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七人の牧者,八人の君侯 ― 今日のわたしたちにとってどんな意味があるか

七人の牧者,八人の君侯 ― 今日のわたしたちにとってどんな意味があるか

「わたしたち​も​これ​に​対し​て​七​人​の​牧者​を,いや,人​の​中​から​八​人​の​君侯​を​起こさ​ね​ば​なら​ない」。―ミカ 5:5

1. シリア​と​イスラエル​の​連合​軍​に​よる​策略​は​成功​する​はず​が​あり​ませ​ん​でし​た。なぜ​です​か。

西暦​前​762​年​から​759​年​まで​の​ある​時​に,イスラエル​の​王​と​シリア​の​王​が​ユダ​王国​に​宣戦​を​布告​し​まし​た。何​の​ため​でしょ​う​か。エルサレム​に​侵攻​し,アハズ​を​王座​から​引きずり​降ろし,その代わり​に,恐らく​ダビデ​の​王統​で​は​ない​別​の​者​を​王​に​する​こと​が​目的​です。(イザ 7:5,6)イスラエル​の​王​は,そう​す​べき​で​ない​こと​を​知っ​て​い​た​はず​です。エホバ​は,ダビデ​の​王座​に​は​恒久​的​に​ダビデ​の​子孫​のみ​が​座す​こと​を​定め​て​おら​れ​まし​た​し,神​の​言葉​が​成就​せ​ず​に​終わる​こと​は​ない​から​です。―ヨシュ 23:14。サム​二 7:16

2‐4. イザヤ 7​章​14,16​節​が,(イ)西暦​前​8​世紀,(ロ)西暦​1​世紀​に​どの​よう​に​成就​し​た​か​を​説明​し​て​ください。

2 当初,シリア​と​イスラエル​の​連合​軍​は​優勢​に​見え​まし​た。一つ​の​戦い​だけ​で​アハズ​は​12万​も​の​勇敢​な​兵士​を​失い,「王​の​子」で​ある​マアセヤ​も​殺さ​れ​ます。(代​二 28:6,7)しかし​エホバ​は​見​て​おら​れ​まし​た。ダビデ​に​対する​約束​を​忘れ​ず,預言​者​イザヤ​を​遣わし​て​非常​に​励み​の​多い​音信​を​伝え​させ​ます。

3 イザヤ​は​こう​述べ​まし​た。「見よ,乙女​が​実際​に​妊娠​し​て,男​の​子​を​産み​ます。彼女​は​その​名​を​必ず​インマヌエル​と​呼ぶ​でしょ​う。その​男​の​子​が​悪​を​退け,善​を​選ぶ​こと​を​知る​よう​に​なる​前​に,あなた​が​むかつく​よう​な​怖れ​を​抱い​て​いる​二​人​の​王​の​地[シリア​と​イスラエル]は​完全​に​捨て​られる​から​です」。(イザ 7:14,16)この​預言​の​最初​の​部分​は​しばしば​メシア​の​誕生​に​適用​さ​れ​ます。それ​は​正しい​こと​です。(マタ 1:23)しかし,「二​人​の​王」つまり​シリア​の​王​と​イスラエル​の​王​が​西暦​1​世紀​に​は,もはや​ユダ​に​とっ​て​脅威​で​は​なかっ​た​こと​から​する​と,インマヌエル​に​関する​この​預言​は,イザヤ​の​時代​に​最初​の​成就​を​見​た​に​違いあり​ませ​ん。

4 イザヤ​が​この​注目​す​べき​言葉​を​述べ​て​間​も​なく,イザヤ​の​妻​は​妊娠​し,男​の​子​を​産み​ます。マヘル​・​シャラル​・​ハシュ​・​バズ​と​いう​名前​です。イザヤ​の​述べ​た「インマヌエル」は​この​息子​で​ある​可能​性​が​あり​ます。 * 聖書​時代,子ども​が​誕生​する​と,親​や​親族​が​その​子​を​呼ぶ​名​と​は​別​に,特別​な​出来事​を​記念​する​よう​な​名前​が​付け​られる​こと​が​あっ​た​よう​です。(サム​二 12:24,25)イエス​が​インマヌエル​と​いう​名​で​呼ば​れ​た​こと​を​示す​証拠​は​あり​ませ​ん。―イザヤ 7:14; 8:3,4​を​読む。

5. アハズ​王​は​どんな​愚か​な​決定​を​下し​まし​た​か。

5 イスラエル​と​シリア​が​ユダ​に​注意​を​向け​て​い​た​間,別​の​軍事​国家​も​その​地域​を​狙っ​て​い​まし​た。台頭​し​つつ​あっ​た​世界​強国​アッシリア​です。イザヤ 8​章​3,4​節​に​よる​と,アッシリア​は​南​の​ユダ​王国​を​攻撃​する​前​に,「ダマスカス​の​資産」と「サマリア​の​分捕り​物」を​運び去る​こと​に​なっ​て​い​まし​た。不​信仰​な​アハズ​は,イザヤ​が​述べ​た​神​の​言葉​を​信頼​する​の​で​は​なく,アッシリア​人​と​契約​を​結び​まし​た。その​契約​は​悲惨​な​結果​を​招き,ユダ​は​アッシリア​人​に​虐げ​られる​こと​に​なり​ます。(王​二 16:7‐10)アハズ​は​ユダ​の​牧者​と​し​て,何​と​愚か​な​こと​を​し​た​の​でしょ​う。わたしたち​は​どう​です​か。「自分​は,重要​な​決定​を​下す​とき,神​と​人間​の​どちら​に​信頼​を​置く​だろ​う​か」と​自問​する​の​は​よい​こと​です。―箴 3:5,6

新た​な​牧者​は​異なっ​て​い​た

6. アハズ​と​ヒゼキヤ​の​統治​は​どの​よう​に​異なっ​て​い​まし​た​か。

6 アハズ​は​西暦​前​746​年​に​死​に,物質​的​に​も​霊的​に​も​疲弊​し​切っ​た​ユダ​王国​を,息子​の​ヒゼキヤ​が​引き継ぎ​ます。この​年若い​王​は​即位​し​て,何​を​優先​し​た​でしょ​う​か。ユダ​の​低迷​し​た​経済​の​活性​化​でしょ​う​か。そう​で​は​あり​ませ​ん。ヒゼキヤ​は​霊的​な​人​で​あり,ユダ​王国​と​いう​群れ​の​立派​な​牧者​でし​た。最初​に​取っ​た​行動​は,清い​崇拝​を​復興​し,強情​な​国民​と​エホバ​と​の​弱り切っ​た​関係​を​強化​する​こと​でし​た。自分​に​対する​神​の​ご意志​を​理解​し​た​ヒゼキヤ​は,毅然​と​し​た​行動​を​取っ​た​の​です。何​と​素晴らしい​模範​でしょ​う。―代​二 29:1‐19

7. 新しい​王​が​レビ​人​に​支援​を​確約​する​こと​は,なぜ​大切​だっ​た​と​言え​ます​か。

7 レビ​人​は,清い​崇拝​の​回復​と​いう​大切​な​業​に​おい​て​重要​な​役割​を​果たす​こと​に​なっ​て​い​まし​た。ですから,ヒゼキヤ​は​レビ​人​と​会い,彼ら​へ​の​支援​を​確約​し​ます。その​集まり​に​出席​し​た​忠実​な​レビ​人​たち​が​王​の​言葉​を​聞き,喜び​の​涙​を​流す​様子​を​想像​し​て​み​て​ください。王​は,「あなた方​は​エホバ​が​選​ん​で​ご自分​の​前​に​立た​せ,ご自分​に​奉仕​さ​せ(る)者​たち」です,と​力強く​述べ​まし​た。(代​二 29:11)そう​です,レビ​人​は,清い​崇拝​を​促進​する​よう​に​と​の​明確​な​命令​を​与え​られ​た​の​です。

8. ヒゼキヤ​は​民​の​霊性​を​立て直す​ため​に,さらに​どんな​措置​を​講じ​まし​た​か。どんな​結果​に​なり​まし​た​か。

8 ヒゼキヤ​は​ユダ​と​イスラエル​の​民​すべて​を,大​規模​な​過ぎ越し​の​祝い​と,その​後​の​七​日​間​に​わたる​無​酵母​パン​の​祭り​に​招き​まし​た。民​が​大いに​喜ん​だ​ため,祭り​は​さらに​七​日​延長​さ​れ​まし​た。聖書​は​こう​伝え​て​い​ます。「エルサレム​に​は​大いなる​歓び​が​あっ​た。イスラエル​の​王​ダビデ​の​子​ソロモン​の​時代​から​この​かた,この​よう​な​こと​は​エルサレム​に​は​なかっ​た​から​で​ある」。(代​二 30:25,26)民​の​すべて​は​この​霊的​な​祭り​に​よっ​て​大いに​鼓舞​さ​れ​まし​た。歴代​第​二 31​章​1​節​に​は,こう​記さ​れ​て​い​ます。「彼ら​は​この​すべて​を​し​終える​や,……聖柱​を​打ち壊し,聖木​を​切り倒し,……高き所​と​祭壇​を​取り壊し(た)」。こう​し​て​ユダ​は,断固​たる​態度​で​エホバ​に​立ち返る​よう​に​なり​まし​た。この​霊的​な​清め​の​業​は,その​後​に​生じる​事柄​を​考える​と,非常​に​重要​な​もの​でし​た。

王​は​エホバ​を​信頼​する

9. (イ)イスラエル​の​計画​は​どの​よう​に​水泡​に​帰し​まし​た​か。(ロ)セナケリブ​は​ユダ​に​おい​て,当初​どの​よう​な​成功​を​収め​まし​た​か。

9 イザヤ​の​言葉​どおり,アッシリア​人​は​北​の​イスラエル​王国​を​征服​し​て​住民​を​流刑​に​処し​た​ため,ダビデ​の​王座​を​奪い取っ​て​別​の​者​を​王​に​する​と​いう​イスラエル​の​計画​は​水泡​に​帰し​まし​た。アッシリア​人​の​計画​は​どう​なり​まし​た​か。彼ら​は​ユダ​を​手​に​入れ​よう​と​し​ます。「ヒゼキヤ​王​の​第​十四​年​に,アッシリア​の​王​セナケリブ​が​ユダ​の​防備​の​施さ​れ​た​すべて​の​都市​に​攻め上っ​て,これ​を​奪い​はじめ」ます。セナケリブ​は​ユダ​の​都市​を​全部​で​46​征服​し​た​と​言わ​れ​て​い​ます。あなた​が​当時​の​エルサレム​に​住ん​で​い​たら​どう​感じ​た​でしょ​う​か。ユダ​の​諸​都市​が​アッシリア​軍​の​手​に​かかっ​て​次​から​次​へ​と​陥落​し​て​ゆく​の​です。―王​二 18:13

10. ミカ 5​章​5,6​節​が,ヒゼキヤ​を​勇気づけ​た​の​は,なぜ​だ​と​思わ​れ​ます​か。

10 もちろん​ヒゼキヤ​は,危険​が​迫っ​て​いる​こと​を​知っ​て​い​まし​た​が,異教​の​国​の​援助​を​必死​に​求め​た​背教​的​な​父​アハズ​と​は​違い,エホバ​に​信頼​を​置き​まし​た。(代​二 28:20,21)ヒゼキヤ​は​同​時代​に​生き​た​預言​者​ミカ​の​言葉​を​知っ​て​い​た​の​か​も​しれ​ませ​ん。ミカ​は​アッシリア​に​つい​て,こう​予告​し​て​い​まし​た。「わたしたち​も​これ[アッシリア​人]に​対し​て​七​人​の​牧者​を,いや,人​の​中​から​八​人​の​君侯​を​起こさ​ね​ば​なら​ない。そして​彼ら​は​まさに​剣​を​もっ​て​アッシリア​の​地​を……牧する」。(ミカ 5:5,6)霊感​に​よる​この​言葉​は​ヒゼキヤ​を​勇気づけ​た​に​違いあり​ませ​ん。それ​は,アッシリア​人​に​対し​て​極めて​異例​な​軍隊​が​起こさ​れ,敵意​ある​侵略​者​たち​が​必ず​敗北​する​こと​を​示す​もの​だ​から​です。

11. 七​人​の​牧者​と​八​人​の​君侯​に​関する​預言​の​主要​な​成就​は,いつ​見​られ​ます​か。

11 七​人​の​牧者​と​八​人​の​君侯(「八​人​の​君」,「口語​訳」,日本​聖書​協会)に​関する​預言​の​主要​な​成就,すなわち​最も​重要​な​成就​が​見​られる​の​は,「イスラエル​に​おい​て​支配​者​と​なる​者」,つまり「その​者​の​起こり​は​遠い​昔​から」と​言わ​れ​て​いる​イエス​の​誕生​後,長い​時​を​経て​から​です。ミカ 5:1,2​を​読む。その​成就​は,エホバ​の​僕​たち​の​存在​そのもの​が​現代​の“アッシリア​人”に​脅かさ​れる​時​に​見​られる​の​です。エホバ​は,わたしたち​が​恐ろしい​敵​に​立ち向かえる​よう,統治​する​み子​を​通し​て,軍勢​を​集め​て​ください​ます。どんな​軍勢​でしょ​う​か。その​点​に​つい​て​調べる​前​に,アッシリア​人​に​よる​脅威​に​直面​し​て​ヒゼキヤ​が​取っ​た​行動​から​学べる​事柄​を​考え​ましょ​う。

ヒゼキヤ​は​実際​的​な​方法​を​講じる

12. ヒゼキヤ​や​その​側​に​いる​者​たち​は,神​の​民​を​保護​する​ため​に,どんな​方法​を​講じ​まし​た​か。

12 エホバ​は​いつも,わたしたち​が​独力​で​は​でき​ない​事柄​を​進ん​で​行なっ​て​ください​ます​が,わたしたち​が​できる​こと​は​行なう​よう​期待​し​て​おら​れ​ます。ヒゼキヤ​は「その​君​たち,および​力​の​ある​者​たち」と​相談​し,「市​の​外​に​ある​泉​の​水​を​ふさぐ​こと」に​決め​ます。それ​から,「勇気​を​奮い起こし​て,崩れ​た​城壁​を​全部​建て直し,その​上​に​塔​を,さらに​外側​に​もう​ひとつ​の​城壁​を​立て,……たくさん​の​飛び道具​と​盾​を​造(り)」ます。(代​二 32:3‐5)エホバ​は​当時​の​民​を​保護​し​牧する​ため​に,ヒゼキヤ,その​君​たち,霊的​に​強い​預言​者​たち​など,幾​人​も​の​勇敢​な​男子​を​お用い​に​なっ​た​の​です。

13. 来たる​べき​攻撃​に​民​を​備え​させる​ため​に​ヒゼキヤ​が​講じ​た​最も​大切​な​方法​と​は,何​です​か。説明​し​て​ください。

13 次​に​ヒゼキヤ​は,水​を​ふさい​だり​都市​の​城壁​を​強化​し​たり​する​より​ずっ​と​重要​な​こと​を​行ない​ます。気遣い​の​深い​牧者​ヒゼキヤ​は​民​を​集め,次​の​よう​な​言葉​で​彼ら​を​霊的​に​勇気づけ​ます。「アッシリア​の​王​の​ゆえに……恐れ​て​は​なら​ない。おびえ​て​は​なら​ない。わたしたち​と​共​に​いる​者​は​彼​と​共​に​いる​者​より​も​多い​から​で​ある。彼​と​共​に​いる​の​は​肉​の​腕​で​ある​が,わたしたち​と​共​に​いる​の​は,わたしたち​を​助け,わたしたち​の​戦い​を​戦っ​て​くださる,わたしたち​の​神​エホバ​で​ある」。何​と​信仰​を​強める​諭し​な​の​でしょ​う。エホバ​は​民​の​ため​に​戦っ​て​くださる​の​です。ユダヤ​人​は,「ユダ​の​王​ヒゼキヤ​の​言葉​で​元気​を​出す​よう​に」なり​まし​た。民​を​活気づか​せ​た​の​は「ヒゼキヤ​の​言葉」で​ある​こと​に​注目​し​て​ください。ヒゼキヤ,その​君​たち,力​の​ある​者​たち,それ​に​預言​者​ミカ​と​イザヤ​は,エホバ​が​預言​者​を​通し​て​予告​し​て​おら​れ​た​通り,有用​な​牧者​に​なっ​た​の​です。―代​二 32:7,8。ミカ 5:5,6​を​読む。

ヒゼキヤ​の​言葉​は,民​を​活気づか​せ​た(12,13​節​を​参照)

14. ラブシャケ​は​どんな​こと​を​し​まし​た​か。民​は,どの​よう​な​反応​を​示し​まし​た​か。

14 アッシリア​の​王​は,エルサレム​の​南西​に​位置​する​ラキシュ​に​陣営​を​張り,そこ​から​3​人​の​使者​を​遣わし​て,エルサレム​に​降伏​を​命じ​ます。王​の​代弁​者​と​なっ​た​の​は,ラブシャケ​と​いう​称号​を​持つ​役人​です。ラブシャケ​は​様々​な​手​を​用い​ます。ヘブライ​語​で​ユダヤ​人​に​話しかけ,ヒゼキヤ​を​裏切っ​て​アッシリア​人​に​従う​よう​に,そう​すれ​ば​快適​な​土地​に​移住​さ​せる,と​心​に​も​ない​約束​を​し​ます。列王​第​二 18:31,32​を​読む。次い​で​ラブシャケ​は,諸​国民​の​神々​が​民​を​保護​でき​なかっ​た​よう​に,エホバ​も​ユダヤ​人​を​アッシリア​人​の​攻撃​から​救出​する​こと​は​でき​ない,と​主張​し​ます。しかし​ユダヤ​人​は​賢明​に​も,そう​し​た​中傷​的​な​宣伝​工作​に​乗ろ​う​と​し​ませ​ん​でし​た。今日​の​エホバ​の​僕​たち​も​多く​の​場合,その​方針​に​従い​ます。―列王​第​二 18:35,36​を​読む。

15. エルサレム​の​住民​に​求め​られ​て​い​た​の​は​何​です​か。エホバ​は​どの​よう​に​エルサレム​に​救い​を​もたらし​まし​た​か。

15 ヒゼキヤ​は​当然​ながら​動揺​し​ます。しかし,外国​の​軍隊​に​援助​を​求める​の​で​は​なく,預言​者​イザヤ​の​もと​に​人​を​遣わし​ます。イザヤ​は​ヒゼキヤ​に,「彼[セナケリブ]は​この​都市​に​入る​こと​は​ない。また,そこで​矢​を​射る​こと​も……ない」と​告げ​ます。(王​二 19:32)エルサレム​の​住民​に​求め​られ​て​い​た​の​は​ただ​一つ,一歩​も​引か​ない​こと​でし​た。エホバ​が​ユダ​の​ため​に​戦っ​て​くださる​の​です。実際​エホバ​は​そう​さ​れ​まし​た。「その​夜,エホバ​の​使い​が​出​て​行き,アッシリア​人​の​陣営​で​十八万五千​人​を​討ち倒し​た」の​です。(王​二 19:35)ユダ​の​救い​は,ヒゼキヤ​が​都市​の​水​の​泉​を​ふさい​だ​こと​や,城壁​を​建て直し​た​こと​に​よっ​て​もたらさ​れ​た​の​で​は​あり​ませ​ん。神​の​介入​に​よる​の​です。

今日​の​わたしたち​に​対する​教訓

16. 今日​に​おい​て,(イ)エルサレム​の​市民,(ロ)“アッシリア​人”,(ハ)七​人​の​牧者​と​八​人​の​君侯,は​それぞれ​だれ​を​表わし​て​い​ます​か。

16 七​人​の​牧者​と​八​人​の​君侯​に​関する​預言​は,現代​に​おい​て​主要​な​成就​を​見​ます。古代​エルサレム​の​市民​は,アッシリア​人​の​攻撃​を​受け​まし​た。近い​将来,一見​弱​そう​な​エホバ​の​民​は,彼ら​を​拭い去ろ​う​と​する​現代​の“アッシリア​人”の​攻撃​に​さらさ​れ​ます。聖書​は​その​攻撃​に​加え,『マゴグ​の​ゴグ』に​よる​攻撃,「北​の​王」に​よる​攻撃,「地​の​王​たち」に​よる​攻撃​の​こと​も​述べ​て​い​ます。(エゼ 38:2,10‐13。ダニ 11:40,44,45。啓 17:14; 19:19)これら​は​それぞれ​別個​の​攻撃​を​意味​する​の​でしょ​う​か。必ずしも​そう​で​は​あり​ませ​ん。聖書​は,同じ​攻撃​を​別々​の​名​で​呼ん​で​いる​の​か​も​しれ​ませ​ん。ミカ​の​預言​に​は,エホバ​が​残酷​な​敵“アッシリア​人”に​対し​て​どんな​軍隊​を​用いる​こと​が​示さ​れ​て​い​ます​か。非常​に​意外​な​軍隊​です。聖書​は​その​軍隊​が,「七​人​の​牧者」と「八​人​の​君侯」つまり​君​で​構成​さ​れる,と​述べ​て​い​ます。(ミカ 5:5)だれ​の​こと​です​か。会衆​の​長老​たち​です。(ペテ​一 5:2)今日,エホバ​は​確か​に,ご自分​の​貴重​な​羊​を​牧する​ため,また​現代​の“アッシリア​人”に​よる​将来​の​攻撃​に​備え​て​民​を​強める​ため,非常​に​大勢​の​霊的​な​男子​を​与え​て​ください​まし​た。 * ミカ​の​預言​は,彼ら​が「剣​を​もっ​て​アッシリア​の​地​を……牧する」と​述べ​て​い​ます。(ミカ 5:6)そう​です,彼ら​の「戦い​の​武器」の​うち​に​は,「霊​の​剣」で​ある​神​の​言葉​が​ある​の​です。―コリ​二 10:4。エフェ 6:17

17. これ​まで​考慮​し​た​内容​から,長老​たち​は​どんな​四つ​の​結論​を​導き出す​こと​が​でき​ます​か。

17 この​記事​を​読ん​で​いる​長老​の​皆さん​は,これ​まで​考慮​し​た​内容​から​次​の​よう​な​有益​な​結論​を​導き出す​こと​が​でき​ます。(1)来たる​べき“アッシリア​人”に​よる​攻撃​に​備える​ため​の​最も​実際​的​な​方法​は,神​に​対する​自分​の​信仰​を​強め,仲間​の​兄弟​たち​も​そう​する​よう​に​助ける​こと​で​ある。(2)“アッシリア​人”が​攻撃​を​しかけ​て​くる​時,長老​たち​は,エホバ​に​よる​救出​を​心​から​確信​し​て​い​なけれ​ば​なら​ない。(3)その​攻撃​の​際,エホバ​の​組織​から​与え​られる​指示​は,奇妙​で​異例​な​もの​に​思える​か​も​しれ​ない。しかし,わたしたち​は​皆,同意​できる​か​どう​か​に​かかわら​ず,どんな​指示​に​も​すぐ​に​従う​べき​で​ある。それら​の​指示​に​従う​こと​は​命​を​意味​する​から​で​ある。(4)世俗​の​教育,物質​的​な​もの,人間​製​の​機関​に​信頼​を​置い​て​いる​人​が​いる​なら,今​こそ,自分​の​考え方​を​調整​す​べき​で​ある。長老​たち​は,信仰​が​揺らい​で​いる​人​が​いる​なら,すぐ​に​助け​を​与える​態勢​を​整え​て​い​なけれ​ば​なら​ない。

18. この​記事​の​研究​から,将来​に​どんな​益​が​得​られる​と​思い​ます​か。

18 ヒゼキヤ​の​時代​に​エルサレム​に​閉じ込め​られ​た​ユダヤ​人​たち​と​全く​同じ​よう​に,現代​の​神​の​僕​たち​も,弱く​見える​時​が​来​ます。その​時​わたしたち​は​皆,ヒゼキヤ​の​言葉​から​力​を​得​たい​もの​です。ぜひ​次​の​こと​を​思い起こし​ましょ​う。敵​と​共​に​いる​の​は「肉​の​腕」ですが,「わたしたち​と​共​に​いる​の​は,わたしたち​を​助け,わたしたち​の​戦い​を​戦っ​て​くださる,わたしたち​の​神​エホバ」な​の​です!―代​二 32:8

^ 4節 イザヤ 7​章​14​節​で「乙女」と​訳さ​れ​て​いる​ヘブライ​語​は,結婚​し​て​いる​女性​に​も​処女​に​も​用い​られ​ます。ですから​この​語​は,イザヤ​の​妻​に​も​ユダヤ​人​の​処女​マリア​に​も​当てはまり​ます。

^ 16節 聖書​の​中​で​7​と​いう​数字​は​しばしば​全体​性​を​表わし​ます。8​と​いう​数字(7​より​一つ​多い​数)は,非常​に​多い​こと,あるいは​豊か​さ​を​表わす​場合​が​あり​ます。