2020地区大会はこれまでとは全く違う大会でした。大会の内容が録画され，ネット配信されました。でも，マラウイとモザンビークの兄弟姉妹は別の方法で大会を楽しみました。どんな方法でしょうか。

 統治体の調整者委員会と教育委員会は，例外的にマラウイとモザンビークの兄弟姉妹のために，大会のプログラムをテレビやラジオで放送することを承認しました。どうしてでしょうか。マラウイはインターネットの接続料金が世界の中でも特に高く，ほとんどの兄弟姉妹はインターネットにアクセスできないからです。マラウイの支部委員ウィリアム･チュンビはこう言っています。「兄弟姉妹はテレビやラジオでしか大会のプログラムを視聴することができません」。別の支部委員ルカ･シベコもこう言っています。「もしテレビやラジオで視聴できなかったら，ほとんどの兄弟姉妹は大会を楽しめなかったと思います」。モザンビークでも同じような状況が見られます。兄弟姉妹は電子機器を手に入れる経済的な余裕がなく，インターネットにも接続できません。

 コロナ禍ですでに会衆の集会は幾つかのテレビ局やラジオ局で放送されていました。 a 兄弟たちは大会のプログラムを放送してもらえないか，放送局の人たちと交渉してみることにしました。

 マラウイの兄弟たちは交渉中に壁にぶつかりました。放送局では1つの番組の放送時間を1時間までと決めていて，それ以上になると視聴者が退屈してしまうと考えていました。それで兄弟たちは，エホバの証人の活動が地域社会にとってプラスになっていることを伝えました。また，コロナ禍でも聖書からのメッセージを伝えて，人々が社会のルールを守り，家族を大切にするよう助けていることも話しました。すると放送局は1時間以上放送することを認めてくれました。

 マラウイでは大会のプログラムが1つのテレビ局と1つのラジオ局で放送されました。どちらも全国放送で，何百万もの人たちが聞くことができました。モザンビークでは1つのテレビ局と85のラジオ局で放送されました。

 2つの国でテレビ放送にかかった費用は2万8227ドル（約299万2000円），ラジオ放送にかかった費用は2万ドル（約212万円）ほどでした。ラジオ局に支払った費用は，小さなラジオ局の場合は15ドル（約1600円），全国放送の場合は2777ドル（約29万4300円）と幅がありました。

 兄弟たちは寄付を有効活用するために努力しました。マラウイでは放送料金を割り引いてもらうための交渉が行われ，ある放送局では30パーセントも割り引いてくれました。こうした努力の結果，合計で1711ドル（約18万1400円）もの節約になりました。モザンビークでも，エホバの証人がきちんと支払いをすることで知られていたので，快く割り引いてくれた放送局がありました。

 兄弟姉妹はテレビやラジオで大会のプログラムを視聴できたことをとても喜んでいます。マラウイの長老パトリックはこう言います。「統治体の兄弟たちが，コロナ禍でもこうした形で大会を楽しめるように調整してくださったことを心から感謝しています」。マラウイのアイザックもこう言います。「私たちにはラジオしかなかったので，ラジオを通して大会を楽しめて，エホバの組織にとても感謝しています。おかげで，家族みんなで大会を楽しむことができました。エホバの愛をとても感じました」。

 モザンビークの1人の伝道者は2020年に初めて地区大会に出席しました。こう語っています。「地区大会をテレビで見て，エホバってすごい，エホバにできないことなんて何もないんだって思いました。コロナの中でも信仰を強める食物がちゃんと届き，しかもそれを自分の家で楽しめました。エホバの組織は本当に愛があると思います。この宗教は本物です」。

 長老のワイソンはこう言います。「忠実な奴隷がコロナ禍でも私たちのことを考えていてくれて，本当に感謝です。大会のプログラムがラジオとテレビで放送されたので，貧しい国に住む私たちも視聴してたくさん学ぶことができました」。

 調整者委員会と教育委員会は，2021地区大会のプログラムも幾つかの国のテレビやラジオで放送することを承認しました。大会を放送する費用はどのように賄われているのでしょうか。世界的な活動への寄付によって賄われています。寄付はdonate.pr418.comに載せられているいろいろな方法で行うことができます。皆さんの惜しみない寄付に心から感謝しています。