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「出席できるとは夢にも思いませんでした」

「出席できるとは夢にも思いませんでした」

「出席できるとは夢にも思いませんでした」

日本における「神に栄光」国際および地域大会

日本の「目ざめよ!」執筆員

2003年10月に開かれた「神に栄光」国際および地域大会は,日本に住むエホバの証人すべてにとって忘れがたい経験となりました。札幌,さいたま,横浜,神戸の四つの国際大会と,他の16の地域大会が二つの週の後半に開催され,各国際大会にはエホバの証人の統治体の成員も出席しました。

大会最終日には国際大会のプログラムの一部が,衛星回線で接続された地域大会会場へ映像付きで配信され,出席したすべての人が海外代表者の報告や統治体の成員の話をスクリーンを見て楽しみ,最後の歌と祈りに共に加わりました。国際大会は例年の地域大会より規模の点で著しく大きなものとなりました。特に横浜大会の出席者数は日本の神権的歴史において最高の6万1,733人で,プログラムは四つの言語で提供されました。また,ほとんどの地域大会も例年より大規模で,国内の遠い地からの出席者との交わりを楽しむ機会ともなりました。

日本で最後に国際大会が開かれたのは25年前の1978年で,当時の伝道者数はわずか4万5,000人でした。これまで日本から大勢のエホバの証人が海外で開催された国際大会に出席しましたが,それでも日本全国にいる21万人を超えるエホバの民全体からすると,実際に国際大会に出席したことのある人はごく限られていました。それで,年配者や子どもたちを含め日本に住むエホバの証人の半数にとって実際に国際大会に出席できたこと,それ以外の出席者にとっても国際大会のプログラムの一部にあずかれたことはまさに画期的な経験でした。地域大会の一つに出席した若い姉妹は,「統治体の兄弟による結びの話のときはスクリーンに引き付けられて聞き入ってしまいました。その映像を見ているだけで感動して涙が出てきました」と書き送ってきました。

障害を克服する

とはいえ,国際大会を組織するのは気の遠くなるような大仕事を意味していました。各国際大会の本部には,交通機関からの人の流れを管制塔のように制御する交通輸送部門と,海外代表団が空港に到着してから帰国するまでのすべてを扱う海外部門が設けられ,大勢の兄弟たちが準備のために文字通り日夜働きました。

交通の面で最も大きな問題を抱えたのは神戸大会でした。主な交通手段の一つは貸し切りバスですが,乗り降りの場所と駐車場の確保が問題となりました。住宅地にある会場周辺には,当初そのための場所を見つけることができませんでした。ところが突然,近くにあった工場が解体され,その空地をバスの駐車場として使用できるようになりました。そこは,予定していたバスすべてをちょうど駐車できる広さでした。では,バスの乗降場所はどうなりましたか。大会の1週間前に会場近くのある大型店から電話が入り,「警察からエホバの証人の大会に協力するようにとの要請があったので,あなた方のイベントにぜひ協力したい」という申し出がありました。その結果,会場の目の前にある店舗駐車場を早朝のバスの降車場所として利用することができるようになりました。

札幌大会へは青森地方の兄弟たちも招待されました。北海道の兄弟たちはこの遠方からの出席者の負担を最小限にするためフェリー,バス,列車を利用した様々な旅行プランを準備しました。札幌から青森までの直通専用特急列車が運行され,また夜行列車には出席者専用の車両が増結されました。札幌駅では,専用改札口と案内所が設置され,正面には大きな歓迎サインが掲げられました。最終日には駅構内の電光掲示板に,「2003年札幌国際大会ご出席の皆様,お疲れさまでした。気をつけてお帰りください」という文字が流され,帰りの専用列車は「さよなら国際大会」号と名づけられていました。

青森から出席した一人の中学生の男の子は,海外代表者も含めた大勢の兄弟姉妹が札幌駅で見送ってくれた様子に感動し,大粒の涙を流していました。示された兄弟愛に対する感謝をどのように表わすことができるか考えた末,その子は母親と長老に神権宣教学校に入りたいとの決意を伝えました。

海外からの代表者

国際大会には,40か国から合計7,000人近くの代表者が出席しました。各空港や大会ホールなどで歓迎のための取り決めが設けられ,大勢の兄弟姉妹たちが大会前後も国際的な交わりを楽しむ機会となりました。

韓国,マレーシア,モーリシャス,グアム,インドなどからの4,000人近くの代表者にはホームステイが計画されました。ホームステイをしている代表者との交わりが多くの会衆で設けられ,ホストの家族だけでなく会衆全体が国際的な兄弟関係を楽しみました。ある兄弟はこう感想を述べています。「ホストの特権を通して楽園の希望が一層鮮明になりました。出版物の楽園の挿絵の登場人物は,何をしていても,いつも笑顔で描かれています。ちょっとオーバーではないかと感じていましたが,それは間違いでした。なぜならその挿絵の状態は今,現実として起きているからです」。

代表者を歓迎し,生じ得るさまざまな状況に対応できるよう,大勢の兄弟姉妹が外国語を学ぶことに意欲的に取り組みました。とはいえ,言葉が通じなくても歓迎の気持ちを示したいと,大勢の兄弟姉妹は前もってプレゼントを準備しました。もてなしの一つとして,この機会に初めて和服を着た兄弟姉妹も少なくありませんでした。

海外からの代表者たちは,確かに私たちを励ますために来てくださいました。ある姉妹はこう述べています。「母は車いすなので海外からの代表者と交わるのも限られるだろうと思いましたが,その予想は良い方向に裏切られました。なんと,何人もの方が障害者席に来て,一人一人にあいさつしてくれたのです。代表者たちが愛を示し,私たちを励ましに来てくれていることを実感できました」。代表者たちが,広い会場内で年配者席や障害者席を探して関心を示していた様子に気づいた人は少なくありません。若い開拓者の姉妹は,「単なる『ゲスト』としてではなく,国の兄弟姉妹たちを代表して,与えるために来てくださった方々の認識ともてなしの精神に大きな感銘を受けました」と述べました。

大会は「神に栄光」をもたらす

大会期間中,「神に栄光」というバッジを着けた大群衆が各地で流れのように会場に向かう様子は,ミカ書 4章1節の『末の日に,もろもろの民は必ず流れのようにそこに向かう』という言葉を思い出させるものでした。会場への長い列に並んでいた小さな子どもは,「神のお友だちがたくさんいるんだね」とうれしそうに母親に言いました。そして,その整然とした様子はそれ自体,神に栄光を帰すものとなりました。

国際大会の宣伝のため,4色刷りの特別な招待ビラが400万枚準備され,国際大会開催都市とその周辺で配布されました。そのビラがきっかけで出席した人も多くいました。さいたま大会で,ある姉妹は隣の席にいた女性に「姉妹はどちらの会衆ですか」と話しかけました。すると,その女性は出席したいきさつを話してくれました。「大会初日の午前中,駅の近くで着物を着てスーツケースを持っている人を見かけたので,『外国旅行ですか』と尋ねたところ,『アリーナで聖書を学ぶ集まりがあるので,来てみませんか』と招待ビラを渡されました。その日の朝,神に『何か良いことがありますように』と祈ったばかりだったので,これが答えなのかと思い来てみました。今日で4日目です。こんな集まりはほかにないですよ。本当にすばらしい」。その女性は感動しながら話していました。そして,「今日は,わたしも若い時の着物を引っ張り出して着ているんですよ」と言い,その女性も着物姿で大会を楽しんでいました。

霊的な里程標

ある若い姉妹の語った,「感動の連続でした。まさか,国際大会に出席できるとは夢にも思いませんでした。時々自然に涙が出てしまいます。エホバ神に感謝せずにはいられません」という言葉は,出席者すべての気持ちをよく表わしています。

大会後,大勢の海外の代表者が感謝の手紙を送ってきました。一組の夫婦はこう述べています。「兄弟たちのすばらしいもてなしに全く圧倒される思いでした。日本の兄弟たちはテレビに出てくる日本人のようだろうと思っていました。よそよそしくて恥ずかしがり屋というイメージです。でも,実際はその正反対でした。兄弟たちは優しく,楽しく,ユーモアのセンスたっぷりでした。国際的な兄弟関係を実際に体験するのは,かけがえのない貴重な経験です。詩編 133編1節の言葉には,計り知れない価値があります。兄弟たちからたくさんのプレゼントをいただきましたが,最も貴重なプレゼントは,開拓奉仕を続けるようにという励ましです。私たち夫婦は日本に行く直前にギレアデ学校の申し込みを提出しました。今は祈りつつ待っています」。

また,韓国から出席した若い兄弟はこう述べました。「私は,間もなく個人として直面することになっている信仰の試みの前に良い思い出を作りたいと思い,この大会に出席しました。日本の兄弟姉妹は私の問題についていろいろと尋ねて下さり,励ましてくれました。私の心は本当に温かくなり,エホバに感謝しました」。

さいたま大会に出席したある若者は,「この経験で,わたしはこれまで会ったことのない外国のエホバの証人たちとも自分は『兄弟』なのだと心から実感しました。そして,エホバに仕える大勢の『兄弟姉妹たち』と一緒に楽園に行きたいという願いがより一層強められました」と述べました。また,九州に住む一人の姉妹は次のような手紙を寄せました。「この大会は霊的な里程標になると言われていましたが,本当にそうなるかしらと思っていました。しかし,私個人にとっても確かにそうなりました。強大な霊的活力を与えられ,今それらでみなぎっています」。

では,あなたにとって「神に栄光」大会は何を教えてくれるものとなりましたか。

[16ページの図表]

最高 バプテスマを 出席した

会場 出席者数 受けた人 統治体の成員

札幌ドーム 17,894 181 ガイ・ピアース

さいたまスーパーアリーナ 31,542 261 スティーブン・レット

横浜国際総合競技場 61,733 669 セオドア・ジャラズ

神戸ウイングスタジアム 27,306 303 サミュエル・ハード

16の地域大会の合計 135,329 1,071

20の大会の合計 273,804 2,485