やられたらやり返かえすべきだと考かんがえる人ひともいますが，聖せい書しょにはこう書かかれています。「『やられた通とおりにやり返かえそう。仕し返かえししてやる』と言いってはならない」。（格かく言げん 24:29）聖せい書しょの教おしえを考かんがえると，仕し返かえしをしたいという気き持もちを抑おさえることができます。

この記き事じでは次つぎの点てんを取とり上あげます。

•  仕し返かえしが良よくないのはどうしてか

•  神かみはどのように人ひとを罰ばっするか

•  仕し返かえししたいという気き持もちをどうすれば抑おさえられるか

•  仕し返かえしについての誤ご解かい

 誰だれかから嫌いやなことを言いわれたり，ひどいことをされたりすると，腹はらが立たつのも当とう然ぜんです。「相あい手ても同おなじ目めに遭あわせたい」と思おもうかもしれません。しかし，聖せい書しょは仕し返かえしをすべきではないと教おしえています。どうしてでしょうか。

 私わたしたちが仕し返かえしをしようとすると，神かみは悲かなしみます。聖せい書しょの神かみエホバ aはこう言いっています。「復ふく讐しゅう（ふくしゅう）は私わたしがすることであり，私わたしが報ほう復ふくする」。（ローマ 12:19）聖せい書しょが勧すすめているのは，嫌いやなことをされてもやり返かえそうとせず，可か能のうな限かぎり平へい和わに問もん題だいを解かい決けつすることです。（ローマ 12:18）でも，そうできない場ば合あいや，そうしようと努ど力りょくしても問もん題だいが解かい決けつしない場ば合あいは，どうしたらいいでしょうか。聖せい書しょによると，エホバが全すべての悪あくを正ただしてくれるのを待まつのが賢けん明めいです。（詩し編へん 42:10，11）

 神かみは現げん在ざい，悪わるいことをした人ひとを処しょ罰ばつする権けん限げんを人にん間げんの政せい府ふに与あたえています。（ローマ 13:1-4）やがて神かみは，ひどいことをした人ひとたちが皆みなきちんと罰ばっせられるようにし，あらゆる苦くるしみを永えい遠えんになくします。（イザヤ 11:4）

•   衝しょう動どう的てきに行こう動どうしないようにする。（格かく言げん 17:27）怒いかりに任まかせて行こう動どうすると，後こう悔かいするようなことをしてしまいかねません。頭あたまを冷ひやしてよく考かんがえてから行こう動どうすると，たいてい良よい結けっ果かになります。（格かく言げん 29:11）

•   事じ実じつを確たしかめる。（格かく言げん 18:13）ひどいことをされたと感かんじたら，次つぎのように考かんがえてみるとよいでしょう。「相あい手てはどうしてあんなことをしたんだろう。何なにか私わたしが知しらない事じ情じょうがあるんだろうか。すごいストレスでいらいらしていたんだろうか。悪わる気ぎはなかったのかもしれない」。誰だれかから傷きずつけられたように思おもえたものの，わざとではなかった，ということもあります。

 誤ご解かい: 聖せい書しょは個こ人じん的てきに仕し返かえしをしてはいけないと言いっているので，暴ぼう力りょくを受うけたときに身みを守まもることもしてはいけない。

 事じ実じつ: 危き害がいを受うけそうなときには，自じ分ぶんの身みを守まもる権けん利りがあります。警けい察さつなどに助たすけを求もとめることもできます。しかし，聖せい書しょにある通とおり，争あらそうことは可か能のうな限かぎり避さけるべきです。（格かく言げん 17:14）