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驚くべきマヤの暦

驚くべきマヤの暦

驚くべきマヤの暦

メキシコの「目ざめよ!」執筆員

古代マヤ人 *にとって,時の経過は大きな意味を持っていました。様々な出来事は一定の周期で繰り返されるという信条が,マヤ人の暦に反映されています。

一部の専門家がツォルキン(「日の勘定」の意)と呼ぶ暦は260日の周期から成り,13に区分されていました。各区分は20日間で,1日ごとに固有の名前がありました。ツォルキン暦はマヤ人が祭儀を行なう上での基盤であり,占いにも用いられました。

この儀式暦と並行して用いられたのが,ハアブと呼ばれる農耕暦です。こちらは1年を365日とする太陽暦で,19の月があり,そのうち18か月はそれぞれ20日,残る1か月はわずか5日で,合計365日になりました。農業や日常生活はこの太陽年に基づいて営まれました。才知にたけたマヤ人は,これらの暦を組み合わせ,研究者がカレンダー・ラウンド(暦の周期)と呼ぶものを作り,それぞれの暦の構成要素を用いて日付を表わしました。この長大なサイクルは52年で一巡しました。 *

マヤの暦全体を実際に描写している遺物は見つかっていません。学者たちは,数えるほどしか残っていないマヤの書物を解読したり,マヤの石碑や建造物に見られる象形文字を研究したりして,この暦に関する理解を得てきました。

数世紀にわたって研究がなされてきましたが,マヤの暦は今なお専門家たちを魅了しています。その極めて精巧な特徴としては,太陽年の長さを精密に調整していることや,月と惑星の周期を驚くほど正確に算出していることなどがあります。そうです,古代マヤ人はそれらすべてを巧みに計算し,時の経過を正確に示したのです。

[脚注]

^ 3節 「目ざめよ!」誌,2001年9月8日号,「マヤ族 ― 昔と今」という記事をご覧ください。

^ 5節 加えて,マヤ人はロング・カウント・カレンダー(長期暦)と呼ばれるものも用いていました。それは本質的に,大昔の基準日から数えた日数を継続的に記録したものでした。

[31ページの図/図版]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

ツォルキン ハアブ

6カバン 5ポプ

上の石碑の四角で囲まれた部分にある日付は6カバン5ポプで,西暦752年2月6日に相当する

[31ページの図/図版]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

0 1 5

マヤ人は上の三つのシンボルを組み合わせて,すべての数を表わした

0 1 2 3 4

5 6 7 8 9

10 11 12 13 14

15 16 17 18 19

ツォルキン暦では,名前の付いている日が7日ではなく20日あった。下はそれを表わすシンボルの例

ハアブ暦の19か月を表わすシンボル(象形文字)の例

[31ページの図版のクレジット]

Top right and inset: HIP/Art Resource, NY; glyphs: An Introduction to the Study of the Maya Hieroglyphs/Sylvanus Griswold Morlay/Dover Publications