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家族のために | 子育て

自己中心的な子どもにしない

自己中心的な子どもにしない

現実の問題

  • 君んちの子,ちょっと態度が大きいんじゃない? まだ10歳だよ!

  • あの子,自分は特別だと思ってるみたい。

あなたは首をかしげるかもしれません。「うちの子は何でそうなんだろう。自信を持ってほしいとは思うけど,何でも自分が一番だなんて思ってほしくない!」

子どもの自尊心を傷つけないで謙遜さを教えることはできるのでしょうか。

知っておきたいこと

ここ二,三十年の間は,子どもの願いは何でも聞く,褒められるようなことをしていなくてもどんどん褒める,なるべく叱らない,といったことが勧められてきました。子どもは,自分が特別な存在だと感じると,自尊心を持てるようになる,と考えられていました。しかし,その結果はどうだったでしょうか。「ジェネレーション・ミー」(英語)という本はこう述べています。「子どもに自尊心を持たせようとするこの動きは,社会にうまく順応する幸福な子どもを作り出す代わりに,幼いナルシストの大群を作り出してきた」。

むやみに褒められて育つ子どもの多くは,気落ちや批判や失敗への備えができないまま成長します。自分のことばかり考える習慣が付いているので,大人になって長続きする人間関係を持つのが難しくなります。結果として,不安な気持ちやうつ状態に苦しむ人は少なくありません。

子どもは,“あなたは特別”といつも言ってもらうことではなく,何かを達成することによって,本物の自尊心を育てることができます。そのためには,親が子どもを信じているだけでは不十分です。子どもは自分に合ったスキルを選んで学び,やってみて,技を磨く必要があります。(箴言 22:29)また,他の人のことを気遣う必要もあります。(コリント第一 10:24)このすべてを行なうには,謙遜さが不可欠です。

どうすればよいか

適切な時に褒める。例えば,子どもが学校のテストで良い点を取ったならもちろん褒めますが,そうでなくても,すぐに先生のせいにしてはいけません。そんなことをすれば,子どもは謙遜さを学べません。むしろ,次はどうすればもっと頑張れるかを教えましょう。そして,そうできた時には褒めるようにします。

必要な時には叱る。これは,子どものちょっとした失敗をいちいち責めるということではありません。(コロサイ 3:21)しかし,悪いことをしたら正す必要があります。良くない態度もそうです。放置しておくなら,心に根づいてしまうかもしれません。

例えば,子どもに自慢する傾向がある場合,そのままにしておくなら,うぬぼれが強くなり仲間外れにされるかもしれません。自慢するのはかっこ悪いことで,気まずい思いをするかもしれない,と話しましょう。(箴言 27:2)また,自分についてバランスの取れた見方をする人は,自分の能力を言いふらす必要を感じない,ということも話します。愛情をもって正せば,自尊心を傷つけずに謙遜さを教えることができます。聖書の原則: マタイ 23:12

現実に備えさせる。子どもの望みを何でもかなえるなら,子どもはそれが当然だと思うかもしれません。ですから,子どもの欲しがるものを買う余裕がない場合は,予算内で生活しなければならない理由を説明しましょう。お出かけや旅行の計画がキャンセルになった時は,人生にはがっかりすることが付きものだと説明し,あなた自身がそうした気持ちとどう向き合っているかを話せます。子どもを甘やかすより,大人になったら直面する様々な状況に備えさせてください。聖書の原則: 箴言 29:21

与える喜びを教える。「受けるより与えるほうが幸福である」ことを,子どもに理解させましょう。(使徒 20:35)どのようにですか。まず子どもと一緒に,買い物や修理の手助け,送迎が必要な人のリストを作ります。それから,訪問する時には,子どもを連れて行きます。他の人の力になることであなたが得ている喜びや満足感を,子どもに見せましょう。そのようにして,手本という最も強力な方法で,子どもに謙遜さを教えることができます。聖書の原則: ルカ 6:38