若い人は尋ねる
どうしたら第一印象が良くなるだろう
「この面接,いい感じだぞ。ぼくがリラックスしていることは分かってもらえるはずだ。ここに座ってからずっと,友達感覚で話せてるし。採用はまず間違いない」。
「履歴書の内容はりっぱだったけど,これが同じ本人なんだろうか。こんな若者,採用できるはずがない。今からこうだったら,会社に入ったらとんでもないことになる」。
この写真を見て,二人の考えていることに注目してください。面接官の印象を悪くしている三つの要因が分かりますか。
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答えは下
1. 服装が面接にはくだけすぎている。2. 言葉遣いがなれなれしい。3. 態度や姿勢に敬意がない。
何かの食べ物を初めて口にする時のことを想像してください。おいしいかどうか分かるまでに,どれほど時間がかかるでしょうか。ひと口食べるだけで,もっと食べたいと思うか,もうやめようと思うか,判断できます。
同じようなことは,人と初めて会う時にも生じます。ほんのわずかな時間に,あなたは相手について自分なりの印象を持つものです。しかも忘れてはならない事実として,同じ時間に,相手もあなたについての印象を持つようになるのです。
あなたは仕事を探していますか。友達や結婚相手を探していますか。うまくいくかどうかは,こちらが与える第一印象で決まる場合があります。では,他の人に良い印象を与えるために,人付き合いの技術をどのように磨けるかを見てみましょう。三つの点を取り上げます。
1. 外見
不公平だと思うかもしれませんが,他の人があなたについて抱く最初の印象は,まず目に映るもの,つまり見た目によって決まる場合があります。良い第一印象を与えるためのこの側面をあまり意識しない人もいます。クラリッサ *という若い女性はこう言います。「レストランに行くのに,思いっきりドレスアップしてくる人もいれば,寝起きみたいな格好で来る人もいます」。
もちろん,何を着るかは状況によって変わるものです。例えば,仕事の面接を受ける時には,海に行く時のような格好はしないでしょう。では,ある場面で,どんな服装にしたらよいか分からない場合はどうですか。センスの良い服装をし,極端を避けることが大切です。迷う時は,保守的かと思うぐらいの服装のほうが無難でしょう。
覚えておきましょう 服装と身だしなみは,X線画像のように,人の内面にあるものを明らかにするものです。
「何かの集まりで,突飛な服装をしている子たちを見ると,距離を置いてしまいます。その時点で分かるのは外見だけなので,服装で判断するしかないんです」。―ダイアン。
聖書も,「慎みと健全な思い」を持っていることが分かるような,「よく整えられた服装」をすることを勧めています。―テモテ第一 2:9。
自問してみましょう: 『わたしが着る服はきちんと整っているだろうか,それともだらしがないだろうか。いずれ上司や友達や交際相手になるかもしれない人は,わたしの服装を見て「健全な思い」が欠けていると感じるだろうか』。
提案: あなたが敬意を抱き服装の趣味がよいと思う人に,アドバイスを求めてみましょう。
2. 言葉
あなたが控えめか自信過剰か,気持ちが大きいか,ゆとりがないかは,話す言葉に表われます。ある異性に良い第一印象を与えたいと思っている時には,その点を忘れないでください。バレリーという若い女性はこう言います。「自分のことばかり話す男性だと,本当にいらいらします。それとは正反対に,会った途端にこちらのことを何でも知りたがる人もいます。圧倒されて思いっきり引いてしまいます」。
覚えておきましょう あなたの話す言葉は窓のように,内面にあるものを映し出します。ですから,話し方によって自分の良いところが相手にも見えるようにしましょう。
「お付き合いするんだったら,自然に振る舞ってくれる男性がいいです。初対面は大切です。良く見られようとして,自分を無理にアピールするような話し方は,やめてほしいと思います」。―セレナ。
聖書にも,「話しすぎると間違ったことを言ってしまう。だから,よく考えて,何を言うかに気をつけなさい」とあります。―箴言 10:19,「現代英語訳」。
自問してみましょう: 『話しすぎや無口になるのを避け,ちょうどよい話し方をするにはどうすればよいか。自分の話し方によってほかの人が嫌な思いをしたり傷ついたりしていないだろうか』。
提案: 会話が上手だと思う人を観察してみましょう。その人は,どのようにして会話が弾むようにしていますか。あなたも同じようにしてみることができますか。
3. 行動
行動は言葉より雄弁です。例えば,マナーの良い人の行動は,他の人に敬意を抱いていることを“語り”ます。結婚相手を探すことを考えている人は,この点も覚えておくとよいでしょう。キャリーという若い女性はこう言います。「敬意は,ドアを押さえておくなど,ちょっとしたことで表わせます。必要なのは,普通の礼儀を示すことです」。
覚えておきましょう 人の行動は広告の看板のように,その人がどんな特質を持っているかを周りに知らせます。(箴言 20:11)あなたの行動は,あなたについてどんな点を“宣伝”していますか。
「人の話をよく聞くことは大切だと思います。さらに,状況にもよりますが,話をさえぎらないことも良いマナーの一つです」。―ナタリア。
聖書も,「自分にして欲しいと思うとおりに,人にも同じようにしなさい」と述べています。―ルカ 6:31。
自問してみましょう: 『わたしは良いマナーを示しているだろうか。他の人に本当に関心を払っているだろうか。信頼できる人だろうか。時間を守っているだろうか』。
提案: 約束した場所に10分前までには到着するよう計画しましょう。予期しないことが起きても時間に遅れないためです。遅刻する人という第一印象を与えないようにしましょう。
注意したい点: 良い印象を与えるとは上辺を繕うことではありません。それは人を欺くことになってしまうでしょう。(詩編 26:4)むしろ,どんな特質の人として見られたいかを考え,その特質を内面から培うようにしましょう。(コロサイ 3:9,10)自分の評判を作るのはあなた自身であることを忘れないでください。外見,言葉,行動にふさわしく気を配るなら,ずっと残せる良い第一印象を与えることができるでしょう。
^ 15節 この記事に出てくる一部の名前は変えてあります。