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何を着たらいいのだろう

何を着たらいいのだろう

若い人は尋ねる

何を着たらいいのだろう

ヘザーという女の子が出かけようとしています。その姿を見て,両親は目を疑います。

「なんだい,その格好は」と父親。

「えっ,どこが? 友達とショッピングに行くとこなんだけど」とヘザー。

そんな服じゃ,だめ!」と母親。

「だけど,ママ。みんな着てるし……。この服,自分らしさを表現してるって感じじゃない?」

「自分らしさって言っても,そりゃまずいよ」と父親。「2階へ行って着替えてきなさい。でないと,外出禁止だ!

こんな“バトル”は昔からありました。お父さんやお母さんも,あなたぐらいの年齢の時には親とやり合ったかもしれません。そして,あなたと同じように感じたことでしょう。でも,今は親の立場です。それで服装について,あなたと意見がぶつかります。

あなた: 着心地がいいの。

親: だらしがない。

あなた: とってもおしゃれ!

親: 肌が出すぎ。

あなた: 半額なの。

親: そりゃそうでしょ。生地が半分だもの。

このまま戦うしかないのでしょうか。いいえ,23歳のメガンはこう言います。「言い争う必要はありません。お互いが合意すればいいんです」。“合意する”というのは,おばさんのような格好をする,ということでしょうか。そうではありません。親子で互いの意見の違いについて話し合い,お父さんやお母さんにとって ― そしてあなたにとっても ― 納得できるような案を出すということです。そうすることにはどんなメリットがあるでしょうか。

1. あなたの良さが最大限に出る。友達の目にもそう映る。

2. 服装について親から注意されることが少なくなる。

3. 親はあなたが服装の面で信頼できることを認めて,ほかの分野でも自由を与えてくれるかもしれない。

ではまず,インターネットや店で見つけた“絶対欲しい”服を思い浮かべてください。そして……

聖書の原則を考える

聖書は,服装について多くのことを述べてはいません。服装に直接関係のある聖句すべてを朗読しても,数分しかかかりません。でも,それらの聖句を読むと,確かで有益なガイドラインをつかめます。例えば……

聖書は,「慎みと健全な思いとをもって」身を飾るようにと女性に勧めています。 *テモテ第一 2:9,10

「慎み」と聞くと,心配になるかもしれません。『ださい服を着なくちゃいけないの?』と思いますか。大丈夫です。ここで言う慎みとは,ほかの人の気持ちも配慮しつつ自尊心の表われた服装をするということです。(コリント第二 6:3)そのような規準を満たす服は,いろいろあります。23歳の女性ダニエールは,「簡単ではないかもしれませんが,過激な服を着なくても,おしゃれはできます」と言います。

聖書は装いに関して,「心の中の秘められた人」つまり「内面的な人柄」を重視しなさい,と述べています。―ペテロ第一 3:4; 「新共同訳」,共同訳聖書実行委員会。

慎みの欠けた服装は一時的には人目を引くかもしれませんが,大人や友達からの本当の敬意をかち得るのは内面的な美しさです。同年代の人からもですか。そうです。若い人も,極端なスタイルをするのは愚かだと考えている場合が少なくないのです。16歳のブリタニーはこう言います。「服装で男性に媚びる女の人を見ると,うんざりします」。ケイも同意見です。以前の友達についてこう言います。「その子の着ている物には,“わたしを見て!”とでかでかと書いてあるみたいでした。男の子の気を引くためならどんな派手な格好でもする子でした」。

ファッション・アドバイス: セクシーな服装は避けます。人目を引きたくて必死なように見えてしまいます。セクハラの標的になったり,もっと恐ろしい目に遭ったりするかもしれません。それとは逆に,慎み深い服はあなたの容姿を引き立て,良い特質を際立たせてくれます。

親に意見を聞く

大胆な服をかばんに詰め込み,学校に行ってから着替えればよい,と考えるのは間違いです。こっそりできると思えることでも隠さず正直に親に話すなら,親からいっそう信頼されるようになります。たいていの場合,服装について親の意見を求めるのはよいことです。―箴言 15:22

なぜ,わざわざそんなことをするのですか。親は子どものファッション・センスを抑えつけることしか考えていないのではないでしょうか。いいえ,そんなことはありません。確かに親とあなたは見方が違うかもしれません。でも,違う見方が必要な場合もあります。17歳のナタリンはこう言います。「親のアドバイスをありがたく思っています。恥ずかしい格好で出かけたくはないですし,外見のせいで悪い評判が立つのも嫌だからです」。

さらにもう一つ,子どもは親に養ってもらっている限り親の権威の下にある,ということも忘れないようにしましょう。(コロサイ 3:20)とはいえ,あなたが親の ― そして親があなたの ― 見方を理解すると,意外なほど多くの点で合意できることに気づくでしょう。こうして,“バトル”は終わりを告げます。

ファッション・アドバイス: 試着の時には,鏡に映った立ち姿だけに気を取られないようにしましょう。慎み深いと思えた服も,座ったり屈んだりすると,あまり慎み深くないかもしれません。できれば,親や円熟した友人の意見を聞きましょう。

「若い人は尋ねる」のシリーズの記事をウェブサイトでも見ることができます。www.watchtower.org/ypj

[脚注]

^ 23節 こうした聖書の言葉は女性に対するものですが,原則としては男性にも当てはまります。 「男の子の場合」という囲みを見てください。

考えてみてください

買いたいと思う服を思い浮かべてください。それから,こう考えてみましょう。

■ この服は,どんな“メッセージ”を伝えるだろう。

■ 他の人はどう反応するだろう。

■ そのような反応とそれが生む結果を,自分は本当に望んでいるだろうか。

[19ページの囲み記事/図版]

ファッションワークシート

使い方: このページをコピーします。左側はあなたが記入し,右側は親に書いてもらいます。その後,交換して,記入した事柄を話し合います。意外に思える点がありますか。相手の見方について,今まで知らなかったどんなことが分かりましたか。

あなたのチェック欄

着たい服か買いたい服を思い浮かべます。

■ その服が気に入ったのはなぜですか。順に番号を付けてください。

__________ ブランド

__________ 異性の目を引く

__________ 友達に好かれる

__________ 着心地が良い

__________ 値段

__________ その他 ___

■ その服を見た親の最初の反応は,たぶん……

❑ 「絶対にだめ!」

❑ 「うーん,どうかな」

❑ 「いいんじゃない」

■ 反対される場合,理由はきっと……

❑ 「異性の目を引きすぎる」

❑ 「だらしない」

❑ 「流行を追いすぎ」

❑ 「親として恥ずかしい」

❑ 「値段が高い」

❑ その他 __________

一緒に話し合ってみましょう

■ 親の意見でなるほどと思えるのは,どんな点ですか。

__________

■ その服は,どうすればきちんとした装いになるでしょうか。

__________

親のチェック欄

子どもが着たいと思っている服か,買いたがっている服を思い浮かべます。

■ その服をお子さんが気に入っているのはなぜだと思いますか。順に番号を付けてください。

__________ ブランド

__________ 異性の目を引く

__________ 友達に好かれる

__________ 着心地が良い

__________ 値段

__________ その他 ___

■ あなたの最初の反応は……

❑ 「絶対にだめ!」

❑ 「うーん,どうかな」

❑ 「いいんじゃない」

■ 反対する場合,理由は……

❑ 「異性の目を引きすぎる」

❑ 「だらしない」

❑ 「流行を追いすぎ」

❑ 「親として恥ずかしい」

❑ 「値段が高い」

❑ その他 __________

一緒に話し合ってみましょう

■ この服に反対しているのは,単に自分の好みと違うからですか。

❑ はい ❑ そうかもしれない ❑ いいえ

■ その服は,どうすればきちんとした装いになるでしょうか。

__________

結論

__________

[20ページの囲み記事/図版]

若者のコメント

「聖書の原則に反しない限り,自分の“好み”の服を着ていいんです。おしゃれで,問題のない服はたくさんあります」。―デリック。

「十代のころは,何でも自分で決めたいと思っていました。服装についてとやかく言われるのは嫌でした。でも,親や年上の人の意見に耳を傾けないと自分の考えも尊重してもらえない,ということに気がつきました」。―メガン。

「きわどい服を着ている子を見ると,『いったい何を考えているんだろう』と思ってしまいます。逆に,慎みのあるかわいい服を着ている人を見ると,『自分もあんなふうになりたいな』と思います」。―ナタリン。

[21ページの囲み記事/図版]

 男の子の場合

この記事で取り上げている聖書の原則は,男の子にも当てはまります。慎み深い服装をしましょう。心の中の秘められた人つまり本当の自分が表われるような服装をしましょう。服を選ぶ時,こう自問してください。『これを着ると,僕はどんな人に見えるだろう。それは本当の自分だろうか』。服装は一種の自己表現です。自分の理想とするものに合った服装をしましょう。

[21ページの囲み記事]

親の皆さんへ

冒頭に出てきたヘザーがあなたのお子さんだとしましょう。びっくりするほど露出の多い服を着ています。あなたに言わせれば,ほとんど何も着ていないのと同じです。問答無用でこう言います。「2階へ行って着替えてきなさい。でないと,外出禁止だ!」お子さんはあなたの言うとおりにするかもしれません。実のところ,従うしかないのです。では,どうすれば子どもに,服だけでなく考え方も変えるように教えることができるでしょうか。

■ まず,若者は慎みの欠けた服装の結果をあなた以上に気にしている,ということを覚えておきましょう。お子さんは心の中では,恥ずかしい格好はしたくない,嫌な人から目を付けられたくない,と思っているのです。慎みの欠けた服を着ても美しさが引き立つわけではない,ということを辛抱強く教えてください。 * 代わりに何を着たらよいかを提案しましょう。

■ そして,『道理をわきまえていることが知られるように』します。(フィリピ 4:5)こう考えてください。『この服は聖書の原則に反しているだろうか。わたしの好みに合わないだけだろうか』。(コリント第二 1:24)単に好みの問題であれば,あなたのほうが譲歩できるでしょうか。

■ さらに,この服はだめと言うだけでなく,ふさわしい服を見つけられるようお子さんを助けましょう。時間と労力を惜しんではなりません。

[脚注]

^ 107節 たいていの若者は体型を気にしているので,外見上の欠点をほのめかすような言い方は避けましょう。