贈収賄 ― なくならないのはなぜか
「人が人を支配してこれに害を及ぼした」。―伝道の書 8:9。
上の言葉は,人間による支配の歴史をうまく言い表わしています。その支配のせいで,計り知れない苦しみや不幸が生じてきました。どの時代にも善意の人々がいて,より公正な社会を作ろうとしましたが,その努力はいつも貪欲や“腐敗”に妨げられてきたのです。どうしてでしょうか。贈収賄がなくならないのはなぜでしょうか。基本的には,以下の三つの有害な影響力が作用しているからです。
1. 罪の影響力。
2. この邪悪な世の影響力。
この世の特徴は,貪欲と利己主義です。そのような環境の中では,他の人と異なる生き方をするのは難しいと思う人もいます。そういう人は,利己的な野心に駆り立てられて,権力欲を抱くようになります。また,より多くのお金や所有物を,それも実際に必要とする以上のものを渇望します。残念なことに,そうした目標を達成するためなら不正直なこともいといません。有害な影響力に抵抗するどころか,「よこしまな事柄のために群衆に従って」行くのです。―出エジプト記 23:2。
3. 悪魔サタンの影響力。
反逆した霊者であるサタンは,「人の住む全地を惑わして」います。(啓示 12:9)人間を操ることを喜びとしており,ずる賢くも人の,物質的な安楽や金銭的ゆとりのある生活を求めるという自然な欲求に付け込んで,不正直な行為をさせることがあります。
では,わたしたちはサタンの操り人形にすぎないのでしょうか。サタンが糸を引けばそれに従わざるを得ない,ということですか。その答えを次の記事で考えましょう。