親たちの言葉

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家族のプロフィール

予定外の妊娠にどう向き合ったか

トム・ハンとヨンヒ・ハン

トム: 結婚して半年で妻のヨンヒが妊娠していることが分かりました。わたしは表向きは平静を装っていました。妻を安心させ,慰め,力になりたいと思ったのです。でも内心はパニックでした。

ヨンヒ: とてもショックで,怖くて仕方なく,ずっと泣いていました。母親になるのはまだ無理だと思いました。

トム: わたしも父親になる用意ができていないと感じました。でも,子どもを持つほかの人たちと話して,予定外の妊娠は意外と多いことを知りました。さらに,子育ての楽しさについてほかの親たちから聞いたことも役立ちました。恐れや不安が徐々に期待へと変わってゆきました。

ヨンヒ: 娘のアマンダが生まれると,新たな問題が起きました。娘は泣いてばかりいて,わたしは何週間も眠れませんでした。食欲もなくなり,疲れ果ててしまいました。初めは人に会うのも嫌でした。だからといって,家にこもっていても気持ちが晴れませんでした。それで赤ちゃんのいる新米のお母さんたちと時間を過ごすことにしました。それにより情報交換ができ,悩みを持っているのは自分だけではないことに気づきました。

トム: 家族の決まった予定を守るように努めました。妻もわたしもエホバの証人なので,伝道活動やクリスチャンの集会に欠かさず行くよう決意しました。さらに,子どもを持つと出費がかさみ,予想外の支出が必要なこともあります。それで収入の範囲内で生活し,負債を抱えないようにしました。負債はストレスを増やすからです。

ヨンヒ: 最初は,幼い娘を連れて伝道に行くことは実際的ではないように感じました。人の気を散らすこともあるからです。でも連れて行ってみると,赤ちゃんがいることでその場がなごみました。それを知ったので,きちんとその活動に参加し,娘についてもっと積極的な見方ができるようになりました。

トム: 子どもは「エホバからの相続物」,また「報い」でもあると,聖書は述べています。(詩編 127:3)この言葉から,子どもは貴重な贈り物であることを認識できました。財産を相続したら,賢く運用することも浪費することもできます。子どもの成長のどの段階も,その時期ならではのものであり,自分も娘の成長段階の一つ一つにかかわりたい,と思っています。その時は二度と戻ってこないからです。

ヨンヒ: 人生にはサプライズも付きものですが,予定外に子どもを持つというサプライズはそう悪くありません。アマンダは6歳になり,今はこの子のいない生活など考えられません。

[図版]

トム,ヨンヒ,娘のアマンダ