エホバは教育を大切にしています。エホバの組織はさまざまな学校を開き，兄弟姉妹が割り当てられた仕事を果たせるよう助けてきました。そうした学校の1つに，王国福音伝道者のための学校（SKE）があります。ここ数年，組織は学校のカリキュラムに加えて，施設にも力を注いできました。その主な目的は，学習環境をもっと良くすることです。そのために寄付はどのように役立っているでしょうか。

 何年もの間，こうした学校は王国会館や大会ホールで開かれてきました。でも近年は，学校のために多くの建物を改装したり，新たに施設を建設したりしています。その理由は3つあります。

 もっと多くの奉仕者が必要。統治体の奉仕委員会の援助者クリストファー･メイバーはこう言っています。「支部事務所は，各地でもっと多くの奉仕者が必要だと報告しています。例えば2019年，ブラジル支部によると，担当地域内で奉仕できるSKE卒業生が7600人ほど必要でした」。米国支部の報告によると，いろいろな分野でほかの人をトレーニングできる，資格ある開拓者がもっと必要です。例えば，特別な大都市公共エリア伝道，港湾伝道，刑事施設伝道などの分野です。さらに，支部設計建設部門や医療機関連絡委員会で働ける兄弟たちも必要です。SKEを卒業した兄弟姉妹はこうした分野で奉仕することができます。

 生徒数の増加。多くの支部が現在の入学定員を超える数の申込書を受けています。例えばブラジル支部は，わずか1年で2500通ほどのSKE申込書を受け取りました。でも，学校を開ける場所に限りがあったため，950人しか呼べませんでした。

 宿舎が必要。生徒たちが王国会館や大会ホールで開かれる学校に出席する場合，普通は地元の兄弟姉妹の家に寝泊まりします。これは，毎年数回しか開かれない場所ではうまくいっています。でも，学校が何回も開かれるような場所では，1年に何カ月もの間生徒たちを泊めることはできないかもしれません。それで，教室の近くにあって，勉強に打ち込めるような宿舎が必要です。

 1つの教室，教訓者や30人ほどの生徒の宿舎，その他の設備が整った施設には，場所などにもよりますが，数億円の費用がかかります。

 学校は普通，交通の便が良い，郊外の静かな場所に建てられます。理想的なのは，学校の運営や，建物と設備のメンテナンスに協力してくれる兄弟姉妹がたくさんいる地域です。

 施設には図書室や学習室があり，パソコンやプリンターなどが備わっています。ほとんどの場合，食堂もあり，そこで生徒と教訓者が一緒に食事できるようになっています。運動や気分転換をするためのスペースもあります。

 教室の設計は特に念入りに行っています。ニューヨーク州ウォーウィックにある国際設計建設部門で働くトロイはこう言っています。「神権学校部門の兄弟たちに相談して，勉強に集中しやすい教室を考えました。兄弟たちは教室の大きさやレイアウト，照明やオーディオ･ビデオの設備について役立つ指針を教えてくれました」。オーディオ設備についてハンガリーのSKEの教訓者であるゾルタンはこう言います。「最初の頃はマイクがなかったので，もっと大きな声で発言するよう生徒たちによくお願いしていました。でも今では，どの机にもマイクがあるのでとても助かっています」。

 教訓者や生徒たちは，こうして整備された施設のことをどう感じているでしょうか。米国フロリダ州パーム･コーストでSKEに出席したアンジェラはこう言っています。「とても静かで落ち着ける環境です。教室も個人の部屋もよく考えて作られているので，勉強に集中することができます」。ハンガリーで教訓者を務めているチャバは，生徒と一緒に食事をする時間を楽しんでいます。こう言います。「生徒たちは心を開いて自分の経験を話してくれるので，生徒たちのことをもっとよく知ることができます。これは生徒のニーズに合わせた授業を行うのに役立っています」。

 生徒も教訓者も，このような施設は「偉大な教師」エホバからの贈り物だと感じています。（イザヤ 30:20，21）フィリピンの姉妹は学校用に改装された施設でSKEに出席しました。こう言っています。「このように素晴らしい環境で勉強することができて，エホバからの特別なおもてなしを受けていると感じました。エホバは私たちに，楽しみながら聖書をじっくり学んでほしいと思っています」。

 皆さんの寄付のおかげで，学校施設の建設･改装･メンテナンスを行うことができています。寄付の多くはdonate.pr418.comから行われています。皆さんの惜しみない寄付に心から感謝いたします。