第​15​章

骨折りによって良いことを見る

骨折りによって良いことを見る

『人​は​みな,その​すべて​の​骨折り​に​よっ​て​良い​こと​を​見る​べき​で​ある』。―伝道​の​書 3:13

1‐3 (イ)多く​の​人​は​自分​の​仕事​に​つい​て​どう​感じ​て​い​ます​か。(ロ)聖書​は​仕事​に​つい​て​どんな​見方​を​持つ​よう​促し​て​い​ます​か。この​章​で​は​どんな​点​を​考え​ます​か。

現代​の​多く​の​人​に​とっ​て,仕事​は​楽しみ​で​は​あり​ませ​ん。好き​で​も​ない​仕事​を​長​時間​行なわ​なけれ​ば​なら​ない​の​で​仕事​に​行く​の​が​毎日​嫌​で​たまら​ない,と​いう​人​も​い​ます。そう​感じ​て​いる​人​が​自分​の​仕事​に​興味​を​抱き,満足​を​も​見いだす​に​は,どう​すれ​ば​よい​でしょ​う​か。

2 聖書​は,勤勉​に​働く​こと​に​つい​て​積極​的​な​見方​を​持つ​よう​促し​て​い​ます。そして,仕事​と​その​成果​は​祝福​で​ある,と​述べ​て​い​ます。『人​は​みな,食べ,まさしく​飲み,その​すべて​の​骨折り​に​よっ​て​良い​こと​を​見る​べき​で​ある。それ​は​神​の​賜物​な​の​で​ある』と,ソロモン​は​書い​て​い​ます。(伝道​の​書 3:13)わたしたち​を​愛し,わたしたち​の​最善​の​益​を​常​に​心​に​かけ​て​くださっ​て​いる​エホバ​は,わたしたち​が​自分​の​仕事​に​満足​を​見いだし,勤労​の​実​を​楽しむ​こと​を​願っ​て​おら​れ​ます。エホバ​の​愛​の​うち​に​とどまる​に​は,仕事​に​関し​て​エホバ​の​見方​と​原則​に​沿っ​た​生き方​を​する​必要​が​あり​ます。―伝道​の​書 2:24; 5:18

3 この​章​で​は,以下​の​四つ​の​点​を​考え​ます。骨折り​に​よっ​て​良い​こと​を​見る​に​は​どう​すれ​ば​よい​か,どんな​仕事​は​真​の​クリスチャン​に​ふさわしく​ない​か,世俗​の​仕事​と​霊的​な​活動​の​平衡​を​どの​よう​に​取る​か,わたしたち​の​行なえる​最も​重要​な​仕事​は​何​か,と​いう​点​です。と​は​いえ,まず,働き手​と​し​て​宇宙​で​最も​偉大​な​お二方,エホバ​神​と​イエス​・​キリスト​の​手本​に​つい​て​調べ​て​み​ましょ​う。

至高​の​働き手​と​優れ​た​働き手

4,5 エホバ​が​生産​的​に​働か​れる​こと​を,聖書​は​どの​よう​に​示し​て​い​ます​か。

4 エホバ​は​至高​の​働き手​です。創世記 1​章​1​節​に​は​こう​あり​ます。「初め​に​神​は​天​と​地​を​創造​さ​れ​た」。神​は,地球​に​かかわる​創造​の​業​を​完了​し​た​時,その​結果​に​つい​て『非常​に​良い』と​宣言​なさい​まし​た。(創世記 1:31)地球​に​関する​ご自分​の​仕事​すべて​に​深い​満足​を​覚え​て​おら​れ​た​の​です。「幸福​な​神」エホバ​は,生産​的​に​働く​こと​に​大きな​喜び​を​感じ​て​おら​れ​た​に​違いあり​ませ​ん。―テモテ​第​一 1:11

5 勤勉​な​神​で​ある​エホバ​は​働く​こと​を​やめ​たり​は​なさい​ませ​ん。地球​に​関する​物質​的​な​創造​の​業​が​完了​し​て​から​長い​期間​を​経​た​後,イエス​は,「わたし​の​父​は​ずっ​と​今​まで​働い​て​こら​れ​まし​た」と​述べ​まし​た。(ヨハネ 5:17)み父​は​何​を​行なっ​て​こら​れ​た​の​でしょ​う​か。天​の​領域​から​人間​を​導き​世話​する​点​で​多く​の​こと​を​行なっ​て​こら​れ​まし​た。イエス​と​共​に​天​で​支配​する​こと​に​なる​クリスチャン​たち​を,「新しい​創造​物」と​し​て​霊​に​よっ​て​生み出し​て​こら​れ​まし​た。(コリント​第​二 5:17)そして,人間​に​関する​ご自分​の​目的,つまり​神​を​愛する​人​たち​に​新しい​世​で​永遠​の​命​を​与える​と​いう​目的​の​達成​に​向け​て​働い​て​こら​れ​まし​た。(ローマ 6:23)エホバ​は,この​仕事​の​結果​を​大いに​喜ん​で​おら​れる​に​違いあり​ませ​ん。無数​の​人々​が​王国​の​音信​に​こたえ応じ​て​き​た​の​です。その​人​たち​は,神​に​よっ​て​引き寄せ​られ,神​の​愛​の​うち​に​とどまれる​よう​生活​を​調整​し​て​き​まし​た。―ヨハネ 6:44

6,7 イエス​は,長き​に​わたっ​て​どんな​勤勉​な​働き​を​し​て​おら​れ​ます​か。

6 イエス​も,長き​に​わたっ​て​勤勉​に​働い​て​おら​れ​ます。人間​と​なる​前​に​は,「優れ​た​働き手」と​し​て​神​に​仕え,『天​と​地​に​おける』すべて​の​もの​の​創造​に​携わり​まし​た。(箴言 8:22‐31。コロサイ 1:15‐17)地上​に​い​た​時​も​勤勉​に​働き​まし​た。若い​ころ​に​建築​関係​の​技能​を​身​に​着け,「大工」と​し​て​知ら​れる​よう​に​なり​まし​た。 *マルコ 6:3)この​職業​に​は,力​仕事​と​様々​な​技術​が​求め​られ​ます。製材​所​も​資材​店​も​電動​工具​も​なかっ​た​時代​で​あれ​ば​なおさら​です。イエス​が​どの​よう​に​し​て​材木​を​手​に​入れ​た​か,想像​し​て​み​て​ください。自分​で​木​を​切り倒し​て​仕事​場​まで​運ん​だ​か​も​しれ​ませ​ん。イエス​が​家​を​建て​て​いる​様子​が​思い浮かび​ます​か。屋根​の​梁​を​こしらえ​て​取り付け,ドア​を​作り​ます。家具​も​製作​する​か​も​しれ​ませ​ん。技術​を​生かし​て​勤勉​に​働く​こと​から​得​られる​満足​を,イエス​は​身​を​もっ​て​知っ​て​おら​れ​た​に​違いあり​ませ​ん。

7 イエス​は,宣教​奉仕​に​おい​て​まさに​骨身​を​惜しま​ず​に​働き​まし​た。3​年​半​に​わたっ​て,その​極めて​重要​な​仕事​に​ひたすら​携わり​まし​た。できる​だけ​多く​の​人​に​宣べ伝える​ため,一日​を​フル​に​活用​し,朝早く​起き​て​夜遅く​まで​働き​まし​た。(ルカ 21:37,38。ヨハネ 3:2)『都市​から​都市,村​から​村​へ​と​旅​を​し,神​の​王国​の​良い​たより​を​宣べ伝え​また​宣明​し​まし​た』。(ルカ 8:1)ほこり​っぽい​道​を​何百​キロ​も​歩い​て,良い​たより​の​音信​を​伝え​た​の​です。

8,9 イエス​は​どの​よう​に,骨折り​に​よっ​て​良い​こと​を​見​まし​た​か。

8 イエス​は,宣教​奉仕​に​おける​骨折り​に​よっ​て​良い​こと​を​見​た​でしょ​う​か。確か​に​見​まし​た。イエス​は​王国​の​真理​と​いう​種​を​まき,熟し​て​収穫​を​待つ​畑​を​後​に​残し​まし​た。神​の​業​を​行なう​こと​から​大きな​力​を​得​て​い​た​の​で,その​仕事​を​果たす​ため​に​喜ん​で​食事​を​後回し​に​し​まし​た。(ヨハネ 4:31‐38)地上​で​の​宣教​活動​の​終わり​に​み父​に​事実​どおり​の​次​の​よう​な​報告​が​でき​た​時,イエス​が​どれ​ほど​の​満足​を​覚え​た​か,考え​て​み​て​ください。「わたし​は,わたし​に​させる​ため​に​与え​て​くださっ​た​業​を​なし​終え​て,地上​で​あなた​の​栄光​を​表わし​まし​た」。―ヨハネ 17:4

9 この​よう​に​エホバ​と​イエス​は,骨折り​に​よっ​て​良い​こと​を​見る​と​いう​点​で​の​最も​すばらしい​手本​です。わたしたち​は​エホバ​を​愛し​て​いる​ゆえ​に,「神​を​見倣う​者」に​なり​たい​と​思っ​て​い​ます。(エフェソス 5:1)イエス​を​愛し​て​いる​ゆえ​に,「その​歩み​に​しっかり​付い​て」行き​たい​と​願っ​て​い​ます。(ペテロ​第​一 2:21)では,わたしたち​も​骨折り​に​よっ​て​良い​こと​を​見る​に​は​どう​すれ​ば​よい​か,考え​て​み​ましょ​う。

骨折り​に​よっ​て​良い​こと​を​見る​に​は

聖書​の​原則​を​適用​する​こと​は,骨折り​に​よっ​て​良い​こと​を​見る​助け​と​なる

10,11 どう​すれ​ば​仕事​に​対する​積極​的​な​態度​を​培え​ます​か。

10 真​の​クリスチャン​の​生活​に​は,世俗​の​仕事​が​含ま​れ​ます。わたしたち​は​仕事​の​面​で​も​満足​や​ある​程度​の​充実​感​を​得​たい​と​思っ​て​い​ます​が,それ​が​非常​に​難しい​場合​が​あり​ます。行なっ​て​いる​世俗​の​仕事​が​自分​の​好み​に​合わ​ない​場合​が​そう​です。そう​し​た​状況​で​仕事​に​よっ​て​良い​こと​を​見る​ため​に​何​が​できる​でしょ​う​か。

11 積極​的​な​態度​を​培う。状況​は​変え​られ​ない​と​し​て​も,自分​の​態度​は​変え​られ​ます。神​の​見方​を​黙想​する​と,仕事​に​対する​積極​的​な​態度​を​培え​ます。例えば,家族​の​頭​で​ある​なら,自分​の​仕事​が​どんな​に​つまら​ない​もの​に​思える​と​し​て​も,その​仕事​に​よっ​て​家族​に​物質​的​な​必要​物​を​備える​こと​が​でき​て​いる​と​いう​事実​を​じっくり​考え​ましょ​う。愛する​家族​を​その​よう​に​し​て​養っ​て​いる​こと​は,神​から​見​て​小さな​こと​で​は​あり​ませ​ん。神​の​言葉​に​よれ​ば,自分​の​家族​に​必要​な​物​を​備え​ない​人​は「エホバ​を​否認​し​た​人​より​悪い」の​です。(テモテ​第​一 5:8; 脚注)仕事​は​目的​の​ため​の​手段​で​ある,つまり​神​から​与え​られ​た​責任​を​果たす​ため​の​もの​で​ある​と​いう​意識​を​持つ​と,仕事​に​関し​て,同僚​に​は​ない​よう​な​達成​感​と​意欲​を​幾らか​抱ける​でしょ​う。

12 仕事​の​面​で​骨惜しみ​せ​ず,正直​で​ある​こと​は,どの​よう​に​報わ​れ​ます​か。

12 骨惜しみ​せ​ず,正直​で​ある​よう​に​する。勤勉​に​働き,仕事​の​技術​を​向上​さ​せ​て​ゆく​こと​は,祝福​に​つながり​ます。骨惜しみ​し​ない​熟練​し​た​労働​者​は,多く​の​場合,雇い主​から​高く​評価​さ​れ​ます。(箴言 12:24; 22:29)真​の​クリスチャン​で​ある​わたしたち​は,仕事​の​面​で,正直​で​も​ある​べき​です。雇い主​から​金銭​や​物品​や​時間​を​盗む​よう​な​こと​は​し​ませ​ん。(エフェソス 4:28)前​の​章​で​見​た​とおり,正直​さ​は​報わ​れ​ます。正直​だ​と​いう​評判​の​ある​従業​員​は​たいてい​信頼​さ​れ​ます。そして​わたしたち​は,勤勉​な​労働​者​と​し​て​雇い主​の​目​に​留まる​か​どう​か​に​かかわり​なく,「正直​な​良心」を​抱い​て​いる​ゆえ​に,また​愛する​神​を​喜ばせ​て​いる​と​自覚​し​て​いる​ゆえ​に,満足​感​を​得る​こと​が​でき​ます。―ヘブライ 13:18。コロサイ 3:22‐24

13 職場​で​の​模範​的​な​行状​は​どんな​結果​を​生む​か​も​しれ​ませ​ん​か。

13 自分​の​行状​が​神​の​栄光​と​なり​得る​と​いう​意識​を​持つ。職場​で​クリスチャン​と​し​て​の​高い​行動​規準​を​保つ​なら,それ​は​他​の​人​の​目​に​留まる​でしょ​う。その​結果,どう​なり​ます​か。「わたしたち​の​救い主​なる​神​の​教え​を​飾る」こと​に​なる​でしょ​う。(テトス 2:9,10)わたしたち​の​りっぱ​な​行状​に​よっ​て,他​の​人​は​わたしたち​の​行なっ​て​いる​崇拝​の​麗しさ​に​気づき,魅力​を​感じる​か​も​しれ​ない​の​です。職場​で​の​あなた​の​模範​的​な​行状​の​ゆえに​同僚​が​真理​に​関心​を​持つ​なら,どんな​に​素晴らしい​でしょ​う。そして​何​より​も​重要​な​点​と​し​て,自分​の​りっぱ​な​行状​が​エホバ​の​栄光​と​なり​エホバ​の​心​を​歓ばせ​て​いる,と​いう​自覚​を​得る​こと​が​でき​ます。それ​に​勝る​報い​が​ある​でしょ​う​か。―箴言 27:11。ペテロ​第​一 2:12

仕事​を​選ぶ​際​に​識別​力​を​働か​せる

14‐16 職業​に​関し​て​決定​を​下さ​なけれ​ば​なら​ない​とき,どんな​重要​な​点​を​考える​必要​が​あり​ます​か。

14 聖書​は​世俗​の​仕事​に​関し​て,何​が​許容​さ​れる​か​され​ない​か​を​事細か​に​述べ​て​は​い​ませ​ん。だから​と​いっ​て,どんな​こと​が​関係​する​職業​も​すべて​許容​さ​れる,と​考え​て​よい​わけ​で​は​あり​ませ​ん。神​を​不快​に​させる​職業​を​避け​つつ,神​を​喜ばせる​生産​的​で​真っ当​な​仕事​を​選ぶ​点​で,聖書​は​助け​に​なり​ます。(箴言 2:6)職業​に​関し​て​決定​を​下さ​なけれ​ば​なら​ない​とき​に​は,二つ​の​重要​な​点​を​考える​べき​です。

15 その​仕事​を​行なう​こと​自体​が,聖書​で​非​と​され​て​いる​行為​に​なる​か。神​の​言葉​は,盗む​こと,偽る​こと,偶像​を​作る​こと​を​はっきり​非​と​し​て​い​ます。(出エジプト​記 20:4。使徒 15:29。エフェソス 4:28。啓示 21:8)そう​し​た​こと​が​求め​られる​職業​を,わたしたち​は​退け​ます。エホバ​を​愛し​て​いる​ゆえ​に,神​の​命令​に​背く​行ない​を​する​こと​に​なる​仕事​を​受け入れ​たり​は​し​ない​の​です。―ヨハネ​第​一 5:3

16 この​仕事​を​する​と​明らか​に,間違っ​た​行ない​に​加担​し​たり,それ​を​助長​し​たり​する​こと​に​なる​か。例​で​考え​て​み​ましょ​う。受付​と​し​て​働く​こと​自体​は​間違っ​た​こと​で​は​あり​ませ​ん。では,中絶​専門​医院​で​の​受付​の​仕事​を​紹介​さ​れ​たら,クリスチャン​は​どう​し​ます​か。中絶​処置​そのもの​を​手伝う​こと​を​求め​られ​たり​は​し​ない​でしょ​う。と​は​いえ,そこ​で​の​仕事​に​就く​こと​は,中絶​と​いう​神​の​言葉​に​反する​行ない​を​目的​と​する​医院​の​運営​を​支持​する​こと​に​なら​ない​でしょ​う​か。(出エジプト​記 21:22‐24)エホバ​を​愛する​わたしたち​は,非​聖書​的​な​行ない​と​密接​な​かかわり​を​持ち​たく​は​あり​ませ​ん。

17 (イ)職業​に​関する​決定​を​下す​とき,どんな​要素​を​考量​する​こと​が​でき​ます​か。(「 この​仕事​を​し​て​も​よい​だろ​う​か」と​いう​囲み​を​ご覧​ください。)(ロ)どう​すれ​ば,良心​は​神​を​喜ばせる​決定​を​下す​助け​と​なり​ます​か。

17 職業​を​選ぶ​場合​に​は,15,16​節​で​取り上げ​た​二つ​の​重要​な​点​を​注意深く​検討​すれ​ば,たいてい​結論​を​出せる​でしょ​う。もっとも,職業​に​関する​決定​を​下す​とき​に​考量​す​べき​要素​は​ほか​に​も​あり​ます。 * 生じ​得る​状況​すべて​を​網羅​し​た​規則​を​忠実​な​奴隷​級​が​定め​て​くれる,と​期待​する​こと​は​でき​ませ​ん。だから​こそ,わたしたち​に​は​識別​力​が​必要​です。第​2​章で​学ん​だ​とおり,神​の​言葉​を​日々​の​生活​に​どの​よう​に​当てはめる​か​を​学ぶ​こと​に​より,自分​の​良心​を​教育​し​訓練​する​必要​が​ある​の​です。その​よう​に『使う​こと​に​よっ​て​知覚​力​を』訓練​する​なら,良心​は​神​を​喜ばせる​決定​を​下す​助け​と​なり,わたしたち​は​神​の​愛​の​うち​に​とどまれる​でしょ​う。―ヘブライ 5:14

仕事​に​関する​平衡​の​取れ​た​態度​を​保つ

18 霊的​な​平衡​を​保つ​の​が​容易​で​ない​の​は​なぜ​です​か。

18 「対処​し​にくい​危機​の​時代」で​ある​この「終わり​の​日」に​あっ​て,霊的​な​平衡​を​保つ​の​は​容易​な​こと​で​は​あり​ませ​ん。(テモテ​第​二 3:1)仕事​を​見つけ​て​それ​を​失わ​ない​よう​に​する​の​が​非常​に​難しい​場合​も​あり​ます。真​の​クリスチャン​で​ある​わたしたち​は,勤勉​に​働い​て​家族​を​養う​こと​の​重要​性​を​わきまえ​て​い​ます。と​は​いえ,注意​を​怠る​なら,職場​で​の​圧力​に​負け​たり,世​の​物質​主義​的​な​考え方​に​流さ​れ​たり​し​て,霊的​な​活動​が​妨げ​られ​て​しまう​か​も​しれ​ませ​ん。(テモテ​第​一 6:9,10)では,どの​よう​に​し​て「より​重要​な​事柄」を​見きわめ,平衡​を​保てる​か,考え​て​み​ましょ​う。―フィリピ 1:10

19 エホバ​は​全幅​の​信頼​に​値する​方​で​ある,と​言える​の​は​なぜ​です​か。その​よう​な​信頼​が​ある​なら​何​を​避け​られ​ます​か。

19 エホバ​に​全幅​の​信頼​を​置く。箴言 3:5,6)エホバ​は​その​よう​な​信頼​に​値する​方​で​は​ない​でしょ​う​か。何​と​言っ​て​も,わたしたち​を​顧み​て​くださっ​て​い​ます。(ペテロ​第​一 5:7)わたしたち​の​必要​を​わたしたち​より​も​よく​ご存じ​で​あり,その​手​は​決して​短く​あり​ませ​ん。(詩編 37:25)ですから,み言葉​の​次​の​よう​な​諭し​に​耳​を​傾ける​の​は​良い​こと​です。「あなた方​の​生活​態度​は​金銭​に​対する​愛​の​ない​もの​と​し​なさい。そして,今​ある​もの​で​満足​し​なさい。『わたし​は​決して​あなた​を​離れ​ず,決して​あなた​を​見捨て​ない』と[神​が]言っ​て​おら​れる​から​です」。(ヘブライ 13:5)生活​必需​品​を​備え​て​養う​力​を​神​は​持っ​て​おら​れる,と​いう​こと​を​証言​できる​全​時間​奉仕​者​は​大勢​い​ます。エホバ​が​顧み​て​くださる​こと​に​全幅​の​信頼​を​置く​なら,自分​の​家族​を​養える​だろ​う​か​と​過度​に​思い煩う​の​を​避け​られ​ます。(マタイ 6:25‐32)世俗​の​仕事​の​ゆえに​良い​たより​の​伝道​や​集会​の​出席​など​の​霊的​な​活動​を​なおざり​に​する​こと​は​ない​でしょ​う。―マタイ 24:14。ヘブライ 10:24,25

20 目​を​純一​に​保つ​と​は​どう​いう​意味​です​か。どう​すれ​ば​その​よう​な​見方​を​保て​ます​か。

20 目​を​純一​に​保つ。マタイ 6:22,23)純一​な​目​を​持つ​と​は,生活​を​複雑​に​し​ない​と​いう​意味​です。クリスチャン​の​純一​な​目​は,神​の​ご意志​を​行なう​と​いう​単一​の​目的​に​焦点​を​合わせ​て​い​ます。目​の​焦点​が​正しく​合っ​て​いる​人​は,高​収入​の​仕事​に​是​が​非​で​も​就こ​う​と​し​たり,凝っ​た​ライフスタイル​に​こだわっ​たり​は​し​ませ​ん。最新​で​最高​の​物​が​なけれ​ば​幸福​に​なれ​ない​と​宣伝​広告​が​信じ込ま​せ​よう​と​し​て​も,そう​し​た​物​を​際限なく​求める​生き方​に​陥っ​たり​は​し​ませ​ん。では,どう​すれ​ば​純一​な​目​を​保て​ます​か。不​必要​な​負債​を​背負い込ま​ない​よう​に​し​ましょ​う。あまり​に​多く​の​時間​や​注意​を​奪う​物​を​あれこれ​と​生活​に​持ち込ん​で​は​なり​ませ​ん。「命​を​支える​物​と​身​を​覆う​物」で​満足​する​よう​に​と​の​聖書​の​助言​に​従い​ましょ​う。(テモテ​第​一 6:8)生活​を​できる​限り​簡素​に​する​の​です。

21 優先​順位​を​設ける​必要​が​ある​の​は​なぜ​です​か。生活​に​おい​て​何​を​第​一​に​す​べき​です​か。

21 霊的​な​優先​順位​を​定め,それ​を​固守​する。できる​事​に​は​限界​が​ある​の​で,優先​順位​を​設ける​必要​が​あり​ます。そう​し​ない​なら,あまり​重要​で​ない​事柄​が​貴重​な​時間​を​奪い取り,より​重要​な​事柄​を​締め出し​て​しまい​ます。生活​に​おける​最​優先​事項​は​何​でしょ​う​か。この​世​の​多く​の​人​は,この​体制​で​富​を​もたらす​職業​に​就く​ため,高等​教育​に​非常​に​重き​を​置き​ます。しかし​イエス​は​追随​者​たち​に,『王国​を​いつも​第​一​に​求め​なさい』と​諭し​まし​た。(マタイ 6:33)ですから,真​の​クリスチャン​で​ある​わたしたち​は​神​の​王国​を​生活​で​第​一​に​し​ます。わたしたち​の​生き方,つまり​下す​選択,抱く​目標,力​を​注ぐ​活動​に​は,自分​が​物質​的​な​もの​や​世俗​の​事柄​より​王国​の​関心事​と​神​の​ご意志​を​重視​し​て​いる,と​いう​こと​が​表われ​て​いる​べき​です。

宣教​奉仕​を​勤勉​に​行なう

宣べ伝える​業​を​優先​する​こと​に​より,エホバ​へ​の​愛​を​示せる

22,23 (イ)真​の​クリスチャン​の​主要​な​業​は​何​です​か。自分​が​この​業​を​重視​し​て​いる​こと​を​どの​よう​に​示せ​ます​か。(「 あの​決定​から,喜び​と​充足​感​に​満ち​た​生活​が​始まり​まし​た」と​いう​囲み​を​ご覧​ください。)(ロ)世俗​の​仕事​に​関し​て,あなた​は​どんな​決意​を​抱い​て​い​ます​か。

22 わたしたち​は,終わり​の​時​が​すでに​かなり​経過​し​て​いる​こと​を​知っ​て​いる​の​で,真​の​クリスチャン​の​主要​な​業​に​注意​を​集中​し​続け​ます。宣べ伝え​て​弟子​を​作る​業​です。(マタイ 24:14; 28:19,20)手本​で​ある​イエス​の​よう​に,命​を​救う​この​業​に​ひたすら​携わり​たい,と​願っ​て​い​ます。自分​が​この​業​を​重視​し​て​いる​こと​を​どの​よう​に​示せ​ます​か。神​の​民​の​大​多数​は​会衆​の​伝道​者​と​し​て,宣べ伝える​業​に​おい​て​できる​限り​の​こと​を​心​を​こめ​て​行なっ​て​い​ます。事情​を​調整​し​て,開拓​者​や​宣教​者​と​し​て​奉仕​し​て​いる​人​も​い​ます。多く​の​親​は​霊的​な​目標​を​持つ​こと​の​大切​さ​を​意識​し​て​おり,全​時間​奉仕​を​目指す​よう​子ども​を​励まし​て​い​ます。熱心​な​王国​宣明​者​たち​は,宣教​奉仕​に​おける​骨折り​に​よっ​て​良い​こと​を​見​て​い​ます​か。確か​に​見​て​い​ます。魂​を​こめ​て​エホバ​に​仕える​こと​は,喜び​と​満足​と​数え切れない​祝福​を​もたらす​生き方​な​の​です。―箴言 10:22

23 わたしたち​の​多く​は,家族​を​物質​面​で​養う​ため​に​世俗​の​仕事​を​長​時間​行なわ​なけれ​ば​なり​ませ​ん。忘れ​ない​で​ください。エホバ​は,わたしたち​が骨折り​に​よっ​て​良い​こと​を​見るの​を​望ん​で​おら​れ​ます。わたしたち​は,自分​の​態度​と​行動​を​神​の​見方​と​原則​に​調和​さ​せる​なら,仕事​に​満足​を​見いだす​こと​が​でき​ます。と​は​いえ,世俗​の​仕事​の​ゆえに​主要​な​業​から​注意​を​そらさ​れ​たり​は​する​まい,と​いう​決意​を​抱き​ましょ​う。神​の​王国​の​良い​たより​を​宣明​する​業​を​優先​する​こと​に​よっ​て,エホバ​へ​の​愛​を​示し,エホバ​の​愛​の​うち​に​とどまる​こと​が​できる​の​です。

^ 6節 「大工」と​訳さ​れ​て​いる​ギリシャ​語​は,「家屋​や​家具,他​の​木​製品​など​を​作る​木材​関係​の​労働​者​を​指す​一般​的​な​言葉」と​みなさ​れ​て​い​ます。

^ 17節 職業​に​関し​て​考える​べき​要素​に​つい​て​詳しく​は,「ものみの塔」誌,1999​年​4​月​15​日​号,28‐30​ページ,ならび​に1982​年​10​月​15​日​号,26​ページを​ご覧​ください。