバを美うつくしいパラダイスに住すませたことを知しっていたはずです。それで，イエスがパラダイスのことを語かたった時とき，地ち球きゅう上じょうのそのような美うつくしい場ば所しょをイメージしたでしょう。（創そう世せい記き2:15を読よむ。）

4. イエスが隣となりにいた犯はん罪ざい者しゃに語かたった言こと葉ばについて考かんがえると，どんなことを知しりたいと思おもいますか。

⁴ イエスが隣となりにいた犯はん罪ざい者しゃに語かたった言こと葉ばについて考かんがえると，「パラダイスってどんな所ところなんだろう」と思おもうかもしれません。ソロモンが王おうだった時じ代だいの様よう子すから，パラダイスについて分わかることがあります。聖せい書しょによれば，イエスはソロモンよりも素す晴ばらしい統とう治ちを行おこないます。14万まん4000人にんと一いっ緒しょに，地ち球きゅうを美うつくしいパラダイスに変かえていきます。（マタ 12:42）「ほかの羊ひつじ」の人ひとたちは，パラダイスで生せい活かつするためにはどんなことをする必ひつ要ようがあるのか，ぜひ知しりたいと思おもうことでしょう。（ヨハ 10:16）

5. パラダイスではどんな生せい活かつができると思おもいますか。

⁵ パラダイスと聞きくと，どんな所ところをイメージしますか。エデンの園そののような美うつくしい庭てい園えんかもしれません。（創そう 2:7-9）ミカ書しょの中なかには，「それぞれ自じ分ぶんのブドウの木きやイチジクの木きの下したに座すわ[る]」という預よ言げんがあります。（ミカ 4:3，4）聖せい書しょには，食たべ物ものが豊ゆたかにあるということも予よ告こくされています。（詩し 72:16。イザ 65:21，22）想そう像ぞうしてみてください。美うつくしい自し然ぜんの中なかで，おいしいものがたくさん並ならんだ食しょく卓たくをみんなで囲かこんでいます。草くさ木きや花はなの爽さわやかな香かおりもしてきます。家か族ぞくや友とも達だちの楽たのしそうな笑わらい声ごえも聞きこえてきます。その中なかには，復ふっ活かつしてきた人ひとたちもいます。夢ゆめみたいな話はなしだと思おもいますか。でも，これはパラダイスになった地ち球きゅうで必かならず実じつ現げんすることです。さらに，パラダイスではやりがいのある仕し事ごとも待まっています。

6. パラダイスではどんな仕し事ごとがありますか。（挿さし絵えを参さん照しょう。）

⁶ エホバは人にん間げんを，仕し事ごとを楽たのしめるように造つくりました。（伝でん 2:24）千せん年ねん統とう治ちは特とくに忙いそがしくなります。大だい患かん難なんを生いき残のこった人ひとたちや復ふっ活かつしてくる人ひとたちに，服ふくや食たべ物ものや家いえを準じゅん備びする必ひつ要よう があるからです。それはとてもやりがいのある仕し事ごとです。アダムやエバと同おなじように，地ち球きゅうをパラダイスに変かえていく仕し事ごともあります。人ひと々びとを教おしえる仕し事ごともあります。エホバやエホバのお考かんがえをほとんど知しらない人ひとたちや，古こ代だいの忠ちゅう実じつな人ひとたちが大おお勢ぜい復ふっ活かつしてくるからです。

7. パラダイスはどんな所ところになりますか。どんなことから，それが分わかりますか。

⁷ パラダイスでは，みんなが仲なか良よく暮くらし，生せい活かつに必ひつ要ような物ものに困こまることはありません。また，そこに住すむ人ひとたちはきちんと組そ織しきされます。こうしたことは，ソロモンが王おうだった時じ代だいの様よう子すから分わかります。では，その点てんを聖せい書しょから調しらべていきましょう。

8. 詩し編へん 37編へん10，11，29節せつは，古こ代だいにどのように実じつ現げんしましたか。（この号ごうの「読どく者しゃからの質しつ問もん」を参さん照しょう。）

⁸ ダビデは聖せいなる力ちからを受うけて，エホバに仕つかえる賢かしこい王おうが治おさめる時ときのことを書かきました。（詩し編へん37:10，11，29を読よむ。）私わたしたちは，詩し編へん 37編へん11節せつを将しょう来らいのパラダイスについて説せつ明めいする時ときによく使つかいます。イエスも山さん上じょうの垂すい訓くんの中なかで，この聖せい句くを将しょう来らい起おきることとして語かたりました。（マタ 5:5）でも，ダビデのこの言こと葉ばは，ソロモンが王おうだった時ときの様よう子すにも当あてはまります。当とう時じのイスラエルは，とても平へい和わで，民たみは「非ひ常じょうに肥ひ沃よくな土と地ち」で豊ゆたかな暮くらしをしていました。また，エホバが昔むかし語かたった，「あなたたちが私わたしの法ほう令れいに従したが[う]なら，私わたしはその土と地ちに平へい和わを与あたえ，あなたたちは誰だれにも脅おびやかされずに横よこになる」という言こと葉ばも，その通とおりになりました。（レビ 20:24; 26:3，6。代だい一いち 22:9; 29:26-28）さらに，邪じゃ悪あくな人ひとたちが「いなくなる」という約やく束そくも実じつ現げんしました。（詩し 37:10）ですから，詩し編へん 37編へん10，11，29節せつは，将しょう来らいに当あてはまるだけでなく，古こ代だいにも実じつ現げんしたと言いえます。

9. シェバの女じょ王おうはイスラエルの様よう子すを見みて何なんと言いいましたか。

⁹ ソロモンの統とう治ちの下もとでイスラエルの人ひとたち が平へい和わで豊ゆたかな暮くらしをしているといううわさは，シェバの女じょ王おうのもとにまで届とどきました。女じょ王おうはその様よう子すを自じ分ぶんの目めで確たしかめるために，はるばるエルサレムまでやって来きました。（王おう一いち 10:1）そして，イスラエルの繁はん栄えいぶりを見みて，こう言いいました。「私わたしは半はん分ぶんも知しらされていませんでした。……あなたの民たみは幸しあわせです。いつもあなたの前まえに立たって，あなたの知ち恵えを聞きいている家け来らいたちも幸しあわせです」。（王おう一いち 10:6-8）でも将しょう来らい，イエスが王おうになった時ときには，ソロモン王おうの時じ代だいよりもずっと素す晴ばらしいことが実じつ現げんします。

10. イエスはどんなところがソロモンよりも優すぐれていますか。

¹⁰ イエスはソロモンよりもはるかに優すぐれた王おうです。ソロモンはとても完かん璧ぺきな王おうとは言いえませんでした。重じゅう大だいな間ま違ちがいを幾いくつもして，民たみにつらい思おもいをさせました。では，イエスはどうでしょうか。地ち上じょうにいた時ときには，サタンからいろいろと誘ゆう惑わくされましたが，それでもエホバに従したがい続つづけました。イエスは完かん全ぜんな方かたで，間ま違ちがったことをして国こく民みんにつらい思おもいをさせるようなことは決けっしてありません。（ルカ 1:32。ヘブ 4:14，15）こんな素す晴ばらしい王おうに治おさめてもらえるのは本ほん当とうにうれしいことです。

11. イエスは誰だれと一いっ緒しょに統とう治ちを行おこないますか。

¹¹ イエスは14万まん4000人にんと一いっ緒しょに統とう治ちを行おこない，人にん間げんが幸しあわせに暮くらせるように助たすけます。また，地ち球きゅうについてエホバが当とう初しょ考かんがえていたことが実じつ現げんするようにします。（啓けい 14:1-3）14万まん4000人にんは，地ち上じょうで暮くらしていた頃ころに大たい変へんな経けい験けんをいろいろとしたので，思おもいやり深ぶかい王おうになってくれます。では，彼かれらは具ぐ体たい的てきにどんなことをするのでしょうか。

12. 14万まん4000人にんは，エホバからどんな仕し事ごとを任まかされますか。

¹² イエスと14万まん4000人にんには，ソロモンよりもずっと多おおくの仕し事ごとがあります。ソロモンが治おさめたのは1つの国くにだけでしたが，イエスと14万まん4000人にんは地ち球きゅう全ぜん体たいを治おさめます。人じん口こうは何なん十じゅう億おく人にんにも上のぼることでしょう。14万まん4000人にんは，エホバから本ほん当とうに大おおきな仕し事ごとを任まかされます。

13. 14万まん4000人にんは，地ち上じょうに住すむ人ひとたちのためにどんなことをしますか。

¹³ 14万まん4000人にんはイエスと同おなじように，王おうまた祭さい司しとしての役やく割わりを果はたします。（啓けい 5:10）モーセの律りっ法ぽうによると，祭さい司しには，民たみの健けん康こうを守まもり，エホバとの良よい関かん係けいを保たもてるよう助たすける責せき任にんがありました。「律りっ法ぽうは後のちに来くる良よいものの影かげ」なので，14万まん4000人にんも，地ち上じょうに住すむ人ひとたちの健けん康こうやエホバとの関かん係けいを守まもるために働はたらきます。（ヘブ 10:1）天てんで統とう治ちを行おこなう人ひとたちは，地ち上じょうにいる人ひとたちとどのように意い思しを通かよわせるのでしょうか。今いまはまだ分わかりません。エホバがどんな方ほう法ほうを使つかうとしても，パラダイスで生せい活かつする人ひとたちは必ひつ要ような指し示じや情じょう報ほうを確かく実じつに受うけ取とることができます。（啓けい 21:3，4）

14. 「小ちいさな群むれ」と「ほかの羊ひつじ」はどんな関かん係けいにありますか。

¹⁴ イエスは，自じ分ぶんと一いっ緒しょに天てんで治おさめる人ひとたちのことを「小ちいさな群むれ」と呼よびました。（ルカ 12:32）そして，別べつのグループのことを「ほかの羊ひつじ」と言いいました。この2つのグループは，1つの群むれになります。（ヨハ 10:16）今いまも協きょう力りょくして働はたらいていますし，地ち球きゅうがパラダイスになった時とき にも一いっ緒しょに働はたらきます。その時とき，「小ちいさな群むれ」は天てんにいますが，「ほかの羊ひつじ」は地ち上じょうで生せい活かつします。でも，「ほかの羊ひつじ」の人ひとたちがパラダイスでいつまでも暮くらすためには，今いましなければならないことがあります。

15. （ア）「ほかの羊ひつじ」はイエスの兄きょう弟だいたちを支ささえるためにどんなことができますか。（イ）写しゃ真しんの兄きょう弟だいは，買かい物ものの時ときに何なにをしていますか。この兄きょう弟だいにどのように倣ならえますか。

¹⁵ イエスの隣となりで亡なくなった犯はん罪ざい者しゃは，態たい度どを改あらためたとはいえ，イエスに十じゅう分ぶんに感かん謝しゃを表あらわすことはできませんでした。でも，「ほかの羊ひつじ」にはそのチャンスがたくさんあります。例たとえば，イエスの兄きょう弟だいたちを助たすけたり支ささえたりできます。そうするなら裁さばきの時ときに羊ひつじと見みなされる，とイエスは言いいました。（マタ 25:31-40）では，どのようにイエスの兄きょう弟だいたちを支ささえることができるでしょうか。伝でん道どうや人ひと々びとを弟で子しとする活かつ動どうを一いっ生しょう懸けん命めいに行おこなうことができます。（マタ 28:18-20）そのために，「いつまでも幸しあわせに暮くらせます」などの宣せん教きょうツールを活かつ用ようしましょう。もし今いま，誰だれとも聖せい書しょレッスンをしていないなら，できるだけ多おおくの人ひとにレッスンを勧すすめてみるのはどうでしょうか。

16. パラダイスで生せい活かつするために，今いまからどんなことができますか。

¹⁶ エホバがパラダイスに住すんでほしいと思おもうような人ひとになるために，今いまからできることがあります。例たとえば，正しょう直じきに語かたり，行こう動どうすることです。毎まい日にちの生せい活かつで節せつ度どを守まもるようにします。どんなことがあってもエホバや配はい偶ぐう者しゃや仲なか間まを愛あいし続つづけることも大たい切せつです。今いまの悪わるい世よの中なかでこうした点てんを努ど力りょくしているなら，パラダイスになった時ときにエホバの基き準じゅんに自じ分ぶんを合あわせるのはもっと楽らくになるでしょう。ほかにも，パラダイスで役やく立だつ技ぎ術じゅつや良よい性せい質しつを身みに付つけることもできます。この号ごうの「『地ち球きゅうを与あたえられる』時ときに向むけて今いまできること」という記き事じをご覧らんください。

17. 自じ分ぶんを責せめる気き持もちと闘たたかっているなら，どんなことができますか。

¹⁷ 過か去こに重じゅう大だいな罪つみを犯おかしたために自じ分ぶんを責せめる気き持もちと闘たたかっているなら，自じ分ぶんを許ゆるせるよう に努ど力りょくすることも大たい切せつです。もちろん，贖あがないがあるからといって，「故こ意いに罪つみを犯おかし続つづける」のは良よくありません。（ヘブ 10:26-31）でも，自じ分ぶんがしてしまったことを心こころから後こう悔かいし，エホバや長ちょう老ろうたちに助たすけを求もとめ，悪わるい行おこないをやめるなら，エホバは寛かん大だいに許ゆるしてくださいます。（イザ 55:7。使し徒と 3:19）たとえ大おおきな罪つみであったとしても，イエスの贖あがないに基もとづいて許ゆるしていただけるのです。イエスはパリサイ派はの人ひとたちにこう言いいました。「私わたしは，正ただしい人ひとではなく罪つみ人びとを招まねくために来きました」。（マタ 9:13）

18. あなたは，イエスの隣となりで亡なくなった人ひととどんなことを話はなしてみたいと思おもいますか。

¹⁸ パラダイスにいる自じ分ぶんの姿すがたをイメージできますか。イエスの隣となりで亡なくなったあの人ひとと話はなすことができるかもしれません。あなたもその人ひとも，イエスの贖あがないにどれほど感かん謝しゃしているかを語かたり合あうことでしょう。あなたはその人ひとに，イエスが死しぬ間ま際ぎわの様よう子すや，パラダイスについて聞きいた時ときの気き持もちを尋たずねるかもしれません。その人ひとはあなたに，終おわりの時じ代だいについていろいろと尋たずねてくることでしょう。こうした人ひとたちと聖せい書しょレッスンができることを考かんがえると，本ほん当とうにわくわくします。（エフェ 4:22-24）

19. パラダイスでの生せい活かつが退たい屈くつになることはありません。どうしてですか。（表ひょう紙しの絵えを参さん照しょう。）

¹⁹ パラダイスでの生せい活かつが退たい屈くつになることは決けっしてありません。本ほん当とうにいろいろな人ひとたちと出で会あうことができますし，やりがいのある仕し事ごともたくさんあります。それだけではありません。お父とうさんエホバとエホバが造つくってくれた物ものについてもっと知しることができます。知しれば知しるほど，新あたらしい発はっ見けんがあります。私わたしたちのエホバへの愛あいは，時ときとともにどんどん深ふかまっていくことでしょう。こうしたことを考かんがえると，パラダイスでいつまでも生いきられるようにしてくださったエホバとイエスへの感かん謝しゃの気き持もちでいっぱいになります。