贈収賄はなくなる!
「エホバを待ち望み,その道を守れ。……邪悪な者たちが断ち滅ぼされるとき,あなたはそれを見るであろう」。―詩編 37:34。
あなたも,多くの人と同じように,『贈収賄は避けられないし,根絶することなどできない』と思われますか。それも無理はありません。歴史を通じて人間は,ありとあらゆる政治形態を試してきましたが,汚職を根絶できた例はないからです。では,すべての人が互いに対して正直に振る舞う時代は来るのでしょうか。
うれしいことに,聖書は,『来る』と答えています。聖書によると,神は間もなくこの地上から“腐敗”を一掃されます。ご自分の王国,つまり天の政府によって,地上を完全に変革されるのです。イエスは,弟子たちにこの王国を祈り求めるように教え,“主の祈り”の中で,「御国がきますように。みこころが……地にも行なわれますように」と述べました。―マタイ 6:10,「口語訳」,日本聖書協会。
詩編 72:12-14)注目したいのは,イエスが,“腐敗”の犠牲者に同情し,その人たちを虐げから救い出す,という点です。そのことを考えると,慰められるのではないでしょうか。
聖書は,その王国の支配者であるイエス・キリストが,『助けを叫び求める貧しい者,また,苦しんでいる者や助け手のない者を救い出す。立場の低い者や貧しい者をふびんに思い,貧しい者たちの魂を救う。虐げと暴虐から彼らの魂を請け戻す』と予告しています。(神の王国は,そのような同情心に富む強力な支配者の手で,地上から“腐敗”を除き去ります。贈収賄の三つの原因を一掃することによって,そうするのです。
罪の影響力
今のところ,人は皆,罪に走る傾向と闘わなければなりません。その傾向によって利己的な振る舞いをしがちだからです。(ローマ 7:21-23)それでも,正しいことをしたいと思う善良な人はいます。そのような人のために神は,イエス・キリストの死によって罪を帳消しにすることにしてくださいました。 * (ヨハネ第一 1:7,9)そうした備えを信じて受け入れる人は,神のその最大の愛の表明から益を受けることができます。ヨハネ 3章16節に書かれているとおり,「神は世を深く愛してご自分の独り子を与え,だれでも彼に信仰を働かせる者が滅ぼされないで,永遠の命を持てるようにされた」のです。
神は,忠実な人々のために,本当に驚くべきことを行なわれます。来たるべき新しい世において罪の痕跡すべてを徐々にぬぐい去り,忠実な人を最終的には完全な状態へ,また義にかなった立場へと引き上げてくださるのです。(イザヤ 26:9。ペテロ第二 3:13)人が罪の影響力によって不正を行なう,ということはもうありません。神の王国の支配下で,忠実な人は「腐朽への奴隷状態から自由にされ」ます。―ローマ 8:20-22。
この邪悪な世の影響力
残念なことに,今日,多くの人は他の人を食い物にし,立場の低い人や貧しい人を利用したり,他の人にも不正を行なわせたりしています。聖書はそのような人たちに,「邪悪な者はその道を,害を加えようとする者はその考えを捨て(なさい)」と訓戒するとともに,本当に悔い改めるなら神は「豊かに許してくださる」,と約束しています。―イザヤ 55:7。
しかし,かたくなに改めようとしない場合,神はそれらの人を除き去られます。神の王国により,聖書の次の約束が実現します。「エホバを待ち望み,その道を守れ。そうすれば,……邪悪な者たちが断ち滅ぼされるとき,あなたはそれを見るであろう」。 * (詩編 37:34)邪悪で矯正不能な人々がいなくなるので,神を忠実に崇拝する人たちが“腐敗”の犠牲になることはもはやありません。
悪魔サタンの影響力
かたくなに罪を犯す者の筆頭が,悪魔サタンです。感謝すべきことに,エホバは間もなくサタンの活動を制限して,人間に影響を及ぼせないようにし,やがては完全に滅ぼされます。この邪悪な怪物が人々に不正を行なわせることは,二度となくなるのです。
確かに,贈収賄の原因すべてを神が除き去ってくださるというのは,夢のまた夢に思えるかもしれません。『神は本当に,そのような変化をもたらす手立てを持っているのか。もし持っているのなら,なぜこれまで変化をもたらさなかったのか』と考える人もいるでしょう。それらは良い質問であり,聖書には納得のゆく答えが載せられています。 * 近い将来,あらゆる“腐敗”が永久になくなる時について聖書がどんなことを教えているか,どうぞご自身で調べてみてください。
^ イエスの死の意義について詳しくは,エホバの証人の発行した「聖書は実際に何を教えていますか」という本の第5章をご覧ください。
^ エホバとは,聖書中に啓示されている神のお名前です。
^ 詳しくは,「聖書は実際に何を教えていますか」という本の第3章,第8章,第11章をご覧ください。